Airtableでガントチャートを引く|どのプランから使えて、何ができないか
Airtableでガントチャートを引こうとして最初に戸惑うのは、似た見た目の画面が2つあることです。ガントビューとタイムラインビューは、どちらも横に伸びる棒で日程を表しますが、設計思想が違い、できることも違います。さらに、どちらも無料プランには出てきません。この記事では、2026年9月時点で公式のヘルプセンターに書かれている内容だけを使って、工程表を引くために必要な条件と、引いた後に困りやすい箇所を順に整理します。
無料プランには工程表の画面が出てこない
まず条件から確かめます。ガントビューとタイムラインビューのヘルプ記事には、どちらも利用できるプランとして「すべての有料プラン」と明記されています。Freeプランには含まれません。
これは、無料で試してから判断したい人にとっては困る区切り方です。無料のまま作れるのは、表形式のグリッド、カレンダー、ギャラリー、カンバン、フォーム、リストまでです。日程を棒で見る画面だけが有料側に置かれています。工程を預かる立場の人が使いたい画面が、ちょうど有料の線の向こう側にあるということです。
ただし、新しくアカウントを作った直後の最初のワークスペースには、Teamプランの14日間の無料体験が自動的に付きます。この期間中はガントビューもタイムラインビューも使えます。工程表の使い勝手を判断したいなら、この14日を使うのが現実的な道です。なお、体験期間中に支払い方法を登録すると、その時点で自動的にTeamプランに切り替わって課金が始まると案内されています。工程表の使い勝手を見るだけの段階では、決済の情報は登録せずに進めてください。
似た画面としてもう1つ、インターフェース側にもタイムラインの表示があります。インターフェース作成機能そのものはすべてのプランで使えますが、その中のタイムラインの表示は有料プランのみ、とヘルプ記事に書かれています。どの経路から入っても、日程を棒で見る画面は有料です。
ガントビューとタイムラインビューは別物
2つの違いは、ヘルプセンターに明確に書かれています。ガントビューはガントチャートを念頭に設計されていて、作業を置き、作業どうしの依存関係を置いて、案件のクリティカルパスを見えるようにするためのものです。案件の最初から最後までのすべての段階を1本ずつ見る画面だと説明されています。
タイムラインビューはもっと柔軟で、どんなレコードの集まりでも時間軸に並べられます。表のどの項目でもグループにまとめて、スイムレーンと呼ばれる帯に分けて見せられます。
いちばん分かりやすい違いは、1本の帯が何を指すかです。ガントビューでは1本の帯が1件のレコードに対応します。タイムラインビューでは1本の帯がレコードの集まりに対応します。担当者ごと、案件ごと、工程ごとに束ねて全体の混み具合を見たいならタイムライン、作業の前後関係を1本ずつたどりたいならガント、という使い分けになります。
タイムラインビューが向いている用途として、ヘルプ記事は人の割り当て、チームをまたいだ作業の調整、先々の制作物の計画の3つを挙げています。工程表として線を引く用途はガントビュー側です。
作業とマイルストーンは、日付の入れ方で区別される
ガントビューでは、2種類のレコードを扱えます。作業(タスク)とマイルストーンです。この2つは、種類を選ぶ欄で切り替えるのではなく、日付の入り方で自動的に区別されます。
作業は、期間を持つ仕事を表します。開始日と終了日の両方が入っている必要があります。マイルストーンは、検査、締切、会議のような時点そのものを表します。こちらは終了日だけが入っていて、開始日が入っていない必要があります。
つまり、開始日を入れた瞬間にマイルストーンではなくなります。これを知らずに「念のため全部の行に開始日を入れておこう」とすると、マイルストーンが1つも表示されません。日付欄を空にしておくことに意味がある、という珍しい設計です。
もう1つ制約があります。マイルストーンは日付フィールドにのみ対応していて、日付を返す数式にはまだ対応していない、と明記されています。開始日に期間を足して終了日を出す数式を組んでいる表では、その計算結果をマイルストーンにできません。
マイルストーンは、ひし形と縦線でチャート上に描かれます。作業と同じように依存関係とレコードの色分けを持てます。使うには、ガントビューの設定で「マイルストーンを使う」をオンにする必要があります。左側のサイドバーにある追加ボタンからも作れて、その場合は開始日なし、終了日はチャートの現在のスクロール位置に基づいて、というレコードが自動で作られます。
なお、作業とマイルストーンは同じ表の中のレコードでなければなりません。別の表に切り出したマイルストーン一覧を、作業のガントチャートに重ねて表示することはできない、ということです。
依存関係は、自分の表を参照する項目で作る
ここがAirtableのガントチャートでいちばんつまずく箇所です。作業どうしを矢印でつなぐには、専用の「依存関係」という項目があるわけではありません。自分自身の表を参照するリンク項目を作る必要があります。
手順としては、既存の項目の右にある追加ボタンから「別のレコードへのリンク」を選び、リンク先としていま作業しているのと同じ表を選びます。ヘルプ記事はこれを自己参照のリンク項目と呼んでいます。他の表を参照するのではなく、自分の表を参照する、という点が重要です。
すでに後続や先行の情報を1行テキストなどで持っている場合は、その項目を自己参照のリンク項目に変換することもできる、と案内されています。手で作り直さなくても済みます。
矢印の向きには意味があります。矢印の根元にあるのが先に完了しなければならないレコード(先行)で、矢印の先にあるのが先行が終わってからでないと始められないレコード(後続)です。資料を作り終えてからでないと発表できない、という関係を矢印で表します。
先行と後続のどちらを入れる欄なのかを、最初に決める
自己参照のリンク項目を作ったら、ガントビューの設定に戻ります。そこに、作った項目が先行を入れる欄なのか、後続を入れる欄なのかを選ぶ設定があります。
この選択を間違えると、矢印が全部逆向きになります。1本ずつ直すことになるので、表を作る最初の段階でどちらにするかをチーム内で決めて、項目名にも書いておくべきです。「先行作業」「後続作業」のように、欄の名前で分かるようにしておけば、後から入力する人が迷いません。
設定を選んだ時点で、リンク項目にすでにレコードのリンクが入っていれば、ガントチャートに矢印が自動的に現れます。リンクがまだ入っていなければ矢印は出ませんが、依存関係の項目さえ設定してあれば、チャートの上で直接矢印を引けます。
チャート上での引き方も案内されています。レコードの上にマウスを重ねると白い丸が現れるので、それを別のレコードまでドラッグすると矢印ができます。作った矢印の情報は、設定した依存関係の項目にリンクとして書き込まれます。画面で引いた線が、そのままデータとして残るということです。
矢印が赤くなるのは2つの場合
依存関係の線が赤く表示されたら、その依存関係は成立していません。ヘルプ記事は原因を2つ挙げています。後続のレコードが、先行の作業よりも前に始まる予定になっている場合と、依存関係が輪になっている場合です。
前者は日程の矛盾です。資料の完成が20日なのに、発表が18日に置かれている、という状態です。後者はAが終わらないとBが始められず、Bが終わらないとCが始められず、Cが終わらないとAが始められない、という循環です。
この2つは、人の目で表を眺めていても見つかりません。工程表を引く価値の大半は、この矛盾を機械に見つけさせることにあります。線を引いた後は、赤い線が残っていないかを必ず確認してから共有すべきです。
前の作業をずらしても、後ろの日付が勝手には埋まらない
工程表の道具に期待されがちで、実際には期待どおりに動かない挙動が1つあります。ヘルプ記事のよくある質問に、先行作業の終了日を変えても、後続の開始日や終了日が空のままなら自動では埋まらない、と明記されています。
日付が調整されるのは、後続の日付にすでに値が入っている場合だけです。しかもその調整は、ありえない日程や重なった日程を直すためのもので、先の作業を前もって組むためのものではない、と説明されています。
言い換えると、この機能は矛盾の後始末をするものであって、計画を自動で立ててくれるものではありません。後続の日付を自動でずらしたいなら、あらかじめ後続にも仮の日付を入れておく必要があります。工程表を作るときの実務としては、まず全部の作業に仮の日付を置いてから依存関係をつなぐ、という順番になります。
土日を外す設定と、祝日の入れ方
タイムラインビューの日付設定には、表示する日を絞る機能があります。既定ではすべての暦日を表示しますが、「平日のみ(月曜から金曜)」を選ぶと土曜と日曜が軸から消えます。
さらに、この設定を選ぶと祝日を入力する欄が現れます。YYYY/MM/DDの形式でカンマ区切りの日付を手で入れるか、日付の選択画面から選びます。入れた日付は軸から取り除かれます。
ここは日本のチームには手間のかかる部分です。祝日の一覧が最初から入っているわけではないので、年始に16日前後の日付を手で入れる作業が発生します。年が変わるたびに同じ作業が必要です。工程表を引く担当者が交代すると、この作業が引き継がれずに祝日だけ設定が古くなる、という事故が起きやすい箇所でもあります。
祝日を入れるかどうかは、工程表の使い道で決まります。稼働日ベースで期間を計算して人の割り当てを見るなら入れるべきです。単に「この案件はいつからいつまで」を共有するだけなら、暦日のままでも困りません。
時間軸は10段階あり、目盛りの細かさも選べる
タイムラインビューの横軸で選べる範囲は、日、週、2週、月、四半期、6か月、年、2年、5年、10年の10段階です。案件の長さに合わせて切り替えます。
さらに、範囲によっては目盛りの細かさも選べます。2週なら日または週、月なら日か週か2週、四半期なら週か2週か月、6か月なら週か2週か月か四半期、年なら2週か月か四半期か6か月、2年なら四半期か6か月か年、5年なら四半期か6か月か年、10年なら6か月か年です。日と週の設定には、これ以上の分割の選択肢はありません。
画面右上の矢印ボタンで、選んでいる範囲の単位ごとに前後へ移動できます。「今日」のボタンを押すと本日の位置に飛び、本日は青い横線で示されます。
ビューを開いたときにどこを表示するかも決められます。位置の選択肢は、今日にいちばん近いレコード、今日、指定した日付の3つです。さらに「すべての訪問に適用」をオンにすると、設定した位置と範囲が毎回適用されます。オフのままだと、最初に開いたときだけ設定が効きます。共有する工程表なら、オンにしておいたほうが見る人の迷いが減ります。
年度の区切りを4月にする
四半期の区切りを組織の会計年度に合わせる設定もあります。「カスタム四半期を使う」をオンにすると、年度の開始日を指定できます。4月始まりの組織なら、ここで4月1日を指定すれば、四半期の区切りが表示と一致します。
年のずれを扱う設定も併せて用意されています。選択肢は、なしと1年先の2つです。4月始まりの年度を「2026年度」と呼ぶのか「2027年度」と呼ぶのかは組織によって違うので、呼び方に合わせて選びます。
細かい設定ですが、四半期で報告している組織では効きます。工程表の四半期の切れ目と、報告資料の四半期の切れ目がずれていると、見る人が毎回頭の中で変換することになります。
終了日が1日はみ出して見える理由
タイムラインビューでよくある質問に、棒が終了日を1日はみ出して見える、というものがあります。これは想定どおりの動作だと説明されています。
時刻を持たない日付の項目を使うと、終了日はその日を含むものとして扱われます。1月15日に終わる予定のものは、1月15日の丸一日分まで棒が伸びるので、見た目としては1月16日に届いて見えます。連続する予定が重なって見える原因はこれです。
対処法が2つ案内されています。1つめは、終了日から1日引いた数式の項目を作って、タイムラインではそちらを使う方法です。数式はDATEADDで終了日から1日を引く形になります。2つめは、日付だけの項目ではなく日時の項目を使う方法です。時刻まで指定すれば、棒の始まりと終わりを細かく制御できます。
なお、タイムラインビューは日付項目に付いている時刻を表示には使いません。開始日と終了日の両方に時刻が付いている場合、2つの項目は同じタイムゾーンに設定されている必要がある、とも書かれています。
棒をドラッグできないときに疑う4か所
日程を変えるために棒をつかもうとしても動かない、という状況の原因が4つ挙げられています。順に確かめれば、たいていどれかに当たります。
1つめは、日付の項目ではなく日付を返す数式の項目を使っている場合です。計算結果は直接書き換えられないので、ドラッグで日程を動かせません。
2つめは、その表が同期で取り込んだ表であり、元のレコードの編集が許可されていない場合です。別のベースから持ってきた表は、既定では読み取り専用です。
3つめは、日付の項目に編集を禁じる権限が設定されている場合です。誰でも日程を動かせると困る運用では、この設定が入っていることがあります。
4つめは、見た目の設定です。レコードの幅の設定が「拡張」になっていると、ドラッグで日程を変えられません。動かしたい場合は「正確」に切り替える必要がある、と案内されています。ここは知らないと永遠に気づけない箇所です。
ガントビューは印刷できない
工程表を紙で配ったり、PDFにして社外に出したりしたい場面は多いはずです。ここには制約があります。
Gantt views don't support direct printing. To create a printable version of a Gantt view, download it as a CSV or use the Page Designer extension. 出典: support.airtable.com
ガントビューは直接印刷できません。印刷用の形にするには、CSVとして書き出すか、Page Designerという拡張機能を使うことになります。CSVに落とせば日付の一覧は出せますが、線と矢印は出ません。
タイムラインビューはさらに厳しく、よくある質問に「タイムラインビューの印刷または書き出しには対応していません」と書かれています。画面で見るための機能である、という割り切りです。
なお、他のビューは印刷できます。ビューの名前の横にある矢印から印刷を選ぶ流れです。グリッドビューやカレンダービューを印刷して補う、という運用は取れます。
この制約は、工程表を社外の関係者に見せる必要があるチームには効きます。定例の場に紙を持ち込む文化が残っている現場なら、契約の前に確かめておくべき箇所です。
ビューが20を超えると、新しいビューが個人用になる
工程表を引き始めると、案件ごとに条件を変えたビューが増えていきます。ここに1つ、知らないと混乱する挙動があります。
ヘルプ記事に、1つの表の中のビューが20を超えると、新しく作ったビューや複製したビューが、共有のビューではなく個人用のビューとして自動的に作られる、と書かれています。後から種類を変えることはできます。
個人用のビューは、作った本人にしか見えません。工程表を引き直して「共有しました」と言ったのに、他の人の画面には出てこない、という事故がここで起きます。20を超えたあたりから、新しく作ったビューが共有になっているかを毎回確かめる癖が要ります。
関連して、個人用のビューは有料プランのみの機能です。有料から無料にプランを下げると、新しい個人用ビューは作れなくなり、新規のビューは共有のビューとして作られるようになります。
もう2つ、覚えておく価値のある挙動があります。共有のビューを個人用に変えると、元の共有ビューは残りません。残しておきたいなら先に複製すべきだと案内されています。また、表の中で唯一のビューを個人用にすることはできません。どの表にも、全員がアクセスできる共有のグリッドビューが最低1つ必要だからです。
誰が引けて、誰が動かせるのか
権限の区分も確認しておきます。ガントビューとタイムラインビューのヘルプ記事に共通で書かれている内容です。
所有者と作成可の権限を持つ人は、ビューの作成、削除、変更、ロックと解除、印刷ができます。編集可の人は、作成、削除、変更、印刷ができますが、ロックはできません。コメント可の人は、自分の個人用ビューに対してのみ作成、削除、変更ができます。
ロックは効きます。工程表のビューは、条件と並び順と色分けを組み合わせて作るので、誰かが何気なく並び替えただけで見え方が変わります。作成可の権限を持つ人がビューをロックしておけば、解除されるまで設定は変わりません。
対応している環境も書かれています。ウェブブラウザ、Mac用アプリ、Windows用アプリ、そしてiOSとAndroidのモバイルアプリでは一部の基本的な機能のみ、とされています。現場から工程を更新する運用を考えているなら、スマートフォンでどこまで触れるかを体験期間中に必ず確かめるべきです。
帯にまとめると、人の混み具合が見える
タイムラインビューのいちばんの特徴として挙げられているのが、レコードを帯にまとめる機能です。ヘルプ記事では、表のどの項目でもグループにして、視覚的に区切られた行にできると説明されています。この行をスイムレーンと呼びます。
担当者でまとめれば、誰にいつ仕事が集中しているかが1画面で見えます。工程でまとめれば、どの段階が混んでいるかが見えます。案件でまとめれば、複数の案件の重なりが見えます。
工程を預かる立場から見ると、この使い方はガントチャートより先に効くことが多いはずです。依存関係を丁寧に引くのは時間がかかりますが、担当者でまとめて眺めるだけなら、日付を入れた時点で成立します。まず担当者ごとの帯で全体の偏りを見て、そのうえで前後関係が問題になる案件だけガントビューで詰める、という順番が現実的です。
レコードの見た目も調整できます。どの項目をカードに表示するか、どう並べるかを選べます。画像を出すこともでき、その場合は表に添付ファイルの項目があることが条件です。設定の中から画像に使う項目を選び、切り抜きと全体表示のどちらが見やすいかを切り替えられます。
工程表を引く前に決めておく3つのこと
ここまでの制約を踏まえて、線を引き始める前に決めておくべきことを整理します。この3つを後回しにすると、必ず作り直しになります。
1つめは、日付の項目をいくつ持つかです。開始日と終了日の2つを持つのか、終了日だけを持つのか。マイルストーンを使うなら、開始日が空のレコードが混ざることになります。同じ表の中で、期間を持つ作業と時点だけのマイルストーンが共存する前提で項目を設計します。また、タイムラインビューでは開始日と終了日に同じ項目を指定することはできない、と明記されています。2つの別々の項目が必要です。
2つめは、前後関係を持つかどうかです。持つなら自己参照のリンク項目を1つ用意し、それが先行を入れる欄なのか後続を入れる欄なのかを決めて、項目名にも書いておきます。持たないなら、この項目は作らないほうが表がすっきりします。全部の作業に前後関係があるわけではないので、必要な案件だけに使う判断もあります。
3つめは、誰が日程を動かせるかです。編集可の人は誰でもビューを作り変えられます。定例で使うビューは、作成可の権限を持つ人がロックしておくべきです。日付の項目そのものに編集を禁じる権限をかける方法もありますが、その場合は棒をドラッグして動かせなくなる点に注意が要ります。
この3つを最初の30分で決めておけば、後から表の構造を作り直す手間が消えます。
4点を確かめてから工程表を預ける
工程表は、一度引いたら数か月から数年そこに置き続けるものです。道具を選ぶときに料金だけを見ても足りません。終了の予定、新規受付の停止、運営会社の変更、料金改定の4点を確かめる価値があります。
工程表の機能に絞って、Airtableの公開資料を当たった結果を書きます。ガントビューとタイムラインビューそのものについては、終了の予告も新規受付の停止も、ヘルプセンターの記事からは読み取れませんでした。どちらの記事も更新日が新しく、書かれている設定項目も現在の画面と一致しています。開発者向けの廃止一覧を見ると、過去に廃止されたのはAPIや監査ログといった裏側の仕組みで、画面の機能が予告なく消えた形跡は見当たりません。事前に知らせる期間も決められており、Web APIとEnterprise APIは12か月、拡張機能のSDKは6か月とされています。運営の主体は、利用規約に記された通りFormagrid Inc(Airtableの名称で事業を行う法人)です。規約に表示されている最終更新は2024年5月31日でした。料金については、プランの並びが過去に組み替えられた痕跡が価格ページに残っています。従来のEnterpriseプランの利用者が更新のときまで経過措置の下にいる、という記載です。
工程表を預ける道具を決めるときに、もう1つ確かめておきたい軸があります。線を引く画面が、どのプランから使えるのかという点です。Airtableではすべての有料プランに含まれますが、無料には含まれません。これは道具によってかなり違います。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという料金の組み方をしている道具なら、工程表は最初から使えます。工程表が最初のプランに入っているかどうかはできることで確かめられますし、区切りの単位そのものは料金に書かれています。
日程の見せ方で比べたい相手が決まっているなら、表計算に近い設計から入る道具としてはNotionとの比較が、案件の進行を横に並べる道具としてはmonday.comとの比較が近い軸です。開発の工程で使われることの多い道具ならBacklogとの比較が参考になります。候補がまだ決まっていない段階なら、比較の一覧を眺めて当たりを付けるほうが早く進みます。工程表以外の疑問が残っているならよくある質問にも同じ観点の項目があります。
線を引くこと自体は、どの道具でもできます。差が出るのは、引いた後です。祝日を毎年手で入れるのか、土日が最初から外れているのか、赤い線で矛盾を教えてくれるのか、紙に出せるのか。この4つを体験期間のあいだに試しておけば、運用が始まってから困る箇所はほぼ潰せます。
Q1. Airtableの無料プランでガントチャートは使えますか?
使えません。ガントビューとタイムラインビューは、どちらも利用できるプランとして「すべての有料プラン」と公式ヘルプに明記されています。ただし新しく作ったアカウントの最初のワークスペースには、Teamプランの14日間の無料体験が自動で付くので、その期間中は試せます。
Q2. 依存関係の矢印はどうやって作りますか?
自分自身の表を参照するリンク項目を作り、ガントビューの設定でそれを先行または後続のどちらの欄として使うかを選びます。設定を済ませれば、チャート上でレコードに現れる白い丸を別のレコードまでドラッグして矢印を引けます。引いた線はそのままリンク項目のデータとして残ります。
Q3. 土日や祝日を工程表から外せますか?
タイムラインビューの日付設定で「平日のみ(月曜から金曜)」を選ぶと土日が軸から消えます。同じ設定画面に祝日の入力欄があり、YYYY/MM/DD形式でカンマ区切りに手で入力するか日付の選択画面から選びます。日本の祝日はあらかじめ入っていないので、毎年の入力作業が必要です。
Q4. ガントチャートを印刷して配れますか?
ガントビューは直接印刷できないと明記されています。印刷用の形にするには、CSVとして書き出すか、Page Designerという拡張機能を使うことになります。タイムラインビューについては、印刷も書き出しも対応していないと書かれています。紙で配る運用があるなら、契約前に確かめるべき箇所です。