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Backlogの料金が変わる|いつから、どのプランに影響するか

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog 値上げ」で検索してこの記事にたどり着いた人の多くは、告知のメールか社内の共有で話を知って、まず「うちはいくらになるのか」を確かめようとしている段階だと思います。金額の話であると同時に、次の更新日までに何かを決めなければならない話でもあるので、落ち着かない気持ちになるのは自然です。

先に結論を書きます。値上げの告知は事実です。噂ではなく、株式会社ヌーラボが自社のブログで告知し、東証グロース市場に上場している会社として適時開示も出しています。ただし中身は「一律に何割上がる」という単純な話ではありません。4つあったプランを3つに統合したうえでの料金改定であり、上がり幅は今どのプランを使っているかで桁が変わります。いちばん大きいところで7倍以上、いちばん小さいところで3割台です。

この記事では、公式に公開されている資料に書かれていることだけを使って、改定の日付、影響を受けるプラン、変化の幅、そして自分の適用日を確かめる手順までを並べます。金額はすべて税抜です。乗り換えを勧める記事ではありません。残る判断も十分にありうる前提で、自分で決めるための材料を置きます。

「値上げ」と呼ばれているものの正体

まず、いま出回っている「Backlogが値上げする」という言い方が、公式の告知とどう対応しているかを合わせておきます。

ヌーラボが2026年6月17日に公開した告知の見出しは「【重要】2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」です。値上げという言葉は使われていません。同日付で出された適時開示のほうは「プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」のプラン改定に関するお知らせ」という題で、本文には「現行の4プラン構成を3プランに統合し、下表の通り料金改定を行います」と書かれています。

つまり公式の位置づけは「プランの統合を伴う料金改定」です。ただし統合後の各プランの金額は、統合前の対応するプランより高く設定されているので、利用者から見れば実質的な値上げとして受け取られています。この記事でも、事実としては料金改定と呼び、金額が上がることについてははっきりそう書きます。

告知の掲載は2026年6月17日15時30分で、その後2026年7月3日10時30分に「プラン改定の背景」の部分が一部修正されています。修正の履歴は記事の末尾に記載されています。さらに続報として、2026年8月5日に「【重要】新しいプランの予約ができるようになりました」が公開されています。料金ページにも「※2027年1月1日からプランが変わります。」という注記が複数箇所に入っています。

告知の経路が複数あることには意味があります。ブログだけなら見落とすこともありますが、適時開示まで出ているということは、会社としての正式な決定として外部に公表されているということです。延期や撤回の可能性を考えるにしても、まずは予定どおり実施される前提で準備を進めるのが実務的です。

なお、Backlogというサービス自体の提供終了の告知は、Backlogブログ、ヌーラボのニュース、IRニュースのいずれにも見当たりません。むしろ2026年に入ってから、Backlog AIアシスタント(2026年3月)、関連課題(2026年7月28日)、AIレビュー(2026年8月7日)、孫課題(2026年8月18日)と機能追加の告知が続いています。2026年6月22日には中期経営計画も開示されています。サービスが畳まれる前触れとしての値上げではない、という点は押さえておいてよいところです。

日付は3つある。混ぜないこと

この改定でいちばん間違えやすいのが日付です。似た日付が3つあり、それぞれ意味が違います。社内で説明するときに混ざると、話がまとまらなくなります。

2026年12月31日:現行プランの新規契約の受付終了

現行の4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)は、この日をもって新規契約の受付を終了します。これから新しくBacklogを契約しようとしている場合、この日までなら現行プランを選べます。

適時開示の原文は「現行プランの新規契約につきましては、2026年12月31日をもって受付を終了いたします」です。すでに使っている組織には直接関係しませんが、別スペースを新設する予定がある場合には効いてきます。

2027年1月1日:新プランの提供開始

エコノミー、ビジネス、プロフェッショナルの3プランが始まる日です。この日以降に新規で契約する場合は、新プランからしか選べません。

ここでよくある誤解は「2027年1月1日から自分の請求額が上がる」というものです。既存の契約者については、そうではありません。

適用開始日:2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日

既存の契約者に新プランが適用されるのは、この日です。ヌーラボはこれを「適用開始日」と呼んでいます。適時開示には「既に現行プランをご利用中のお客様については、プラン改定日以降最初に到来する契約更新日より、順次新プランへ移行のうえ改定後のプランが適用されます」と書かれています。

適用開始日はスペースごとに違います。年払いで2026年5月に更新した組織なら、次の更新は2027年5月なので、それまでは現行料金のままです。月払いのクレジットカード払いなら、2027年1月中の更新日から新料金になります。ここが全社一律ではないので、「うちは何月から」を先に確かめないと、予算の話も比較の話も始まりません。

自分のスペースの適用開始日は、契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。ただしトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、該当の案内が表示されません。プランを停止している場合は、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。

プランごとに、いくらがいくらになるのか

金額を並べます。ヌーラボが公表しているBacklogの金額は、改定前も改定後もすべて税抜です。料金ページには「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されており、適時開示のプラン表にも「(税抜)」と付記されています。税込金額は公式には掲示されていません。社内の稟議に出すときは、消費税を足した額に直してください。

改定前(2026年9月2日時点の料金ページの表示)

プラン 月払い(税抜) 年払い月換算(税抜) ユーザー数 プロジェクト数 ストレージ
スターター 2,700円 2,565円 30 5 1GB
スタンダード 16,000円 15,200円 無制限(推奨10,000人まで) 100 30GB
プレミアム 27,000円 25,650円 無制限(同上) 無制限 100GB
プラチナ 75,000円 71,250円 無制限(同上) 無制限 300GB

フリープランは最大10ユーザー、1プロジェクトです。

改定後(2027年1月1日から)

プラン 月払い(税抜) 年払い月換算(税抜) ユーザー数 プロジェクト数 ストレージ
エコノミー 21,000円 19,950円 15 30 30GB
ビジネス 36,300円 34,485円 無制限(推奨10,000人まで) 無制限 100GB
プロフェッショナル 100,000円 95,000円 無制限(同上) 無制限 300GB

年払いが月払いに比べて5%オフである点は、改定の前後で変わりません。

変化の幅

ヌーラボ自身は倍率を公表していないので、以下は上の表から計算したものです。月払い税抜で並べます。

移行の型 変化
スターターからエコノミー 2,700円が21,000円へ。約7.78倍
スタンダード(15人以下かつ30プロジェクト以下)からエコノミー 16,000円が21,000円へ。約31%
スタンダード(16人以上または31プロジェクト以上)からビジネス 16,000円が36,300円へ。約2.27倍
プレミアムからビジネス 27,000円が36,300円へ。約34%
プラチナからプロフェッショナル 75,000円が100,000円へ。約33%

年額で見ても同じ比率です。この表を見れば、なぜ「値上げ」の受け止め方が人によってこれほど違うのかが分かります。上の2行と下の3行では、話が別物です。

影響がいちばん大きいのはスタータープラン

新プランには、スターターに対応する受け皿がありません。公式の比較表でも該当欄が「ー」になっています。したがってスターターを使っている組織は、有料を続けるならエコノミー以上を自分で選ぶことになります。月額で2,700円だったものが、最低でも21,000円です。年額換算だと、年払いで30,780円だったものが239,400円になります。

しかもこの移行は自動ではありません。自分で予約する必要があります。予約しないままだと何が起きるかについて、公式のFAQは「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。この一文は重いので、スターター利用者は日付の確認を後回しにしないほうがよいです。

スターターの中身をあらためて確認しておくと、ユーザー数30、プロジェクト数5、ストレージ1GBです。ガントチャートは使えず、属性のカスタマイズも使えません。Git / Subversionは使えます。少人数で課題管理とリポジトリを回している組織にちょうど収まる作りで、実際そういう使われ方が多い枠です。

そのうえでエコノミーを見ると、ユーザー数15、プロジェクト数30、ストレージ30GBです。人数の上限はスターターの30から15へ下がり、プロジェクト数は5から30へ上がり、容量は1GBから30GBへ大きく増えます。人数が16人以上いる組織は、スターターからエコノミーへ移ってもそのままでは収まらず、ビジネスの36,300円を見ることになります。この点は見落とされやすいところです。

スターター利用者に残る選択肢は、実質的に3つです。新しいフリープランの5人枠に収める、エコノミー以上に上がる、別の道具へ移る。どれが正解かは、Git / Subversionを使っているか、社外メンバーを何人巻き込んでいるか、過去の課題をどれだけ参照しているかで変わります。

スタンダードは分岐する。15人と30プロジェクトの線

スタンダードの利用者は、条件によって行き先が2つに分かれます。ここが今回の改定でいちばん判定の要る部分です。

自動でエコノミーへ移るのは、ユーザー数が15人以下で、かつプロジェクト数が30以下で、かつNulab Passを契約していない場合です。この条件をひとつでも外れると、自動移行の対象から外れ、ビジネスまたはプロフェッショナルを自分で予約することになります。

条件を満たしてエコノミーへ移った場合でも、上限は変わります。ユーザー数は無制限から15へ、プロジェクト数は100から30へ縮みます。ストレージは30GBのままです。機能面については「基本的に現在ご利用の機能と同等の機能が利用できます」とされており、加えて2段階認証の必須化が使えるようになります。

一方で、エコノミーでは使えないものも公表されています。新プランの資料に挙げられているのは、孫課題(3階層)、ガントチャートの長期間表示、プロジェクト横断ガントチャート、カスタム属性、Backlog AIアシスタント、Nulab Flowbase、アクセスログ、SAML認証と監査ログとユーザープロビジョニング(いずれもNulab Pass)、ストレージ容量追加オプションです。

プロジェクト数の数え方には注意点があります。公式のFAQには、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると書かれています。使い終わった案件をアーカイブして残している組織は、その分も30の枠を食っています。プロジェクト一覧を開いて、アーカイブも含めた数を数え直すところから始めるのが確実です。

人数のほうも同様です。退職した人のアカウントが残っていないか、外部パートナーのアカウントが何人分あるか。この2つで数人は動きます。15という上限は、5人から数十人のチームにとって、ちょうどまたぎやすい位置にあります。

プレミアムとプラチナは自動で移り、上げ幅は3割台

プレミアムはビジネスへ、プラチナはプロフェッショナルへ、いずれも自動で移行します。上げ幅はそれぞれ約34%と約33%で、ストレージの上限も据え置きです。プロジェクト数とユーザー数はもともと無制限なので、上限で困ることもありません。

この層にとっては、今回の改定は「予算を組み直す話」であって、「移行の是非を検討する話」ではないという整理になります。もちろん3割の増加は小さくありませんが、乗り換えのコストと天秤にかけたときに、動かないという判断は十分に合理的です。

フリープランからの移行も自動で、新しいフリープランへ移ります。エンタープライズ版(オンプレミス)は、機能と利用環境の変更なしで新料金が適用されます。エデュケーションプランとNPOプランは、新料金を基準に引き続き半額で、割引率の変更はありません。

プロフェッショナルの容量追加オプションの新料金も公開されています。500GBが月払い120,000円、年払い月換算114,000円。1TBが月払い155,000円、年払い月換算147,250円。いずれも税抜です。1TBを超える場合は問い合わせ対応になります。

無料プランの上限も下がる

有料プランの話に隠れがちですが、フリープランのユーザー上限も変わります。10名から5名へ減ります。

ただし切り捨てられるわけではありません。2026年12月31日までに追加済みの10名までは、引き続き使えます。変わるのは、2027年1月1日以降に新規のユーザー追加ができなくなる点です。さらに注意が要るのは、6名以上で使っていた組織が2027年1月1日以降にユーザーを減らすと、5名を超える人数には戻せないという点です。一度減らすと戻せない、という一方通行の仕様です。

無料枠へ避難するという選択肢を検討している場合、この点は判断に効きます。フリープランの他の上限は、プロジェクト数1、ストレージ100MBです。ガントチャート、属性のカスタマイズ、親子課題、状態の追加と変更、アクセス制限はいずれも使えません。Git / Subversionとファイル共有は使えます。プロジェクトが1つしか持てないので、複数の案件を並行して回しているチームには現実的ではありません。

支払いのしかたが変わる。ここが資金繰りに効く

金額の話に隠れていますが、支払い方法の変更のほうが先に効いてくる組織もあります。

2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになります。現在の3か月払いと6か月払いは廃止です。銀行振込で3か月または6か月を選んでいる場合は、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカード払いは、引き続き月払い(1か月)と年払い(12か月)を選べます。

適時開示は同じ内容を「月払いはクレジットカード払いのみとなります。3ヶ月払い・6ヶ月払いは廃止となります」と表現しています。この支払い期間の変更は、CacooとNulab Passにも適用されます。

何が起きるかというと、たとえば銀行振込で3か月ごとに払っていたスタンダードの組織は、これまで16,000円の3か月分ずつを支払っていたところが、エコノミーの年額239,400円(年払い税抜)の一括請求と向き合うことになります。金額の上げ幅は31%でも、1回に出ていく現金の額は大きく変わります。

クレジットカードに切り替えれば月払いを維持できるという逃げ道はあります。ただし法人カードの限度額や、経理の締めの都合で、簡単に切り替えられない組織もあります。値上げの話をする前に、支払い方法をどうするかを先に決めておいたほうが、社内の調整はスムーズです。

請求書は次回の契約開始日の63日前に発行されます。発行後の調整は問い合わせ扱いになります。

予約が必要な組織と、その期限

2026年夏から、適用開始日より前に新プランを予約できる機能が提供されています。提供開始は2026年8月5日に告知されました。

予約が必須になるのは、次のいずれかに当てはまる組織です。

・スタータープランを利用中 ・スタンダードプランでユーザーが16名以上、またはプロジェクトが30を超えている ・スタンダードプランでNulab Passを契約中

Nulab Passの条件は見落としやすいので補足します。2027年1月1日以降、Nulab Passはビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できます。エコノミー相当やフリープランでは契約更新できません。したがってスタンダードでNulab Passを使っている組織は、人数やプロジェクト数が少なくても自動移行の対象から外れます。

予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。銀行振込の場合、期限は2か月以上前です。適用開始日が2027年3月なら、逆算すると2026年内に手を打つ必要が出てきます。

なお、現行プラン内でのダウングレードには制限がかかります。「次の利用期間が2027年1月1日以降の場合は、現在のプランでのダウングレードはできません」とされています。上のプランから下のプランへ落として費用を抑える、という手は、この時期には使えなくなっています。

一方で、現在の契約期間についての扱いははっきりしています。

現在の契約期間について、契約期間の途中でアップグレード(上位プランへの変更)をしない場合、追加の費用はかかりません。 出典: support-ja.backlog.com

言い換えると、旧料金が効くのは現在の契約期間が終わるまでです。旧料金を継続できる特別枠や、経過措置としての割引は公表されていません。用意されているのは、今の契約期間はそのまま走り切れるという一点だけです。登録済みのデータ(課題、Wiki、ドキュメント、ファイル)は新プランでも引き続き利用でき、移行作業は不要とされています。

過去の改定から読み取れること

今回が初めての改定ではありません。過去の記録を見ておくと、この会社が改定をどう扱うかの傾向が少し見えます。

前回の利用料金改定は2023年1月11日でした。告知は2022年10月4日15時に公開され、2022年10月6日15時に改定の目的が追記されています。告知から実施まで約3か月です。今回は2026年6月17日の告知で2027年1月1日の実施なので、約6か月半の予告期間が取られています。前回より長めです。

2023年の改定の中身で大きかったのは、年払い割引率を16%から5%へ引き下げたことです。基本の料金プランの年払いと有料オプションの年払いの両方が対象でした。既存契約者の扱いは今回と同じ考え方で、「すでに利用期間が開始しているプランは、次回の更新まで従来の料金でご利用いただけます」とされていました。改定の目的として、サービス運用環境(サーバー等)の強化、情報セキュリティ対策の強化、サービス開発体制の強化、顧客サポート体制の強化の4点が挙げられていました。

このときの改定前後の具体的な金額は、告知記事の本文には数字として記載されておらず、料金ページへのリンクで案内されていました。したがって2023年改定の上げ幅がいくらだったかは、公開資料では確認できませんでした。

延期の前例はあります。プラン自体の廃止のケースです。2023年8月24日に「クラシックプランの提供終了のお知らせとプラン移行のお願い」が公開され、当初は2024年5月31日に提供終了の予定でした。ところが2024年3月6日に「クラシックプランの提供終了を延期いたします」が公開され、終了日は2025年5月31日へ1年延期されています。延期の理由は、移行に不安を感じる利用者へのサポートを厚くするためと説明されていました。

この前例があるので、今回も延期されるのではないかと考える人がいるのは分かります。ただし前例があることと、今回そうなることは別です。適時開示まで出ている案件を、延期を前提に準備するのは危険です。事実として過去に一度延期の前例がある、というところまでにとどめて、予定どおり実施される前提で動くのが安全です。

そのままBacklogを使い続けるほうがよい場合

値上げの記事は、たいてい乗り換えの話に流れます。ただし今回の改定は、動かないほうが合理的なケースがはっきりあります。先にそちらを書きます。

プレミアムとプラチナの利用者は、上げ幅が3割台で、自動移行、上限も据え置きです。数十人から数百人が使っているスペースを別の道具へ移す手間と、月に9,000円から25,000円の増加を比べたとき、動かない判断のほうが多くの場合で合理的です。

Git / Subversionを課題と紐づけて使っている組織も同じです。Backlogはリポジトリを標準で持ち、課題とコミットを結びつけられます。この形を前提に開発を回しているなら、リポジトリを持たない道具へ移ると、そもそも運用が成立しません。Gitリポジトリ数は新プランでも全プラン無制限で、1リポジトリあたり10GBは共通です。

過去の課題を頻繁に参照している組織も、移行の負担が大きくなります。課題とコメントはCSVまたはExcel形式で書き出せますが、コメントの取得上限数は200件です。スペース全体のバックアップは有料オプション(50,000円、税抜と消費税)で、しかもバックアップしたデータはBacklogにインポートできないと明記されています。過去の議論の経緯そのものが資産になっている組織では、持ち出せる形にならない部分が出てきます。

Nulab PassでSAML認証や監査ログを使っている組織は、そもそも代替が限られます。ビジネス以上への移行が必要になりますが、認証基盤を組み替える話と比べれば、プランを上げるほうが早いことが多いはずです。

逆に、検討の余地が大きいのはスターター利用者と、スタンダードを16人以上で使っている組織です。この2つは上げ幅が2倍から7倍を超えるので、金額の差が乗り換えの手間を上回る可能性があります。

独自データ考察:値上げの知らせを受けて、次に何を決めるか

ここまでの内容を、決める順番に組み直します。

第1に、自分の適用開始日を確定させます。 これが決まらないと、予算の話も比較の話も始まりません。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くだけです。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は表示されないので、その場合は今の支払いサイクルから逆算します。年払いなら前回の更新月の1年後、月払いなら毎月の更新日です。ここまでで15分もかかりません。

第2に、人数とプロジェクト数を数えます。 人数はユーザー一覧を開いて、退職者のアカウントが残っていないか、外部パートナー分が何人分あるかを確認します。プロジェクト数はアーカイブ済みも含めて数えます。この2つの数字が、エコノミーの15と30の線を超えるかどうかで、金額が21,000円と36,300円のどちらになるかが決まります。差は月額で15,300円、年額で183,600円です。棚卸しをして線の手前に着地できるなら、その作業はそのまま費用の差になります。

第3に、支払い方法を決めます。 銀行振込で3か月または6か月払いを使っているなら、年払いへの自動変更を受け入れるか、クレジットカードへ切り替えて月払いを維持するかを選びます。経理の締めや法人カードの限度額の確認が要るので、この判断は早めに社内へ回したほうがよいです。

第4に、予約が必要かを判定します。 スターター、スタンダードで16人以上または31プロジェクト以上、スタンダードでNulab Pass契約中、のいずれかに当てはまるなら予約が必須です。銀行振込なら適用開始日の64日前が期限の目安です。

この4つを終えて、初めて「上がる金額」と「動くコスト」を並べて比べられる状態になります。逆に言うと、この4つを飛ばして道具の比較表を眺め始めても、判断の軸が定まりません。値上げの知らせを見てすぐ他社の料金ページを開きたくなりますが、順番としては後です。

そのうえで乗り換えを検討する段になったら、比べる観点は金額ではなく、いまの困りごとがどこにあるかです。プロジェクト数の上限で詰まっているなら、上限の切り方が違う道具を探す話になります。人数の上限で詰まっているなら、人数課金か定額かという課金の型そのものを見直す話になります。工程表が引ければよいだけなら、機能の束を段で売る作りではない道具のほうが噛み合うこともあります。似ているようで、探す方向がまるで違います。

板の形をとる道具の並びを見ておくと、選択肢の幅がつかめます。カードを列で動かす形と、課題を積み上げて管理する形では、同じ「タスク管理」でも運用の負荷がまるで違います。その違いの出どころはTrelloとの比較に整理してあります。Backlogとの機能面の対応関係、とくにリポジトリと課題の紐づけをどう代替するかについてはBacklogとの比較にまとめてあります。

ただし、乗り換え先を検討するときに正直に見ておくべき点もあります。板の形をとる道具の多くは、リポジトリの機能を持ちません。自動化と外部サービスとの連携で勝負する作りでもありません。画面が日本語のみのものもあり、自動で取り込めるのが特定のツールからだけ、という制限がついていることもあります。課金の考え方そのものは料金に、できることの範囲はできることに整理してあります。金額だけを見て移ると、移った先で別の壁に当たります。

最後に、道具を替えるかどうかの判断で外しにくい基準を1つ挙げます。機能の一覧を突き合わせるより、「入力する人が増えるかどうか」で見たほうが、結果は当たります。進捗の表は、書く人が増えなければ必ず古くなります。工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られません。値上げは動くきっかけにはなりますが、動く理由そのものにはなりません。理由のほうは、いまチームのどこで進行が詰まっているかにあります。

なお、この記事に書いた日付、金額、上限は、いずれも2026年9月2日時点で公式サイト、公式ヘルプ、および適時開示に掲載されていた内容です。金額はすべて税抜です。プランと料金は改定が告知されているとおり変わりますので、契約や社内の稟議に使う際は、必ずそのときの公式ページで最新の表記を確認してください。判断に迷いやすい点はよくある質問にも整理してあります。

Q1. Backlogの値上げはいつからですか?

新プランの開始は2027年1月1日です。ただし既存契約者に新料金が適用されるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日(適用開始日)からで、スペースごとに違います。年払いで2026年内に更新した組織は、その契約期間が終わるまで現行料金のままです。現行プランの新規契約受付は2026年12月31日で終了します。

Q2. どのくらい値上がりしますか?

今のプランによって桁が変わります。月払い税抜で、プラチナは75,000円が100,000円へ約33%増、プレミアムは27,000円が36,300円へ約34%増です。一方、スタンダードで16人以上または31プロジェクト以上の組織は16,000円が36,300円へ約2.27倍、スターターは2,700円が21,000円へ約7.78倍になります。

Q3. 旧料金を続けられる経過措置はありますか?

旧料金を継続できる特別枠や経過措置の割引は公表されていません。公式FAQは、現在の契約期間中に上位プランへ変更しなければ追加費用はかからないとしており、旧料金が効くのは現在の契約期間が終わるまでです。なお、次の利用期間が2027年1月1日以降になる場合、現行プラン内でのダウングレードはできないとされています。

Q4. 何もしないとどうなりますか?

プレミアム、プラチナ、フリープラン、および15人以下かつ30プロジェクト以下でNulab Pass未契約のスタンダードは自動で移行します。一方、スタータープラン、16人以上または31プロジェクト以上のスタンダード、Nulab Pass契約中のスタンダードは予約が必須で、公式FAQは予約がない場合に適用開始日以降Backlogを利用できなくなる可能性があると明記しています。

Q5. 支払い方法は変わりますか?

2027年1月1日以降、銀行振込で選べるのは年払い(12か月)のみになり、3か月払いと6か月払いは廃止されます。銀行振込でこれらを利用中の場合、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカードは月払いと年払いを引き続き選べます。この変更はCacooとNulab Passにも適用されます。

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