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BacklogとRedmineを比べる|自前で持つか、借りるか

2026年9月4日 ・ Pinateca編集部

「backlog redmine 比較」で調べると、機能の丸とバツを並べた表がたくさん出てきます。しかしこの2つの違いは、機能表を見比べても分かりません。決定的に違うのは、サーバーの面倒を誰が見るかです。Backlogは借りる形、Redmineは自前で持つ形です。ここが違うと、費用の数え方も、止まったときの動き方も、増員したときの負担も全部変わります。この記事では、両者の公式サイトに書かれている事実だけを土台にして、この違いがどこに効いてくるかを順に見ます。2027年1月1日のBacklogの料金改定も、この比較の材料になるので合わせて扱います。

2つの違いは、機能ではなく「誰が面倒を見るか」

まずここを押さえます。

Backlogは借りる形

Backlogは株式会社ヌーラボが提供するサービスで、利用者はスペースを借りて使います。サーバーの用意も、更新も、バックアップも、提供する側の仕事です。利用者は月額または年額を払い、決められた上限の範囲で使います。

課金の考え方は、公式ヘルプに明記されています。

プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。 出典: support-ja.backlog.com

スペース単位の定額制です。人数課金でもプロジェクト数課金でもありません。ただしプランごとに人数とプロジェクト数の上限があり、超えると上のプランに移ることになります。

Redmineは自前で持つ形

Redmineは、自分でサーバーを用意して動かすソフトウェアです。公式サイトの説明は次のとおりです。

Redmine is open source and released under the terms of the GNU General Public License v2 (GPL). 出典: redmine.org

公式サイトに価格表は存在しません。ソフトウェアそのものは無償で、利用料やライセンス料の記載はありません。代わりに、動かすためのサーバーと、動かし続けるための作業が要ります。

この違いが効いてくる場面

「無償だから安い」と考えるのは早すぎます。実際に効いてくるのは次の場面です。

止まったときの動き方が違います。借りる形なら窓口に問い合わせます。自前なら自分で調べて直します。深夜に止まったら、深夜に誰かが起きて対応することになります。

更新の負担が違います。Redmineは公式サイトに「Redmine currently releases a new version every 6 months」と書かれており、半年ごとに新しい版が出ます。追いかけるかどうか、いつ上げるかを、自分たちで決めて実行します。

そして、この作業を担当する人の時間が費用です。月に2時間を運用に使うなら、それが実質の月額です。金額の比較をするなら、この時間を必ず数えてください。

費用をどう数えるか

数え方をそろえないと比較になりません。

Backlogの費用は表に出ている

Backlogの金額は公表されており、すべて税抜です。料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。年払いは月払いに比べ5%オフです。

現行プランの月払い(税抜)は、スターターが2,700円、スタンダードが16,000円、プレミアムが27,000円、プラチナが75,000円です。

2027年1月1日から、この4プランが3プランに統合されます。新プランの月払い(税抜)は次のとおりです。

新プラン 月払い(税抜) ユーザー数 プロジェクト数 ストレージ
エコノミー 21,000円 15 30 30GB
ビジネス 36,300円 無制限(推奨10,000人まで) 無制限 100GB
プロフェッショナル 100,000円 無制限(推奨10,000人まで) 無制限 300GB

既存の契約者に新料金が当たるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、これを適用開始日と呼びます。現行プランの新規契約の受付は2026年12月31日で終わります。

支払いは銀行振込かクレジットカードのいずれかで、初期費用はかかりません。ただし2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになります。現在の3か月払いと6か月払いは廃止です。

Redmineの費用は表に出ていない

Redmineの側は、ライセンス料がゼロである代わりに、次の項目を自分で積み上げることになります。

サーバーの費用がかかります。仮想サーバーを借りるなら、規模にもよりますが月額1,000円から10,000円程度が目安です。データベースを別に持つなら、その分も加わります。

作業する人の時間がかかります。最初の構築、更新、バックアップの確認、障害への対応です。構築はしっかり手順を追えば1日で終わりますが、その後も定期的に手が要ります。

そして、担当者が抜けたときの引き継ぎが要ります。ここが自前で持つ形のいちばん重い部分です。動かしている本人にしか分からない設定が残ると、その人が異動した時点で誰も触れなくなります。

損益が分かれる目安

数字で並べてみます。仮に運用の担当者の時間単価を3,000円とし、月に3時間を運用に使うとすると、月額9,000円分の人件費です。サーバー代が月5,000円なら、合計で月14,000円相当です。

これをBacklogの新プランと並べると、エコノミーの21,000円より安く見えます。ただし運用の時間が月に7時間かかる月が出れば、逆転します。構築の初月や、版を上げる月は必ず時間が伸びます。年間で均してみると、差はさらに縮まります。

判断の分かれ目は、社内にサーバーを見られる人がいるかどうかです。いるなら自前が成り立ちます。いないなら、外注するか、借りる形を選ぶことになります。外注する場合の費用は、借りる形の月額を上回ることがよくあります。

Redmineを動かすのに要るもの

自前で持つ形を選ぶ前に、必要なものを確かめます。ここに書くのはすべて公式のインストール手順に載っている内容です。

OSとRuby

OSについては「Redmine should run on most Unix, Linux, macOS and Windows systems as long as Ruby is available on this platform.」と書かれています。Rubyが動く環境であればよい、という考え方です。

Rubyの版は、Redmineの版によって対応が違います。Redmine 7.0はRuby 3.2、3.3、3.4、4.0に対応し、Rails 8.1を使っています。Redmine 6.1はRuby 3.2、3.3、3.4に対応し、Rails 7.2です。Redmine 6.0はRuby 3.1、3.2、3.3に対応し、Rails 7.2です。JRubyには対応していません。

注意書きもあります。Ruby 4.0.0から4.0.3にはWikiの描画が大きく遅くなる問題があり、Ruby本体の不具合が原因とされています。4.0.4で直っているため、Redmine 7.0はRuby 4.0.4以降で動かすことが推奨されています。

データベース

推奨として表に載っているのは、PostgreSQL 14、MySQL 8.0から8.4(Redmine 6.0は8.0から8.1)、Microsoft SQL Server 2012以上、SQLite 3です。ただしSQLite 3には「not for multi-user production use!」という注記が付いています。複数人で使う本番環境には向きません。

MySQLを使う場合は、transaction_isolationをREAD COMMITTEDに変更する必要がある、と明記されています。この手の設定を1つ落とすと、後から原因の分かりにくい不具合になります。

Webサーバーと任意の部品

インストール手順では、Pumaというサーバーで動作を確認する形が示されています。Redmine本体が必要としないgemを読み込む場合は、Redmineのディレクトリ直下にGemfile.localというファイルを作る、という案内があります。

任意で入れるものとして、公式は次を挙げています。リポジトリを画面から見るためのSCMのコマンド(svnなど。PATHに通っている必要があります)。ガントチャートをPNG画像に書き出すためのImageMagick。PDFの添付ファイルのサムネイルを作るためのGhostscript。Microsoft OfficeやLibreOfficeの文書を画面で見るためのPandoc(Redmine 7.0以降。3.8.3以降が推奨)。本番環境で推奨されるキュー処理のためのSidekiq。

なお、PHPについての要件の記載は公開資料では確認できませんでした。RedmineはRuby on Railsで書かれており、PHPは要件に挙がっていません。

最新版と更新の頻度

公式サイトに載っている版は、6.0.11、6.1.4、7.0.1で、いずれも2026年8月26日の日付です。半年ごとに新しい版が出る、という方針も明記されています。

自前で持つということは、この更新を追いかけるかどうかを自分で決めるということです。追いかけないと決めるのも1つの判断ですが、その場合は不具合の修正も入らなくなります。どこまで追うかを、最初に決めておいてください。

機能を並べて比べる

同じ観点で並べます。片方だけに有利な軸を使わないようにします。

工程表

Redmineは主な機能の一覧に「Gantt chart and calendar」が入っており、標準で使えます。「Automatic gantt and calendar based on issues start and due dates」と説明されており、開始日と期限日から自動で作られます。PNG画像への書き出しにはImageMagickが必要です。管理画面には「Maximum number of items displayed on the gantt chart」という表示件数の設定項目があります。追加のプラグインを入れないとガントが使えない、という記載は見当たりません。

Backlogは、現行ではスターターに無く、スタンダードで6か月分の表示、プレミアムとプラチナで利用できます。フリープランでは使えません。新プランでは、ビジネスとプロフェッショナルでのみ使える機能として、6か月以上の期間の表示とプロジェクトを横断した表示が挙げられています。プロジェクト横断の表示は2026年秋ごろのリリース予定と案内されています。

つまり工程表に関しては、Redmineは版を選ばず標準、Backlogはプランで範囲が変わる、という違いになります。

課題の項目のカスタマイズ

Backlogでの呼称は「属性のカスタマイズ」で、現行ではプレミアムとプラチナで使えます。スターターとスタンダードでは使えません。料金ページには「一部の課題の属性(開始日、予定時間、実績時間)はスタンダードプラン以上でご利用いただけます。」という注記があります。新プランでは、エコノミーで使えないものの一覧にカスタム属性が挙げられています。

RedmineのAPIの対象資源の一覧にはCustom Fieldsが入っており、カスタムフィールドの仕組みを持っていることが公式に示されています。プランによる区別はありません。

権限と、社外の人の扱い

Redmineは「Flexible role based access control」を掲げており、プロジェクトのメンバーは1つ以上の役割を持ちます。複数の役割を持つ場合、適用されるのはすべての役割の権限を合わせたものです。

社外の人やログインしていない人については、特別な役割が2つあります。1つはNon memberで、登録済みの利用者がメンバーでないプロジェクトに対して持つ権限を決めます。もう1つはAnonymousで、ログインしていない人の権限を決めます。ただし適用されるのは公開プロジェクトだけです。非公開プロジェクトは、メンバーでない人には見えません。

注意点も明記されています。これら2つの役割の権限は、そのRedmine全体に対して一律です。プロジェクトごとに変えることはできません。また、メンバー管理のような一部の権限は、これらの役割には与えられません。「ゲストアカウント」という名前の機能についての記載は、公開資料では確認できませんでした。

Backlog側の権限の粒度については、この記事で参照した公式ページの範囲では詳細を確認できませんでした。実際に必要な線が引けるかどうかは、トライアルで確かめてください。無料トライアルはどのプランも30日間と案内されています。

日本語への対応

Redmineは49言語に対応しており、その中に日本語が含まれます。管理画面で既定の言語を設定でき、ログインしていない人や、ログイン済みの人に対して既定の言語を強制する設定もあります。公式ドキュメントにも日本語訳がありますが、「Note that the following translations may not be up to date.」という断り書きが付いています。訳が古い場合は英語の原文を参照する必要があります。

Backlogは国内の会社が提供しており、料金ページもヘルプも日本語で提供されています。問い合わせの窓口も日本語です。この差は、社内に英語のドキュメントを読む人がいるかどうかで、体感が大きく変わります。

データの出し入れ

Redmineは、課題をCSVとPDFに書き出せます。管理設定に「Issues export limit: Maximum number of issues contained in CSV and PDF exports. Default: 500」とあり、既定では1回に500件までです。取り込みについては「Since 3.2.0 Redmine can import issues from CSV files.」と書かれており、課題の画面から取り込みのリンクを開いて、CSVの列を課題の項目へ自由に割り当てる形です。親子関係は、親の列に番号を書く形で指定します。APIはXMLとJSONの両方に対応しています。

Backlogは、課題の検索結果をCSVまたはExcelで書き出せます。コメントの取得上限は1つの課題につき200件です。取り込みは「一括登録」という機能で、専用のテンプレートを使います。検索結果として出力したCSVでは一括登録はできません。1回に登録できるのは最大250件で、課題の状態は入力できず、すべて未対応で登録されます。

書き出しと取り込みの自由度という点では、列を自由に割り当てられるRedmineのほうが柔軟です。一方で、テンプレートが決まっているBacklogのほうが、初めてやる人にとって迷いが少ない作りです。どちらが良いかは、扱う人によります。

運用の手間を、項目ごとに数える

自前で持つ形を選んだあとに毎年かかる作業を、項目に分けて並べます。ここを見ずに「無償だから安い」と決めると、あとで苦しくなります。

バックアップ

Redmineの公式インストール手順には「Backups」の節があり、公式ガイドにも「Backing up and restoring Redmine」の章があります。手順が用意されている以上、あとは実行する人を決めるだけです。

問題は、取ることではなく、戻せることを確かめる作業のほうです。バックアップは取れていたが戻せなかった、という事故は珍しくありません。年に1回でよいので、別のサーバーに戻してみる時間を確保してください。ここを省くと、いざというときに手元にあるのはただのファイルです。

借りる形にも同じ論点はあります。Backlogにはスペース全体を書き出す有料オプションがあり、金額は50,000円(税抜、別途消費税)です。ただし公式ヘルプに「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されているため、これは戻すためのものではなく、手元に控えを残すためのものです。

認証まわり

Redmineは「Multiple LDAP authentication support」を持ち、利用者の自己登録にも対応しています。アカウントの有効化の方法は3つあり、自動で有効にする、管理者が手作業で有効にする、自動生成したURLをメールで送る、から選べます。この設定は最初に決めておかないと、あとから運用が固まってから変えるのが面倒になります。

版を上げる作業

半年ごとに新しい版が出るため、年に2回は上げるかどうかを判断することになります。上げると決めたら、事前にバックアップを取り、検証用の環境で動くことを確かめ、本番に適用します。手順に慣れていても半日はかかります。慣れていなければ1日です。

上げないと決める判断もありますが、その場合は不具合の修正が入らなくなります。どこまで追うかを最初に決めて、担当者が変わっても引き継がれる形で残してください。

書類の対応

見落とされやすい項目です。Backlogの料金ページには、納品書や発注書といった特別な書類への対応は行っておらず、必須の場合は1回10,000円(税抜)と案内されています。また、契約期間中に解約した場合の返金対応はありません。

自前で持つ形なら、サーバーの契約先との間で書類のやり取りをすることになります。社内の経理の作法によっては、ここが選択の理由になることもあります。金額は小さくても、毎回発生する手間なので、月額の比較と別に数えておいてください。

どちらを選ぶかの判断軸

比較表を眺めても決まりません。次の4つを順に自分に当ててください。

サーバーを見られる人が社内にいるか

これが最初で最大の分かれ目です。いるなら自前で持つ形が成り立ちます。いないなら、いくらライセンスが無償でも成り立ちません。ここでいう「見られる人」とは、構築できる人ではなく、動かし続けられる人です。1日で構築できても、半年後の更新を誰も担当しないなら、同じことです。

判断の目安として、次の質問に答えられるかを見てください。半年後に新しい版が出たとき、誰がいつ上げるか。バックアップが取れていることを、誰が毎月確認するか。夜中に止まったとき、誰が対応するか。3つとも人の名前で答えられないなら、借りる形を選んだほうが安全です。

情報をどこに置きたいか

自分たちのサーバーに置きたい、社外のサービスに置けない、という要件がある場合は、自前で持つ形が選択肢になります。逆に、置き場所について特に要件が無いなら、この軸は判断に影響しません。

要件があるかどうかは、思い込みで決めないでください。取引先との契約書に書かれているのか、社内の規程に書かれているのか、誰かがそう言っているだけなのかで、扱いが変わります。書かれているなら従うほかありませんが、書かれていないなら選択肢は広がります。

人数がこれからどう増えるか

Backlogはスペース単位の定額制ですが、新プランのエコノミーには15名という上限があります。ここを超えるとビジネスの36,300円になり、年間では税抜で183,600円の差になります。人数が増える見込みがあるなら、この段差の位置を先に確かめてください。

Redmineには席数の契約という概念がなく、最低契約席数の記載も、ユーザー数の上限の記載も公開資料では確認できませんでした。人数で費用が変わらないのは強みですが、人数が増えればサーバーの負荷が上がり、結局は規模を上げることになります。無限に無料というわけではありません。

社外の人とどこまで共有するか

取引先や外注先を巻き込んでいるなら、その人たちが使う画面の分かりやすさが効いてきます。説明なしで使えるかどうかで、こちらの手間が変わります。

Redmineで社外の人を入れる場合、公開プロジェクトにしてNon memberやAnonymousの権限を使うか、正式にメンバーとして登録して役割を与えるかのどちらかです。前者は権限がRedmine全体で一律になるため、プロジェクトごとに見せ方を変えられません。後者なら細かく制御できますが、アカウントを1つずつ用意することになります。

Backlogはスペース単位の定額制なので、人数を追加しても追加料金は発生しません。ただし新プランではエコノミーに15名の上限があるため、社外の人を多く入れる組織はビジネス以上が前提になります。どちらの形でも、社外の人に見せる範囲は移行や導入の前に必ず紙に書き出して確かめてください。

使っている機能はいくつあるか

いま実際に使っている機能を書き出して数えてください。10個以下なら、選択肢はかなり広がります。20個を超えていて、そのうち半分が特定の道具でしか使えない形なら、移すのは現実的ではありません。

比較表の丸の数で選ぶと、たいてい失敗します。使わない機能が多い道具は画面が複雑になり、入力する人が減ります。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。

3つ目の選択肢を数に入れる

自前か借りるかの二択で考えると、判断が硬くなります。実際には3つ目があります。

借りる形のなかにも、Backlogのように課題を細かく扱うものと、ボードとカードで進行を見るものがあります。後者は、機能の数を絞る代わりに、画面が単純で入力の負担が小さい作りをしています。とりまとめる人が困っているのが「機能が足りないこと」ではなく「誰も更新しないこと」なら、後者のほうが効きます。

どちらのほうが自分たちに合うかは、いま日程表や課題の一覧を開いている目的を数えれば分かります。重なりを見るために開いているのか、今週の締切を確認するために開いているのかで、必要な作りが変わります。この観点での整理はできることにまとめてあります。

料金の形が人数で決まるのか、機能で決まるのかも見てください。人数で決まる形なら、社外の協力者を何人巻き込むかで月額が動きます。定額なら、人数の壁の位置を確かめます。並べ方は料金で確かめられます。

Backlogの課金の軸と上限の考え方を、他の道具と同じ物差しで並べた整理はBacklogとの比較にあります。どういう使い方なら移る理由が無いのかを先に置いた作りにしてあるので、残る判断の材料としても読めます。ボード型に寄せたときに細かい属性をどこへ落とすかはTrelloとの比較で扱っています。取り込みが自動でできる組み合わせかどうかはTrelloからの移行で確かめてください。対応していない組み合わせでは、CSVを手で整える工程が必要になります。

選び方を数字と手順に落とす

最後に、判断を進めるための具体的な作業を並べます。

まず、自分のBacklogスペースの適用開始日を確かめます。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと表示されます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は表示されません。ここが分からないと、いつまでに決めればよいかが決まりません。

次に、人数とプロジェクト数を数えます。エコノミーの上限は15名と30プロジェクトです。数えるときは、退職者のアカウントが残っていないか、アーカイブ済みのプロジェクトが何件あるかを見てください。公式のよくある質問では、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に数えると案内されています。15名と16名、30プロジェクトと31プロジェクトの間には、年間で税抜183,600円の差があります。

そのうえで、Redmineを試すなら、まず1台の検証用サーバーに入れてみます。公式のインストール手順に沿って、Ruby、データベース、Webサーバーの順に用意します。ここで詰まる箇所と、かかった時間を記録してください。この記録が、運用にかかる時間の見積りになります。1日で終わらなかったなら、運用も同じくらい重くなると考えたほうが安全です。

最後に、時間を金額に置き換えます。構築に8時間、月々の運用に3時間、年に2回の更新にそれぞれ4時間かかるとすると、初年度は52時間です。時間単価を3,000円とすれば156,000円相当で、サーバー代を月5,000円とすれば年60,000円が加わります。合計で年216,000円相当になります。

この数字を、Backlogのエコノミーの年払い239,400円(税抜)と並べます。近い数字になることが分かります。つまり、少人数で使う限り、自前と借りるのどちらが安いかは、担当者の時間をどう評価するかだけで決まります。時間が余っているなら自前が安く、時間が足りないなら借りるほうが安い。それだけの話です。

そして、この計算にはもう1つ入れていないものがあります。担当者が抜けたときの引き継ぎの費用です。自前で持つ形では、この費用が必ずどこかで発生します。長く続ける前提なら、ここまで含めて数えてください。細かい条件の確認先はよくある質問にまとめてあります。

Q1. Redmineは本当に無料で使えますか?

ソフトウェア自体はGNU General Public License v2で公開されており、公式サイトに価格表はありません。ただし自分でサーバーを用意して動かす形なので、サーバーの費用と、構築や更新を担当する人の時間がかかります。半年ごとに新しい版が出るため、追いかけるかどうかも自分で決めることになります。無償なのはライセンスであって、運用ではありません。

Q2. Redmineでガントチャートを使うのに追加の準備は要りますか?

ガントチャートは標準の機能で、課題の開始日と期限日から自動で作られます。追加のプラグインが必要という記載は公式に見当たりません。ただしPNG画像への書き出しにはImageMagickというソフトが別途必要です。管理画面には表示件数の上限を決める設定項目があります。

Q3. BacklogとRedmineでは、どちらが課題を移しやすいですか?

柔軟なのはRedmineです。CSVの列を課題の項目へ自由に割り当てられ、親の列に番号を書けば親子関係も作れます。Backlogは専用のテンプレートを使う形で、1回に250件まで、課題の状態は入力できずすべて未対応で登録されます。決まった形がある分、初めて作業する人には迷いが少ない作りです。

Q4. 少人数のチームなら、どちらが安く済みますか?

担当者の時間をどう評価するかで変わります。構築8時間、月々の運用3時間、年2回の更新に各4時間として初年度は約52時間で、時間単価3,000円ならおよそ156,000円相当です。サーバー代を年60,000円とすれば合計216,000円ほどになり、Backlogのエコノミー年払い239,400円(税抜)と近い水準です。

Q5. 2027年の料金改定はRedmineへの移行を急ぐ理由になりますか?

自動的にはなりません。プレミアムやプラチナからの自動移行では上げ幅が3割台に収まり、移行の手間のほうが高くつくことがあります。急ぐ必要があるのは、スタータープランなど予約が必要な組織です。公式は予約がない場合に適用開始日以降に利用できなくなる可能性があると明記しているので、検討中でも手続きは先に済ませてください。

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