BacklogとJootoを比べる|提供が続くかを先に見る
「backlog jooto 比較」で調べている人の多くは、機能表を突き合わせたいわけではありません。知りたいのは、いま自分たちが使っている道具をこのまま使い続けてよいのか、それとももう動かすべきなのか、という一点です。そしてこの2つのサービスに限っては、2026年9月時点で、機能や料金より先に確認しなければならない告知が出ています。
Jootoは一般提供の終了が公式に告知されています。Backlogは提供終了の告知はなく、2027年1月1日からのプラン改定が告知されています。性質のまったく違う2つの告知が同じ時期に重なっているため、比較記事の書かれ方によっては前提が古いまま読んでしまうことになります。
この記事では、両社の公式ページとヘルプに書かれている内容だけを使って、決まっている日付、金額、上限、データの持ち出し方を並べます。記載はすべて2026年9月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづきます。金額は両社ともすべて税抜表示です。契約や社内の稟議に使う際は、必ずそのときの公式ページで最新の表記を確認してください。
比較の順番を変える。料金表より前に見るものがある
道具を比べるとき、たいていは料金表と機能比較表から入ります。ところが提供の継続に関する告知が出ている場合、その順番は成立しません。どれだけ安くても、どれだけ機能が噛み合っていても、使える期間に区切りがあるなら、その区切りが最初の条件になるからです。
進行のとりまとめを預かっている人にとって、道具の入れ替えは金額の問題より段取りの問題です。課題の書き出し、担当者の付け替え、社外メンバーへの案内、過去の経緯をどこまで持っていくか。この段取りには時間がかかります。期限が決まっている入れ替えと、期限のない入れ替えでは、使える手が変わります。だから「いつまでに何を終わらせなければならないか」を先に固定します。
もうひとつ、順番を変える理由があります。比較サイトの記事は、料金表が更新されないまま残ることが少なくありません。片方のサービスに終了の告知が出ていても、記事の側には反映されていない、ということが起こります。公式サイトの上部に掲示されている告知は、比較表の数字より優先度が高い情報です。読む側としては、比較記事を読む前に、両社の公式トップページを1回ずつ開いておくと事故を避けられます。
Jootoについて公式が告知していること
一般提供の終了とデータの削除
Jootoの公式サイトには、全ページの上部に一般提供終了の掲示が出ています。「サービス終了に関するお知らせ」の本文は次のとおりです。
Jootoは、2027年7月31日をもちまして、一般提供を終了することとなりました。 出典: jooto.com
公式のよくあるご質問には、終了までの品質とサポートについても書かれています。一般提供を終了する2027年7月31日までは、契約条件に従いこれまでと変わらぬサービス品質とセキュリティを維持するとされ、利用サポートも同日まで継続するとされています。つまり、明日から使えなくなるという話ではありません。
一方で、期日の後については明確です。2027年8月1日以降、Jootoに登録されていたデータは順次すべて削除する予定と書かれています。また、2027年7月31日までは契約期間に関わらず利用できるが、8月1日以降は利用できないため、データのエクスポートと移行を早めに行うよう案内されています。データが消える日が先に決まっている、という点が、この比較でいちばん重い事実です。
契約更新とライセンス追加の受付
もうひとつ、日付が確定していない項目があります。公式のよくあるご質問には、契約更新とライセンス追加は2027年7月31日のサービス終了に向けて段階的に受付を停止し、詳細は8月末に案内すると書かれています。2026年8月31日付の追記で、返金、契約更新、移行支援についての案内資料がPDFで公開されています。
ここで実務上の注意が1つあります。人が増えたときにライセンスを足せるかどうかは、受付停止の進み方に左右されます。増員の予定があるチームは、金額の比較より先に、自分たちの契約でいつまでライセンスを追加できるのかを問い合わせておいたほうが安全です。段階的という言葉は、時期が近づくにつれて選択肢が減るという意味です。
移行のために用意されている機能
Jootoは移行のための機能改修も告知しています。2026年9月中旬に、他サービスへデータを移すためのAPI利用制限の緩和と、CSVで一度に取り出せるデータ量の上限緩和が予定されています。現在はプロジェクト単位のCSV出力が見出しを除いて1,000行までに制限されており、ここが緩和される見込みです。
さらに2026年9月下旬から10月中旬にかけて段階的に、組織内の全プロジェクトを管理者がまとめてダウンロードできる機能が提供される予定です。組織内のユーザー情報と、全プロジェクトのタスク、コメント、メンバー情報、変更履歴、添付ファイルをまとめて取得でき、データはSQLite形式で提供され、内容をブラウザで確認できるHTMLビューアーも用意される予定と案内されています。添付ファイルは別のファイルとしてまとめてダウンロードできるとされています。ただし同ページには、提供時期と内容は開発状況により変更となる場合がある、との注記が付いています。
Backlogについて公式が告知していること
提供終了の告知は無い。あるのはプラン改定
Backlogについては、提供を終了するという告知は、Backlogブログにも、ヌーラボのニュースにも、IRニュースにも見当たりません。2026年に入ってからはBacklog AIアシスタント、関連課題、AIレビュー、孫課題と機能追加の告知が続いています。
出ているのは料金改定の告知です。2026年6月17日に「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という記事が公開され、同日付で東証グロース市場向けの適時開示も出ています。上場企業が適時開示まで出している以上、噂の類ではありません。適時開示には、現行の4プラン構成を3プランに統合したうえで料金改定を行う、と書かれています。
日付は2つに分かれます。2026年12月31日に現行プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終了します。2027年1月1日に新プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。既存の契約者に新料金が適用されるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、この日をヌーラボは適用開始日と呼んでいます。適用開始日はスペースごとに異なります。
新旧の金額と上限
改定前の現行プランの金額は次のとおりです。すべて税抜、月払いです。
| プラン | 月払い(税抜) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ |
|---|---|---|---|---|
| スターター | 2,700円/月 | 30 | 5 | 1GB |
| スタンダード | 16,000円/月 | 無制限 | 100 | 30GB |
| プレミアム | 27,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 100GB |
| プラチナ | 75,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 300GB |
改定後の新プランは次のとおりです。こちらもすべて税抜、月払いです。
| プラン | 月払い(税抜) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ |
|---|---|---|---|---|
| エコノミー | 21,000円/月 | 15 | 30 | 30GB |
| ビジネス | 36,300円/月 | 無制限 | 無制限 | 100GB |
| プロフェッショナル | 100,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 300GB |
ユーザー数の無制限には、安定した運用を維持するため最大10,000人までを推奨する、という注記が付いています。年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定前後で変わりません。
現行のスタータープランに対応する新プランはありません。比較表の該当欄は空欄になっています。スターターを月額2,700円で使っていた組織は、少なくともエコノミーの21,000円を選ぶことになります。スタンダードを使っている組織は、人数が15名以下でプロジェクトが30以下ならエコノミーへ自動で移り、それを超えるならビジネス以上を自分で選ぶことになります。プレミアムはビジネスへ、プラチナはプロフェッショナルへ自動で移ります。
予約が必須になる組織がある
改定に伴い、適用開始日より前に新プランを予約できる機能が2026年8月5日から提供されています。この予約が必須になる組織が公式に示されています。スタータープランを利用中の組織、スタンダードプランでユーザーが16名以上またはプロジェクトが30を超える組織、スタンダードプランでNulab Passを契約している組織です。
予約しなかった場合について、公式のよくあるご質問には次のように書かれています。
予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります。 出典: support-ja.backlog.com
予約の期限の目安も示されています。銀行振込は適用開始日の64日前まで、クレジットカードは適用開始日の2日前までです。銀行振込の場合は請求書が発行されるまで、という条件が付きます。改定の話を金額の問題としてだけ眺めていると、この期限を落とします。
料金の型が違うので、表を横に並べても比べられない
ライセンス単位とスペース単位
2つのサービスは課金の軸そのものが違います。Jootoの料金ページは「1ユーザー/月」という表記で、ユーザー(ライセンス)単位の課金です。データ上限も1ライセンスごとに何GB、という書き方になっています。Backlogのヘルプには、料金は登録したスペース1つ分の金額であり、スペースにプロジェクトやユーザーを追加するごとに追加料金が発生することはない、と書かれています。こちらはスペース単位の定額です。
型が違うと、金額の大小は人数を決めないと言えません。Jootoのスタータープランは年間契約で1ユーザーあたり月417円、月額契約なら月500円です。ユーザー数の上限は10人までです。ビジネスプランは年間契約で1ユーザーあたり月980円、月額契約なら月1,300円で、別途初期費用が発生すると注記されています。タスクDXプランは人数無制限の定額で、金額は問い合わせとなっています。無料プランは1ユーザーです。
人数ごとに金額がどう動くか
年間契約の金額で並べると、次のようになります。Jooto側は人数に比例し、Backlog側は段で動きます。金額はいずれも税抜です。
| 人数 | Jootoビジネス(年間契約) | Backlogスタンダード(現行・月払い) | Backlogエコノミー(2027年から・月払い) |
|---|---|---|---|
| 5人 | 4,900円/月 | 16,000円/月 | 21,000円/月 |
| 10人 | 9,800円/月 | 16,000円/月 | 21,000円/月 |
| 15人 | 14,700円/月 | 16,000円/月 | 21,000円/月 |
| 30人 | 29,400円/月 | 16,000円/月 | 36,300円/月(ビジネス) |
この表から読み取れることは1つです。人数が少ないうちは積み上げ型が安く、人数が増えると定額型が有利になる区間があり、上限を1人でも超えると定額型は次の段へ跳ねます。自分たちの人数がどの区間にいるのかを確定させないと、どちらが高いという話にはなりません。なお、Jootoについては一般提供の終了が告知されているため、この金額比較は終了までの期間に限った話になります。
機能の線がどこにあるか
工程表
Jootoのヘルプには、すべてのプランでガントチャート機能を利用できると書かれています。プロジェクトボードからガントチャートへの切り替えはボタン1つで、バーをドラッグ操作で期間の伸縮ができるとされています。プロジェクトを横断してガントチャートを表示できる機能もあると案内されています。無料プランを含む全プランで使える、という書き方になっています。
Backlogは料金ページ上、スターターとフリープランでは工程表が使えず、スタンダード以上で使えます。スタンダードの表示範囲は6か月分と記載されています。2027年1月1日からの新プランでは、6か月以上の期間の表示とプロジェクトを横断した表示が、ビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できる機能として挙げられています。プロジェクト横断の表示は2026年秋ごろのリリース予定と案内されています。
工程表が必要かどうかで、選べるプランの下限が変わります。ここは金額より先に決めておく項目です。
属性まわりと課題の階層
Backlogの公式の呼称は「属性のカスタマイズ」で、スターターとスタンダードでは使えず、プレミアムとプラチナで使えます。一部の課題の属性(開始日、予定時間、実績時間)はスタンダード以上で使える、との注記が付いています。2027年からのエコノミープランでは、カスタム属性が使えない機能として挙げられています。
Jootoについては、カスタムフィールドやカスタム属性という名称の機能は、公式サイトおよびヘルプセンターに記載が見当たりません。近い機能として案内されているのはラベルです。初期設定で8個のラベルが用意され、名前と色の変更、削除、追加ができ、ラベルは50個まで作成でき、1つのタスクに4つまでラベルを設定できるとされています。プランによる差の記載は、このヘルプには見当たりません。
課題の階層について、Backlogは孫課題(3階層)を2026年8月18日に提供開始したと発表しています。ただし2027年からのエコノミープランでは、孫課題は使えない機能として挙げられています。
会話とチャット
どちらも、課題やタスクの中でのコメントは本体に含まれます。Jootoはタスク内のコメント機能があり、編集と削除、履歴の表示、メンションによる通知、返信、ファイルの添付ができると案内されています。Backlogは料金ページの機能比較表で、課題ごとのコメントが全プランで利用可と記載されています。
一方、ビジネスチャットそのものは、どちらも本体の機能としての記載が見当たりません。JootoはChatworkとの連携についてのヘルプがあります。ヌーラボはビジネスチャットのTypetalkを提供していましたが、2023年11月14日にサービス終了を告知し、2025年12月1日にサービスが終了しています。2025年12月31日にはバックアップを含めてデータがすべて削除されたと案内されています。ここは、チャットは別の道具で持つ前提になっている、と読むのが実態に近いです。
Git / Subversion
Backlogは公式に「Git / Subversion」と表記し、フリープランを含む全プランで利用できると記載しています。開発の課題管理とソースの置き場所を1つにまとめたいチームにとっては、これが選ぶ理由そのものになります。
Jootoについては、Git / Subversionのリポジトリ機能に関する記載が、公式サイト、ヘルプセンターのいずれにも見当たりません。リポジトリを前提にしている開発チームの場合、この項目だけで比較が決着することがあります。
データを持ち出せるかどうかを先に確かめる
移行を考えるとき、最初に不安になるのは金額ではなくデータです。どちらのサービスも書き出しの手段は公式に案内されていますが、形式と上限が違います。
Jootoの新エクスポート機能はCSV形式で、プロジェクトごとにファイルを出力します。利用できるのはスタータープラン、ビジネスプラン、タスクDXプランで、実行できるのはプロジェクト権限がプロジェクトマネージャーのメンバーのみです。出力形式は「リスト、タスク、チェックリスト」「コメント」「リスト、タスク」の3種類で、文字コードはUTF-8です。エクスポートの最大行数はヘッダーを除いて1,000行で、超過するとエラーになります。この行数はタスク数ではなく、コメントやチェックリストを含めた行数です。取り込み側のインポート機能はUTF-8形式のCSVのみで、ビジネスプランとタスクDXプランでのみ利用できます。
Backlogは課題の検索結果をCSVまたはExcel形式で出力できます。課題のコメントの取得上限数は200件と明記されています。Gitはリポジトリをすべてクローンする手順が案内され、Subversionは専用の手順があります。スペース全体のバックアップは有料オプションで50,000円(税抜)です。ただしこのオプションについては、バックアップしたデータはBacklogにインポートできない、と明記されています。取り込みは「一括登録」という機能名で、専用テンプレートのCSVを使い、一度に登録できる課題は最大250件まで、課題の状態は入力できずすべて未対応で登録されます。
書き出しの手段があることと、移行が軽く済むことは別です。行数の上限、コメントの取得上限、状態を引き継げないこと。この3つは、移行後に手で埋め直す作業量に直結します。移行を検討するなら、まず小さなプロジェクトを1つ書き出してみて、実際に何が欠けるのかを目で見るのがいちばん早い確認です。
支払い方法の選択肢も変わる
金額の比較に隠れて見落とされやすいのが、支払いの方法と周期です。ここは資金繰りに直接効くので、金額そのものより先に効いてくる組織があります。
Backlogは現在、銀行振込とクレジットカードのいずれかを選べます。銀行振込は3か月分、6か月分、12か月分のいずれかの一括払いで、振込手数料は利用者負担です。クレジットカードは1か月分または12か月分の一括払いです。ところが2027年1月1日の適用開始日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになります。3か月と6か月は廃止され、これらを利用している場合は適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカード払いであれば、引き続き月払いと年払いを選べます。適時開示はこの点を、月払いはクレジットカード払いのみとなり、3か月払いと6か月払いは廃止となる、と表現しています。
これが何を意味するか、金額で見ると分かりやすくなります。銀行振込で3か月ごとに払っていた組織がエコノミーに移ると、年額239,400円(年払い・税抜)の一括請求と向き合うことになります。同じ金額でも、3か月ごとに分けて払うのと1回で払うのとでは、資金繰りの負担がまったく違います。カードに切り替えれば月払いを維持できるという逃げ道はありますが、社内の経理の規程でカード払いが使えない組織もあります。請求書は次回の契約開始日の63日前に発行され、発行後の調整は問い合わせ扱いになります。つまり、支払い方法を選び直すなら、その2か月以上前に社内の合意を取っておく必要があります。この支払い期間の変更は、CacooとNulab Passにも適用されます。
Jootoの支払い方法はプランによって分かれています。スタータープランはカード決済、ビジネスプランは請求書とカード決済、タスクDXプランは請求書払いです。無料プランには支払い方法の欄がありません。請求書が必要な組織はビジネスプラン以上、という線の引き方になっています。
残る判断が合理的になる場合もある
ここまで日付と金額を並べてきましたが、動かないという判断が正しいことも十分にあります。どういう場合にそうなるのかを先に書いておきます。
Backlogを使っていて、プレミアムまたはプラチナを契約している場合、移行は自動で、上げ幅は3割台に収まります。プレミアムは月27,000円からビジネスの36,300円へ、プラチナは75,000円からプロフェッショナルの100,000円へ動きます(いずれも税抜、月払い)。ストレージの上限は据え置きです。この層にとっては、移行の手間と、その手間の間に落ちる進行の精度を考えると、上げ幅を飲んだほうが合理的なことのほうが多くなります。
Git / Subversionを課題と紐づけて使っている場合も、動かす理由は薄くなります。リポジトリを持つ道具は限られており、そこを外すと、課題とコードのつながりを別の仕組みで作り直すことになるからです。同じことは、社外の取引先を巻き込んで長く運用しているスペースにも言えます。相手側の担当者に新しい道具の使い方を覚えてもらう手間は、金額の差では割に合わないことがあります。
逆に、動かす検討を始めたほうがよいのは、スタータープランを使っている場合です。同格の受け皿が新プランに存在しないため、月2,700円から最低でも21,000円になります(いずれも税抜、月払い)。この差額は年間で見ると小さくありません。無料の枠に収めて凌ぐ、エコノミーに上げる、別の道具へ移る、という3つの選択肢を、それぞれの実務コストまで含めて比べる価値があります。なお2027年1月1日からの新しいフリープランは、ユーザー数の上限が現在の10から5に変わり、プロジェクト数は1、ストレージは100MBです。2026年12月31日までに追加済みの10名までは引き続き使えますが、2027年1月1日以降は新規のユーザー追加ができないとされています。
今日できる確認の手順
自分の契約更新日と適用開始日を調べる
Backlogを使っている場合、契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日を確認できます。ただしトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が表示されません。プランを停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。
この日付が分からないうちは、予算の話も比較の話も始まりません。まずこの画面を開いて、日付を1つ確定させてください。作業としては数分で終わります。
Jootoを使っている場合は、契約更新とライセンス追加の受付停止の進み方について、2026年8月31日に公開された案内資料と、今後の案内を確認します。詳細は8月末に案内するとされていた項目があるため、公式ページの更新履歴を追う必要があります。
人数とプロジェクト数を数える
Backlogの新プランでは、エコノミーの上限が人数15とプロジェクト30です。ここを1つ超えるとビジネスの36,300円になり、金額が大きく変わります。数え方には注意する点があります。退職した人のアカウントが残っていないか、外部パートナーのアカウントが何人分あるか、そして終わったのに残っているプロジェクトが何件あるか。この3つを棚卸しすると、実際の数字は思っているより大きいことが珍しくありません。
数える順番はこうです。まず、ユーザー一覧を開いて、直近3か月にまったく操作していないアカウントを洗い出します。次に、プロジェクト一覧を開いて、最後の更新が半年以上前のものに印を付けます。最後に、その2つを外した場合の人数とプロジェクト数を出します。これで、上限の内側に着地できるかどうかが分かります。
移行にかかる時間を見積もる
移行の作業量は、課題の件数ではなく、書き出せない項目の数で決まります。状態を引き継げないなら、移行後に状態を付け直す作業が件数分だけ発生します。コメントの取得に上限があるなら、長い議論の経緯は一部が残りません。添付ファイルが多いなら、ダウンロードと再アップロードの時間がかかります。
見積もりの単純なやり方は、いちばん大きいプロジェクトを1つ選んで、実際に書き出してから、移行先に入れ直すまでを1回やってみることです。その1回にかかった時間にプロジェクト数を掛ければ、全体の見当が付きます。この数字を出してから、金額の比較に戻ります。順番を逆にすると、安いほうを選んだのに移行で赤字になる、ということが起こります。
移り先を1つに決めない
Jootoの公式ページには、移行先の候補が挙げられています。Backlog、Asana、CrewWorks、Suit UP(いずれもJooto移行支援あり)、Notion、Trello、Microsoft Plannerです。掲載サービスは移行先の一例であり、最新情報は各サービス提供会社へ確認するように、との注記が付いています。移行先を1つに絞る前に、この一覧に載っている道具を一通り見ておくと、選択肢の幅が把握できます。
比べ方の軸は3つに絞れます。1つ目は、課金の型が人数の積み上げか定額か。2つ目は、必要な機能がどのプランから開くか。3つ目は、いま持っているデータのうち何を持ち出せるか。この3つで並べると、機能一覧を全部突き合わせなくても順位が付きます。それぞれの道具についてはBacklogとの比較とJootoとの比較に、公式ページの表記にもとづいた整理をまとめています。板の形をとる道具どうしの違いを見たい場合はTrelloとの比較も同じ形で並べています。
板の形をとる道具の中には、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという料金の作り方をしているものもあります。プランごとに機能の線を引かない代わりに、できることの幅そのものが絞られています。工程表を細かく引く道具ではなく、いま誰が何を持っているかを1枚の板で見せる道具です。料金の考え方は料金に、できることの範囲はできることに整理してあります。
この形の道具の弱点も、隠さずに書いておきます。リポジトリの機能は持ちません。自動化と外部サービスとの連携で勝負する作りでもありません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他のサービスからのデータは手作業での移し替えになります。Trelloからの取り込みの手順はTrelloからの移行にまとめています。Git / Subversionを課題と紐づけて使っているチームや、多数の外部サービスとの連携を前提に工程を組んでいるチームには噛み合いません。
最後に、判断の重心をどこに置くかについて書いておきます。道具を替えるかどうかは、機能の一覧を突き合わせるより、入力する人が増えるかどうかで判断したほうが外しません。工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られません。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。書く人を増やすために必要なのが、機能なのか、料金の枠なのか、それとも書く項目の少なさなのか。そこを見極めてから金額の話に戻ると、選び直しの精度が上がります。判断に迷いやすい点はよくある質問にも整理してあります。
なお、この記事に書いた金額、上限、日付は、いずれも2026年9月2日時点で両社の公式サイトおよび公式ヘルプに掲載されていた内容です。金額はすべて税抜表示です。プランと提供条件は変わりますので、契約や社内の稟議に使う際は、必ずそのときの公式ページで最新の表記を確認してください。
Q1. JootoとBacklog、いま新しく契約するならどちらを選ぶべきですか?
Jootoは2027年7月31日での一般提供終了が公式に告知されており、2027年8月1日以降は利用できず、登録データも順次すべて削除される予定とされています。長く使う前提で新規に選ぶなら、この日付を前提に判断することになります。Backlogは提供終了の告知はなく、2027年1月1日からのプラン改定が告知されています。どちらも公式ページで最新の告知を確認してから決めてください。
Q2. Backlogの新料金は自分の場合いつから適用されますか?
既存の契約者は、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日から新プランへ移行します。この日をヌーラボは適用開始日と呼んでおり、スペースごとに異なります。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が表示されません。
Q3. 料金はどちらが安いですか?
課金の型が違うため、人数を決めないと比較できません。Jootoはユーザー単位で、ビジネスプランが年間契約で1ユーザーあたり月980円(税抜)です。Backlogはスペース単位の定額で、現行のスタンダードが月16,000円(税抜)、2027年からのエコノミーが月21,000円(税抜)です。人数が少ないうちは積み上げ型が安く、増えると定額型が有利になる区間があります。
Q4. データはどこまで持ち出せますか?
JootoはCSVで書き出せますが、エクスポートの最大行数はヘッダーを除いて1,000行です。2026年9月中旬に上限の緩和が予定され、9月下旬から10月中旬には組織内の全プロジェクトをSQLite形式でまとめてダウンロードできる機能が段階的に提供予定と告知されています。BacklogはCSVまたはExcelで出力でき、コメントの取得上限数は200件です。
Q5. Backlogは予約をしないとどうなりますか?
公式のよくあるご質問には、予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があると明記されています。予約が必須なのは、スタータープラン利用中、スタンダードプランでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードプランでNulab Pass契約中のいずれかに当てはまる組織です。期限の目安は銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが2日前までです。