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BacklogとTrelloを比べる|板だけで足りるかどうか

2026年9月4日 ・ Pinateca編集部

「backlog trello 比較」で検索する人は、たいてい真ん中にいます。Trelloの板だけでは追いきれなくなってきたが、Backlogのような課題管理の道具まで持ち込むと重いのではないか。あるいは逆に、Backlogを使っているが2026年6月17日に出た料金改定の告知を読んで、もっと軽い道具で足りるのではないかと考え始めた。どちらの方向から来ても、判断の中身は同じです。板1枚で足りるかどうか、その一点です。

先に立場を書いておきます。この記事は、どちらが優れているかを決める記事ではありません。TrelloとBacklogは、扱える情報の深さも課金の形も違います。違うものに順位は付きません。付けられるのは「自分のチームの形に、どちらの区切り方が合っているか」という判断だけです。

以下では、板で足りる範囲、無料枠の終わり方、課金の形、工程表とビュー、社外メンバー、日本語とデータの置き場所、持ち出しの順に整理します。最後に、今日15分で終わる確認手順を置きます。

板1枚で足りるかどうかが、最初の分かれ目

Trelloの基本は、リストとカードでできた1枚の板です。カードを右へ動かすことで進行を表します。この形の強さは、説明が要らないところにあります。新しく入った人に見せれば、5分で書き始められます。とりまとめる立場の人が最も苦しむのは、道具を入れられないことではなく、入れたあとに誰も更新しなくなることです。学習の要らない画面は、この一点で有利です。

板で足りなくなるのは、次のようなことが起き始めたときです。1枚のカードに複数の担当者と複数の期限がぶら下がり始める。同じ内容のカードが別の板にも立っていて、どちらが正か分からなくなる。カードの説明欄に経緯が延々と書き足され、最新の状態を読み取るのに時間がかかる。過去に閉じたカードを探したいのに、検索の当たりが悪い。どれか1つでも週に何度も起きているなら、扱いたい情報が板の器を超え始めています。

Backlogが扱っているのは課題です。課題には種別があり、担当者と期限があり、状態が未対応から処理中を経て完了へ進みます。親課題と子課題で階層を作れ、マイルストーンで区切れ、同じスペースの中にGitとSubversionのリポジトリが同居しています。1件ずつ独立して閉じられるものを積み上げて潰していく形で、ソフトウェアの開発や、修正指摘の多い受託の仕事と相性が良い作りです。

板を分けて凌ぐ手もあります。1枚が重くなってきたら、案件ごとに板を割り、終わった板を閉じる。この運用で持ちこたえるチームは実際に多くあります。ただしこの手には副作用があって、板が増えるほど横断して見る手段が要ります。全体の状況を知りたい人は板を順に開いて回ることになり、その手間はとりまとめる人に集中します。板を何枚まで開いて回れるかは、だいたい5枚から10枚のあいだで限界が来ます。開いて回る時間が週に1時間を超え始めたら、器の問題として扱ったほうが早い段階です。

つまり比較の軸は「機能が多いほうが良い」ではありません。扱いたい情報が板の器に収まっているなら、器を大きくする理由はないということです。収まっていないなら、器を変えるか、板を分けて運用を変えるかの二択になります。

2027年1月の改定で、Backlog側の前提が動く

比較の前提として、片方の料金表に期限が付いていることを押さえておきます。

ヌーラボは2026年6月17日に「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という告知を公開し、同じ日に東証グロース市場向けの適時開示も出しています。噂ではなく、上場企業が自ら開示した確定情報です。

日付は3つあります。2026年12月31日で現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約受付が終わります。2027年1月1日に新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。すでに契約している組織に新料金が当たるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいます。スペースごとに違うので、全社一律の日付ではありません。

金額はすべて税抜です。料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。

現行プラン 月払い(税抜) 新プラン 月払い(税抜)
スターター 2,700円/月 受け皿なし
スタンダード 16,000円/月 エコノミー 21,000円/月
プレミアム 27,000円/月 ビジネス 36,300円/月
プラチナ 75,000円/月 プロフェッショナル 100,000円/月

年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。エコノミーの年払いは年額239,400円です。枠も動き、エコノミーはユーザー数15、プロジェクト数30、ストレージ30GBになります。現行スタンダードはユーザー数が無制限でプロジェクト数が100だったので、自動でエコノミーへ移る組織では金額と枠の両方が変わります。無料のフリープランは、ユーザー上限が10名から5名に下がります。

とくに影響が大きいのはスタータープランを使っている組織です。新プランに同格の受け皿が無く、比較表の該当欄は空になっています。月額2,700円から、少なくともエコノミーの21,000円へ移ることになります(いずれも税抜)。この層は少人数のチームやフリーランスと重なるので、板型の道具を含めて選択肢を並べ直す動機がいちばん強く出ます。

自動移行かどうかも分かれます。スタンダードのうち15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Passを使っていない組織はエコノミーへ自動で移ります。スターターの組織と、16名以上または31プロジェクト以上またはNulab Pass契約中の組織は自動移行の対象外で、自分で新プランを予約する必要があります。公式のよくある質問には「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と書かれています。比較よりも先に手を打つべき項目です。

無料の範囲がどこで終わるか

小さいチームでは、無料でどこまで走れるかが判断のほとんどを占めます。両者の無料枠は形が違います。

Trelloの無料プランは、カード数が無制限で、ワークスペースあたりのボードが10枚まで、コラボレーターが10人まで、ストレージは容量無制限で1ファイル10MBまで、オートメーションはワークスペースあたり月250回までです。Power-Upは1ボードに追加できる数の上限が無く、プランを問わないと公式サポートに記載があります。

注意が要るのは人数の上限に触れたときの挙動です。

If your Workspace has more than 10 collaborators currently, the boards in this Workspace will become view-only. 出典: support.atlassian.com

上限を超えると、そのワークスペースのボードが閲覧のみになり、新しいコラボレーターの追加もオートメーションも止まります。上限はボード単位ではなくワークスペース単位で、ワークスペースメンバー、ボードゲスト、保留中の招待が人数に数えられます。無効化済みのアカウントと、クローズされたボードだけのメンバーは数えられません。

Backlogの新しいフリープランは、ユーザー5名、プロジェクト1つ、ストレージ100MBです。現行のフリープランでは、アクセス制限、ガントチャート、バーンダウンチャート、属性のカスタマイズ、状態の追加や変更、親子課題がいずれも使えないと公式ヘルプに記載があります。ただしGitとSubversionは無料でも使えます。

読み取れることは単純です。人数で走れる距離は現時点ではTrelloのほうが長く、Backlog側は2027年1月以降5名に縮みます。一方、無料の範囲でリポジトリを置けるのはBacklog側です。どちらの無料枠に自分が収まるかは、人数とリポジトリの要否で決まります。

Backlogのフリープランについては、もう1つ知っておくべき点があります。2026年12月31日までに追加済みの10名までは2027年1月1日以降も引き続き使えますが、新しいユーザーの追加はできなくなります。さらに、6名以上で使っていた組織が2027年1月1日以降にユーザーを減らすと、5名を超える人数には戻せません。無料のまま様子を見るつもりなら、いま何名で使っているかを先に確認して、減らす操作を安易にしないことです。1人抜くだけで枠が戻らなくなる場合があります。

課金の形。スペース定額と、席単位

有料に移る場合、何を数えて請求額が決まるかが根本的に違います。

Backlogはスペース単位の定額です。公式ヘルプに「プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。」「スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。」と書かれています。人を1人足しても、その場では請求が増えません。増えるのは上限に触れてプランを上げたときだけです。

Trelloは席単位です。2026年9月2日に確認した料金ページの表示は、Standardが1ユーザーあたり月5ドル(年払い)または6ドル(月払い)、Premiumが10ドル(年払い)または12.50ドル(月払い)、Enterpriseが年払いで1ユーザーあたり月17.50ドル(年額210ドル)です。ここで気をつける点が2つあります。1つは通貨で、英語ページも日本語ページも表示は米ドルであり、円建ての価格は掲載されていません。もう1つは税で、料金ページに税抜か税込かを明示する文言は見当たりませんでした。売上税についてのサポート記事には、税率は登録した国と、米国内では郵便番号の情報に基づいて決まる旨が書かれています。

したがって、Trello側の日本円での実額は為替と請求時の税で動きます。総額を比べるときは、決める直前のレートで計算してください。仮に1ドル150円として年額を出すと、次のようになります。Backlog側は税抜の年払い年額です。

人数 Backlog(年払い・税抜) Trello Standard(年払い・1ドル150円で換算) Trello Premium(同)
10人 エコノミー 239,400円/年 約90,000円/年 約180,000円/年
15人 エコノミー 239,400円/年 約135,000円/年 約270,000円/年
20人 ビジネス 413,820円/年 約180,000円/年 約360,000円/年

換算はあくまで目安です。実際の請求額はレートと税で変わります。それでも構図は見えます。板の範囲で足りるならTrello Standardの総額が低く出やすく、ビューが必要でPremiumに上がると差が縮み、Backlog側は人数が伸びるほど定額が効いてくる、という形です。

工程表とビュー

工程表がどのプランから使えるかは、両者とも上位に置かれています。

Trelloのカレンダー、タイムライン、テーブル、ダッシュボード、マップの各ビューは、公式の料金ページ上ではPremiumの欄に記載されています。タイムラインビューについては、公式サポートに「The Timeline view is only available for boards and Workspaces that are subscribed to Premium and Enterprise.」とあります。ワークスペース単位のビュー(テーブルとカレンダー)もPremiumまたはEnterpriseのみです。無料とStandardの欄には、これらのビューの記載は見当たりません。

Backlogのガントチャートは、現行プランではスタンダード以上で、表示範囲は6か月分です。スターターとフリープランには付いていません。2027年1月以降の新プランでは、6か月以上の期間の表示とプロジェクトを横断した表示が、ビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できる機能として挙げられています。プロジェクト横断のガントチャートは2026年秋ごろのリリース予定と告知されています。

つまり「板をカレンダーや工程表として見たい」という要求は、どちらでも有料の段に入ります。ここで判断を分けるのは、その工程表を誰が見るかです。見るのがとりまとめる人だけなら、その1人分の席を上げれば済む道具と、スペース全体の段を上げる道具では、費用の増え方が変わります。Trelloの席単位課金では見る人の分だけ上げることはできず、ワークスペース単位でプランが決まる点にも注意が要ります。

自動化と拡張を、どこまで道具に任せるか

繰り返しの手作業をどれだけ道具に預けられるかも、続くかどうかを左右します。ここは設計の思想がはっきり分かれるところです。

Trelloは拡張で伸ばす形です。Power-Upと呼ばれる連携の仕組みがあり、Enterprise向けの案内ページには連携が200件を超える旨、連携の一覧ページには掲載件数として233件が表示されています。この数はページの更新に伴って動く性質の数字です。1つのボードに追加できるPower-Upの数には上限が無く、プランを問わないと公式サポートに記載があります。多くは無料ですが、提供元によっては別途の費用がかかるものもあります。

自動化の実行回数はプランで区切られています。無料はワークスペースあたり月250回、Standardが月1,000回、Premiumが無制限です。カードの移動に合わせて担当者を変える、期限が近づいたら通知する、といった細かい自動化を積み上げていくと、この回数は思ったより早く減ります。無料のまま自動化を増やす運用は、途中で止まる前提で組んでおくのが安全です。

Backlogの側では、改定と同時期にワークフロー自動化ツールのNulab Flowbaseが2026年6月16日にリリースされ、Backlog AIアシスタントが2026年3月にリリースされています。ただし、新プランのエコノミーで使えないものの一覧に、Backlog AIアシスタントとNulab Flowbaseの両方が挙げられています。自動化に期待して移るなら、その機能が自分の入るプランに含まれているかを先に確かめてください。プランの名前で判断すると外します。

自動化については、もう1つ現実的な見方があります。自動化を増やすほど、その設定を理解している人が1人に偏ります。その人が抜けたときに誰も触れない仕組みが残るのは、進行の道具としては危険な状態です。手で回しても3分で済むことなら、手で回したほうが引き継ぎは楽になります。

社外の人をどう入れるか

外部の協力者が関わるチームでは、ここが総額を左右します。

Trelloには、課金される相手とされない相手の線がはっきり引かれています。ワークスペースメンバーとマルチボードゲスト(ワークスペースの非メンバーで2つ以上のボードに招かれた人)は課金対象で、通常のメンバーと同額の席を1つ消費します。一方、1つのボードだけに招かれたシングルボードゲストは課金対象になりません。公式には「You can invite as many single-board guests to your paid Workspace as you'd like without increasing the cost」と書かれています。ゲストは招かれたボードしか見えず、既定では通常のメンバーと同じように編集できます。

この設計は、案件ごとに外部の相手が入れ替わる仕事に強く効きます。1案件1ボードで運用していれば、協力会社の担当者は各自1枚だけに入るので席を消費しません。逆に、同じ相手を複数の板に招いた瞬間にマルチボードゲストになり、席が1つ増えます。運用の設計がそのまま請求額に直結する、ということです。

Backlogはスペース単位の定額なので、ゲストという別枠がありません。招いた人は全員がユーザー数の上限に数えられます。エコノミーの15人枠には社内の人も外部の協力者も同じように入ります。社内8人と外部協力者6人という編成なら枠にぎりぎり収まりますが、案件が増えて協力者が2人増えた瞬間に超えます。

日本語、サポート、データの置き場所

画面の日本語は、どちらも使えます。Trelloは対応言語として21言語が列挙されており、日本語が含まれています。切り替えは右上のアカウントから設定に入って言語を選ぶ形で、モバイルアプリはアプリ内に切り替えが無く端末のシステム言語に従います。Backlogは国内のサービスで、ヘルプもサポートも日本語です。

差が出やすいのは問い合わせのほうです。Trelloのサポートについて公式は、チームで直接対応できる言語として英語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語、スペイン語を挙げ、それ以外は翻訳サービスを使って返答していると説明しています。日本語での対応可否について、このページに明記は見当たりませんでした。行き詰まったときに日本語で相談できることに価値を置くなら、ここは確認しておく項目です。

データの置き場所も違います。Trelloの公式ドキュメントには、米国内のAmazon Web Servicesのデータセンターにデータを保管している旨と、サービスの機能上データが米国へ移転される旨の記載があります。Atlassianのデータレジデンシーの対象製品一覧には、Jira、Confluence、Jira Service Management、Jira Product Discoveryが挙げられており、この一覧にTrelloの記載は見当たりません。国内保存が社内規程で求められている場合、この点は先に確認してください。

データを持ち出せるか

乗り換えを考えるとき、最初に不安になるのは金額ではなくデータです。ここにはTrello側の重要な制限があります。

Trelloの書き出しは、JSONならすべてのボードメンバーができ、プランの限定はありません。ただし含まれるのは直近1,000件のアクションまでで、コメントもこの範囲に入ります。CSVでの書き出しはPremiumワークスペースのボードが対象で、アーカイブ済みのカードは含まれず、コメントも含まれません。ワークスペース単位の一括書き出しはPremiumで可能ですが、作成とダウンロードはワークスペース管理者のみです。

取り込みについては、公式に「It is not currently possible to import JSON or CSV formats to re-create a Trello board」と書かれています。書き出したJSONやCSVから、Trelloのボードを作り直すことはできません。つまりTrelloからの書き出しは「他所へ持って行くための形」であって、戻すための形ではありません。

Backlogの書き出しは、課題の検索結果をCSVまたはExcel形式でダウンロードする形です。課題のコメントの取得上限数は200件です。共有ファイルはWebフォルダやFinderから、GitリポジトリはすべてクローンできるとFAQに書かれています。スペース全体については有料オプション「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜)」があり、こちらも「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。取り込みは「一括登録」というCSVの機能で、専用テンプレートを使い、一度に登録できるのは最大250件、状態は入力できずすべて「未対応」で登録されます。

どちらから出るにせよ、持ち出せるのは表にできる情報までです。コメントの並び、添付の紐付き、権限の設計は、CSVを移しただけでは再現されません。移行の見積もりでは、移した先で作り直す時間を人件費に換算してください。板が30枚あるなら、1枚30分としても15時間です。取り込みの対応範囲はTrelloからの移行にまとまっているので、いま使っている道具が対象かどうかを先に見ておくと見積もりが早くなります。

この記事を出している側の道具にも、はっきりした限界があります。ソースコードを置くリポジトリの機能は持っていません。自動化と外部連携の広さでは勝負していません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他の道具のデータは手で移すことになります。何ができるかはできることに書いてあり、区切りの置き方は料金で確認できます。弱点が1つも書かれていない比較記事は、その分だけ差し引いて読んでください。

今日15分で終わる、3つの確認手順

比較記事をこれ以上読んでも判断は動きません。動くのは数字です。

手順1. 適用開始日と、無料枠の残りを確認する

Backlogを使っているなら、契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開いて、自分のスペースの適用開始日を確認してください。新料金がいつから当たるかは全社一律ではなく、契約更新日ごとに違います。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が出ません。

日付が分かったら予約の期限を逆算します。銀行振込は適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードは2日前までが目安として案内されています。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、3か月払いと6か月払いは廃止される点も押さえておいてください。

Trelloを使っているなら、ワークスペースの設定でコラボレーターの人数とボードの枚数を確認します。人数には保留中の招待も数えられるので、送ったまま返事の無い招待が残っていないかも見てください。

手順2. 4つの数字を、定義を決めてから数える

数えるのは、板を更新する人、見るだけの人、外部の協力者、動いている案件の4つです。合計だけでは判断に使えません。

人数を数える前に、退職者のアカウントが残っていないかを確認してください。プロジェクト数については、公式のよくある質問にアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算される旨が明記されています。寝ている案件のアーカイブと削除は別物です。棚卸しをするだけで壁の内側に着地することがあります。

外部の協力者については、Trello側で「その人が入る板は1枚か、2枚以上か」を必ず分けて数えてください。1枚なら席を消費せず、2枚以上なら1席を消費します。ここを実人数でまとめて数えると、見積もりが大きく外れます。

手順3. 1年分の総額を2つ並べる

月額の比較はやめて、1年分の総額に直します。Backlog側は年払いの年額をそのまま。Trello側は席数と段を確定させたうえで、決める直前のレートで円に直します。そこへ、移行にかかる時間の人件費と、旧の道具を止めきれない期間の二重払いを足します。二重払いは2か月から3か月を見込んでおくと、あとで慌てません。

そのうえで、3年後の人数と案件数でもう一度計算します。2枚の表で順位が入れ替わるなら、いま安いほうを選ぶのは危険です。

判断が分かれる地点と、替えないという選択

比較のページをサービスごとに作っていくと、読む人がどこで迷っているかが見えてきます。迷いの位置は、いま使っている道具の性格ではっきり分かれます。

板型の道具を使っている人が迷うのは、ほぼ上限と人数です。板の枚数か、招ける人の数か、そのどちらかに触れて次を探し始めます。この読者は機能を増やしたいのではなく、いまの使い方をそのまま続けたいだけです。だから見るべきは機能の一覧ではなく、区切りが何に置かれているかになります。この観点はTrelloとの比較で扱っています。課題管理型の道具を使っている人の迷いは別のところにあり、開発の工程には合っているが営業や制作の進行まで同じ場所に載せるかどうかで評価が変わります。この論点はBacklogとの比較に整理してあります。候補の全体像を先に見たい場合は比較の一覧から入るのが早道です。

最後に、替えないという選択について書いておきます。人数や板の枚数の上限に触れていない、見るだけの人が少ない、報告資料の作り直しに時間を取られていない。この3つが当てはまるなら、替える理由はありません。道具を替えると、板の作り直し、権限の設定、全員への説明、慣れるまでの停滞がまとめて発生します。この持ち出しは料金表のどこにも書かれていません。移行の時期を繁忙期の直前に置くと、ほぼ確実に混乱します。

順番をもう一度確認します。まず適用開始日と無料枠の残りを確定させる。次に4つの数字を数える。最後に1年分の総額を2つ並べて、3年後でもう一度計算する。この順で進めば、比較記事を何本読んでも決まらなかった判断が、自分の数字で決まります。板だけで足りているなら、板のままでよいのです。

Q1. Trelloの無料プランは、どこで使えなくなりますか?

ワークスペースあたりボード10枚、コラボレーター10人が上限です。人数を超えると、そのワークスペースのボードが閲覧のみになり、新しいコラボレーターの追加もオートメーションも止まります。人数にはワークスペースメンバー、ボードゲスト、保留中の招待が数えられ、無効化済みアカウントとクローズされたボードだけのメンバーは数えられません。

Q2. BacklogとTrelloは、どちらが安いですか?

条件で入れ替わります。Backlogのエコノミーは年払いで年239,400円(税抜)の定額。Trelloは席単位で、Standardが1ユーザーあたり月5ドル、Premiumが10ドル(いずれも年払い)です。板の範囲で足りるならTrello側の総額が低く出やすく、ビューが必要でPremiumに上がると差が縮みます。Trelloは日本語ページでも米ドル表示なので、決める直前のレートで円に直して比べてください。

Q3. 板だけで足りているかどうかは、どう判断すればよいですか?

次の4つのうち、週に何度も起きているものがあるかで判断できます。1枚のカードに複数の担当者と期限がぶら下がる、同じ内容のカードが別の板にもあってどちらが正か分からない、説明欄が伸びて最新の状態が読み取れない、閉じたカードを探しても見つからない。どれも起きていないなら、器を大きくする理由はありません。

Q4. Trelloから他のツールへ、データはそのまま移せますか?

書き出しはできますが、戻す形ではありません。JSONは全メンバーが書き出せて直近1,000件のアクションまで、CSVはPremiumワークスペースのみでアーカイブ済みカードとコメントが含まれません。公式には、JSONやCSVからTrelloのボードを作り直す取り込みは現時点でできないと記載されています。移行の見積もりでは、移した先で作り直す時間を人件費に換算してください。

Q5. Backlogの新料金は、2027年1月1日から全員に当たりますか?

いいえ。新規契約は2027年1月1日から新プランですが、既存の契約者に当たるのは「2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日」からです。この日はスペースごとに違い、ヌーラボは「適用開始日」と呼んでいます。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。スタータープランの組織は自動移行の対象外で、予約が必要です。

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