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BacklogのWikiを持ち出す|書式が崩れる箇所

2026年9月4日 ・ Pinateca編集部

課題の書き出しについては公式ヘルプに手順が載っていて、迷うところがありません。ところがWikiになると、話が急に難しくなります。「backlog wiki エクスポート」で検索した人の多くが、課題と同じような画面のボタンを探して見つからず、そこで手が止まっています。

先に、この記事で分かることを書きます。公式資料で確認できたWikiの持ち出しの手段は、有料オプションの「スペースデータのバックアップ」に集約されています。課題のように検索結果の画面から自分でダウンロードする形の案内は、Wikiについては公開資料では確認できませんでした。そして受け取る形はCSV形式ファイルです。書式を持った文書を、表形式のファイルで受け取るという構図になるため、崩れやすい箇所がはっきり決まっています。

Wikiには、課題以上に価値のあるものが入っていることがよくあります。手順書、環境の構成、運用のルール、引き継ぎのメモ。課題は流れていきますが、Wikiは残ることを前提に書かれています。だからこそ、持ち出せるかどうかを早い段階で確かめておく価値があります。この記事の内容はすべて2026年9月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづいています。

Wikiの持ち出しで公式に案内されている手段

公式ヘルプで案内されているデータの書き出しの手段を、種類ごとに並べます。ここを正確に押さえておくと、探す場所を間違えなくなります。

データの種類 公式に案内されている経路
課題とコメント 課題の検索結果からCSVまたはExcel形式でダウンロード
共有ファイル WebフォルダやFinderからダウンロード
Gitリポジトリ Backlogに保管されているGitリポジトリをすべてGitのcloneで取得
Subversion 公式ヘルプの手順でエクスポート
課題やWikiなどのデータ 有料オプションのスペースデータのバックアップ

Wikiの名前が出てくるのは、いちばん下の行だけです。公式ヘルプには、有料オプションとして「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜+消費税)」があり、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスだと説明されています。

つまり、Wikiだけを画面から自分で書き出す手段については、公開資料では確認できませんでした。無いと断定はできませんが、公式ヘルプの書き出しの案内ページには載っていません。50,000円という金額をどう見るかは、Wikiにどれだけの量と価値が入っているかで変わります。ページ数が20ページ程度なら、画面から手で写したほうが早いという判断も十分に成り立ちます。500ページあるなら、金額を払う理由が出てきます。

そして、この有料オプションにも重要な注記があります。公式ヘルプには次の一文が書かれています。

バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。 出典: support-ja.backlog.com

受け取れるのは、人が読める形の中身であって、Backlogを復元するための媒体ではありません。この一文の意味は、Wikiの場合は特に大きくなります。書式が崩れた状態で受け取ったとしても、それをBacklogに戻して直すことはできないからです。

WikiとドキュメントはBacklogの中で別の機能として案内されている

もう1つ、探す前に整理しておくべきことがあります。Backlogには、Wikiとは別に「ドキュメント」という項目があります。公式のヘルプセンターに掲載されているフリープランでできることの一覧には、プロジェクト数、ユーザー数と並んで「ドキュメント数:5」という上限が書かれています。新プランの案内にも「ドキュメントの同時共同編集は全プラン12人」という記述があり、Wikiとは別枠で扱われています。

自分たちがどちらに何を書いてきたのかは、思っているより曖昧なことがあります。手順書はWikiに、議事録はドキュメントに、というように書き分けているつもりでも、実際には混ざっているものです。持ち出しの計画を立てる前に、両方を開いて、どちらに何が入っているかを確かめてください。

ドキュメント側の書き出しについては、公開資料では確認できませんでした。有料オプションの説明は「課題やWikiなどのデータ」という表記で、ドキュメントがそこに含まれるかどうかは明記されていません。ここが重要なら、申し込む前にヌーラボの窓口へ直接確認するのが確実です。金額を払ってから「入っていなかった」となると取り返しがつきません

CSVで文書を受け取るということの意味

ここからは、CSVという形式そのものの性質から来る話です。公式ヘルプの記述ではなく、形式の構造から必然的に起きることを整理します。実際に受け取ったときにどう見えるかは、スペースの内容によって変わります。

CSVは、行と列で表を表すための形式です。1つのセルには1つの値が入ります。一方でWikiのページは、見出しがあり、段落があり、箇条書きがあり、表があり、画像があり、他のページへのリンクがある構造物です。構造を持った文書を、構造を持たない1つのセルの中に入れることになるので、崩れる場所は自然と決まってきます。

崩れやすい箇所1:見出しの階層

Wikiの見出しは、大見出しと小見出しの入れ子で文書の骨格を作っています。CSVのセルに入ると、その入れ子は記号として残るか、記号すら落ちて平たい文章になるかのどちらかです。記号が残っている場合は、受け皿のツールで置き換えれば復元できます。落ちている場合は、人が読んで組み直すことになります。

これは受け取ったファイルを見れば5分で判断できます。まずWikiの中でいちばん階層が深いページを1つ選んで、そのページが受け取ったファイルの中でどう表現されているかを確かめてください。この1ページの確認で、全体の作業量の見当がつきます。

崩れやすい箇所2:表

Wikiに書いた表は、CSVのセルの中に入れると特に扱いにくくなります。CSVは表を表すための形式なのに、セルの中に別の表が入るという入れ子の状態になるからです。表の区切りが記号として残っていれば復元できますが、行と列の対応が読めなくなっている場合は、元のページを見ながら作り直すことになります。

環境の一覧、権限の対応表、用語集。Wikiの中で表になっている部分は、たいてい情報の密度が高く、価値も高い部分です。ページ数は少なくても、ここに時間がかかります。

崩れやすい箇所3:画像と添付ファイル

Wikiのページに貼った画像は、ページの本文の中では参照として書かれています。ファイルの実体は別の場所にあります。CSVで受け取る本文には、その参照だけが残り、画像そのものは含まれません。公式ヘルプの説明では、有料オプションでは共有ファイルや添付ファイルもGoogleドライブで一緒に提供されるとされているので、実体は別のファイルとして受け取れることになります。

受け取ったあとにやる作業は、どの画像がどのページのどこに入っていたかを結び直すことです。手順書のスクリーンショットは、文章と対応していないと意味がありません。「この画面で右上のボタンを押します」という文の下に画像が無ければ、手順書として機能しなくなります。画像が多い手順書ほど、この作業に時間がかかります。

崩れやすい箇所4:ページ同士のリンク

Wikiの中でよく使われるのが、他のページへのリンクです。「詳しくは環境構築の手順を参照」といった形で、ページ同士が網の目に繋がっています。この繋がりは、CSVで受け取った時点ではただの文字列になります。受け皿のツールで同じ構造を作り直さない限り、リンクは機能しません。

ページ数が多いスペースほど、この作り直しが重くなります。100ページのWikiで、1ページあたり平均3本のリンクがあるなら、300本を張り直すことになります。ここは移行の見積もりで最も過小評価されやすい部分です。

崩れやすい箇所5:改行の扱い

CSVでは、改行を含む値は引用符でくくって1つのセルに収める決まりになっています。この処理が受け取る側のソフトで正しく解釈されないと、1ページが複数行に割れて、行数とページ数が合わなくなります。受け取ったファイルを表計算ソフトで開いたら、まず行数とWikiのページ数が一致するかを確かめてください。ここがずれていると、その先の作業がすべて狂います。

崩れやすい箇所6:整形済みのテキスト

手順書には、設定ファイルの中身、実行するコマンド、エラーの文面といった、そのままの形で残さなければ意味がないテキストが入っていることがあります。空白や改行の位置に意味があるので、1文字でも変わると使えなくなります。

こうした部分は、CSVのセルの中に入ると引用符や区切り文字と衝突しやすい部分でもあります。値の中に引用符やカンマが含まれていると、受け取る側のソフトの解釈次第で列がずれます。設定ファイルの中身をそのまま貼っているページがあるなら、そこは特に注意して確認してください。ずれていることに気づかないまま新しい場所へ運ぶと、誰かがその手順書を見て作業したときに失敗します。

対処としては、こうしたページだけを画面から直接コピーして貼り直すのが確実です。全体を機械で処理し、危ないページだけ人が手当てするという分け方をすると、時間の使い方として無駄がありません。

受け取る前に、Wikiの棚卸しをする

50,000円を払うかどうかを決める前に、あるいは手で写す作業を始める前に、やっておくと判断が変わることがあります。Wikiの中身の棚卸しです。

長く使ってきたスペースのWikiは、たいてい3層に分かれています。

第1層は、いま毎週見ているページです。運用の手順、当番の割り当て、環境の接続先。ここは移さないと業務が止まります。数は意外と少なく、10ページから20ページに収まることが多いものです。

第2層は、年に数回だけ開くページです。障害対応の手順、契約の更新の段取り、監査で聞かれる項目の一覧。頻度は低いものの、必要になったときに無いと困ります。

第3層は、もう誰も開いていないページです。終わったプロジェクトの議事録、使わなくなったツールの設定、退職した人が残したメモ。ページ数で言えば、ここが半分以上を占めていることも珍しくありません。

移行の作業量を決めるのは、第3層を持っていくかどうかです。全部持っていこうとすると、書式を直す作業が何倍にもなります。逆に第1層と第2層だけに絞れば、手で写しても数日で終わることがあります。Wikiの持ち出しは、量を減らす判断とセットで考えたほうが現実的です

棚卸しのやり方は簡単です。Wikiの一覧を開いて、更新日の古い順に並べます。直近1年で一度も更新されていないページに印を付けます。その中から、更新されていなくても必要なページ(第2層)を拾い上げます。残ったものが第3層です。この作業は1時間もあれば終わり、その後の判断がまるごと変わります。

誰が読んでいるページなのかも確かめる

もう1つ、棚卸しのときに一緒に見ておくとよいのが、そのページの読者です。社内の人だけが読むページと、外部のパートナーや取引先が読むページでは、移したあとの扱いが変わります。

外部の人が読んでいるページを別の場所へ移すと、その人たちに新しい場所の案内をして、アカウントを用意して、使い方を説明する作業が発生します。ページを写す時間より、この調整のほうに時間がかかることがあります。新プランではエコノミーのユーザー上限が15名なので、外部のパートナーを何人まで入れられるかという話とも直結します。

そして、外部の人が読むページが1つでもあるなら、移行の日程を先に伝える必要があります。ある日突然リンクが切れると、相手の作業が止まります。この連絡は、写す作業を始める前に済ませておいてください。

手で写すことにした場合の進め方

棚卸しの結果、対象が50ページ以内に収まったなら、手で写すのが現実的な選択肢になります。有料オプションの50,000円を払わずに済みますし、書式の崩れを直す作業も発生しません。写しながら中身を見直せるので、結果として文書の質が上がるという副次的な効果もあります。

ただし、やり方を決めずに始めると必ず途中で止まります。順番を決めておきます。

先に受け皿の骨格を作る

いきなり本文を写し始めないでください。まず受け皿のツール側に、ページの入れ物と階層を先に作ります。Backlog側のWikiの一覧を見ながら、同じ構造の空のページを並べていきます。この段階では中身は空でかまいません。

骨格を先に作ると、ページ同士のリンクを張る作業が後回しにならずに済みます。空のページでもリンクは張れるので、本文を写しながら参照を繋いでいけます。逆に、本文を先に全部写してからリンクを張ろうとすると、どのページからどこへ繋がっていたかを思い出す作業が発生します。

1ページずつ完了させる

全ページの本文を写してから画像を貼る、という進め方は避けてください。1ページを開いたら、そのページの本文、表、画像、リンクを全部終わらせてから次へ進みます。理由は2つあります。1つは、中断したときにどこまで終わったかが明確になること。もう1つは、画像と本文の対応が記憶に新しいうちに済ませられることです。

複数人で分担するなら、ページ単位で割り当てます。工程単位で割り当てると、引き継ぎの説明にかえって時間がかかります。50ページを5人で分ければ1人10ページで、1ページ15分としても半日弱で終わる計算になります。

写しながら捨てる

写す作業は、内容を読み直す作業でもあります。読んでみて「これはもう使っていない」と分かるページが必ず出てきます。そのときは写さずに飛ばしてください。棚卸しの段階では第2層に入れたものの、読んでみると不要だったというのはよくあることです。

逆に、書いてあることが古くて間違っているページも見つかります。そのまま写すと、間違った手順書を新しい場所へ持ち込むことになります。直すか、写さずに「要更新」とだけ書いた空のページにしておくか、どちらかにしてください。移行は、たまった文書を見直す数少ない機会です。全部そのまま運ぶのは、いちばんもったいない使い方になります。

元のスペースは急いで消さない

写し終えたあとも、契約が生きているうちは元のスペースを残しておいてください。写し漏れは必ず出ます。運用を新しい場所に切り替えて数週間動かしてみて、「あの手順書が無い」という声が出なくなってから、元を閉じる判断をするのが安全です。持ち出せるかどうかは、契約を切ってからでは確かめられません。

新しい場所へ切り替えたあとも、しばらくは古い場所を開いてしまう人が出ます。これを防ぐには、Backlog側のWikiのトップページに「このWikiは移動しました」という一文と新しい場所への案内だけを残し、中身の更新は新しい場所だけで行うと決めるのが効きます。両方を更新し続けると、どちらが正しいのか分からなくなり、結局どちらも信用されなくなります。正しい場所を1つに決めることが、移行の最後の仕事です

切り替えの日は、忙しくない週を選んでください。締切が重なっている週に文書の置き場が変わると、探す時間が増えて、その分だけ新しい道具への印象が悪くなります。道具が定着するかどうかは、最初の1週間の体験でかなり決まります。

いま持ち出しを調べている人が置かれている状況

Wikiの持ち出しを調べる人が2026年に増えている理由は、料金改定の告知です。事実を正確に押さえておきます。

2026年6月17日、ヌーラボがBacklogのプラン改定を公式ブログで告知し、同日付で東証グロース市場向けの適時開示も出しました。2026年12月31日で現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終わり、2027年1月1日から新3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まります。

既存の契約者への適用は一律ではありません。適時開示には「既に現行プランをご利用中のお客様については、プラン改定日以降最初に到来する契約更新日より、順次新プランへ移行のうえ改定後のプランが適用されます」と書かれています。この日をヌーラボは「適用開始日」と呼んでいて、スペースごとに違います。

金額はすべて税抜です。現行はスターター月2,700円、スタンダード月16,000円、プレミアム月27,000円、プラチナ月75,000円。新プランはエコノミー月21,000円、ビジネス月36,300円、プロフェッショナル月100,000円です。年払いは月払いに比べて5%オフで、この割引率は改定の前後で変わりません。

ここで、Wikiを持っている組織にとって重要な点を1つ。公式ヘルプには、登録済みのデータは新プランでも引き続き利用でき、移行作業は不要と案内されています。プランが変わるからWikiが消えるという話ではありません。慌ててWikiを写す必要はありません。落ち着いて、残るか移るかを決めてから作業に入って構いません。

ただし、フリープランを使っている組織には別の注意があります。新しいフリープランではユーザー上限が10名から5名に減ります。2026年12月31日までに追加済みの10名までは引き続き使えますが、2027年1月1日以降は新規のユーザー追加ができません。しかも6名以上で使っていた組織が2027年1月1日以降にユーザーを減らすと、5名を超える人数には戻せません。フリープランでドキュメント数5という上限の中で運用してきた組織は、そもそもWikiに大量の文書を溜めていないはずですが、人の出入りの計画には影響します。

なお、Backlog自体の提供終了の告知は出ていません。2026年に入ってからもBacklog AIアシスタント(2026年3月)、関連課題(2026年7月28日)、AIレビュー(2026年8月7日)、孫課題(2026年8月18日)と機能追加の発表が続いています。持ち出しを調べることと、いますぐ出ていくことは別の話だと考えてください。

金額とは別に効いてくる変更もあります。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、現在の3か月と6か月は廃止されます。クレジットカード払いなら月払いと年払いを引き続き選べます。銀行振込で3か月や6か月を選んでいる組織は、適用開始日から自動的に年払いに変更されるため、エコノミーであれば年額239,400円(年払い、税抜)の一括請求と向き合うことになります。月々の小さな支払いを前提に予算を組んできた組織ほど、この変更のほうが先に効きます。Wikiを写す作業に取りかかる前に、経理の担当者にこの点を伝えておくと、あとの調整が楽になります。

今日できる確認手順

Wikiの持ち出しについて、今日のうちに終わる作業を順番に並べます。

手順1:適用開始日を確認する

契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が確認できます。トライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、この案内が表示されません。締切が決まらないと、作業の優先順位も決まりません。

手順2:Wikiのページ数を数える

Wikiの一覧を開いてページ数を数えます。50ページ未満なら、手で写す選択肢が現実的な範囲に入ります。300ページを超えるなら、有料オプションを検討する理由が出てきます。この数字が最初の分岐点です。

手順3:ドキュメント側にも何が入っているか見る

Backlogでは、Wikiとドキュメントが別の項目として案内されています。両方を開いて、それぞれに何が入っているかを確かめてください。持ち出しの計画を立てるとき、片方だけを見て「これで全部」と思い込むのが、いちばんよくある取りこぼしです。ドキュメント側の書き出しの手段は公開資料では確認できませんでした。ここに重要なものが入っているなら、申し込みの前にヌーラボの窓口へ確認してください。

手順4:いちばん複雑なページを1つ選ぶ

表が入っていて、画像が貼ってあって、他のページへのリンクが多いページを1つ選びます。そのページを画面で開いた状態と、受け取ったファイルの中身を比べれば、崩れる箇所が具体的に分かります。全体の作業量は、このページの確認から逆算できます。

手順5:人数とプロジェクト数を数える

Wikiの話とは別に、金額を確定させる作業です。エコノミーの上限はユーザー15名、プロジェクト30です。ここを超えるとビジネスの月36,300円になります。公式FAQはアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記しているので、アーカイブ分を数え漏らさないでください。退職者のアカウントと、外部パートナーのアカウントも忘れずに数えます。

手順6:予約が必要かどうかを確かめる

新プランの予約が必須になるのは、スタータープラン利用中、スタンダードでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードでNulab Pass契約中のいずれかに当たる場合です。公式FAQは「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。

Wikiの置き場を決め直すという選択

Wikiの持ち出しを考えているなら、そのついでに考える価値のあることがあります。Wikiは、課題管理と同じ場所に置く必然性がそれほど強くありません

課題は、担当者がいて期限があって、状態が変わっていくものです。Wikiは、書いたら変わらず、みんなが読むものです。性質がまったく違います。課題管理のツールを移すからといって、Wikiも同じツールへ移さなければならない理由はありません。

実際、Wikiに書かれている内容は、文書に強いツールへ移したほうが読みやすくなることがあります。文書とタスクを同じ場所で扱う考え方を取っているものについてはNotionとの比較に整理があります。逆に、課題の進行だけを軽く回したいなら、カード中心の道具のほうが向いていて、その考え方の違いはTrelloとの比較にまとめてあります。部署をまたぐ規模の運用を前提にするならAsanaとの比較、Backlogとの考え方の違いを正面から見るならBacklogとの比較が参考になります。

ここで、こちら側の制約もはっきり書いておきます。このサイトが案内しているツールは、進行を1つの板にまとめることに寄せた作りで、Wikiのような文書の置き場としては設計されていません。自動の取り込みもTrelloからのものだけで、Backlogからの自動移行の仕組みは持っていません。仕組みの内容はTrelloからの移行に書いてあるとおりです。Wikiの中身が資産の中心なら、進行の板とは別に、文書に強い置き場を選ぶことをすすめます。1つの道具で全部をまかなおうとすると、どちらも中途半端になります。

決める順番

Wikiの持ち出しについて、判断の順番を整理します。

第1に、適用開始日を確定させて締切を決める。第2に、Wikiのページ数を数えて、第3層(もう誰も開いていないページ)を除いた実際の対象を出す。第3に、いちばん複雑な1ページで崩れ方を確かめる。第4に、手で写す時間と50,000円を比べる。第5に、そもそも移るのか残るのかを決める。

この順番を守ると、無駄な作業をしなくて済みます。逆に、いきなり有料オプションを申し込んだり、いきなり全ページを手で写し始めたりすると、あとから「そもそも移らなくてよかった」という結論になったときに、その時間がまるごと消えます。

そして残る判断も、十分に合理的です。プレミアムとプラチナの利用者は自動で移行し、上げ幅は3割台に収まり、ストレージ上限も据え置きです。Backlogは長く使われてきた製品で、日本語のサポートがあり、Git / Subversionを本体に持っています。Wikiと課題とコードが1つのスペースに揃っていることに価値を感じているなら、移る理由は薄くなります。移行には人の時間がかかり、その時間は請求書には出ませんが、確実にコストです。

判断の材料として、過去の経緯も添えておきます。クラシックプランの提供終了は、当初2024年5月31日の予定でしたが、2024年3月6日に延期が告知され、2025年5月31日へ1年延ばされました。理由は、移行に不安を感じる利用者へのサポートを厚くするためと説明されています。今回の改定が延期されると断言はできませんが、こういう前例があったという事実は、判断を焦らない材料になります。

Q1. BacklogのWikiだけを自分で書き出せますか?

Wikiだけを画面から自分でダウンロードする手段は、公開資料では確認できませんでした。公式ヘルプで案内されているのは、有料オプションの「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜+消費税)」で、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスです。ページ数が少ないなら、画面から手で写すほうが早い場合もあります。

Q2. 受け取ったWikiのデータはBacklogに戻せますか?

戻せません。公式ヘルプに「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。有料オプションで受け取れるのは、人が読める形の中身であって、Backlogの状態を復元するための媒体ではありません。書式が崩れた状態で受け取ったとしても、それをBacklogに入れ直して直すことはできない前提で考えてください。

Q3. Wikiの書式はどこが崩れますか?

CSV形式で受け取るという構造上、見出しの階層、表、画像の参照、ページ同士のリンク、そして改行の扱いが崩れやすい箇所になります。構造を持った文書を1つのセルに収めるため、記号として残るか、記号ごと落ちて平たい文章になるかのどちらかになります。どこまで残るかは受け取ったファイルを見ないと分かりません。表と画像が多いページを1つ選んで、画面と受け取ったファイルを見比べれば、全体の作業量の見当がつきます。

Q4. プランが変わるとWikiは消えますか?

消えません。公式ヘルプには、登録済みのデータは新しいプランでも引き続き利用でき、移行作業は不要と案内されています。2027年1月1日からの改定でWikiが削除されるという告知はどこにも出ていません。Backlog自体の提供終了の告知もなく、2026年に入ってからも機能追加の発表が続いています。慌てて写す必要はないので、自分のスペースの適用開始日と金額を確かめ、残るか移るかを決めてから作業に入って構いません。

Q5. Wikiが多いと移行にどれくらいかかりますか?

ページ数と、中身の複雑さで大きく変わります。作業量を決めるのは、直近1年で誰も開いていないページを持っていくかどうかです。更新日の古い順に並べて棚卸しすれば、実際に移す必要があるのは全体の一部だと分かることが多く、対象を絞れば手で写しても数日で終わる場合があります。棚卸し自体は1時間ほどで終わるので、金額を払うかどうかを決める前に必ずやっておいてください。

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