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BacklogとNotionを比べる|文書と課題のどちらが主か

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog notion 比較」で調べている人は、たいてい2つの流れのどちらかにいます。1つは、社内の情報がNotionに集まっていて、進行管理もそこに寄せられないかと考えている場合。もう1つは、Backlogで課題を管理しているが、2026年6月17日に出た料金改定の告知を読んで、更新の前に他の選択肢も並べておこうとしている場合です。

どちらの流れでも、最初に決めるべきことは同じです。文書が主か、課題が主か。BacklogとNotionは、この一点で設計が分かれています。機能の一覧を見比べても順位は付きません。付けられるのは「自分のチームが日々書いているものは、どちらの器に合うか」という判断だけです。

以下では、設計の違い、料金改定の中身、無料枠の終わり方、課金の形、工程表と作り込み、社外メンバー、データの持ち出しの順に整理します。最後に、今日15分で終わる確認手順を置きます。

文書が主か、課題が主か

Notionの中心にあるのはページです。ページの中にブロックを積み、その一部をデータベースにして、テーブルやボードやカレンダーやタイムラインといったビューで見せる。この形の強さは、器を自分で作れることにあります。議事録も、仕様書も、顧客の一覧も、案件の進行も、同じ場所に置けます。情報が1か所に集まると、探す時間が減ります。

Backlogの中心にあるのは課題です。課題には種別があり、担当者と期限があり、状態が未対応から処理中を経て完了へ進みます。親課題と子課題で階層を作れ、マイルストーンで区切れ、同じスペースの中にGitとSubversionのリポジトリが同居しています。器はあらかじめ決まっていて、作る必要がありません。1件ずつ独立して閉じられるものを積み上げて潰していく流れに、最初から合わせて作られています。

実務でこの差がどこに出るかというと、「書かれるまでの摩擦」に出ます。器が決まっている道具では、書く人は項目を埋めるだけで済みます。器を自分で作る道具では、まず誰かが構造を決めなければ、他の人は何をどこに書けばよいのか分かりません。決める人がいる間は快適で、決める人が抜けると止まります。

現場でよく聞くのは、Notionでプロジェクト管理を始めたチームで、最初の2週間は全員が書き、そのあと更新が設計した1人に集中していく、という流れです。更新されない進捗表は、白紙より危険です。数字が並んでいるので、見た人は正しいと思い込みます。道具の良し悪しではなく、器を維持する人がチームの中にいるかどうかが、この比較の本当の分かれ目です。

2027年1月の改定で、Backlog側の前提が動く

比較の前提として、片方の料金表に期限が付いていることを押さえておきます。

ヌーラボは2026年6月17日に「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という告知を公開し、同じ日に東証グロース市場向けの適時開示も出しています。噂ではなく、上場企業が自ら開示した確定情報です。

日付は3つあります。2026年12月31日で現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約受付が終わります。2027年1月1日に新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。すでに契約している組織に新料金が当たるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいます。スペースごとに違うので、全社一律の日付ではありません。

金額はすべて税抜です。料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。

現行プラン 月払い(税抜) 新プラン 月払い(税抜)
スターター 2,700円/月 受け皿なし
スタンダード 16,000円/月 エコノミー 21,000円/月
プレミアム 27,000円/月 ビジネス 36,300円/月
プラチナ 75,000円/月 プロフェッショナル 100,000円/月

年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。エコノミーの年払いは年額239,400円です。枠も動き、エコノミーはユーザー数15、プロジェクト数30、ストレージ30GBになります。現行スタンダードはユーザー数が無制限でプロジェクト数が100だったので、自動でエコノミーへ移る組織では金額と枠の両方が変わります。無料のフリープランは、ユーザー上限が10名から5名に下がります。

自動移行かどうかも分かれます。スタンダードのうち15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Passを使っていない組織はエコノミーへ自動で移ります。スタータープランの組織と、16名以上または31プロジェクト以上またはNulab Pass契約中の組織は自動移行の対象外で、自分で新プランを予約する必要があります。公式のよくある質問には「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と書かれています。比較よりも先に手を打つべき項目です。

無料の範囲がどこで終わるか

小さいチームでは、無料でどこまで走れるかが判断のほとんどを占めます。両者の無料枠は、区切りの置き方がまったく違います。

Notionのフリープランは、1人で使う限りページとブロックが無制限です。ところが2人目が入った瞬間に条件が変わります。

ワークスペースごとに1,000ブロック。その後、コンテンツを作成し続けるには、ワークスペースをNotionの有料プランにアップグレードする必要があります。 出典: notion.com

英語版のヘルプにも「Workspaces with more than one member will be able to use up to 1,000 blocks in that workspace. If you want unlimited block usage on the Free Plan, you'll need to make sure your workspace only contains one person.」と書かれています。数え方にも注意が要ります。公式には「サインアップ後にワークスペースで作成されたコンテンツの量に基づいてブロックをカウントします。ブロックを削除したり、ゴミ箱を空にしたりしても、ブロック数は減りません。」とあり、消しても戻りません。

ブロックは、段落1つ、見出し1つ、データベースの行1つがそれぞれ1ブロックです。1,000という数は、議事録を書き、タスクを並べ、仕様を残していけば数か月で届きます。つまりNotionのフリープランは、複数人での本格運用を想定した枠ではありません。

そのほかフリープランで数値の上限があるものとして、ファイルのアップロードが最大5MB、ページの履歴が7日、外部ゲストが10人、チャートが1つ、notion.siteのドメインが1つです。ページの履歴はプラスで30日、ビジネスで90日、エンタープライズで無制限になります。7日というのは実務では短く、先週の変更をたどれない場合があります。

Backlogの新しいフリープランは、ユーザー5名、プロジェクト1つ、ストレージ100MBです。現行のフリープランでは、アクセス制限、ガントチャート、バーンダウンチャート、属性のカスタマイズ、状態の追加や変更、親子課題がいずれも使えないと公式ヘルプに記載があります。ただしGitとSubversionは無料でも使えます。加えて、2026年12月31日までに追加済みの10名までは2027年1月1日以降も使えますが、新規のユーザー追加はできなくなり、6名以上で使っていた組織がユーザーを減らすと5名を超える人数には戻せません。

課金の形。スペース定額と、メンバー単位

有料に移る場合、何を数えて請求額が決まるかが違います。

Backlogはスペース単位の定額です。公式ヘルプに「プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。」「スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。」と書かれています。人を1人足しても、その場では請求が増えません。増えるのは上限に触れてプランを上げたときだけです。

Notionはメンバー単位です。公式ヘルプには「Notionの請求モデルは、ワークスペース内のメンバー数に基づいています。」「ワークスペース内の各メンバーに1シートが割り当てられます。」とあります。2026年9月2日に日本円表示で確認した金額は、プラスが年払いでメンバー1人あたり月1,650円、月払いで2,000円。ビジネスが年払いで3,150円、月払いで3,800円です。年払いの割引は「年間プランで最大20%お得に」と表示されています。

税の扱いには注意が必要です。各有料プランのカード下部に「日本の消費税(該当する場合)」という注記が出ますが、表示価格が税抜か税込かを明示する文言は、料金ページとヘルプの請求関連記事では確認できませんでした。読み取れるのは、該当する場合に日本の消費税が加算されるということだけです。

メンバーを増減したときの扱いも書かれています。月払いでは、追加したメンバーの日割り分が遡って次の請求に足されます。年払いでは、残余期間に応じて計算された金額が翌月に請求されます。削除した場合は「請求額の減額は次回の請求サイクルから適用され、サイクル途中の日割り計算は行われません。」とあります。人の出入りが多いチームでは、減らしてもすぐには下がらない点を見込んでおいてください。

年額で並べます。以下は2026年9月2日時点の公開表示に基づく単純計算で、Backlog側は税抜、Notion側は消費税が加算される前の表示価格です。

人数 Backlog(年払い・税抜) Notion プラス(年払い) Notion ビジネス(年払い)
10人 エコノミー 239,400円/年 198,000円/年 378,000円/年
15人 エコノミー 239,400円/年 297,000円/年 567,000円/年
20人 ビジネス 413,820円/年 396,000円/年 756,000円/年

順位が一直線に並ばないところが要点です。10人ではNotionのプラスが低く、15人ではBacklogのエコノミーが低く、20人では再びプラスがわずかに低い。Backlog側がプランの段で跳ねるためにこうなります。自分の人数を入れて計算するまで順位は決まらない、ということです。

工程表と、作り込みの自由

工程表の扱いは、両者で立て付けが違います。

Backlogのガントチャートは、現行プランではスタンダード以上で、表示範囲は6か月分です。スターターとフリープランには付いていません。2027年1月以降の新プランでは、6か月以上の期間の表示とプロジェクトを横断した表示が、ビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できる機能として挙げられています。プロジェクト横断のガントチャートは2026年秋ごろのリリース予定と告知されています。

Notionのタイムラインは、データベースのビューの1つです。日付の範囲を持つ日付プロパティがあれば作れます。プランによる制限については、ヘルプ記事にも料金ページの比較表にも該当する記載が見当たりませんでした。制限があるとは書かれていませんが、無いとも明記されていないため、ここは断定を避けます。実際に無料の範囲で作れるかどうかは、試用時に自分の目で確かめるのが確実です。

一方、料金ページの比較表ではっきり区切られているものもあります。ダッシュボードはビジネスとエンタープライズのみで、フリーとプラスの列は空欄です。チャートはフリーが1つ、プラス以上が無制限です。逆に「サブタスクと依存関係」「カスタムプロパティとフィルタリング」は、フリーを含む4つの列すべてにチェックが付いています。カスタムプロパティが無料から使えるのは、Backlogの属性のカスタマイズが現行プレミアム以上であることと対照的です。

作り込みの自由という点では、Notionが上を行きます。プロジェクト管理の標準テンプレートは3種類あり、公式ガイドでは「To-do list」「Projects & tasks」「Projects, tasks & sprints」と説明されています。このうちプロジェクトとタスクのテンプレートには、2つのデータベースとそれを結ぶリレーション、ステータスや担当者や期日のプロパティ、完了率のプログレスバー、そしてカンバンやテーブルやTimelineなどのビューが最初から入っています。ここから先のビュー追加とプロパティ追加は、利用者側の作業になります。

この「ここから先」が費用に見えない負担です。誰かが設計し、変更のたびに直し、新しく入った人に説明する。この時間は料金表に載りません。設計を担う人が明確にいるなら自由度は資産になり、いないなら負債になります。判断のときは、その人が誰かを先に決めてください。決められないなら、器が最初から決まっている道具のほうが安全です。

開発の周辺をどう扱うか

比較表に出にくいところで差が出る項目を3つ挙げます。

1つ目はリポジトリです。BacklogはGitとSubversionが全プランで使え、フリープランでも使えると公式ヘルプに記載があります。新プランでもGitリポジトリ数は全プラン無制限、1リポジトリあたり10GBで共通とされています。課題とソースコードが同じ場所にある構成は、開発チームには手放しにくい利点です。Notionのプランにリポジトリの提供が含まれるかどうかは、今回参照した公式の料金ページとヘルプでは確認できませんでした。開発の記録を同じ場所に置きたいなら、この点を先に確かめてください。

2つ目は日本語です。どちらも画面は日本語で使えます。Notionの対応言語一覧には日本語が含まれ、サイドバーの設定から環境設定に入って切り替えます。モバイルではシステム環境設定の言語の優先順に従います。Backlogは国内のサービスで、ヘルプもサポートも日本語です。行き詰まったときに日本語で相談できる先の厚みは公開資料の数値で比べられないので、無料トライアルの期間中に実際に問い合わせて確かめるのが確実です。Backlogの無料トライアルはどのプランも30日間です。

3つ目はデータの保管場所です。Notionのデータレジデンシーは、営業経由で購入するエンタープライズプランの顧客が対象で、データ地域として東京(バックアップは大阪)が選べます。既定では米国に保存され、移行にはアカウントチームへの連絡が必要と明記されています。国内保存が社内規程で求められている場合、上位プランが前提になる点を先に押さえておいてください。

社外の人をどう入れるか

外部の協力者が関わるチームでは、ゲストの扱いが総額を左右します。

Notionのゲストは、ページ単位で招く形です。公式には「Guests are individuals external to your company or organization who you invite into your workspace on a page-by-page basis.」とあり、ワークスペース全体へのアクセスは与えられません。招かれたページとその下のページだけが見えます。人数の枠は料金ページの「外部ゲスト制限」の行にあり、フリーが10人、プラス以上はすべて無制限です。課金対象はメンバーであり、ゲストはこの別枠で管理される仕組みになっています。ただし、有料プランでゲストが完全に無課金であることを直接述べた文言は、公開資料では確認できませんでした。

上限に達した場合の挙動も書かれています。ワークスペースがゲストの上限を超えていると、新しく共有した相手は、そのワークスペースのメールドメインに属している場合に限りメンバーとして追加される形になります。メンバーとして追加されれば請求は増えます。フリープランで10人の枠を使い切ったまま運用すると、意図せず有料のメンバーが増えることがある、ということです。

Backlogはスペース単位の定額なので、ゲストという別枠がありません。招いた人は全員がユーザー数の上限に数えられます。エコノミーの15人枠には社内の人も外部の協力者も同じように入ります。社内8人と外部協力者6人という編成なら枠にぎりぎり収まりますが、案件が増えて協力者が2人増えた瞬間に超えます。

権限の細かさでも差があります。Notionでは、プライベートのチームスペース、チームスペースの高度なアクセス権設定、データベース権限の詳細設定が、いずれもビジネスとエンタープライズのみです。SAMLシングルサインオンはビジネス以上、SCIMによるユーザープロビジョニングと監査ログはエンタープライズのみです。Backlog側では、新プランのIPアドレス制限の上限がエコノミー50、ビジネス100、プロフェッショナルが無制限とされ、SAML認証や監査ログはNulab Passに含まれ、2027年1月1日以降はビジネスとプロフェッショナルでのみ契約できます。社内規程で認証や監査の要件が決まっているなら、金額より先にその要件を満たす段を確かめてください。

データを持ち出せるか

乗り換えを考えるとき、最初に不安になるのは金額ではなくデータです。

Notionの書き出しは、PDF、HTML、Markdown、CSVの4形式が公式に案内されています。ワークスペース全体の書き出しは、HTMLとMarkdownとCSVならフリーを含む全プランで可能で、PDFでの全体書き出しはビジネスとエンタープライズのみです。手順と制限も明記されていて、ダウンロードのリンクは有効期限が7日間、処理にはワークスペースの大きさによって最大30時間かかる場合があるとされています。実行者にアクセス権が無いページは書き出されません。そして重要な一文があります。「エクスポートしたワークスペースコンテンツを再アップロードしても、ワークスペースを即座に再現することはできません。」つまり書き出しは保管や移送のための形であって、元に戻すための形ではありません。

取り込みは幅広く、プレーンテキスト、Markdown、Word、CSV、HTML、PDF、ZIPに対応し、ConfluenceやAsanaやEvernoteやTrelloなどからの取り込みも案内されています。他所からNotionへ入れるのは比較的容易だが、Notionから出て別の形に戻すのは手作業になる、という非対称があります。

Backlogの書き出しは、課題の検索結果をCSVまたはExcel形式でダウンロードする形です。課題のコメントの取得上限数は200件です。共有ファイルはWebフォルダやFinderから、GitリポジトリはすべてクローンできるとFAQに書かれています。スペース全体については有料オプション「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜)」があり、こちらも「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。取り込みは「一括登録」というCSVの機能で、専用テンプレートを使い、一度に登録できるのは最大250件、状態は入力できずすべて「未対応」で登録されます。

どちらから出るにせよ、持ち出せるのは表にできる情報までです。ページの階層、コメントの並び、権限の設計は、CSVを移しただけでは再現されません。移行の見積もりでは、移した先で作り直す時間を人件費に換算してください。板が30枚あるなら、1枚30分としても15時間です。取り込みの対応範囲はTrelloからの移行にまとまっているので、いま使っている道具が対象かどうかを先に見ておくと見積もりが早くなります。

なお、日本語のヘルプ記事の上部には「このコンテンツはAI翻訳されている可能性があります」という注記が表示されます。日本語の文言だけを根拠に判断するときは、英語版と突き合わせておくのが安全です。

この記事を出している側の道具にも、はっきりした限界があります。ソースコードを置くリポジトリの機能は持っていません。自動化と外部連携の広さでは勝負していません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他の道具のデータは手で移すことになります。何ができるかはできることに書いてあり、区切りの置き方は料金で確認できます。弱点が1つも書かれていない比較記事は、その分だけ差し引いて読んでください。

今日15分で終わる、3つの確認手順

比較記事をこれ以上読んでも判断は動きません。動くのは数字です。

手順1. 適用開始日と、無料枠の残りを確認する

Backlogを使っているなら、契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開いて、自分のスペースの適用開始日を確認してください。新料金がいつから当たるかは全社一律ではなく、契約更新日ごとに違います。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が出ません。

日付が分かったら予約の期限を逆算します。銀行振込は適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードは2日前までが目安として案内されています。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、3か月払いと6か月払いは廃止される点も押さえておいてください。月々で払っていた組織が年額239,400円(税抜)の一括請求と向き合うことになるかどうかは、資金繰りに直接効きます。

Notion側では、ワークスペースのメンバー数とゲスト数、そしてフリープランならブロックの使用状況を確認します。ブロックは消しても戻らないので、残りが少ないなら有料への移行時期を先に見積もっておいたほうが慌てません。

手順2. 4つの数字を、定義を決めてから数える

数えるのは、板や表を更新する人、見るだけの人、外部の協力者、動いている案件の4つです。合計だけでは判断に使えません。

人数を数える前に、退職者のアカウントが残っていないかを確認してください。プロジェクト数については、公式のよくある質問にアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算される旨が明記されています。寝ている案件のアーカイブと削除は別物です。棚卸しをするだけで壁の内側に着地することがあります。

あわせて、5つ目の数字も数えてください。器を設計して維持している人が何人いるかです。0人なら、自由度の高い道具を選ぶ判断は保留したほうが安全です。

手順3. 1年分の総額を2つ並べる

月額の比較はやめて、1年分の総額に直します。Backlog側は年払いの年額をそのまま。Notion側はメンバー数に単価を掛け、消費税が加算されることを前提に置きます。そこへ、移行にかかる時間の人件費と、旧の道具を止めきれない期間の二重払いを足します。二重払いは2か月から3か月を見込んでおくと、あとで慌てません。

そのうえで、3年後の人数と案件数でもう一度計算します。2枚の表で順位が入れ替わるなら、いま安いほうを選ぶのは危険です。

判断が分かれる地点と、替えないという選択

比較のページをサービスごとに作っていくと、読む人がどこで迷っているかが見えてきます。迷いの位置は、いま使っている道具の性格で分かれます。

情報をまとめる道具をプロジェクト管理に流用している場合の迷いは、費用よりも構造に出ます。自由に作れるぶん、作った人しか全体を分かっていない状態になりやすく、更新が特定の人に集中します。この構造の問題は料金では解けません。詳しくはNotionとの比較で扱っています。課題管理型の道具を使っている人の迷いは別のところにあり、開発の工程には合っているが営業や制作の進行まで同じ場所に載せるかどうかで評価が変わります。この論点はBacklogとの比較に整理してあります。候補の全体像を先に見たい場合は比較の一覧から入るのが早道です。

最後に、替えないという選択について書いておきます。人数と案件数の上限に触れていない、見るだけの人が少ない、報告資料の作り直しに時間を取られていない。この3つが当てはまるなら、替える理由はありません。道具を替えると、器の作り直し、権限の設定、全員への説明、慣れるまでの停滞がまとめて発生します。この持ち出しは料金表のどこにも書かれていません。移行の時期を繁忙期の直前に置くと、ほぼ確実に混乱します。

順番をもう一度確認します。まず適用開始日と無料枠の残りを確定させる。次に4つの数字と、器を維持する人の数を数える。最後に1年分の総額を2つ並べて、3年後でもう一度計算する。文書が主なのか課題が主なのかは、この過程で自然にはっきりします。日々書かれているものが議事録と仕様なら文書の器が要り、日々書かれているものが「直すべきもの」の一覧なら課題の器が要る。それだけのことです。

Q1. Notionのフリープランは、チームで使えますか?

1人で使う限りページとブロックは無制限ですが、2人目が入ると1ワークスペースあたり1,000ブロックが上限になります。ブロックは段落や見出しやデータベースの1行がそれぞれ1つで、削除してもゴミ箱を空にしてもカウントは減りません。議事録とタスクと仕様を書き続ければ数か月で届くため、複数人での本格運用を想定した枠ではありません。

Q2. BacklogとNotionは、どちらが安いですか?

人数で順位が入れ替わります。年額で比べると、10人ではNotionのプラスが198,000円でBacklogのエコノミー239,400円より低く、15人ではプラスが297,000円になり逆転します。20人ではBacklogがビジネス413,820円に上がるため、プラスの396,000円が再び下回ります。Backlog側が段で跳ねるためで、自分の人数を入れて計算するまで決まりません。

Q3. Notionで工程表は使えますか?

タイムラインはデータベースのビューの1つで、日付の範囲を持つ日付プロパティがあれば作れます。プランによる制限については、ヘルプ記事にも料金ページの比較表にも該当する記載が見当たりませんでした。制限が無いと明記されているわけでもないため、試用時に自分の目で確かめてください。ダッシュボードはビジネスとエンタープライズのみと比較表に示されています。

Q4. Notionに移したあと、また別の道具へ移れますか?

書き出しはPDF、HTML、Markdown、CSVに対応していますが、公式に「エクスポートしたワークスペースコンテンツを再アップロードしても、ワークスペースを即座に再現することはできません。」と記載されています。書き出しは保管や移送のための形で、元に戻すための形ではありません。他所からNotionへ入れるのは容易ですが、出るときは手作業が増えます。

Q5. どちらを選ぶかの決め手は何ですか?

日々書かれているものが何かです。議事録や仕様や顧客の一覧が中心なら文書の器が向き、「直すべきもの」の一覧が中心なら課題の器が向きます。あわせて、器を設計して維持する人がチームにいるかどうかを確認してください。維持する人がいないまま自由度の高い道具を入れると、更新が1人に集中して数週間で止まります。

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