Backlogの階層を下げる|そのときに消えるもの
「backlog プラン変更」で検索する人は、たいてい二つの理由のどちらかで調べています。ひとつは費用を下げたいという理由。もうひとつは、2027年1月1日からのプラン改定の告知を見て、自分の契約がどう変わるのかを確かめたいという理由です。前者は自分の意思で階層を下げる話で、後者は放っておいても変わる話です。方向は逆ですが、確認するべき項目はほとんど同じところに集まります。
プラン変更で本当に難しいのは、金額を比べることではありません。難しいのは、階層を下げたときに何が閉じるのかを、下げる前に知っておくことです。上げるのは翌日から便利になるだけなので、判断に迷いは出ません。下げると、いままで当たり前に使っていた画面が開かなくなり、それに気づくのはたいてい下げた後です。
この記事では、公式の料金ページとヘルプに書かれている内容だけを使って、現行の4プランで階層を下げたときに閉じるもの、2027年1月1日以降の新プランで縮む上限、そしていますでにかかっているダウングレードの制限までを並べます。記載はすべて2026年9月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづきます。金額はすべて税抜です。プランと料金は変わるものなので、契約を動かす前に必ず公式の料金ページで最新の表記を確認してください。
プラン変更を調べる人が、いま二つの流れの中にいる
進行のとりまとめを預かっている人がプラン変更を調べ始めるきっかけは、外から見るとよく似ています。人が抜けた、案件が一段落した、予算の見直しが降りてきた。どれも「いまの階層のままでいいのか」という問いに行き着きます。ここまでは、どの年でも同じ話です。
2026年は、ここにもうひとつの流れが重なっています。ヌーラボがBacklogのプラン改定を告知しており、2027年1月1日から現行の4プランが3プランへ統合されます。つまり、自分では何も操作しなくても、契約更新日が来ればプランの名前も上限も金額も変わります。自分の意思で下げる話と、放っておいても変わる話が、同じ時期に並走している状態です。
この二つを分けずに考えると、判断がねじれます。たとえば「費用を下げたいからスタンダードからスターターへ落とそう」と考えても、次の利用期間が2027年1月1日以降にかかる場合は、現行プランでのダウングレードそのものができません。逆に「改定で上がるらしいから今のうちに年払いで契約しておこう」という手は、契約期間の考え方の上では成り立ちます。どちらも、自分のスペースの契約更新日がいつなのかを先に確定させないと決められません。
現場でしばしば出るのは、「金額より、閉じる機能のほうが痛い」という声です。月に数千円の差より、工程表が引けなくなるほうが業務に効きます。属性がひとつ足せなくなるほうが効きます。プラン変更の検討は、金額の列より先に、機能の比較表の行から読んだほうが早く終わります。
そして、道具の階層を動かすかどうかを考えるときは、判断材料の大半が「変えたあとにチームが使い続けてくれるか」に集まります。工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られません。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。階層を下げて費用が浮いても、進行の可視化が止まれば、浮いた分より高いものを失います。
現行4プランの上限を、動かす前に一枚で押さえる
階層を下げる判断は、上限の表を手元に置かないと始まりません。まず現行プランの数字を並べます。以下は2026年9月2日時点の公式料金ページの表記です。
| プラン | 月払い(税抜) | 年払い(税抜・月換算) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ |
|---|---|---|---|---|---|
| スターター | ¥2,700/月 | ¥2,565/月 | 30 | 5 | 1GB |
| スタンダード | ¥16,000/月 | ¥15,200/月 | 無制限(推奨10,000人まで) | 100 | 30GB |
| プレミアム | ¥27,000/月 | ¥25,650/月 | 無制限(推奨10,000人まで) | 無制限 | 100GB |
| プラチナ | ¥75,000/月 | ¥71,250/月 | 無制限(推奨10,000人まで) | 無制限 | 300GB |
フリープランは最大10ユーザー・1プロジェクト・総容量100MBです。年払いは月払いに比べて5%オフと料金ページに明記されています。
ここで押さえておきたいのは、Backlogの課金が人数課金でもプロジェクト数課金でもないという点です。公式のヘルプには次のように書かれています。
プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。 出典: support-ja.backlog.com
スペース1つに対して定額がかかり、その定額の枠の中に人数とプロジェクトを収める形です。だからプラン変更の判断は「1人あたりいくら」ではなく「枠に収まるか、収まらないか」で決まります。人を1人減らしても請求は変わりません。逆に、上限をひとつまたいだ瞬間に、月額が万単位で動きます。
この作りは、階層を下げるときには少し厄介に働きます。人数やプロジェクト数を減らしても、下の階層の上限に収まるまでは1円も安くなりません。減らす作業をどこまでやれば金額が動くのか、その線を先に引いてから手を動かさないと、棚卸しの労力が無駄になります。
支払い方法についても、料金ページに条件が書かれています。銀行振込は3か月分・6か月分・12か月分のいずれかの一括払い、クレジットカードは1か月分・12か月分のいずれかの一括払いです。振込手数料は利用者負担です。そして契約期間中に解約した場合の返金対応はありません。年払いの途中で階層を下げても、払った分が戻ってくるわけではないという点は、変更の時期を決めるうえで効いてきます。
階層を下げたときに閉じるものを、段ごとに見る
現行プランで階層を下げる場合、閉じるものは段によってまったく性質が違います。上の段から順に見ていきます。
プレミアムからスタンダードへ下げると、属性のカスタマイズが閉じる
金額としては月27,000円から16,000円へ、月11,000円の差です。年間では132,000円変わります。数字だけ見れば下げたくなる幅です。
閉じるものは主に三つあります。ひとつめは「属性のカスタマイズ」です。公式の料金ページでは、この機能はプレミアムとプラチナで「あり」、スターターとスタンダードで「なし」と記載されています。課題の入力項目を自分たちの業務に合わせて増やしていた場合、その項目が使えなくなります。同じページには「一部の課題の属性(開始日、予定時間、実績時間)はスタンダードプラン以上でご利用いただけます」という注記があるので、標準で用意されている属性のいくつかは残ります。閉じるのは、自分たちで足した項目のほうです。
ふたつめはプロジェクト数の上限です。プレミアムは無制限、スタンダードは100です。100を超えるプロジェクトを抱えているスペースは、この段を下げること自体ができません。
三つめはストレージです。100GBから30GBへ縮みます。すでに30GBを超えて使っている場合、下げる前に添付ファイルの整理が必要になります。この整理は、課題そのものを消す作業になりがちで、後から効いてくる痛みです。
ガントチャートについては、料金ページの表記ではスタンダード・プレミアム・プラチナのいずれも「あり」となっており、スタンダードの表示範囲は6か月分と記載されています。長期の工程を一枚で見せていたのであれば、表示の幅が変わる点は確認しておく価値があります。
スタンダードからスターターへ下げると、工程表そのものが閉じる
金額は月16,000円から2,700円へ、月13,300円の差です。比率で言えば大きく、ここを狙いたくなる気持ちは自然です。ただしこの段は、閉じるものの性質が一段変わります。
料金ページの表記では、スターターにガントチャートはありません。工程表を軸に進行を管理していたチームにとっては、道具の役割そのものが変わることを意味します。工程表が閉じると、期限の前後関係が課題の一覧からしか読めなくなり、遅れの波及を追う作業が手作業に戻ります。
上限も大きく縮みます。プロジェクト数は100から5へ、ストレージは30GBから1GBへ。ユーザー数は無制限から30になります。プロジェクト数の5という数字は、案件ごとにプロジェクトを立てる運用をしているチームには相当に厳しい枠です。1GBというストレージも、画像や資料を課題に添付する運用では早い段階で埋まります。
現場では、この段を下げた結果、数か月後に「結局スプレッドシートで工程表を作り直している」という状態に戻ってしまう例が語られます。浮いた月13,300円と、表を引き直す人の時間を比べる計算を、下げる前にしておいたほうがよい段です。
フリープランまで下げると、残るのはほぼ課題とリポジトリ
フリープランでできることは、公式のヘルプセンターに一覧で掲載されています。プロジェクト数1、ユーザー数10、ドキュメント数5、総容量100MB。SubversionとGit、ファイル共有は使えます。一方でアクセス制限、ガントチャート、バーンダウンチャート、属性のカスタマイズ、状態の追加・変更、親子課題はいずれも使えないと記載されています。
注目すべきは「状態の追加・変更」と「親子課題」が閉じる点です。状態を自分たちの工程に合わせて増やしていた場合、その並びが失われます。親子課題が使えないと、大きな作業を分解して管理していた構造が平らになります。この二つは、チームが日々どう手を動かすかに直結する部分です。
また、ヘルプには「こちらのプランをご利用の場合、一部の技術的なご質問にはお答えできないことがあります」という注記もあります。困ったときに聞ける範囲が変わるという点も、判断材料に入れておく必要があります。
なお、GitとSubversionについては、料金ページの表記でスターターからプラチナまで全プランで「あり」、フリープランのヘルプでも「○」となっています。リポジトリを理由に階層を維持する必要はない、という読み方ができます。
容量という、金額の表に出てこない階段
プラン変更の話で最も見落とされやすいのが、ストレージです。人数とプロジェクト数は管理画面で数えられますが、容量は「いま何GB使っているか」を意識的に見に行かないと分かりません。そして容量は、下げたあとに戻すのが一番やっかいな項目です。
現行プランの容量は、スターター1GB、スタンダード30GB、プレミアム100GB、プラチナ300GBです。フリープランは100MBです。階層をひとつ下げると、この数字が数十分の一になることもあります。すでに入っているデータが上限を超えている状態で下げようとすると、下げる前に減らす必要があり、その「減らす」は多くの場合、添付ファイルを消すという不可逆な作業になります。
書き出しの手段は公式に案内されています。課題の検索結果はCSVまたはExcel形式でダウンロードでき、コメントの取得上限数は200件と明記されています。共有ファイルはWebフォルダやFinderからダウンロードし、Gitリポジトリはすべてをクローンするやりかたがヘルプに載っています。スペース全体については有料オプション「スペースデータのバックアップ」があり、料金は50,000円(税抜と消費税)と記載されています。
ここでひとつ、強く意識しておくべき注記があります。公式ヘルプには「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。つまり、容量を空けるために書き出して消したデータは、後から同じ場所へ戻す前提では扱えません。容量を理由に階層を下げるときは、この一点を先に共有しておかないと、後で戻せないことに気づく事故が起きます。
取り込み側の仕様も押さえておくと判断が速くなります。公式の「一括登録」はCSVファイルで課題をまとめて登録する機能で、専用テンプレートを使う必要があり、課題検索結果として出力したCSVでは一括登録できないとヘルプに書かれています。一度に一括登録できる課題は最大250件、状態は入力できずすべて「未対応」で登録されます。書き出しと取り込みが同じ形をしていないという点は、階層を動かす計画でも、別の道具へ移す計画でも、同じように効いてきます。
2027年1月1日の改定で、プラン変更の選択肢そのものが変わる
ここからは、自分では操作しなくても変わる側の話です。ヌーラボは2026年6月17日にBacklogのプラン改定を告知しました。上場企業として東証グロース市場向けの適時開示も同日付で出ています。
4プランが3プランに統合される
適時開示には「現行の4プラン構成を3プランに統合し、下表の通り料金改定を行います」と書かれています。新しいプランは、エコノミー、ビジネス、プロフェッショナルの3つです。
| プラン | 月払い(税抜) | 年払い(税抜・月換算) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ |
|---|---|---|---|---|---|
| エコノミー | ¥21,000/月 | ¥19,950/月 | 15 | 30 | 30GB |
| ビジネス | ¥36,300/月 | ¥34,485/月 | 無制限(推奨10,000人まで) | 無制限 | 100GB |
| プロフェッショナル | ¥100,000/月 | ¥95,000/月 | 無制限(推奨10,000人まで) | 無制限 | 300GB |
新しいフリープランは、ユーザー数5、プロジェクト数1、ストレージ100MBです。ユーザー数が現在の10から5へ減ります。
日付の整理も先にしておきます。現行プラン(スターター・スタンダード・プレミアム・プラチナ)の新規契約の受付は2026年12月31日で終了します。新プランの開始は2027年1月1日です。既存の契約者については、適時開示に「既に現行プランをご利用中のお客様については、プラン改定日以降最初に到来する契約更新日より、順次新プランへ移行のうえ改定後のプランが適用されます」と書かれています。この日をヌーラボは「適用開始日」と呼んでおり、スペースごとに異なります。
移行の対応関係も公表されています。プレミアムはビジネスへ、プラチナはプロフェッショナルへ自動で移ります。スタンダードは条件によって分かれ、15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Passを契約していない場合はエコノミーへ自動移行、16名以上または31プロジェクト以上またはNulab Pass契約中の場合はビジネスまたはプロフェッショナルを自分で選ぶ手動の扱いになります。スターターには受け皿となるプランが無く、エコノミー以上を自分で選ぶ形になります。エンタープライズ(オンプレミス)は機能・利用環境の変更なしで新料金が適用され、エデュケーション・NPOは新料金を基準に引き続き半額と案内されています。
スタンダードからエコノミーへ移ると、上限が二重に縮む
自動移行なので操作は不要ですが、中身は変わります。ユーザー数は無制限から15へ、プロジェクト数は100から30へ縮みます。ストレージは30GBのままです。金額は月16,000円から21,000円へ、31.2%の増加になります。
機能面については「基本的に現在ご利用の機能と同等の機能が利用できます」とされ、加えて2段階認証の必須化が使えるようになると案内されています。増える側の変化もあるということです。
一方で、エコノミーで使えないものも新プランの資料に列挙されています。孫課題(3階層)、ガントチャートの長期間表示、プロジェクト横断ガントチャート、カスタム属性、Backlog AIアシスタント、Nulab Flowbase、アクセスログ、SAML認証・監査ログ・ユーザープロビジョニング(いずれもNulab Pass)、ストレージ容量追加オプション。
このうち、いま現にスタンダードを使っている人にとって新しく閉じるのは、主に孫課題とプロジェクト横断ガントチャートです。どちらも改定と同時期に打ち出された新機能で、孫課題は2026年8月18日に提供開始が発表され、プロジェクト横断ガントチャートは2026年秋頃のリリース予定と案内されています。つまり「いま使えていたものが取り上げられる」というより、「新しく足された機能は上の階層でだけ開く」という構図です。ここを混同すると、改定の受け止め方を必要以上に厳しくしてしまいます。
上限まわりの細かい数字も公開されています。IPアドレス制限の上限はエコノミー50、ビジネス100、プロフェッショナル無制限。課題の添付ファイル数はエコノミー30、ビジネスとプロフェッショナルは50。ドキュメントの同時共同編集は全プラン12人。Gitリポジトリ数は全プラン無制限で、1リポジトリあたり10GBで共通です。セキュリティシートは、エコノミーは対象外、ビジネスは有料、プロフェッショナルは年1回無料と案内されています。
変化幅は、いまどこにいるかで桁が違う
移行先を基準に変化幅を並べると、影響の大きさがまったく揃っていないことが分かります。以下は公表されている金額から計算したもので、ヌーラボが倍率として公表しているわけではありません。
| 移行の型 | 月払い税抜 | 変化 |
|---|---|---|
| スターター から エコノミー | ¥2,700 から ¥21,000 | 7.78倍 |
| スタンダード(15名以下かつ30プロジェクト以下) から エコノミー | ¥16,000 から ¥21,000 | 31.2%増 |
| スタンダード(16名以上または31プロジェクト以上) から ビジネス | ¥16,000 から ¥36,300 | 2.27倍 |
| プレミアム から ビジネス | ¥27,000 から ¥36,300 | 34.4%増 |
| プラチナ から プロフェッショナル | ¥75,000 から ¥100,000 | 33.3%増 |
年額でも同じ比率になります。プレミアムとプラチナの利用者は自動移行で上げ幅は3割台に収まり、ストレージ上限も据え置きです。一方、スターター利用者と、スタンダードを16名以上で使っている組織は、桁の違う変化に向き合うことになります。「値上げ」という一語で括ると、この差が見えなくなります。
「いまは下げられない」という制限が、すでにかかっている
費用を下げたくてこのキーワードを調べている人にとって、いちばん先に知るべきなのがこの制限です。公式のよくある質問には「次の利用期間が2027年1月1日以降の場合は、現在のプランでのダウングレードはできません」と書かれています。
つまり、次の更新で新プランに移ることが確定しているスペースは、その手前で現行プランの階層を下げるという手が使えません。年払いで契約していて次の更新日が2027年1月以降なら、いまのプランのまま走り切って、新プランへ移るところで選び直す形になります。
経過措置についても整理しておきます。旧料金を継続できる特別枠や、割引としての経過措置は公表されていません。用意されているのは「いまの契約期間はそのまま走り切れる」という一点です。公式のよくある質問には「現在の契約期間について、契約期間の途中でアップグレード(上位プランへの変更)をしない場合、追加の費用はかかりません」と書かれています。旧料金が効くのは、現在の契約期間が終わるまでです。
登録済みのデータについては、課題、Wiki、ドキュメント、ファイルのいずれも新プランで引き続き利用でき、移行作業は不要と案内されています。改定によってデータが消えるわけではありません。
そして、放っておくと危ないケースがあります。2026年夏から、適用開始日より前に新プランを予約できる機能が提供されています。この予約が必須になるのは、スタータープランを使っている場合、スタンダードプランでユーザー16名以上またはプロジェクト30超の場合、スタンダードプランでNulab Passを契約している場合です。公式のよくある質問は、予約がない場合について「適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。
支払い期間も変わります。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになり、現在の3か月・6か月は廃止されます。銀行振込で3か月または6か月を選んでいる場合、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカード払いは引き続き月払いと年払いを選べます。適時開示は同じ内容を「月払いはクレジットカード払いのみとなります。3ヶ月払い・6ヶ月払いは廃止となります」と表現しています。請求書は次回の契約開始日の63日前に発行されます。
月々で払っていた小さな組織にとっては、値上げ幅より先にこちらが効きます。エコノミーの年払いは年額239,400円(税抜)です。この一括請求と向き合うのが難しい場合、クレジットカードへ切り替えて月払いを維持するという道が残されている、という読み方になります。
今日のうちに自分のスペースで確認できること
ここまでの内容は、自分のスペースの状態が分からないと判断に使えません。確認は15分ほどで終わります。順番はこの通りにするのが早いです。
1. 適用開始日を確認する
契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が表示されます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、この案内が表示されないと案内されています。全社一律の日付ではないので、ここを確定させないと、予算取りも比較も乗り換えも始まりません。なお、プランを停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。
2. 人数を数える
数えるのは登録されているユーザーの数です。ここで多くの組織が引っかかるのは、退職した人のアカウントが残っていることと、外部のパートナーが入っていることです。エコノミーの上限は15名で、16名以上だと自動移行の対象から外れ、ビジネスの¥36,300が視野に入ります。月額で15,300円、年額で183,600円の差です。1名の差が金額を大きく動かすので、棚卸しの価値がはっきりしている項目です。
3. プロジェクト数を数える
エコノミーの上限は30です。ここで注意が要るのは、終わった案件のプロジェクトも数に入る点です。公式のよくある質問には、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると書かれています。案件ごとにプロジェクトを立ててきた組織ほど、実際の数は感覚より多くなっています。アーカイブと削除は別物なので、どちらを選ぶのかを先に決めてから手を動かすのが安全です。
4. 容量を確認する
30GBを超えているかどうかを見ます。超えている場合、エコノミーへの自動移行は成立しません。ここは減らす作業が不可逆になりやすいので、確認だけ先にしておき、実際に消す判断は他の項目と合わせて行うほうが安全です。
5. 支払い方法を確認する
銀行振込で3か月または6か月を選んでいるなら、適用開始日から年払いに変わります。資金繰りに影響が出るなら、クレジットカードへの切り替えを検討する時間が要ります。予約の期限は銀行振込のほうが早く来るので、支払い方法の判断は後回しにできません。
下げる、据え置く、移すの三択を、金額以外の軸で並べる
ここまでの数字が揃うと、選べる道は三つに絞られます。それぞれ、金額以外にどんなコストがかかるのかを並べます。
ひとつめは、階層を下げる道です。次の利用期間が2027年1月1日以降にかかる場合、現行プランでのダウングレードはできません。改定後にエコノミーを選ぶ形になり、そのとき人数15名とプロジェクト30の枠に収める作業が必要になります。この作業のコストは、退職者アカウントの整理や、寝ているプロジェクトの扱いを決める合意形成の時間です。金額には出ませんが、人の時間としては小さくありません。
ふたつめは、据え置く道です。上限を超えているならビジネスを選ぶことになり、スタンダードからだと2.27倍になります。ただし、いま回っている運用がそのまま続くという価値は大きいものです。Backlogは長く使われている製品で、GitとSubversionを全プランで持ち、課題とWikiとドキュメントが同じ場所に揃っています。開発の進行を扱うチームにとって、この組み合わせを別の道具で作り直すのは簡単ではありません。乗り換える理由が無いのなら、据え置くのは十分に合理的な判断です。
三つめは、別の道具へ移す道です。ここで最初に不安になるのは金額ではなくデータです。課題とコメントはCSVまたはExcelで書き出せます。共有ファイルはダウンロードできます。Gitリポジトリはクローンできます。なお、スペース全体のバックアップは有料オプションで、書き出したデータをBacklogへ戻すことはできないと明記されています。移行の見積もりは、この「戻せない」を前提に立てる必要があります。
三択のどれを選ぶにしても、判断の順番は同じです。適用開始日を確定させ、人数とプロジェクト数と容量を数え、そのうえで金額を比べる。この順番を飛ばして金額から入ると、比較の前提そのものがずれます。
階層と上限の関係を、道具の設計として読み直す
最後に、プラン変更という出来事を、もう少し引いた場所から見ておきます。
プランの階層で機能を区切る設計は、提供側にとっては自然な作りです。ただし使う側から見ると、費用の話と機能の話が同じつまみでつながっている状態になります。人が1人増えたから工程表が引けるようになるわけでも、人が1人減ったから属性が要らなくなるわけでもないのに、階層を動かすと両方が同時に動きます。この結び付きが、プラン変更の判断を難しくしている正体です。
別の設計もあります。機能で階層を区切らず、区切るのは人数とボードの数だけという考え方です。この形なら、費用の判断と機能の判断が切り離せます。人が減れば費用だけが下がり、使える画面は変わりません。どちらが優れているという話ではなく、判断の難易度が変わるという話です。自分たちがどちらの型の道具を使っているのかを知っておくと、次に階層を動かすときの見通しが変わります。
この記事を載せているサービスの案内ページでは、できることとして何が入っているかと、入っていないものを両方載せています。Gitのリポジトリ機能は持たず、自動化や外部連携の幅で勝負する道具ではなく、画面は日本語のみで、自動で取り込めるのはTrelloだけです。開発のリポジトリを同じ場所に置きたいチームにとっては、この時点で候補から外れます。判断に必要なのは、良いところの一覧ではなく、外れる条件がはっきりしていることのほうです。
区切りの考え方は料金のページで確認できます。プラン変更の検討で見るべきなのは、金額の数字そのものより、何をまたいだときに金額が動くのかという線の引き方です。線の引き方が自分たちの増え方と合っていれば、次に人が増えたときに慌てずに済みます。
比較の材料としては、Backlogとの違いを機能と上限の軸で並べたBacklogとの比較があります。同じ形で他のツールとの違いも整理していて、カードを並べて進行を見せる型ならTrelloとの比較、タスクの割り当てと期日の管理を厚く持つ型ならAsanaとの比較が近いところを扱っています。文書とデータベースを同じ場所に置く型や、営業の案件管理まで含めた型など、選択肢はほかにもあります。乗り換え先をひとつに絞る前に、型の違いを見比べたほうが、後の後悔が減ります。
データを持ち出す前提で考えるなら、取り込み側で何ができるのかを先に確かめておく価値があります。Trelloからの移行では、どの形式なら自動で取り込めて、どこから手作業になるのかを書いています。移行の見積もりは、書き出せるかどうかではなく、取り込めるかどうかで決まります。ここを取り違えると、移行の工数を実際の半分以下に見積もってしまいます。
Q1. 契約の途中でプランを下げると、差額は返ってきますか?
返ってきません。Backlogの料金ページには、契約期間中に解約した場合の返金対応はないと記載されています。年払いの途中で階層を下げても、払った分が戻る仕組みではありません。階層を動かすなら、契約更新のタイミングに合わせるのが基本になります。まず自分のスペースの契約更新日を「組織設定」の「プラン」画面で確認してください。
Q2. いまスタンダードを使っています。スターターへ下げることはできますか?
次の利用期間が2027年1月1日以降にかかる場合はできません。公式のよくある質問に「次の利用期間が2027年1月1日以降の場合は、現在のプランでのダウングレードはできません」と明記されています。加えて、スターターは2026年12月31日で新規契約の受付が終了し、新プランに受け皿がありません。下げる方向の選択肢は、改定後はエコノミー以上になります。
Q3. スタンダードから自動でエコノミーへ移ると、何が変わりますか?
上限が二つ縮みます。ユーザー数が無制限から15名へ、プロジェクト数が100から30へ変わります。ストレージは30GBのままです。金額は月16,000円から21,000円(いずれも税抜)になります。機能は基本的に同等と案内されており、2段階認証の必須化が使えるようになります。ただし16名以上または31プロジェクト以上なら自動移行の対象外で、予約が必要です。
Q4. 予約をしないまま適用開始日を迎えるとどうなりますか?
予約が必須になる条件に当てはまる場合、公式のよくある質問は「適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。必須になるのは、スタータープラン利用中、スタンダードでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードでNulab Passを契約中のいずれかです。期限の目安は銀行振込が適用開始日の64日前、カードが2日前までです。
Q5. 階層を下げる前に、容量はどう確認しておけばよいですか?
使用量が下げた先の上限に収まるかを先に見ます。スターターは1GB、スタンダードとエコノミーは30GBです。超えている場合は添付ファイルを減らす必要がありますが、公式ヘルプには「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。消したデータは同じ場所へ戻せない前提なので、消す判断はチームで合意してから行ってください。