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BacklogとJiraを比べる|作り込みの深さと手間

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog jira 比較」で検索する人の多くは、2026年6月17日に出たヌーラボの告知を読んだ直後にいます。2027年1月1日からBacklogのプランが4つから3つに再編され、料金も変わる。その知らせを見て、いまの道具のまま更新するのか、Jiraのような別の選択肢を並べて見ておくのかを決めようとしている段階です。

先に立場を書いておきます。この記事は、どちらが優れているかを決める記事ではありません。BacklogとJiraは課金の形も、想定している使われ方も違います。違うものを同じ物差しで並べても順位は付きません。付けられるのは「自分のチームの形に、どちらの区切り方が合っているか」という判断だけです。

以下では、料金の区切り方、工程表の作り、作り込みにかかる手間、社外の人の入れ方、日本語とサポート、データの持ち出しの順に見ていきます。最後に、今日15分で終わる確認手順を置きます。数字を数えないまま比較記事を読み続けても、判断は前に進みません。

2027年1月の改定で、Backlog側の前提が変わる

比較の前に、片方の前提が動くことを押さえておく必要があります。いま見えている料金表は、期限付きの数字だからです。

ヌーラボは2026年6月17日に「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という告知を公開しました。同じ日に、東証グロース市場向けの適時開示も出ています。噂ではなく、上場企業が自ら開示した確定情報です。

現行の4プラン構成を3プランに統合し、下表の通り料金改定を行います 出典: backlog.com

日付は3つあります。2026年12月31日に現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約受付が終わります。2027年1月1日に新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。そしてすでに契約している組織に新料金が当たるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からです。ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいて、スペースごとに違います。全社一律の日付ではない、という点がここでの要です。

金額は次のとおりです。ヌーラボが公表しているBacklogの金額はすべて税抜で、料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。

現行プラン 月払い(税抜) 新プラン 月払い(税抜)
スターター 2,700円/月 受け皿なし
スタンダード 16,000円/月 エコノミー 21,000円/月
プレミアム 27,000円/月 ビジネス 36,300円/月
プラチナ 75,000円/月 プロフェッショナル 100,000円/月

年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。エコノミーの年払いは月換算19,950円、年額239,400円です(いずれも税抜)。

上限も変わります。エコノミーはユーザー数15、プロジェクト数30、ストレージ30GB。現行スタンダードはユーザー数が無制限、プロジェクト数が100だったので、スタンダードから自動でエコノミーへ移る組織にとっては、金額だけでなく枠も動くことになります。ビジネスとプロフェッショナルはユーザー数もプロジェクト数も無制限のままです。無料のフリープランは、ユーザー上限が10名から5名に下がります。

移行が自動か手動かも分かれます。スタンダードのうち15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Passを使っていない組織はエコノミーへ自動で移ります。16名以上、31プロジェクト以上、Nulab Pass契約中のいずれかに当たる組織と、スタータープランの組織は自動移行の対象外で、自分で新プランを予約する必要があります。公式のよくある質問には「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と書かれています。ここは比較よりも先に手を打つべき項目です。

先に書いておく。Backlogのまま残ってよい場合

比較記事は、たいてい「移る理由」から書き始めます。順番を逆にします。移らないほうがよい条件を先に置いたほうが、読む人の時間が減るからです。

次の3つが当てはまるなら、この記事の残りは読まなくてかまいません。1つ目、適用開始日を確認したうえで、新しい金額を払っても社内の説明が通ること。2つ目、人数とプロジェクト数が新プランの枠の内側に収まっていること。3つ目、いまBacklogの上で回っている運用に、誰も不満を言っていないこと。

3つ目が実はいちばん重いところです。道具を替えると、板の作り直し、権限の設定、全員への説明、慣れるまでの停滞がまとめて発生します。とりまとめる立場の人が数日から数週間を持ち出すことになり、その間に進行の速度は落ちます。移行の時期を繁忙期の直前に置くと、ほぼ確実に混乱します。この持ち出しは、料金表のどこにも書かれていません。

加えて、Backlogでしか成立していない使い方もあります。全プランでGitとSubversionのリポジトリが使えること、ヘルプもサポートも日本語であること、社外の相手に「Backlogで」と言えば話が通じること。国内で長く使われてきた道具なので、取引先側にすでに慣れがある場合があります。この慣れは、移行のときに失われる資産です。

逆に、比較を続ける価値があるのは次の場合です。スタータープランを使っていて、受け皿となる新プランが無い。スタンダードを16名以上で使っていて、自動移行の対象から外れる。あるいは人数が15人と30プロジェクトの枠の外側にいて、ビジネス以上の金額が社内で通らない。これらに当てはまるなら、選択肢を並べる作業には意味があります。

課金の形が根本から違う。スペース定額と1人あたり課金

BacklogとJiraの最大の違いは、機能の数ではありません。何を数えて請求額を決めているか、です。

Backlogはスペース単位の定額

Backlogの公式ヘルプは「プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。」「スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。」と書いています。人を増やしても、その場で請求が増える仕組みではない、ということです。増えるのは、プランの上限に触れたときだけ。エコノミーなら15人と30プロジェクト、そこを超えるとビジネスに上がって月額が21,000円から36,300円へ動きます(いずれも税抜)。

この形は、見るだけの人が多いチームで効きます。作業する人が6人でも、状況を知りたい人が15人いるとき、人数課金だと後者の分まで席の費用がかかります。定額なら、上限の内側にいる限り全員を入れられます。

Jiraは人数と、人数の段で決まる

Jiraの料金ページは、チーム人数と請求周期を選ぶと表示が変わる作りです。2026年9月2日に日本語ロケールで人数を10ユーザーにして確認したところ、月払いはStandardが1ユーザーあたり1,240円、Premiumが2,500円と表示されました。年払いに切り替えると、同じ10ユーザーでStandardが年123,000円、Premiumが年253,000円で、いずれも「User tier: 1 - 10」という段の表示が付きます。料金ページには年払いの割引として「SAVE UP TO 17%」の表記があります。

人数の段が上がると1人あたりの単価は下がります。同じページの初期表示である300ユーザー・月払いでは、Standardが1ユーザーあたり1,085円と表示されます。つまりJiraは、少人数では総額が小さく、人が増えるほど総額が伸びるが単価は緩む、という形です。

税の扱いには注意が必要です。Jiraの料金ページには税抜か税込かの注記が見当たりませんでした。購入とライセンスのよくある質問には、免税書類や有効なVAT番号が提出されていない国の注文にVATを適用する旨の記載があります。日本の消費税の扱いを明記した記述は、公開資料では確認できませんでした。したがって金額を比べるときは、Backlog側が税抜であることを前提に、Jira側は請求の実額を見積もりで確かめるのが安全です。

同じ人数で並べると、どこで入れ替わるか

条件をそろえて並べます。以下はいずれも2026年9月2日時点の公開表示に基づく単純計算で、Jira側は10ユーザーの段の金額をそのまま延長したものです。実際の請求は税と人数の段で変わります。

人数 Backlog(年払い・税抜) Jira Standard(年払い・10人の段を延長)
10人 エコノミー 239,400円/年 123,000円/年
15人 エコノミー 239,400円/年 約184,500円/年
20人 ビジネス 413,820円/年 約246,000円/年

10人でも20人でも、この単純計算ではJira Standardのほうが低く出ます。定額が効いてくるのは、人数がさらに増えて上限の内側に収まり続ける場合か、見るだけの人を大量に入れる場合です。ただしJiraは人数の段が上がると単価が下がるため、境目は延長計算では決まりません。分岐点を知りたければ、料金ページに自分のチームの人数を入れて年払いの年額を出すのが唯一確実な方法です。所要時間は1分です。

無料枠の形も違います。Jiraの無料プランは10ユーザーまで、ストレージ2GB、自動化ルールの実行が月100回、サイトは1つ。Backlogの新しいフリープランは2027年1月1日以降でユーザー5名、プロジェクト1つ、ストレージ100MBです。少人数で試すなら、無料枠の広さはJira側にあります。

工程表の作りと、届く範囲

進行をとりまとめる立場の人がいちばん気にするのは、たいてい工程表です。ここは両者で線の引かれ方が違います。

Backlogのガントチャートは、現行プランではスタンダード以上で使えます(表示範囲は6か月分)。スターターとフリープランには付いていません。2027年1月以降の新プランでは、6か月以上の期間の表示と、プロジェクトを横断した表示が、ビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できる機能として挙げられています。プロジェクト横断のガントチャートは2026年秋ごろのリリース予定と告知されています。つまりエコノミーに移る組織では、長い期間の表示と横断表示が使えない状態になります。

Jiraのタイムラインは、料金ページの比較表ではFreeを含む全プランの行として掲載されており、Free欄の説明文にも「Backlog, list, board, timeline, calendar, and summary views」と書かれています。公式サポートの説明では、タイムラインは作業項目のデータをガントチャートとして可視化するもので、親子の階層表示、スケジュールバー、スプリントやリリースの表示、依存関係の表示ができます。表示期間は週、月、四半期で切り替えられます。

差が出るのは、複数のプロジェクトをまたぐ計画です。公式には「A timeline can only show work items from one space. Planning across multiple spaces is only possible in your plan, which is included with Jira Premium and Enterprise.」とあります。依存関係の管理も、FreeとStandardが単一プロジェクト、PremiumとEnterpriseが複数プロジェクト横断という区切りです。

まとめると、1本のプロジェクトの工程表を引くだけなら、Jiraは無料プランでも届きます。複数案件を並べて全体の山を見たいなら、Jiraは有料の上位プラン、Backlogは新プランのビジネス以上、という位置になります。横断表示が要るかどうかは、動いている案件の数で決まります。案件が1本しかないチームが横断表示に費用を払う理由はありません。

作り込みの深さと、そこにかかる手間

タイトルに置いた論点はここです。Jiraは深く作り込めます。作り込めるということは、作り込む人の時間が要るということでもあります。

Jiraの比較表には、上位プラン向けの機能として「Advanced planning (Plans)」「Capacity management」「Expandable Work Type Hierarchy」「Scenario Modeling」が並びます。作業の型の階層を広げ、要員の余力を管理し、複数の筋書きで計画を比べる。これらはMarketplaceの外部アプリではなくJira PremiumとEnterpriseに含まれる機能です。開発の工程を自分たちで設計して、その設計をそのまま道具に写したいチームには、この深さが効きます。

一方で、深さは初期の負担になります。誰かが状態の並びを決め、権限を決め、画面の見え方を決めなければ、チームは使い始められません。設計する人がいないまま多機能な道具を入れると、既定の設定のまま使うことになり、結局のところ払っている分の機能に届きません。とりまとめる立場の人が本当に困るのは、道具が入らないことではなく、入れたあとに誰も更新しなくなることです。現場では、導入から2週間ほどで更新が止まり、チャットと口頭の確認に戻ったという話がよく聞かれます。

Backlogの作り込みの深さは、プランで区切られています。属性のカスタマイズ(他社でいうカスタムフィールド)は、現行ではプレミアム以上です。スターターとスタンダードには付いていません。新プランのエコノミーで使えないものとして公式の資料に挙げられているのは、孫課題(3階層)、ガントチャートの長期間表示、プロジェクト横断ガントチャート、カスタム属性、Backlog AIアシスタント、Nulab Flowbase、アクセスログ、Nulab Passに含まれるSAML認証や監査ログやユーザープロビジョニング、そしてストレージ容量追加オプションです。

ここから読み取れる構図は単純です。作り込みたいなら、Jiraは人数分の単価を上げて上位プランへ、Backlogはスペースの定額を上げてビジネス以上へ、それぞれ移ることになります。どちらも「作り込みには追加の費用がかかる」という点では同じで、違うのは費用の増え方だけです。

そして、作り込まないという選択も現実的です。状態が「未対応」「処理中」「完了」の3つで足りていて、属性を足す必要がなく、案件が1本ずつ順に流れているなら、深さに払う理由はありません。この記事を出している側の道具も、そこを割り切って作られています。ソースコードを置くリポジトリの機能は持っていません。自動化と外部連携の広さでは勝負していません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他の道具のデータは手で移すことになります。どこまでできるかはできることに書いてあり、区切りの置き方は料金で確認できます。

なお、Backlogは全プランでGitとSubversionのリポジトリが使えます。フリープランでも使えると公式ヘルプに記載があります。JiraのプランにGitリポジトリの提供そのものが含まれるかどうかは、今回参照した公式の料金ページと比較表では確認できませんでした。ソースコードと課題を同じ場所に置きたい場合、この点は先に確かめる価値があります。

社外の人をどう入れるか

外部の協力会社やフリーランスに入ってもらうチームでは、ゲストの扱いが総額を左右します。

Jiraのゲストは、StandardとPremiumとEnterpriseで使えます。Freeプランでは使えません。費用は「Guests are free of charge (up to 5 guests per paid user).」とあり、有料ユーザー1人につきゲスト5人までが無料です。ただし有料ユーザーとゲストの合計が、サイトのユーザー上限を超えることはできません。見える範囲も限られていて、ゲストはサイトあたり1つのスペースにしか追加できず、明示的に共有されない限りそのスペースの外は見えません。自社の現在または過去の有料ユーザーをゲストに付け替えることは、公式に認められていません。

Backlogはスペース単位の定額なので、ゲストという別枠の考え方そのものがありません。招いた人はユーザー数の上限に数えられます。エコノミーなら15人の枠の中に、社内の人も外部の協力者も同じように入ります。この違いは実務でそのまま効きます。社内8人、外部協力者6人という編成なら、エコノミーの15人枠にぎりぎり収まりますが、案件が増えて協力者が2人増えた瞬間に枠を超えます。

どちらが有利かはチームの構成で反転します。社内が多くて外部が少ないならBacklogの定額が読みやすく、社内が少なくて外部が多いならJiraのゲスト枠が効きます。決めるには、社内の人数と外部の人数を分けて数えるところから始める必要があります。

日本語とサポート、そしてデータの持ち出し

画面の日本語対応は、どちらも問題になりません。Backlogは国内のサービスで、ヘルプもサポートも日本語です。JiraもAtlassianの対応言語一覧に日本語が含まれており、アカウントの設定から個人ごとに言語を切り替えられます。ドキュメントにも日本語訳が提供されています。

差が出やすいのは、行き詰まったときに日本語で相談できる先の厚みです。ここは公開資料の数値で比べられる項目ではないので、断定はしません。無料トライアルの期間中に実際に問い合わせてみるのが、いちばん確実な確かめ方です。Backlogの無料トライアルはどのプランも30日間です。

データの持ち出しは、乗り換えを考える人が最初に不安になるところです。両者の公式案内は次のようになっています。

Backlogは、課題の検索結果をCSVまたはExcel形式でダウンロードできます。課題のコメントの取得上限数は200件です。共有ファイルはWebフォルダやFinderからダウンロードし、GitリポジトリはすべてクローンできるとFAQに書かれています。スペース全体については、有料オプション「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜)」があり、課題やWikiをCSVにして共有ファイルや添付ファイルとともにGoogleドライブで受け取る形です。ここで注意が要るのは「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されている点です。取り込みは「一括登録」というCSVの機能で、専用テンプレートを使い、一度に登録できるのは最大250件、状態は入力できずすべて「未対応」で登録されます。

Jiraは、作業項目をCSVで書き出せます。書き出せる対象として作業項目、ユーザー、ユーザーグループの設定、添付ファイル、アバター、ロゴが挙げられています。取り込みはCSVとJSONに対応し、CSVで書き出せない外部ツールからの移行のためにJSONの取り込み機能がある、と説明されています。文字化けが起きる場合に備えて、エンコーディング(既定はUTF-8)と区切り文字を変えられる旨の案内もあります。

どちらから出るにせよ、持ち出せるのは基本的に表にできる情報です。コメントの並びや添付の紐付き、権限の設計は、CSVを移しただけでは再現されません。移行の見積もりを作るときは、書き出しの可否だけでなく、移した先で作り直す時間を人件費に換算してください。板が30枚あるなら、1枚30分としても15時間です。データを移す作業の重さについてはTrelloからの移行に対応範囲がまとまっているので、自分の道具が対象かどうかを先に見ておくと見積もりが早くなります。

今日15分で終わる、3つの確認手順

比較記事をこれ以上読んでも判断は動きません。動くのは数字です。以下は今日中に終わる作業です。

手順1. 自分のスペースの適用開始日を確認する

Backlogを使っているなら、まずここです。新料金がいつから当たるかは全社一律ではなく、契約更新日ごとに違います。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が表示されます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が出ません。

日付が分かったら、予約の期限を逆算します。銀行振込の場合は適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードの場合は2日前までが目安として案内されています。予約が必須なのは、スタータープラン利用中、スタンダードで16名以上または30プロジェクト超、スタンダードでNulab Pass契約中のいずれかに当たる組織です。該当するなら、比較よりこちらが先です。

支払い方法も確認しておきます。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、3か月払いと6か月払いは廃止されます。3か月または6か月で払っている場合は、適用開始日から自動的に年払いへ変わります。クレジットカードなら月払いを続けられます。月々で払っていた組織が、いきなり年額239,400円(税抜)の一括請求と向き合うことになるかどうかは、資金繰りに直接効きます。

手順2. 人数とプロジェクト数を、定義を決めてから数える

数えるのは4つです。板を更新する人、見るだけの人、外部の協力者、動いているプロジェクト。この4つを分けて数えるのが要点で、合計だけ数えても判断には使えません。

人数を数えるときは、退職者のアカウントが残っていないかを先に確認してください。使われていないアカウントが枠を食っていることは珍しくありません。プロジェクト数では、公式のよくある質問にアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算される旨が明記されています。寝ている案件のアーカイブと削除は別物です。数える前に棚卸しをすると、それだけで壁の内側に着地することがあります。

数えた結果が、Backlogのエコノミーの15人と30プロジェクトの内側なら、選択肢は増えます。外側なら、ビジネス以上か、他の道具か、という分岐になります。

手順3. 1年分の総額を、2つ並べて出す

月額を見比べるのはやめて、1年分の総額に直します。Backlog側は年払いの年額をそのまま。Jira側は料金ページで自分の人数を入れて年払いの年額を出します。そこに、移行にかかる時間の人件費と、旧の道具を止めきれない期間の二重払いを足します。二重払いは2か月から3か月を見込んでおくと、あとで慌てません。

そのうえで、3年後の人数と案件数でもう一度計算します。2枚の表で順位が入れ替わるなら、いま安いほうを選ぶのは危険です。人数課金は人が増えると伸び、定額は上限に触れるまで動かない。この形の違いは、3年の幅で見て初めてはっきりします。

比較のページを並べて見えてくる、判断が分かれる地点

比較のページをサービスごとに作っていくと、読む人がどこで迷っているかが見えてきます。迷いの位置は、いま使っている道具の性格で分かれます。

課題管理型の道具を使っている人の迷いは、ほぼ費用と枠です。開発の工程には合っているが、営業や制作の進行まで同じ場所に載せるかどうかで評価が変わります。この論点はBacklogとの比較で扱っています。多機能な業務管理の道具を検討している人の迷いは別のところにあり、できることが多いぶん、どこまで使うかを自分で決められません。段の設計と実際に使う機能の対応をどう合わせるかはAsanaとの比較に整理してあります。候補の全体像を先に見たい場合は比較の一覧から入るのが早道です。

こうした比較を読むときの見分け方を1つ挙げておきます。書いている側が自分の弱点を書いているかどうかです。弱点が1つも書かれていない比較記事は、その分だけ差し引いて読んでください。同じ理由で、この記事では確かめていない数字を書いていません。プランは変わりますし、確かめていない金額を並べると、読んだ人が誤った前提で判断してしまいます。

最後にもう一度、順番だけ確認します。まず適用開始日を確定させる。次に4つの数字を数える。最後に1年分の総額を2つ並べて、3年後でもう一度計算する。この順番で進めば、比較記事を何本読んでも決まらなかった判断が、自分の数字で決まります。数えた結果として上限の内側にいて、報告の作り直しに時間を取られていないなら、替えないのが一番安い選択です。Backlogは長く使われてきた道具で、それを手放す理由は値上げの見出しではなく、自分の数字の中にしかありません。

Q1. Backlogの新料金は、2027年1月1日から全員に当たりますか?

いいえ。新規契約は2027年1月1日から新プランですが、既存の契約者に当たるのは「2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日」からです。この日はスペースごとに違い、ヌーラボは「適用開始日」と呼んでいます。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。トライアル中やフリープランでは案内が表示されません。

Q2. BacklogとJiraは、どちらが安いですか?

チームの人数で入れ替わります。Backlogはスペース単位の定額で、エコノミーが月21,000円、年払いなら年239,400円(いずれも税抜)。Jiraは1人あたりの課金で、2026年9月2日に10ユーザーの段で確認したStandardは年123,000円でした。少人数ではJira側が低く、人数が増えると定額が効いてきます。人数の段で単価が変わるため、料金ページに自分の人数を入れて確かめてください。

Q3. 工程表を引くだけなら、どちらでも足りますか?

1本のプロジェクトの工程表なら、Jiraは無料プランでもタイムラインが使えると料金ページに記載があります。Backlogのガントチャートは現行スタンダード以上で、フリープランには付いていません。差が出るのは複数プロジェクトを横断した表示で、JiraはPremium以上、Backlogは新プランのビジネス以上という区切りです。案件が1本なら横断表示に払う理由はありません。

Q4. 社外の協力者を入れると、費用はどう変わりますか?

Jiraは有料プランでゲストが使え、有料ユーザー1人につき5人までが無料です。ゲストはサイトあたり1つのスペースにしか入れず、共有されていないものは見えません。Backlogはスペース単位の定額なのでゲストという枠がなく、招いた人はユーザー数の上限に数えられます。社内が多く外部が少ないなら定額、社内が少なく外部が多いならゲスト枠が効きます。

Q5. 乗り換えを決める前に、最低限やっておくことは何ですか?

3つです。自分のスペースの適用開始日を確認して予約の期限を逆算すること、板を更新する人と見るだけの人と外部協力者と動いているプロジェクトを分けて数えること、候補2つの1年分の総額に移行の人件費と二重払いの2か月から3か月分を足して並べることです。数えた結果が上限の内側で困っていないなら、替えないのが一番安い選択です。

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