BacklogとAsanaを比べる|課題管理と仕事の進行
「backlog asana 比較」で調べている人の多くは、2つのうちどちらかの事情を抱えています。1つは、2026年6月17日に出たBacklogの料金改定の告知を読んで、更新の前に他の選択肢も見ておこうとしている場合。もう1つは、開発の課題管理はBacklogで回っているが、営業や制作や管理部門の進行が別のところに散らばっていて、それをまとめる場所を探している場合です。
どちらの事情でも、最初に押さえるべき違いは同じです。BacklogとAsanaは、扱っている単位が違います。Backlogが管理しているのは「課題」で、Asanaが管理しているのは「仕事の進行」です。名前の違いに見えますが、この差が料金の形と、社外の人の入れ方と、工程表の届く範囲まで規定しています。
以下では、単位の違い、課金の形、工程表、社外メンバー、周辺の道具、データの持ち出しの順に整理します。最後に、今日15分で終わる確認手順を置きます。数字を数えないまま比較記事を読み続けても、判断は前に進みません。
2027年1月の改定で、Backlog側の前提が動く
比較の前提として、片方の料金表に期限が付いていることを押さえておく必要があります。
ヌーラボは2026年6月17日に「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という告知を公開し、同じ日に東証グロース市場向けの適時開示も出しています。噂ではなく、上場企業が自ら開示した確定情報です。
日付は3つあります。2026年12月31日で現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約受付が終わります。2027年1月1日に新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。すでに契約している組織に新料金が当たるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいます。スペースごとに違うので、全社一律の日付ではありません。
金額はすべて税抜です。料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。
| 現行プラン | 月払い(税抜) | 新プラン | 月払い(税抜) |
|---|---|---|---|
| スターター | 2,700円/月 | 受け皿なし | ー |
| スタンダード | 16,000円/月 | エコノミー | 21,000円/月 |
| プレミアム | 27,000円/月 | ビジネス | 36,300円/月 |
| プラチナ | 75,000円/月 | プロフェッショナル | 100,000円/月 |
年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。エコノミーの年払いは月換算19,950円、年額239,400円です。
枠も動きます。エコノミーはユーザー数15、プロジェクト数30、ストレージ30GB。現行スタンダードはユーザー数が無制限でプロジェクト数が100だったので、スタンダードから自動でエコノミーへ移る組織では、金額と枠の両方が変わることになります。無料のフリープランは、ユーザー上限が10名から5名に下がります。
自動移行かどうかも分かれます。スタンダードのうち15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Passを使っていない組織はエコノミーへ自動で移ります。16名以上、31プロジェクト以上、Nulab Pass契約中のいずれかに当たる組織と、スタータープランの組織は自動移行の対象外で、自分で新プランを予約する必要があります。公式のよくある質問には「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と書かれています。比較よりも先に手を打つべき項目です。
「課題」と「タスク」は同じものではない
比較表では両方とも「タスク管理」の欄に入りますが、設計の出発点が違います。
Backlogの中心にあるのは課題です。課題には種別があり、担当者と期限があり、状態が未対応から処理中を経て完了へ進みます。同じスペースの中にGitとSubversionのリポジトリが同居していて、コミットから課題を参照できます。ソフトウェアの開発で発生する「直すべきもの」「作るべきもの」を1件ずつ登録して潰していく、という流れに合わせて作られています。バグ票の運用や、リリース単位のマイルストーン管理は、この形と相性が良いところです。
Asanaの中心にあるのは仕事の進行です。公式ヘルプの説明も、プロジェクトとタスクを部門横断で並べ、誰がいつ何をやるかを見えるようにする方向に寄っています。標準で用意されているビューはリスト、ボード、カレンダーで、有料プランに上がるとタイムラインとガントビュー、レポートダッシュボード、ワークフロービルダーが加わります。開発以外の部署、たとえば採用の進行、施策の実行、月次の締めのような繰り返しの仕事を、同じ場所に並べる用途で使われています。
この差が実務でどう出るかというと、載せる対象の粒度に出ます。課題管理型では、1件ずつ独立して閉じられるものが並びやすい。進行管理型では、締切に向かって複数の人が動く工程が並びやすい。どちらも相手の領域を扱えないわけではありませんが、既定の画面と用語がどちらに寄っているかで、チームが自然に何を書くかが変わります。とりまとめる立場の人が気にすべきは、機能の有無ではなく、この「自然に書かれるもの」のほうです。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。
具体的な場面で考えると分かりやすくなります。たとえば受託の制作会社が、1本の案件を「要件のすり合わせ」「初稿」「修正1回目」「修正2回目」「納品」という流れで進めているとします。課題管理型の道具では、この5つを課題として並べ、それぞれに担当者と期限を付け、状態を進めていく形になります。修正のたびに指摘が課題として増えていくので、何が残っているかは正確に分かります。一方、進行管理型の道具では、この5つを工程として時間軸に並べ、どこで山が重なるかを見る形になります。案件が3本同時に走っているとき、誰の手が空いていないかを先に把握したいなら後者、指摘の取りこぼしを無くしたいなら前者が向きます。
同じチームで両方の要求が出ることも珍しくありません。その場合に起きがちなのが、開発は課題管理型、それ以外は表計算ソフトかチャット、という分裂です。分裂そのものが悪いわけではありませんが、月に何時間を報告のつなぎ合わせに使っているかは数えておいたほうがよい数字です。つなぎ合わせの時間が道具の差額を超えているなら、統合を検討する根拠になります。
課金の形。スペース定額と、席の刻み
金額の比較に入る前に、何を数えて請求額を決めているかを揃えます。ここが違うと、月額の数字を並べても意味がありません。
Backlogはスペース単位の定額
Backlogの公式ヘルプには「プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。」「スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。」と書かれています。人を1人足しても、その場で請求は増えません。増えるのは、プランの上限に触れてプランを上げたときだけです。
Asanaは人数課金で、席が刻みで動く
Asanaの料金は、プランの段と席数の2軸で決まると公式ヘルプに明記されています。日本語の料金ページで2026年9月2日に確認した金額は、Starterが年払いで1ユーザーあたり月1,200円、月払いで1,475円。Advancedが年払いで2,700円、月払いで3,300円です。年払いの割引は「最大 18% オフ」と表示されています。無料のPersonalプランは、2025年11月12日より後に登録した場合2人までです。それ以前からアカウントを持っている場合は10人までの旧プランに該当することがあります。
税の扱いは公式が明記しています。
はい。 お客様に請求される料金には税金が含まれていませんが、お客様の請求先住所が日本国内にある場合、事業上の購入金額に対して日本の消費税 (JCT) が課税されます。 出典: asana.com
見落とされやすいのが席の刻みです。公式ヘルプによると、最小は2席で、次に3席、4席、5席のプランがあり、そこから先は30人以下なら5人刻み、30人から100人なら10人刻み、100人から500人なら25人刻み、500人超なら50人刻みで増えます。1席だけを足すことはできません。つまり実際の人数が16人でも、契約上は20席になります。この刻みは、人の出入りがある小さなチームでは総額に効きます。
同じ人数で並べる
条件を揃えて年額で並べます。以下は2026年9月2日時点の公開表示に基づく単純計算で、税は含みません。Asana側は席の刻みを反映しています。
| 人数 | Backlog(年払い・税抜) | Asana Starter(年払い) | Asana Advanced(年払い) |
|---|---|---|---|
| 10人 | エコノミー 239,400円/年 | 144,000円/年 | 324,000円/年 |
| 15人 | エコノミー 239,400円/年 | 216,000円/年 | 486,000円/年 |
| 20人 | ビジネス 413,820円/年 | 288,000円/年 | 648,000円/年 |
読み取れることは3つです。1つ目、Starterの範囲で足りるなら、この人数帯ではAsana側の総額が低く出ます。2つ目、Advancedが必要になった瞬間に順位は反転します。カスタムフィールドとレポートダッシュボードはStarterから使えますが、より上の管理機能が要るかどうかで段が変わります。3つ目、Backlogの定額は人数が増えても動かないので、人数がさらに伸びるほど有利になります。金額の順位は人数と必要な段の2つで反転するので、自分の人数を入れて年額を出すまでは決まらないということです。
工程表と、進捗の見せ方
工程表の線の引かれ方も、両者で違います。
Backlogのガントチャートは、現行プランではスタンダード以上で使えます。表示範囲は6か月分です。スターターとフリープランには付いていません。2027年1月以降の新プランでは、6か月以上の期間の表示とプロジェクトを横断した表示が、ビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できる機能として挙げられています。プロジェクト横断のガントチャートは2026年秋ごろのリリース予定と告知されています。エコノミーに移る組織では、長い期間の表示と横断表示が使えない状態になります。
Asanaのタイムラインは、公式ヘルプの対象プラン欄にStarter、Advanced、Enterprise、Enterprise+と旧プランが並び、Personalは含まれていません。料金ページのStarterの機能一覧には「タイムラインとガントビュー」があり、説明文では、タイムラインがスケジュールを簡潔に見せるもの、ガントチャートがタスクの階層や進捗の追跡を含む詳細な管理機能を提供するもの、と書き分けられています。Personalの機能一覧は「リスト、ボード、カレンダービューの切り替え」までで、タイムラインは含まれていません。無料プランからのダウングレード時に失われるものの一覧にも「Timeline view (Gantt charts)」が挙がっています。
進捗の見せ方では、Asana側にレポートダッシュボードがあります。料金ページのStarterの機能一覧に含まれ、進捗を示すチャートや指標でプロジェクトの状況を可視化する、と説明されています。Backlogにはバーンダウンチャートがあり、フリープランでは使えません。どちらを使うにせよ、図が意味を持つのは中身が更新されている場合だけです。更新されていない進捗表は、白紙より危険です。数字が並んでいるので、見た人は正しいと思い込みます。
社外の人をどう入れるか
外部の協力会社やフリーランスが関わるチームでは、ここが総額を左右します。そして、両者の設計はほぼ正反対です。
Asanaのゲストは、組織のメールドメインを共有していない人を指します。課金について公式ヘルプは「Guests do not contribute toward your overall membership count when upgrading an entire organization.」と書いており、ゲストは請求にも席の上限にも数えられません。料金ページのStarterの機能一覧にも「無制限の無料ゲスト」とあります。外部の協力者が多いチームには、これは大きな差になります。
ただし例外が2つあります。1つは「ワークスペース」を使っている場合で、公式には「Unlike organizations, anyone collaborating in a workspace counts towards the paid plan, whether full members or guests.」とあります。組織ではなくワークスペースの形で使っていると、ゲストも有料プランの人数に数えられます。もう1つは利用規約で、自社や関連会社の従業員をゲストとして招いてシート代を回避する使い方は、公式に禁止されています。ゲスト枠は社外の相手のためのもの、という前提です。
Backlogはスペース単位の定額なので、ゲストという別枠の考え方がありません。招いた人は全員がユーザー数の上限に数えられます。エコノミーの15人枠には、社内の人も外部の協力者も同じように入ります。社内8人と外部協力者6人という編成なら枠にぎりぎり収まりますが、案件が増えて協力者が2人増えた瞬間に超えます。
構成によって有利不利が反転する、というのが結論です。社内が多くて外部が少ないなら定額が読みやすく、社内が少なくて外部が多いならゲスト無料の設計が効きます。決めるには、社内の人数と外部の人数を分けて数える必要があります。
周辺の道具、日本語、データの置き場所
比較表に出にくいところで差が出る項目を3つ挙げます。
1つ目はリポジトリです。BacklogはGitとSubversionが全プランで使え、フリープランでも使えると公式ヘルプに記載があります。課題とソースコードが同じ場所にある構成は、開発チームには手放しにくい利点です。Asanaのプランにリポジトリの提供が含まれるかどうかは、今回参照した公式の料金ページとヘルプでは確認できませんでした。開発の記録を同じ場所に置きたいなら、この点を先に確かめてください。
2つ目は日本語です。どちらも画面は日本語で使えます。Asanaの対応言語一覧には日本語が含まれ、プロフィール設定の表示タブから個人ごとに切り替えられます。表示設定はユーザーごとなので、他のメンバーの画面には影響しません。Backlogは国内のサービスで、ヘルプもサポートも日本語です。行き詰まったときに日本語で相談できる先の厚みは公開資料の数値で比べられないので、無料トライアルの期間中に実際に問い合わせて確かめるのが確実です。Backlogの無料トライアルはどのプランも30日間です。
3つ目はデータの保管場所です。Asanaのデータレジデンシーは、Enterprise組織のアドオンとして購入するかEnterprise+に含まれる形で提供され、保存地域として東京(バックアップは大阪)が選べます。既定では米国に保存され、移行には営業への連絡が必要と明記されています。国内保存が要件に入っている場合、上位プランが前提になる点は先に押さえておいてください。
権限と、誰に何を見せるか
社外の人や、別部署の人が同じ場所に入るなら、見せる範囲の設計が必要になります。ここは比較表で丸が並ぶ割に、プランで大きく区切られている領域です。
Asanaの権限まわりは、段が上がるほど細かくなります。料金ページのAdvancedの機能一覧には「強化されたセキュリティ機能」があり、アクセスの管理とデータの保護を組織規模で行う管理項目として説明されています。Enterpriseの機能一覧に入るのは、SAML認証、SCIMによるユーザープロビジョニング、サービスアカウント、閲覧限定ライセンス、ゲスト招待の権限、プロジェクトの管理者コントロール、管理者からのお知らせです。このうち実務でよく効くのは閲覧限定ライセンスで、公式の説明は「一部のユーザーに編集権限を与えず閲覧のみを許可することで、低コストでより多くのメンバーをプロジェクトに参加させることができます。」となっています。見るだけの人を安く入れたい場合、Asanaではこの機能がEnterpriseに置かれている点を押さえておく必要があります。
Backlogの側では、アクセス制限がフリープランでは使えないと公式ヘルプに記載があります。新プランでは、IPアドレス制限の上限がエコノミー50、ビジネス100、プロフェッショナルが無制限と示されています。セキュリティシートの扱いも段で分かれ、エコノミーは対象外、ビジネスは有料、プロフェッショナルは年1回無料です。逆に、新しいフリープランとエコノミープランでは2段階認証の必須化が使えるようになります。SAML認証、監査ログ、ユーザープロビジョニングはNulab Passに含まれ、2027年1月1日以降はビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ契約できます。スタンダードでNulab Passを契約している組織が自動移行の対象から外れるのは、この理由です。
まとめると、見るだけの人を安く入れる仕組みはAsanaでは上位プラン、Backlogではプランの人数枠の内側に収める形になります。監査や認証の要件が社内規程で決まっているなら、金額より先にその要件を満たす段を確認してください。要件を満たす段が決まれば、比べる相手は自然に絞られます。
データを持ち出せるか
乗り換えを考える人が最初に不安になるのは金額ではなくデータです。両者の公式案内は次のとおりです。
Backlogは、課題の検索結果をCSVまたはExcel形式でダウンロードできます。課題のコメントの取得上限数は200件です。共有ファイルはWebフォルダやFinderから、GitリポジトリはすべてクローンできるとFAQに書かれています。スペース全体については有料オプション「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜)」があり、課題やWikiをCSVにして共有ファイルや添付ファイルとともにGoogleドライブで受け取る形です。注意が要るのは「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されている点です。取り込みは「一括登録」というCSVの機能で、専用テンプレートを使い、一度に登録できるのは最大250件、状態は入力できずすべて「未対応」で登録されます。
Asanaは、プロジェクトをJSONまたはCSVで書き出せます。プロジェクト以外に、検索ビューやマイタスクも書き出せる旨の記載があります。取り込みはCSVで、タスク名を並べたテキストを貼り付けても改行ごとにタスクが作られる、という方法も案内されています。この書き出しと取り込みの機能は、対象プラン欄にPersonalを含む全プランが並んでいます。
どちらから出るにせよ、持ち出せるのは表にできる情報までです。コメントの並び、添付の紐付き、権限の設計は、CSVを移しただけでは再現されません。移行の見積もりでは、書き出しの可否だけでなく、移した先で作り直す時間を人件費に換算してください。板が30枚あるなら、1枚30分としても15時間です。取り込みの対応範囲はTrelloからの移行にまとまっているので、いま使っている道具が対象かどうかを先に見ておくと見積もりが早くなります。
この記事を出している側の道具にも、はっきりした限界があります。ソースコードを置くリポジトリの機能は持っていません。自動化と外部連携の広さでは勝負していません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他の道具のデータは手で移すことになります。どこまでできるかはできることに書いてあり、区切りの置き方は料金で確認できます。弱点が1つも書かれていない比較記事は、その分だけ差し引いて読んでください。
今日15分で終わる、3つの確認手順
比較記事をこれ以上読んでも判断は動きません。動くのは数字です。
手順1. 自分のスペースの適用開始日を確認する
Backlogを使っているなら、まずここです。新料金がいつから当たるかは全社一律ではなく、契約更新日ごとに違います。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が表示されます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が出ません。
日付が分かったら予約の期限を逆算します。銀行振込は適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードは2日前までが目安として案内されています。あわせて支払い方法も確認してください。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、3か月払いと6か月払いは廃止されます。月々で払っていた組織が、年額239,400円(税抜)の一括請求と向き合うことになるかどうかは、資金繰りに直接効きます。
手順2. 4つの数字を、定義を決めてから数える
数えるのは、板を更新する人、見るだけの人、外部の協力者、動いているプロジェクトの4つです。合計だけ数えても判断には使えません。分けて数えるのが要点です。
人数を数える前に、退職者のアカウントが残っていないかを確認してください。使われていないアカウントが枠を食っていることは珍しくありません。プロジェクト数については、公式のよくある質問にアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算される旨が明記されています。寝ている案件のアーカイブと削除は別物です。棚卸しをするだけで壁の内側に着地することがあります。
数えた人数は、そのままAsana側の席数の見積もりにも使えます。刻みが5人単位なので、16人なら20席、21人なら25席として計算してください。実人数で計算すると、見積もりが低く出ます。
手順3. 1年分の総額を2つ並べる
月額の比較はやめて、1年分の総額に直します。Backlog側は年払いの年額をそのまま。Asana側は席の刻みを反映した席数で年額を出し、日本の消費税が加算されることを前提に置きます。そこへ、移行にかかる時間の人件費と、旧の道具を止めきれない期間の二重払いを足します。二重払いは2か月から3か月を見込んでおくと、あとで慌てません。
そのうえで、3年後の人数と案件数でもう一度計算します。2枚の表で順位が入れ替わるなら、いま安いほうを選ぶのは危険です。人数課金は人が増えると伸び、定額は上限に触れるまで動かない。この差は3年の幅で見て初めてはっきりします。
移らない判断が正しい場合と、比較を続ける価値がある場合
最後に、判断の分かれ目を整理します。
移らないほうがよいのは、次の3つが当てはまるときです。適用開始日を確認したうえで新しい金額の説明が社内で通ること。人数とプロジェクト数が新プランの枠の内側にあること。そしていまの運用に誰も不満を言っていないこと。3つ目がいちばん重いところです。道具を替えると、板の作り直し、権限の設定、全員への説明、慣れるまでの停滞がまとめて発生します。この持ち出しは料金表のどこにも書かれていません。移行の時期を繁忙期の直前に置くと、ほぼ確実に混乱します。
比較を続ける価値があるのは、スタータープランを使っていて受け皿となる新プランが無い場合、スタンダードを16名以上で使っていて自動移行の対象から外れる場合、あるいは開発以外の部署の進行まで同じ場所に載せたいという要求が出ている場合です。最後のものは料金では解けません。課題を並べる場所と、仕事の進行を並べる場所は、載せる粒度が違うからです。
候補を並べるときの見方も書いておきます。他社エージェント型の道具を検討している人の迷いは、できることが多いぶん、どこまで使うかを自分で決められないところに出ます。段の設計と実際に使う機能の対応をどう合わせるかはAsanaとの比較に整理してあり、課題管理型の道具と国内の板型ツールの区切り方の差はBacklogとの比較で扱っています。候補の全体像を先に見たい場合は比較の一覧から入るのが早道です。
順番をもう一度確認します。まず適用開始日を確定させる。次に4つの数字を数える。最後に1年分の総額を2つ並べて、3年後でもう一度計算する。この順で進めば、比較記事を何本読んでも決まらなかった判断が、自分の数字で決まります。数えた結果が枠の内側で、報告の作り直しにも時間を取られていないなら、替えないのが一番安い選択です。
Q1. BacklogとAsanaは、結局どちらが安いですか?
人数と必要な段で入れ替わります。Backlogのエコノミーは年払いで年239,400円(税抜)の定額。Asanaは1人あたり課金で、Starterの年払いは1ユーザーあたり月1,200円なので10人なら年144,000円です。Starterで足りるならAsana側が低く出ますが、Advancedが必要になると反転します。Asanaは席が5人刻みで動くため、16人なら20席で計算してください。
Q2. 課題管理と仕事の進行は、何がどう違うのですか?
載せる対象の粒度が違います。Backlogは1件ずつ独立して閉じられる課題を並べる形で、種別と状態とマイルストーンがあり、GitやSubversionのリポジトリが同じ場所に同居します。Asanaは締切に向かって複数の人が動く工程を部門横断で並べる形です。既定の画面と用語がどちらに寄っているかで、チームが自然に書く内容が変わります。
Q3. 社外の協力者を入れると、費用はどう変わりますか?
Asanaは組織のメールドメインを共有しない人をゲストとして招け、請求にも席の上限にも数えられません。ただしワークスペースの形で使っている場合はゲストも人数に数えられ、自社の従業員をゲスト扱いにするのは規約で禁止されています。Backlogはスペース定額でゲストの枠がなく、招いた人は全員がユーザー数の上限に数えられます。
Q4. Backlogの新料金は、2027年1月1日から全員に当たりますか?
いいえ。新規契約は2027年1月1日から新プランですが、既存の契約者に当たるのは「2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日」からです。この日はスペースごとに違い、ヌーラボは「適用開始日」と呼んでいます。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。トライアル中やフリープランでは案内が表示されません。
Q5. 工程表はどちらのプランから使えますか?
Backlogのガントチャートは現行スタンダード以上で、表示範囲は6か月分です。2027年1月以降は、6か月以上の表示とプロジェクト横断の表示がビジネス以上に限られます。Asanaのタイムラインは公式ヘルプの対象プラン欄がStarter以上で、無料のPersonalには含まれていません。どちらも無料の範囲では工程表を引けない、という点は共通しています。