Backlogが使いにくいと感じるところ|慣れで解けるか
「backlog 使いにくい」で検索する人が知りたいのは、たいてい他人の評価ではありません。自分たちが感じている引っかかりが、使い方を変えれば消えるものなのか、それとも仕組みや契約プランの側にあって、どうやっても消えないものなのか。この見分けです。
引っかかりの正体を仕分けないまま道具を替えると、同じ問題が次の道具でも起きます。逆に、プランの線で閉じているだけの機能を「この道具は使いにくい」と結論づけると、契約を1段上げれば済んだ話を、移行という大がかりな作業に変えてしまいます。
この記事では、公式の料金ページとヘルプに書かれている内容だけを使って、使いにくいと言われやすい箇所を3つに仕分けます。慣れと運用で解けるもの、プランの線で閉じているもの、仕組みそのものの向き不向きです。あわせて、2027年1月1日からのプラン改定で、この仕分けの前提がどう動くのかも並べます。記載はすべて2026年9月2日時点で公式サイトおよび公式ヘルプに掲載されていた内容にもとづき、金額はすべて税抜表示です。
「使いにくい」という言葉が指しているもの
進行のとりまとめを預かる人から出てくる「使いにくい」は、実際には次の3種類が混ざっています。
1つ目は、操作と画面の慣れの問題です。課題を1件登録するのに項目が多い、書き出しの場所が分かりにくい、といった類です。これは手順を1回決めて全員に配れば、たいてい2週間ほどで収まります。
2つ目は、プランの線の問題です。工程表が出ない、属性を増やせない、状態を足せない。これは操作の問題ではなく、契約しているプランで機能が開いていないだけです。慣れても解けません。解くには金額を払うか、その機能を諦めるかの二択になります。
3つ目は、仕組みそのものの向き不向きです。課題の粒度を細かく管理する作りになっているため、日々の細かい作業を全部載せると重く感じる。逆に、細かい作業まで全部載せないと進捗が見えない。ここは道具の設計思想と、チームの働き方の相性の話です。
現場でしばしば起きるのは、この3つが混ざったまま「なんとなく使いにくい」で片づけられ、誰も課題を書かなくなることです。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。だから、まず仕分けから始めます。
慣れと運用で解けるもの
課題の入力項目が多いと感じる
Backlogの一括登録用CSVに入力できる項目を見ると、その道具が何を管理する前提なのかが分かります。公式ヘルプによれば、入力できるのは件名(必須)、詳細、種別、担当者、開始日、期限日、予定時間、実働時間、カテゴリー、発生バージョン、マイルストーン、優先度、親課題です。件名以外は必須ではありませんが、画面に並んでいると全部埋めなければいけない気がしてきます。
ここは運用で決着します。チームで「必ず埋める項目」を3つか4つに決めて、それ以外は空でよいと明文化します。件名、担当者、期限日、種別あたりが現実的な線です。予定時間と実働時間は、工数を集計する必要がある案件だけで使うようにすると、日々の入力の負担が一気に下がります。項目を減らすのではなく、埋めなくてよい項目を宣言するのが要点です。
書く項目が多いことは、必ずしも欠点ではありません。工数の実績を積み上げて次の見積もりに使いたいチームにとっては、これが選ぶ理由になります。使いにくいと感じるかどうかは、そこまで管理したいかどうかで変わります。
一括登録の使い方を知らずに手で入れている
課題を1件ずつ画面から登録していると、量が増えたときに苦行になります。公式には「一括登録」という機能があり、CSVファイルで複数の課題をまとめて登録できます。ここには押さえておくべき決まりがいくつかあります。
一括登録用のCSVは専用テンプレートをダウンロードして使う必要があり、課題検索結果一覧の出力機能で出したCSVでは一括登録ができません。CSVは2行目から入力し、1行目は登録処理に必要な情報なので削除しません。日付はハイフン区切り(例として2025-07-31の形)で、複数の値はカンマ区切りです。一度に一括登録できる課題は最大250件までです。
注意点も明記されています。課題の「状態」は入力できず、すべて「未対応」で登録されます。カスタム属性を登録している場合はCSVに項目が追加され、必須のカスタム属性は入力が必須になります。Googleスプレッドシートを使った一括登録の案内もありますが、こちらでは孫課題を登録できない旨が公式ヘルプに記載されています。
移行や期首の立ち上げでまとめて課題を作るなら、この機能を知っているかどうかで作業時間が桁違いに変わります。逆に、状態を引き継げないという制約は、他の道具からデータを持ってくるときに手作業が発生する箇所として、先に見積もっておく必要があります。
書き出しの場所と上限を知らない
データを取り出せないと感じている場合も、多くは手順を知らないだけです。公式には、課題の検索結果をExcel形式やCSVなどで出力できると案内されています。シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索のいずれの画面でも、一覧の右上と右下のアイコンから、課題とコメントをCSVまたはExcel形式でダウンロードでき、印刷用ページも表示できます。
ここでの上限は覚えておく価値があります。課題のコメントの取得上限数は200件です。長く議論が続いた課題は、コメントの全部が取れるとは限りません。また、Excel形式にはセルが含むことのできる合計文字数の制限があるため、文字数が大きい場合はCSV形式が推奨されています。
Gitについては、保管されているリポジトリをすべてクローンする方法が案内されています。Subversionには専用の手順があります。スペース全体のバックアップは有料オプションで50,000円(税抜)です。課題やWikiなどのデータをCSV形式にし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスですが、公式には、バックアップしたデータはBacklogにインポートできないと明記されています。取り出せることと、戻せることは別です。
探しているものが見つからない
課題が数百件を超えると、目当ての1件にたどり着けない、という不満が出ます。公式に案内されている検索の入口は3つあります。シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索です。このうち、日々の運用で効くのは高度な検索です。担当者、状態、種別、カテゴリー、マイルストーンといった条件で絞り込めるため、条件の組み合わせを決めておけば、毎回同じ視点で一覧を出せます。
運用としては、チームでよく使う絞り込みの型を3つほど決めて、全員に共有するのが早い解決です。たとえば「自分が担当で期限が今週まで」「未対応のまま2週間動いていない」「今月のマイルストーンに紐づくもの」の3つです。この3つが出せるようになると、進捗の確認にかかる時間が目に見えて減ります。検索の結果はCSVまたはExcelで出力できるので、そのまま会議の資料にも回せます。
見つからない原因が、検索の使い方ではなくプロジェクトの分け方にあることもあります。1つのプロジェクトに何もかも入れていると、絞り込んでも件数が多すぎて読めません。逆に、細かく分けすぎると、横断して見るのが難しくなります。ここは現行のスタンダードならプロジェクト数100、2027年からのエコノミーなら30という上限があるため、分け方の設計は上限の中で考えることになります。
プランの線で閉じているもの
ここからは、慣れでは解けない領域です。まず、課金の軸を押さえておきます。公式ヘルプには次のように書かれています。
プランと料金ページの料金は登録したスペース1つ分の金額です。スペースにプロジェクトやユーザーを追加されるごとに追加料金が発生することはありません。 出典: support-ja.backlog.com
つまり、ユーザーを1人足したから請求が増える、という形ではありません。スペース1つに定額がかかり、その定額の中で決められた上限までユーザーとプロジェクトを収める形です。人数の増減が読めないチームには見通しの立てやすい作りですが、その代わりに、機能はプランの段で開きます。
工程表が出ない
料金ページの記載では、工程表はスターターとフリープランでは使えず、スタンダード以上で使えます。スタンダードの表示範囲は6か月分と記載されています。プレミアムとプラチナでも利用できます。
工程表が出ないことを「使いにくい」と感じているなら、それは操作の問題ではなくプランの問題です。スターターで工程表を求めても出ません。ここは、スタンダード以上に上げるか、工程表を別の場所で持つかの判断になります。
属性をカスタマイズできない
公式の呼称は「属性のカスタマイズ」です。料金ページの記載では、スターターとスタンダードでは使えず、プレミアムとプラチナで使えます。一部の課題の属性(開始日、予定時間、実績時間)はスタンダード以上で使える、との注記が付いています。
案件ごとに管理したい項目が違うチームは、ここで詰まります。たとえば取引先名や請求区分を課題に持たせたい、といった要望は、属性のカスタマイズが開いていないと素直に実現できません。件名や詳細に書式を決めて書き込む運用で凌ぐこともできますが、検索と集計の精度は落ちます。
無料プランの範囲が思ったより狭い
無料のフリープランでできることは、公式のヘルプセンターに一覧で載っています。内容は次のとおりです。
| 項目 | フリープラン |
|---|---|
| プロジェクト数 | 1 |
| ユーザー数 | 10 |
| ドキュメント数 | 5 |
| 総容量 | 100MB |
| Subversion / Git | ○ |
| ファイル共有 | ○ |
| ガントチャート | × |
| バーンダウンチャート | × |
| 属性のカスタマイズ | × |
| 状態の追加・変更 | × |
| 親子課題 | × |
| アクセス制限 | × |
フリープランでは、一部の技術的な質問には答えられないことがある、との注記も付いています。無料で試して「使いにくい」と判断した場合、その判断の中身がこの表の×に当たっていないかは確かめる価値があります。有料プランでは開く機能を、無い機能として評価してしまっているケースがあるからです。
なお、Git / Subversionはフリープランを含む全プランで利用できると公式に記載されています。リポジトリを課題と紐づけて使えることは、この道具のはっきりした強みです。
現行プランの上限
現行の4プランの金額と上限は次のとおりです。すべて税抜、月払いの金額です。
| プラン | 月払い(税抜) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ | 工程表 | 属性のカスタマイズ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| スターター | 2,700円/月 | 30 | 5 | 1GB | なし | なし |
| スタンダード | 16,000円/月 | 無制限 | 100 | 30GB | あり(6か月分) | なし |
| プレミアム | 27,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 100GB | あり | あり |
| プラチナ | 75,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 300GB | あり | あり |
ユーザー数の無制限には、安定した運用を維持するため最大10,000人までを推奨する、との注記が付いています。年払いは月払いに比べて5%オフです。無料トライアルはどのプランも30日間と記載されています。
金額を見て気づくのは、工程表を開くにはスタンダードの月16,000円、属性のカスタマイズを開くにはプレミアムの月27,000円が必要になる、という段の作りです。プランで機能を区切る売り方は、必要な機能が上の段に1つあるだけで、使わない機能ごと引き上げることになります。これは悪い作りではなく、多機能を求めるチームにはむしろ効率のよい売り方です。ただ、必要な機能が1つだけのチームには噛み合いません。
仕組みの向き不向き
チャットが本体に無い
料金ページの機能比較表には、課題ごとのコメントが全プランで利用可と記載されています。一方で、本体の機能としての「チャット」については、料金ページの機能一覧に項目が見当たりません。サポート欄にあるAIチャットボットは、サポート窓口の項目として掲載されているものです。
ヌーラボはビジネスチャットのTypetalkを提供していましたが、2023年11月14日にサービス終了を告知しています。2023年11月15日に無料トライアルとフリープランの新規申し込みを停止、2024年12月1日にプラン更新を停止、2025年12月1日にサービス終了、2025年12月31日にバックアップを含めてデータをすべて削除、という日程でした。告知記事には、今後はヌーラボのサービスに多様な外部サービスを連携させながら進める旨と、ビジネスチャットツールの開発は終了する旨が記載されています。
つまり、会話は別の道具で持つ前提です。ここを理解しないまま「チャットが使いにくい」と評価すると、噛み合いません。課題のコメントは記録として残す場所であって、雑談や即時のやり取りをする場所ではない、と割り切ったほうが運用は安定します。話す場所と残す場所を分けるのは、どの道具を使う場合でも効きます。
課題の粒度をどこに置くか
課題を細かく分けるほど進捗は見えますが、書く手間が増えます。粗くすると書く手間は減りますが、止まっている場所が見えません。この綱引きは道具の問題ではなく運用の問題ですが、項目が多い道具ほど、細かく分けたときの負担が大きく出ます。
現場でよく効くのは、粒度の基準を1つ決めることです。たとえば「1人が1日から3日で終わる大きさ」を課題の単位にする、と決めます。それより小さいものはチェックリストで持ち、それより大きいものは親課題にして分割します。基準を言葉にしておくと、人によって粒度がばらつく問題が減ります。
2027年1月1日からの改定で前提が動く
使いにくさの仕分けをする前に、もう1つ押さえておく事実があります。2026年6月17日に、2027年1月1日からプランが新しくなることが公式に告知されており、同日付で東証グロース市場向けの適時開示も出ています。適時開示には、現行の4プラン構成を3プランに統合したうえで料金改定を行う、と書かれています。
日付は2つに分かれます。2026年12月31日に現行プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終了します。2027年1月1日に新プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。既存の契約者に適用されるのは、2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日からで、この日は適用開始日と呼ばれ、スペースごとに異なります。
新プランの金額と上限は次のとおりです。すべて税抜、月払いです。
| プラン | 月払い(税抜) | ユーザー数 | プロジェクト数 | ストレージ |
|---|---|---|---|---|
| エコノミー | 21,000円/月 | 15 | 30 | 30GB |
| ビジネス | 36,300円/月 | 無制限 | 無制限 | 100GB |
| プロフェッショナル | 100,000円/月 | 無制限 | 無制限 | 300GB |
現行のスタータープランに対応する新プランはなく、比較表の該当欄は空欄になっています。スタンダードを使っている組織のうち、人数が15名以下でプロジェクトが30以下でNulab Passを契約していない場合は、エコノミーへ自動で移ります。それを超える場合は、ビジネス以上を自分で選ぶことになります。プレミアムはビジネスへ、プラチナはプロフェッショナルへ自動で移ります。
エコノミーで使えないものも公表されています。孫課題(3階層)、ガントチャートの長期間表示、プロジェクト横断ガントチャート、カスタム属性、Backlog AIアシスタント、Nulab Flowbase、アクセスログ、SAML認証と監査ログとユーザープロビジョニング、ストレージ容量追加オプションです。スタンダードから自動で移った場合、ユーザー数は無制限から15へ、プロジェクト数は100から30へ縮みます。ストレージは30GBのままで、2段階認証の必須化が新たに使えるようになります。
新しいフリープランは、ユーザー数の上限が現在の10から5に変わります。2026年12月31日までに追加済みの10名までは引き続き使えますが、2027年1月1日以降は新規のユーザー追加ができません。6名以上で使っていた組織が2027年1月1日以降にユーザーを減らすと、5名を超える人数には戻せないとされています。
ここで「使いにくい」の意味が変わります。これまでは、機能が開かないという不満でした。改定後は、上限に収まるかどうかが金額の段を決めるため、人数とプロジェクト数の管理そのものが運用の仕事になります。しかも公式のよくあるご質問には、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記されています。終わったプロジェクトを片づけていないと、知らないうちに上の段に届いてしまいます。
改定に伴う予約の話も見落とせません。公式のよくあるご質問には、予約が無い場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があると明記されています。予約が必須なのは、スタータープラン利用中、スタンダードプランでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードプランでNulab Pass契約中のいずれかに当てはまる組織です。期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。
事務まわりで引っかかること
使いにくさは、画面の中だけで起きるとは限りません。契約と支払いの事務で引っかかる話も、現場からはよく出ます。ここも公式ページに書かれている条件を知っていれば、事前に手を打てます。
支払い方法は銀行振込とクレジットカードのいずれかです。銀行振込は3か月分、6か月分、12か月分のいずれかの一括払いで、振込手数料は利用者負担です。クレジットカードは1か月分または12か月分の一括払いです。料金ページには、支払い金額は料金ページに書かれている金額のみで、初期費用など一切かからないと記載されています。有料オプションを申し込んだ場合は別途料金がかかります。
書類の扱いには条件が付きます。納品書や発注書など特別な書類への対応は行っておらず、必須の場合は1回10,000円(税抜)と記載されています。社内の購買の規程で発注書が必須になっている組織は、この費用を先に見込んでおく必要があります。また、契約期間中に解約した場合の返金対応はない、と明記されています。年払いにしてから途中で使わなくなった場合、残りの期間分は戻りません。年払いの割引と、この返金なしの条件はセットで考えることになります。
2027年1月1日の適用開始日以降は、この支払いの選択肢も変わります。銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになり、3か月と6か月は廃止されます。銀行振込で3か月または6か月を利用している場合、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカード払いは引き続き1か月と12か月を選べます。月々で払っていた組織が、いきなり年額の一括請求と向き合うことになるため、資金繰りの面では金額の上げ幅より先に効いてくることがあります。請求書は次回の契約開始日の63日前に発行され、発行後の調整は問い合わせ扱いです。支払い方法を選び直すなら、その2か月以上前に社内の合意を取っておく必要があります。
社外の人を巻き込むときに出る引っかかり
進行のとりまとめをしていると、社外の協力者や取引先を同じ場所に入れたくなります。ここでの引っかかりは、機能ではなく人数の枠と権限の設計に出ます。
まず人数です。現行のスタータープランはユーザー数30、フリープランは10が上限です。スタンダード以上は無制限(最大10,000人までを推奨)と記載されているため、人数の枠で困ることは少なくなります。ところが2027年1月1日からのエコノミーは上限が15になります。社内の人数が10名で、社外の協力者を6名入れていると、それだけで枠を超えます。この変化は、社外を巻き込んでいるチームほど強く効きます。
次に権限です。フリープランではアクセス制限が×と記載されています。見せたくないプロジェクトがある状態で社外の人を入れると、運用でカバーするしかなくなります。有料プランに上げるか、社外の人と共有する範囲を別のスペースに分けるかの判断になります。
現場でよく聞くのは、道具そのものより、相手に新しい画面を覚えてもらうことの負担が重い、という話です。相手が月に数回しか触らないなら、書く項目が少なく、開いた瞬間に自分の担当が分かる形のほうが続きます。逆に、相手も日常的に進行を追う立場なら、多少項目が多くても、記録が積み上がる形のほうが後で助かります。相手の関わり方の濃さで、向く道具は変わります。
今日できる棚卸しの手順
詰まっている場所を3つに仕分ける
まず、チームの中で出ている不満を、そのまま箇条で書き出します。次に、それぞれを「操作を決めれば消える」「プランを上げれば消える」「道具を替えないと消えない」の3つに割り当てます。この作業は30分あれば終わります。
割り当ての基準は単純です。公式の料金ページの機能比較表で×が付いているなら、それはプランの問題です。表に載っていない項目で、手順を決めれば回るなら、操作の問題です。どちらでもなく、働き方そのものと噛み合っていないなら、道具の問題です。仕分けたあと、いちばん数の多い箱を見ると、次に何をすべきかが見えます。
人数とプロジェクト数を数える
改定後の上限は人数15とプロジェクト30です。ここを1つ超えるとビジネスの36,300円になり、金額の段が変わります。数え方の手順はこうです。
ユーザー一覧を開いて、直近3か月にまったく操作していないアカウントを洗い出します。退職した人、異動した人、短期で入っていた業務委託の人のアカウントが残っていることが珍しくありません。次に、プロジェクト一覧を開いて、最後の更新が半年以上前のものに印を付けます。アーカイブ済みのものも数に入る点を忘れないでください。最後に、その2つを整理したあとの人数とプロジェクト数を出します。この数字が、上限の内側に着地できるかどうかの答えになります。
契約更新日を確認する
契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日を確認できます。ただしトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は該当の案内が表示されません。プランを停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。
日付が分からないうちは、予算の話も、道具を替えるかどうかの話も始まりません。この画面を開くところから始めてください。作業としては数分です。
替えるかどうかを決める前に
道具を替えるかどうかは、機能の一覧を突き合わせるより、入力する人が増えるかどうかで判断したほうが外しません。工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られません。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。書く人を増やすために必要なのが、機能なのか、料金の枠なのか、それとも書く項目の少なさなのかを見極めます。
書く項目の少なさが答えになる場合、選択肢は板の形をとる道具に寄ります。板の形をとる道具の中には、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという料金の作り方をしているものもあります。プランごとに機能の線を引かない代わりに、できることの幅そのものが絞られています。工程表を細かく引く道具ではなく、いま誰が何を持っているかを1枚の板で見せる道具です。料金の考え方は料金に、できることの範囲はできることに整理してあります。
この形の道具の弱点も、隠さずに書いておきます。リポジトリの機能は持ちません。自動化と外部サービスとの連携で勝負する作りでもありません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのはTrelloからだけで、他のサービスからは手作業での移し替えになります。取り込みの手順はTrelloからの移行にまとめています。Git / Subversionを課題と紐づけて使っているチームや、工数の実績を積み上げて見積もりに使いたいチームには噛み合いません。その用途なら、いまの道具を続けるほうが合理的です。
他の道具と並べて見たい場合は、公式ページの表記にもとづいて整理したBacklogとの比較とTrelloとの比較が使えます。判断に迷いやすい点はよくある質問にも整理してあります。
なお、この記事に書いた金額、上限、日付は、いずれも2026年9月2日時点で公式サイトおよび公式ヘルプに掲載されていた内容です。金額はすべて税抜表示です。プランと提供条件は変わりますので、契約や社内の稟議に使う際は、必ずそのときの公式ページで最新の表記を確認してください。
Q1. Backlogで工程表が出ないのは設定の問題ですか?
プランの問題であることがほとんどです。2026年9月2日時点の料金ページでは、ガントチャートはスターターとフリープランでは使えず、スタンダード以上で利用できると記載されています。スタンダードの表示範囲は6か月分です。設定を探しても出てこない場合は、契約しているプランを先に確認してください。
Q2. 課題の入力項目が多くて誰も書いてくれません。どうすればよいですか?
必ず埋める項目をチームで3つか4つに決めて、それ以外は空でよいと明文化するのが早い解決です。件名、担当者、期限日、種別あたりが現実的な線になります。予定時間と実働時間は、工数を集計する必要がある案件だけで使うようにすると、日々の入力の負担が下がります。項目を減らすより、埋めなくてよい項目を宣言するのが要点です。
Q3. 無料プランで試して使いにくいと感じました。有料でも同じですか?
同じとは限りません。フリープランでは、ガントチャート、バーンダウンチャート、属性のカスタマイズ、状態の追加・変更、親子課題、アクセス制限がいずれも×と記載されています。プロジェクト数1、ユーザー数10、総容量100MBという上限もあります。感じた使いにくさがこの表の×に当たっていないか、先に確かめる価値があります。
Q4. 2027年のプラン改定で、使い勝手は変わりますか?
上限の管理が運用の仕事になります。エコノミーの上限は人数15、プロジェクト30で、これを超えるとビジネスの36,300円(税抜、月払い)になります。公式のよくあるご質問には、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記されています。終わったプロジェクトと使われていないアカウントの棚卸しが、そのまま金額に効いてきます。
Q5. チャット機能が無いのは不便ではありませんか?
会話は別の道具で持つ前提の作りです。料金ページの機能比較表には課題ごとのコメントが全プランで利用可と記載されていますが、本体機能としてのチャットの項目は見当たりません。ヌーラボはビジネスチャットのTypetalkを2025年12月1日に終了しています。課題のコメントは記録として残す場所と割り切り、話す場所と残す場所を分けたほうが運用は安定します。