compare

Backlogの課題を書き出す|添付とコメントの扱い

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog 課題 エクスポート」で検索する人が知りたいのは、ボタンの場所ではありません。ボタンの場所は公式ヘルプにすぐ載っています。本当に知りたいのは、その操作で出てくるファイルに何が入っていて、何が入っていないのかです。ここを確かめないまま移行の計画を立てると、あとから欠けているものが見つかって全部やり直しになります。

課題は、チームの進行の記録そのものです。件名と期限だけなら書き出すのは簡単ですが、実際に価値があるのは、その課題にぶら下がっている議論の履歴と、そこに貼られた画面写真や資料のほうです。この3つ(課題本体、コメント、添付ファイル)は、Backlogの中では別々のものとして扱われており、書き出しの経路も別々です。

この記事では、公式ヘルプに書かれている内容だけを使って、課題の書き出し方、コメントの上限、添付ファイルの扱い、そして書き出したものを別の場所へ入れ直すときに何が落ちるのかを並べます。記載はすべて2026年9月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづいています。あわせて、2027年1月1日からの料金改定を前に、いま確かめておくべき順番も載せます。

課題の書き出しは検索結果の画面から行う

最初に、操作の入口を確定させます。Backlogでは、課題の書き出しは課題の一覧そのものからではなく、検索結果の画面から行います。

公式ヘルプには次のように書かれています。

課題の検索結果をExcel形式やCSVなどで出力できます。 出典: support-ja.backlog.com

対応しているのは、シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索の3つです。それぞれの検索結果の一覧の右上または右下にあるアイコンから、課題とコメントのダウンロード、および印刷用ページの表示ができます。

ここに1つ目のポイントがあります。書き出される範囲は、検索の条件で決まります。全部を出したいなら、条件を絞らない状態の検索結果を出す必要があります。逆に、状態が「完了」のものだけ、特定のマイルストーンのものだけ、といった絞り込みをしてから書き出すこともできます。移行の下調べをするなら、まず絞らずに全件を出して総数を把握し、そのあとで区切りながら出すのが確実です。

見落としやすいのは、検索の条件に「完了した課題を含めるかどうか」の設定があることです。既定の一覧では完了済みが表示されていない状態になっていることがあり、そのまま書き出すと未完了のものだけが出てきます。書き出したファイルの行数が思ったより少ないときは、まずここを疑ってください。

CSVとExcelのどちらを選ぶか

形式は2つ選べますが、公式ヘルプは条件付きでCSVを推奨しています。理由は文字数の制限です。

公式ヘルプによれば、課題とコメントは課題の検索結果をCSV形式でダウンロードできると案内されており、Excel形式は「セルが含むことができる合計文字数」の制限を受けるため、文字数が大きい場合はCSV形式が推奨されています。

これは実務上、かなり効いてきます。課題の詳細欄に長い仕様を書き込む文化のあるチーム、あるいは1つの課題で長期間やりとりしてきたチームでは、1つのセルに入る文字数が簡単に大きくなります。Excelで書き出して開いたら詳細の途中で切れていた、という事故は、この制限から起きます。しかも切れていることに気づきにくいのが厄介なところです。ファイルは正常に開けますし、行数も合っています。ただ中身の末尾が無いだけです。

形式 向いている場面 注意点
CSV 詳細やコメントが長い、件数が多い、他のツールへ移す 開く側の文字コード指定が要る場合がある
Excel そのまま人が読む、社内で回覧する セルの合計文字数の制限を受ける

移行の前提で書き出すなら、迷わずCSVです。人に見せる資料を作るためだけならExcelで足ります。両方出しておいて、突き合わせて欠けを確認するという使い方もできます。

印刷用ページという第3の出口

見落とされがちなのが、同じ場所から使える印刷用ページの表示です。公式ヘルプでは、CSVとExcelのダウンロードと並んで案内されています。

これは、CSVやExcelでは形が崩れるものを、人が読める形のまま残したいときに向いています。詳細に表や箇条書きが入っていて、CSVのセルに押し込むと読めなくなる課題。コメントのやりとりの流れを、時系列のまま残しておきたい課題。こうしたものは、印刷用ページを表示してPDFとして保存しておくほうが、あとから読み返す用途では確実です。

機械で処理する目的にはまったく向きませんが、全部を機械で移そうとせず、価値の高いものだけを人が読める形で残すという割り切りは、移行の現場でよく取られる方法です。とくにコメントが200件の上限に当たる課題については、この手段が実質的な受け皿になります。

コメントは200件までしか出てこない

ここが、この記事でいちばん重要な事実です。公式ヘルプには「課題のコメントの取得上限数は200件です。」と明記されています。

つまり、1つの課題に200件を超えるコメントが付いている場合、超えた分は書き出しに含まれません。長く運用してきたチームほど、この上限に当たります。

どんな課題が当たるかは、だいたい決まっています。

・「問い合わせ対応」「不具合報告」のように、1つの課題を窓口にして延々とやりとりを続けている課題 ・定例のふりかえりを1つの課題にぶら下げているケース ・外部の取引先と、課題のコメントでやりとりしているケース ・リリース作業のチェックリストを1課題にまとめ、担当者が逐一コメントで報告しているケース

そして皮肉なことに、こういう課題ほど、チームにとって価値のある判断の履歴が詰まっています。仕様が変わった理由、見送りになった案、顧客が出した条件。移行して失うと痛いのは、まさにここです。

対処としてできることを挙げます。1つ目は、書き出しの前に、コメント件数が多い課題を洗い出しておくこと。2つ目は、その課題については印刷用ページの表示を使って画面から中身を残すこと。3つ目は、重要な判断だけを別の場所へ手で書き写して残すこと。全部を機械的に持ち出すのは難しいので、価値の高いところを人が選んで拾う、という割り切りが要ります。

200件という数字は、日々の運用では意識しない数です。しかし移行を考える段になると、突然この数字が判断の分かれ目になります。まずは自分たちのスペースで最もコメントが多い課題を1件開いて、件数を数えてみてください。それが50件程度なら、この論点は気にしなくて構いません。

添付ファイルは課題の書き出しには含まれない

課題本体、コメント、添付ファイル。この3つのうち、添付ファイルだけは経路が違います。

課題の検索結果の書き出しで出てくるのは、あくまで課題の属性とコメントのテキストです。添付ファイルの実体そのものが、そのファイルの中に詰め込まれて出てくるわけではありません。ファイルの実体は、別の手段で取得することになります。

公式ヘルプで案内されている経路を整理します。

データ 取得の経路
課題とコメント 課題の検索結果からCSVまたはExcelでダウンロード
共有ファイル WebフォルダやFinderからダウンロード
Gitリポジトリ Backlogに保管されているGitリポジトリをすべてGitのcloneで取得
Subversion 公式ヘルプの手順でエクスポート
課題やWikiなどを一括で 有料オプションのスペースデータのバックアップ

有料オプションについては、公式ヘルプに「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜+消費税)」と料金が示されており、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスと説明されています。添付ファイルの実体を含めて一括で受け取りたいなら、これが公式に案内されている手段です。

そして、この有料オプションにも重要な注記があります。公式ヘルプに「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。50,000円を払って受け取ったデータで、Backlogを元の状態に戻すことはできません。受け取れるのは、人が読める形の中身であって、復元用の媒体ではないという理解が必要です。

添付ファイルと課題を結び直す作業

添付ファイルを別経路で受け取った場合、そのファイルがどの課題に付いていたのかを人の手で結び直す作業が発生します。ファイル名に日付や案件名が入っているスペースなら何とかなりますが、「スクリーンショット 2026-03-14 15.22.10.png」や「image.png」ばかりが並んでいるスペースでは、この作業は現実的ではありません。

移行を検討しているなら、この点は早い段階でサンプルを取って確かめてください。課題を10件だけ選んで書き出し、その課題に付いている添付ファイルを取得して、両者を突き合わせる。この小さな実験に30分かければ、移行全体の見積もりの精度が大きく上がります。うまくいくことの確認より、いちばん危ないところの確認を先にやるほうが判断は早くなります。

書き出したCSVは、そのままでは取り込めない

書き出したファイルを、別のBacklogスペースや他のツールへ入れ直す場面を考えます。ここに大きな落とし穴があります。

公式ヘルプの一括登録の項に、はっきりと書かれています。一括登録用のCSVは専用テンプレートをダウンロードして使う必要があり、「課題検索結果一覧の出力」機能で出力したCSVでは一括登録はできません。

出口の形式と入口の形式が一致していないということです。これはBacklogに限った話ではなく、多くのツールで共通して起きる構造です。移行の作業とは、実質的に、この2つの形式の間で列を並べ替え、値を作り直す作業を指します。

一括登録の仕様として公式ヘルプに書かれている点を並べます。

・CSVは2行目から入力する。1行目は登録処理に必要な情報のため削除しない ・入力できる項目は、件名(必須)、詳細、種別、担当者、開始日、期限日、予定時間、実働時間、カテゴリー、発生バージョン、マイルストーン、優先度、親課題 ・日付はハイフン区切り(例 2025-07-31)。複数値はカンマ区切り ・課題の「状態」は入力できず、すべて「未対応」で登録される ・カスタム属性を登録している場合は、CSVファイルにカスタム属性の項目が追加される。必須のカスタム属性はCSVファイルへの入力が必須 ・一度に一括登録できる課題は、最大250件

状態が落ちるという問題

上の一覧で最も重い制約が「状態」です。すべて「未対応」で登録されると明記されています。

これが何を意味するか。過去3年ぶんの課題5,000件を移した先で、完了しているものも処理済みのものも全部が「未対応」で並ぶということです。移した直後のチームの画面には、やることが5,000件あるように見えます。この状態でチームに使わせようとすると、まず間違いなく定着しません。

対処は2つに分かれます。1つは、完了済みの課題は移さず、書き出したCSVを記録として保管しておくという割り切り。もう1つは、移したあとで完了済みのものをまとめて状態変更するという力技です。前者を選ぶチームのほうが多く、実際に合理的です。過去の完了課題を毎日見る人はいません。必要になったときに検索できれば足ります。

250件という区切り

一度に登録できるのは最大250件です。課題が2,000件あるなら、単純計算で8回に分ける必要があります。分割の途中で失敗したときにどこまで入ったのかを追える形にしておかないと、二重登録が起きます。分割の単位を「プロジェクトごと」「マイルストーンごと」のように意味のある区切りにしておくと、失敗しても復旧しやすくなります。

なお、Googleスプレッドシートを使った課題の一括登録の案内もありますが、CSVによる一括登録との違いとして、Googleスプレッドシートでは孫課題を登録できない旨が公式ヘルプに記載されています。階層を持つ課題を移すなら、この違いが効いてきます。

課題の属性ごとに、持ち出しやすさが違う

課題は1つの塊ではなく、いくつもの属性の集まりです。属性ごとに、書き出したあとに扱いやすいものと、扱いにくいものがはっきり分かれます。移行の見積もりを作るときは、属性の単位で考えると精度が上がります。

そのまま持ち出せる属性

件名、詳細、開始日、期限日、優先度。この5つは、値がそのまま文字や日付として入っており、受け皿がどんなツールでも受け取れます。公式ヘルプの一括登録の入力項目にも、この5つは並んでいます。移行で困ることはほとんどありません。

受け皿側に同じ器を作る必要がある属性

種別、カテゴリー、マイルストーン、発生バージョン。これらは、Backlog側であらかじめ定義した選択肢の中から選ぶ形になっています。書き出したCSVには選んだ値の名前が入りますが、受け皿のツールに同じ名前の選択肢が用意されていなければ、値は宙に浮きます。移行の前に、受け皿側で同じ名前の器を先に作っておくのが定石です。器を作らずに流し込むと、選択肢が空欄で入るか、取り込み自体が失敗します。

種別とカテゴリーは、長く運用していると増え続けます。移行のタイミングは、使われていない選択肢を整理する数少ない機会でもあります。書き出したCSVを表計算ソフトで集計して、それぞれの選択肢が何件で使われているかを数えてみてください。1件か2件しか使われていない選択肢が、いくつも見つかるはずです。

作り直しが要る属性

カスタム属性(公式の呼称は「属性のカスタマイズ」)は、定義そのものを移す手段が公式資料では確認できませんでした。値は書き出しに含まれますが、器の定義は受け皿側で作り直すことになります。公式ヘルプには、カスタム属性を登録している場合は一括登録用のCSVファイルにカスタム属性の項目が追加され、必須のカスタム属性は入力が必須になる、と書かれています。器を先に作らないと取り込みが通らないということです。

なお、属性のカスタマイズは現行プランではプレミアム以上で使える機能です。新プランでは、エコノミーで使えない機能の1つとしてカスタム属性が挙げられています。スタンダードから自動でエコノミーへ移る組織では、そもそもカスタム属性を使っていないはずなので、この論点は関係ありません。

階層と関連

親課題は一括登録の入力項目に含まれています。ただし孫課題(3階層)については、Googleスプレッドシートを使った一括登録では登録できない旨が公式ヘルプに記載されています。孫課題は2026年8月18日に提供開始が発表された比較的新しい機能なので、階層を深く使っているスペースはまだ多くないと思われますが、使っているなら移行の設計に影響します。

数字として使いたい属性

予定時間と実働時間は、一括登録の入力項目に含まれています。工数の集計に使ってきたチームにとっては重要な値です。ただし受け皿のツールに同じ概念があるとは限りません。工数の記録が目的なら、課題管理のツールを移すより、集計だけを表計算ソフトへ書き出して保管したほうが早い場合もあります。

全部を一度に出そうとしない

件数の多いスペースで書き出しをするときに、必ずぶつかるのが分割の設計です。ここを最初に決めておくと、作業が途中で破綻しません。

分割の切り口は3つあります。

1つ目はプロジェクト単位です。いちばん素直で、失敗したときにどこまで終わったかが分かりやすい切り方です。プロジェクトが30個あるなら30回に分けます。手数は増えますが、追跡しやすさが段違いです。

2つ目は期間単位です。更新日や登録日で区切って、年ごと、半期ごとに出します。過去のものは記録として保管し、直近のものだけを移す、という判断をするときに向いています。

3つ目は状態単位です。完了済みと未完了で分けて出します。移すのは未完了だけ、完了済みは記録として保管という割り切りをするなら、この切り方が最短です。前述のとおり、一括登録では状態がすべて「未対応」で登録されるため、完了済みを移す価値は多くのチームで小さくなります。

どの切り口を選ぶにせよ、出したファイルには日付と条件が分かる名前を付けてください。「backlog_課題_プロジェクトA_20261102.csv」のような形です。同じ条件で何度も出し直すことになるので、あとから見て「これは何を出したファイルか」が分からなくなると、突き合わせができなくなります。

そして、出したファイルの行数と、画面に表示されている件数が一致しているかを毎回確かめてください。詳細に改行が含まれていると、CSVの行と課題の件数がずれて見えることがあります。件数の確認を毎回やる習慣にしておけば、欠けに気づかないまま先へ進む事故を防げます。

いま調べている人の多くが、料金改定を見て動いている

「backlog 課題 エクスポート」という検索が増えている背景には、料金改定の告知があります。事実として押さえておくべき日付を並べます。

2026年6月17日、ヌーラボがBacklogのプラン改定を公式ブログで告知し、同日付で東証グロース市場向けの適時開示も出しました。2026年12月31日で現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終わり、2027年1月1日から新3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。

既存契約者への適用は一律ではありません。適時開示には「既に現行プランをご利用中のお客様については、プラン改定日以降最初に到来する契約更新日より、順次新プランへ移行のうえ改定後のプランが適用されます」と書かれています。この日をヌーラボは「適用開始日」と呼んでおり、スペースごとに違います。

金額は税抜表示です。現行はスターター月2,700円、スタンダード月16,000円、プレミアム月27,000円、プラチナ月75,000円。新プランはエコノミー月21,000円、ビジネス月36,300円、プロフェッショナル月100,000円です。年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。

影響の出方はプランによって大きく違います。スターターには新プランに同格の受け皿がないため、最低でもエコノミーの月21,000円になります。一方でプレミアムとプラチナの利用者は自動で移行し、上げ幅は3割台に収まります。「値上げされたから全員が移るべき」という単純な話ではありません。書き出しを調べ始めた人は、まず自分がどの型に当たるのかを先に確定させてください。

なお、Backlog自体の提供終了の告知はどこにも出ていません。2026年に入ってからもBacklog AIアシスタント(2026年3月)、関連課題(2026年7月28日)、AIレビュー(2026年8月7日)、孫課題(2026年8月18日)と機能追加の発表が続いています。書き出しを調べることと、いますぐ出ていくことは別の話です。

もう1つ、判断の材料として過去の経緯も挙げておきます。クラシックプランの提供終了は、当初2024年5月31日の予定でしたが、2024年3月6日に延期が告知され、2025年5月31日へ1年延ばされました。理由は、移行に不安を感じる利用者へのサポートを厚くするためと説明されています。今回の改定が延期されると断言はできませんが、過去に一度そういうことがあったという事実は、慌てて決めない理由にはなります。

支払い方法の変更も、金額の変化とは別に効いてきます。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、現在の3か月と6か月は廃止されます。クレジットカード払いなら月払いと年払いを引き続き選べます。銀行振込で3か月や6か月を選んでいる組織は、適用開始日から自動的に年払いに変更されるため、エコノミーであれば年額239,400円(年払い、税抜)の一括請求と向き合うことになります。月々の小さな支払いを前提に予算を組んでいた組織ほど、この変更のほうが先に効きます。

今日できる確認手順

ここまでの内容を、実際の作業に落とします。順番が大事です。

手順1:適用開始日を確認する

契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が確認できます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、この案内が表示されません。ここが決まらないと、書き出しの締切も、比較の締切も決まりません。最初にやってください。

手順2:課題の総数とコメントの偏りを数える

検索の条件を外した状態で全件の検索結果を出し、件数を確認します。次に、コメントが多そうな課題を数件開いて件数を数えます。200件を超える課題があるなら、その課題は特別扱いが必要だと分かります。この2つの数字が、移行の作業量の基礎になります。

手順3:人数とプロジェクト数を数える

エコノミーの上限はユーザー15名、プロジェクト30です。ここを超えるとビジネスの月36,300円になります。公式FAQはアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記しているので、アーカイブしたぶんを数え漏らさないでください。退職者のアカウント、外部パートナーのアカウント、止まっているプロジェクト。この3つを棚卸しするだけで、着地するプランが変わることがあります。

手順4:課題10件で書き出しのリハーサルをする

いきなり全件を出すのではなく、最も条件の悪い課題を10件選んで書き出します。詳細が長いもの、コメントが多いもの、添付ファイルが多いもの、カスタム属性が入っているもの。この10件で問題が出なければ、残りはたいてい問題なく出ます。

手順5:予約が必要かどうかを確かめる

新プランの予約が必須になるのは、スタータープラン利用中、スタンダードでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードでNulab Pass契約中のいずれかに当たる場合です。公式FAQは「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。

書き出したあと、どこへ持っていくかを比べる

課題を持ち出せると分かったあとの話です。ここで急ぐ必要はありません。

まず、残る判断も十分にありえます。プレミアムとプラチナの利用者は自動で移行し、上げ幅は3割台に収まり、ストレージ上限も据え置きです。移行には人の時間がかかり、その時間は請求書には出ませんが確実にコストです。Backlogは長く使われてきた製品で、日本語のサポートがあり、Git / Subversionを本体に持っている点は他のツールにあまりない特徴です。課題管理とコードの置き場を1つにまとめられることに価値を感じているなら、動く理由は薄くなります。

そのうえで比べるなら、性格の違うものを並べて見たほうが判断を誤りません。カード中心の軽い運用に寄せたいならTrelloとの比較、部署をまたぐ大きめの運用ならAsanaとの比較、文書とタスクを同じ場所に置きたいならNotionとの比較が参考になります。Backlogとの考え方の違いを正面から整理したものはBacklogとの比較に、他の候補も含めた一覧は比較の一覧にまとめてあります。

こちら側の制約も書いておきます。このサイトが用意している自動の取り込みはTrelloからのものだけで、Backlogからの自動移行の仕組みは持っていません。仕組みの内容はTrelloからの移行に書いてあるとおりで、Backlogから移る場合は、書き出したCSVを整えて手で入れ直す前提になります。リポジトリの機能も持っていないので、Git / SubversionをBacklog内で使っている組織は、コードの置き場を別に決める必要があります。

移るか残るかを決める順番は、金額差を出す、移行にかかる人の時間を見積もる、この2つを並べて比べる、という流れです。人の時間を見積もる材料は、この記事で挙げた制限がそのまま使えます。200件を超える課題が何件あるか。状態が全部「未対応」になったものを直す作業が現実的か。添付ファイルを結び直せるか。カスタム属性と状態の定義を作り直すのに何日かかるか。この4つを時間に換算してから、差額と並べてください。

そして、移らないと決めた場合にも書き出しの調査は無駄になりません。どのプロジェクトにどれだけ課題が溜まっているか、誰も触っていない課題がどれだけあるかが分かるからです。プロジェクトのアーカイブと削除の違いを理解して数を減らし、使っていないアカウントを整理すれば、上限の手前に着地できる可能性があります。上限の手前に着地できれば、それだけで請求書の金額が変わります。

Q1. Backlogの課題はどこから書き出せますか?

課題の検索結果の画面から書き出します。シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索のいずれかで検索し、その結果の一覧の右上または右下にあるアイコンから、課題とコメントをCSVまたはExcel形式でダウンロードできます。書き出される範囲は検索の条件で決まるため、全件を出したい場合は条件を絞らない状態で実行してください。2026年9月2日時点の公式ヘルプの記載です。

Q2. コメントは何件まで書き出せますか?

公式ヘルプに「課題のコメントの取得上限数は200件です。」と明記されています。1つの課題に200件を超えるコメントが付いている場合、超えた分は書き出しに含まれません。問い合わせ対応や不具合報告のように1課題で長くやりとりしてきたものが当たりやすい制限です。移行を検討しているなら、最もコメントが多い課題を開いて件数を確認するところから始めてください。

Q3. 添付ファイルも一緒に書き出されますか?

課題の検索結果の書き出しに含まれるのは、課題の属性とコメントのテキストです。添付ファイルの実体は別経路になります。共有ファイルはWebフォルダやFinderからダウンロードでき、課題やWikiのデータを添付ファイルと一緒に受け取るには、有料オプションのスペースデータのバックアップ(50,000円、税抜+消費税)が公式に案内されています。

Q4. CSVとExcelはどちらを選ぶべきですか?

移行が目的ならCSVです。公式ヘルプは、Excel形式にはセルが含むことができる合計文字数の制限があるため、文字数が大きい場合はCSV形式を推奨しています。詳細欄に長い文章を書く文化のあるチームでは、Excelで書き出すと本文の末尾が切れる可能性があります。人が読んで回覧するだけならExcelでも足ります。

Q5. 書き出したCSVをそのまま別のスペースに取り込めますか?

できません。公式ヘルプに、一括登録用のCSVは専用テンプレートをダウンロードして使う必要があり、「課題検索結果一覧の出力」機能で出力したCSVでは一括登録はできないと明記されています。また一括登録では課題の「状態」を入力できず、すべて「未対応」で登録されます。一度に登録できるのは最大250件です。移行の作業は、出口の形式と入口の形式の間で列を並べ替え、値を作り直す作業になると考えて見積もってください。

ブログ一覧へ

ほかの記事

触ってみるのが、いちばん早い。

5人まで無料で使えます。クレジットカードは不要です。

無料で始める