Airtableの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める
Airtableの代わりを探し始めた人が最初にやりがちなのは、候補の一覧を作って機能を並べて比べることです。この順番だと、たいてい決まりません。Airtableは表計算にもタスク管理にも見える道具なので、比較表を作ると同じ欄に丸が並んでしまい、差が出ないからです。決め手になるのは、候補の側ではなく自分の側にあります。いま使っている機能のうち、どれを手放してよいのかを先に決めることです。この記事では、その決め方を5つの数え方に分けて整理します。
代わりを探し始める理由は、だいたい3つに分かれる
まず、なぜ探しているのかをはっきりさせます。理由によって、探すべき方向がまったく変わるからです。
1つめは、費用です。人数が増えて席の料金が積み上がった、あるいは無料の枠に収まらなくなった。この場合、探すのは同じことができてもっと安い道具です。
2つめは、定着しないことです。作り込んだ表を現場が更新してくれない。入力の手間が重い、画面が複雑すぎる、という声が出ている。この場合、探すのは安い道具ではなく、簡単な道具です。安くて多機能な道具に移っても、同じことが起きます。
3つめは、用途とのずれです。データベースとして使い始めたのに、いつの間にか進行の管理に使っている。あるいは逆に、進行の管理から始めて、いまは業務システムのようになっている。この場合、探すのは別の種類の道具です。
この3つは、探し方がまったく違います。費用の話なら料金表を比べればよく、定着の話なら現場に触ってもらう必要があり、用途のずれなら道具の種類から考え直すことになります。自分がどれなのかをはっきりさせないまま候補を並べると、議論が噛み合いません。
Airtableは表計算の代わりではなく、データベースの入口
手放してよいものを決めるには、そもそも何を持っているのかを知る必要があります。
Airtableの中心にあるのは、表と表を関係づけられる構造です。案件の表があり、担当者の表があり、取引先の表があって、それぞれがリンクでつながっている。1件の案件を開くと、そこから担当者と取引先の情報が引けます。数式で計算し、リンク先の値を集計し、リンク先の値を参照して表示する。この仕組みが土台です。
その上に、見る方法が何枚も載ります。グリッド、フォーム、カレンダー、ギャラリー、カンバン、タイムライン、リスト、ガントの8種類です。さらにその上に、インターフェースという専用画面の層があります。
規模の上限も、データベースとしての設計を反映しています。ワークスペースあたり1,500のベース、ベースあたり1,000の表、ベースあたり1,000のビュー、表あたり500の項目を持てます。この数字は、進行の管理に使う道具の桁ではありません。小さな業務システムを作るための桁です。
代わりを探すというのは、この土台のうちどこまでを持っていくかを決めることです。全部を持っていこうとすると、結局似た道具しか候補に残らず、乗り換える意味が薄れます。
数え方1: 表どうしのリンクをいくつ使っているか
いちばん効く数え方から始めます。リンクの項目がいくつあるかを数えてください。
具体的には、各表の項目一覧を開いて、種類が「別のレコードへのリンク」になっているものを数えます。合計が0か1なら、実質的に1枚の表として使っています。この場合、乗り換えの候補はぐっと広がります。ボード型の道具でも、リストの道具でも、表計算でも、移れます。
合計が2から5くらいなら、担当者や取引先といった参照用の表を持っている状態です。この場合、移り先でも同じ関係を作れるかを確かめる必要がありますが、参照用の表を選択肢の項目に置き換えれば済むことも多いはずです。
合計が10を超えるなら、業務システムとして育っています。ここを手放すという判断は重いので、乗り換えではなく「進行の管理だけを別の道具に切り出す」という選択肢も検討すべきです。片方だけを移す判断は、全部を移す判断より現実的なことがあります。
数えるのに必要な時間は、表が10枚あっても30分程度です。この30分をかけずに候補を並べ始めると、後で戻ってくることになります。
数え方2: 自動化は月に何回動いているか
次に、自動化の使用量を見ます。Airtableの自動化には、プランごとに月あたりの実行回数の上限があります。Freeが月100回、Teamが25,000回、Businessが100,000回です。
自分が実際にどれだけ使っているかを確かめてください。もし月に数十回しか動いていないなら、自動化はほぼ使っていないのと同じです。手放しても運用は変わりません。
逆に、月に数千回動いているなら、その自動化が何をしているかを一覧にする必要があります。多くの場合、そのうち半分は「もう誰も見ていない通知」です。移行を機に整理すれば、必要な本数は想像より少なくなります。
ここで注意したいのは、自動化の本数ではなく役割で数えることです。10本動いていても、やっていることが「状態が変わったら担当者に通知する」だけなら、移り先が通知機能を持っていれば済みます。スクリプトを書いて外部のシステムに送っているなら、話は別です。
自動化を手放してよいかどうかの判断基準は1つです。それが止まったときに、誰かが困るかどうか。困らないものは、そもそも要りません。
数え方3: インターフェースを開いている人は何人か
インターフェースは、表の構造を見せずに必要な部分だけを見せる画面です。すべてのプランで作れますが、その中のタイムラインの表示だけは有料プランのみと案内されています。
数えるのは、作った画面の数ではなく、実際に開いている人の数です。作ったけれど誰も開いていない画面は、珍しくありません。
開いている人が経営層や他部署の数人なら、移り先では「読み取り専用の共有リンク」で代替できることが多いはずです。開いている人が現場の数十人で、そこから入力もしているなら、これは業務の入口として機能しています。手放すなら、代わりの入口を用意する必要があります。
インターフェースの価値は、権限の細かさにもあります。表そのものには触らせずに、決まった項目だけを更新させられます。この使い方をしているなら、移り先の権限の粒度を必ず確かめてください。「見るか編集するか」の2段階しかない道具に移ると、この運用は成立しません。
数え方4: ベースをまたぐ同期をいくつ張っているか
案件ごとにベースを分けている組織は、全体の一覧を作るために同期を使っていることがあります。ここも数えます。
同期できる表の数には上限があり、Freeが3つ、Teamが10、BusinessとEnterprise Scaleが20です。さらに、他のベースからの編集を許可する双方向の同期は、BusinessとEnterprise Scaleのみと明記されています。下位のプランでは一方向です。
同期を1つも張っていないなら、この機能は気にしなくて構いません。張っているなら、それが「全体を見るため」なのか「データを共有するため」なのかを区別してください。
全体を見るためなら、移り先で複数の案件をまたいで一覧できるかどうかが判断材料になります。データを共有するためなら、そもそもベースを分けている理由を見直したほうがよい場合があります。同期を張る手間と、1つにまとめて権限で分ける手間を比べると、後者のほうが軽いことも多いからです。
数え方5: 外のシステムとつないでいるか
最後に、APIで外とつないでいるかを確かめます。つないでいないなら、この項目は飛ばして構いません。
つないでいるなら、確かめるべき上限が1つあります。速度の上限として、ベースあたり毎秒5リクエストという数字がヘルプセンターに示されています。どの料金プランでもこの数字は変わらず、引き上げの提供も現時点ではないと書かれています。月あたりの呼び出し回数はプランで変わりますが、秒間の速度は変わりません。
いまこの上限に当たっているなら、それは乗り換えの理由になります。プランを上げても解決しないからです。逆に、1日に数回呼ぶだけの連携なら、移り先にAPIがあるかどうかだけを確かめれば済みます。
認証の方式も、移行の手間に関わります。かつてのAPIキーによる認証は2024年2月1日に廃止されており、現在は個人アクセストークンかOAuthを使います。この切り替えを済ませていない古い連携が残っているなら、移り先を決める前に、その連携が今も動いているかを確かめるべきです。
そのまま使い続けたほうがよい場合
5つの数え方を通したうえで、乗り換えないほうがよい場合をはっきり書きます。
リンクの項目が10を超えていて、数式と集計で計算し、インターフェースから数十人が入力し、自動化が月に数千回動いている。この状態なら、それはもう業務システムです。進行の管理に向いた道具に移しても、入るのは一部だけです。移った先で足りない部分を表計算で補い始めると、いまより悪くなります。
費用が理由なら、プランの選び方を見直すほうが先です。Airtableの請求はワークスペース単位なので、本格的に使う部署だけを有料にして、試している部署は無料のまま置くという分け方ができます。全社で1つのワークスペースに集約していると、そこにいる全員が課金の対象になります。
定着が理由なら、道具ではなく入力の設計を疑うほうが先です。担当者ごとに絞り込んだビューを用意して、それが本人の作業リストとして使える形になっているか。入力する項目が20個もないか。この2つを直すだけで改善することがあります。
代わりを探すのは、この見直しをやってもなお合わないときです。順番を守らないと、移った先で同じことが起きます。
乗り換える理由になりやすい上限
一方で、上限そのものが理由になる場合もあります。Airtableで先に当たりやすい上限を挙げます。
無料プランのレコード数は、ベースあたり1,000件です。しかも、この上限は表をまたいで累計されると明記されています。表を分けても逃げられません。
無料プランで編集可または作成可の権限を持てるのは5人までです。読み取り専用は無制限、コメント可は50人までとされています。入力する人が6人になった時点で、有料の話になります。
上限に当たったときの挙動も公開されています。
If you reach (or are over) our record or attachment limits, you'll still be able to use your bases and we will never remove your data. 出典: airtable.com
レコードや添付ファイルの上限に達しても、ベースは引き続き使えて、データが削除されることはない、と書かれています。そのかわり超過の通知が届き、プランを上げるまでレコードと添付ファイルの追加が止まります。データは残るが、その日から記録できなくなる、ということです。
もう1つ、料金表には載っていない条件があります。BusinessとEnterprise Scaleのプランは私用でないメールドメインを必要とし、GmailやYahooのようなドメインは対象外になると明記されています。代表者が個人のメールアドレスでアカウントを作っていると、上位プランに上げる段階で止まります。
課金の数え方が変わる境目
費用が理由で探している人は、乗り換える前にこの計算をしておくべきです。Airtableは、プランによって課金の対象になる権限が違います。
Teamプランでは、コメント可以上の権限を持つ人が課金の対象です。Businessプランでは、課金の対象は編集可以上に変わり、コメント可の人は対象に含まれません。読み取り専用はどちらでも無料です。
どちらが安いかは、チームの人の構成で入れ替わります。編集する人が少なく、見てコメントする人が多いチームでは、単価の高いBusinessのほうが合計で安くなる場合があります。年払いの単価はTeamが1人月20ドル、Businessが45ドルですが、掛ける人数が3分の1になれば結果は変わります。
代わりを探す前に、この計算を1度やっておく価値があります。乗り換えの手間をかけずに費用が下がるなら、そちらのほうが早いからです。
使っていない機能に、意外と払っている
数え終わったあとに、もう1つ確かめておきたい項目があります。AIのクレジットです。
Airtableでは、どのプランにも月ごとのAIクレジットが含まれます。ヘルプセンターの記載では、Freeが編集者以上1人あたり月500、Teamが課金対象の共同作業者1人あたり月15,000、Businessが有料ユーザー1人あたり月20,000、Enterprise Scaleが定価での有料ユーザー1人あたり月25,000です。
配られる量は席の数に比例します。人を増やせば枠も増え、減らせば枠も減ります。ここで確かめたいのは、その枠を実際に使っているかどうかです。1クレジットも消費していないなら、その部分の価値は受け取っていないことになります。
同じことは、拡張機能や同期にも当てはまります。使える機能の数を理由にプランを選んだのに、実際に開いているのは表とカレンダーだけ、という状態は珍しくありません。
代わりを探すときの判断材料としては、ここが効きます。使っていない機能を理由に「乗り換えたら機能が減る」と感じているなら、その感覚は実態と合っていない可能性があります。1か月分の利用状況を確かめてから、減るものを数え直してください。
候補を絞るときに見る軸は、機能表ではない
ここまでで手放してよいものが決まったら、ようやく候補を並べます。ただし、機能の丸付け表を作るのはおすすめしません。丸が並んでも、実際に使えるかどうかは分からないからです。
代わりに、次の4つを見ます。
1つめは、料金の区切り方です。機能の有無でプランを分けているのか、人数と規模で分けているのか。工程表やカレンダーが上位プランでしか開かない道具は珍しくありません。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという組み方をしている道具なら、使いたい画面が費用の理由で閉じることがありません。
2つめは、入力する人の負担です。現場の人に1週間触ってもらって、更新され続けたかどうかを見ます。これは機能表からは絶対に分かりません。
3つめは、持ち出せるかどうかです。移った先から、また出られるか。CSVで書き出せるか、APIがあるか。一度入ったら出られない道具は、それだけで候補から外す理由になります。
4つめは、日本語で使えるかどうかです。画面の日本語、問い合わせの日本語、そして日付や曜日の扱い。祝日を手で入れる必要があるのかどうかは、工程を預かる立場には効く違いです。
乗り換え先の弱点も先に確かめる
候補を絞るときに、良い点だけを並べた資料を読んでも判断できません。弱点を先に確かめるべきです。
ボード型のタスク管理に寄せた道具には、共通して弱い部分があります。表計算のような柔軟な列設計を持たないこと、表と表を参照する仕組みを持たないこと、自動化や外部との連携では専用の道具に及ばないことです。データベースとして使っていた部分を持ち込もうとすると、ここで詰まります。
取り込みの経路も限られていることが多いはずです。たとえばTrelloからの移行のページでは、自動で取り込めるのはTrelloのボードだけで、他の道具からはCSVと手作業になると説明されています。自動で入ると思って日程を組むと、初日で狂います。
画面の言語が1つしかない道具もあります。海外のメンバーがいるチームなら、ここは事前に確かめる必要があります。データの預け先としての考え方は安全性の考え方のようなページにまとまっていることが多いので、契約の前に目を通しておくべきです。
弱点を先に見ておくと、移った後の落胆が減ります。「できると思っていた」が一番の失敗要因です。
試す期間をどう確保するか
候補が絞れたら、実際に触る期間が要ります。ここで気をつけたいのが、無料で試せる条件です。
Airtableの場合、新しくアカウントを作ると最初のワークスペースが自動的にTeamプランの14日間の体験に切り替わります。2つめ以降に作ったワークスペースには、この体験が付与されません。つまり、試せる機会は実質1回です。
体験期間の中身は、Teamプランそのものとは少し違います。スクリプトを実行する自動化のアクションと、フォームの高度な設定が除かれています。上限も絞られていて、添付ファイルはベースあたり10GB、自動化は月25,000回、同期できる表はベースあたり10です。
さらに注意点があります。体験期間中に支払い方法を登録すると、その時点で自動的にTeamプランに切り替わって課金が始まる、と案内されています。試すだけの段階でカード情報を入れないほうが安全です。体験の延長は利用者側からはできず、サポートへの相談になるとも書かれています。
候補の道具についても、同じことを確かめてください。試用期間が何日あるのか、期間中に使えない機能はあるのか、カード登録が必要なのか、期間が終わったらデータはどうなるのか。この4つを先に確かめておけば、2週間を無駄にせずに済みます。
そして、試す期間にやるべきことは機能の確認ではありません。現場の数人に実際の案件を入れてもらい、2週間後に更新が続いているかを見ることです。この1点だけで、たいていの判断はつきます。
履歴を追える期間は、後から取り返せない
見落とされやすい比較の軸が1つあります。変更の履歴をどれだけ遡れるかです。
Airtableでは、変更履歴とスナップショットの保存期間がプランで決まっています。ヘルプセンターの一覧では、Freeが2週間、Teamが1年、自分で購入したBusinessが2年、Enterprise Scaleが3年です。非営利プランと教育プランと学生プランは1年です。
ここに、取り返しのつかない挙動があります。プランを下げた場合、降格後のプランの保存期間から外れたスナップショットは削除され、後でプランを上げ直しても復元できない、と明記されています。
費用を抑えるために一時的に無料へ落とすと、過去の記録が消えます。代わりを探している最中に「とりあえず無料に落として様子を見よう」と判断すると、比較のために必要だった経緯まで失うことになります。落とすのは、移り先が決まって運用が始まってからにすべきです。
候補の道具についても、同じ軸で確かめる価値があります。誰がいつ何を変えたかを、どれだけ遡れるのか。監査や取引先への説明が必要な業務なら、機能の数より先に見るべき項目です。
支払いが止まると、プランは自動で落ちる
もう1つ、費用の話に関わる挙動があります。代わりを探している時期は担当者が変わっていることも多いので、先に知っておく価値があります。
ヘルプセンターには、決済が拒否されると有料のワークスペースが自動的にFreeプランに降格する、と書かれています。カードの有効期限が切れていただけでも同じことが起きます。
降格すれば、編集可の権限を持てるのは5人までになり、履歴は2週間に縮み、レコードの上限は1,000件になります。上限を超えている部分は、新しいレコードを追加できなくなります。ある朝いきなり入力できなくなる、という形で表面化します。
支払いのカードが誰の名義で登録されているかは、進行を預かる立場なら把握しておくべき情報です。退職した人のカードが登録されたまま、というのは珍しい話ではありません。
代わりを探している最中にこれが起きると、判断のための材料も止まります。乗り換えの検討を始めたら、まず支払いの登録状況を確認しておくべきです。
終了、受付停止、運営会社、料金改定の4点を確かめる
候補が数個に絞れたら、最後にこの4点を確かめます。いまの機能と料金だけを見ても、数年使えるかどうかは分かりません。
サービスの終了予定があるか。新規の受付が止まっていないか。運営会社が変わっていないか。料金の改定が予告されていないか。この4点は、料金ページを見ているだけでは分からず、利用規約と開発者向けのページと既存顧客向けの案内を開く必要があります。
参考として、Airtableについて公開資料で分かる範囲を書きます。運営会社は利用規約の冒頭に記載があり、Formagrid Inc(Airtableの名称で事業を行う法人)が規約の当事者で、最終更新日は2024年5月31日と表示されています。開発者向けのページには過去の廃止の一覧が掲載されており、2025年1月13日に監査ログのV1が廃止、2024年2月1日にAPIキー認証が廃止、2022年にベータ版のWebhookのAPIが廃止と並びます。同じページの「今後の廃止予定」の欄には、現時点で予定されている廃止はないと書かれています。廃止を事前に知らせる期間も定められていて、Web APIとEnterprise APIは12か月です。プランの並びについては、従来のEnterpriseプランの利用者が更新のときまで経過措置の下にいるという記載が価格ページにあり、過去に組み替えが行われたことが分かります。料金の改定予定の告知は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。
同じ手順を、候補の側にもそのまま当ててください。特に見落としやすいのは新規受付の停止です。料金ページは残っているのに、実際には新規の申し込みを止めている道具があります。既存顧客向けのお知らせのページまで見に行かないと気づけません。
決めるまでの手順を、最後に並べる
ここまでの内容を、実際に手を動かす順番にします。
最初に、なぜ探しているのかを1文で書きます。費用か、定着か、用途のずれか。ここを曖昧にしたまま進めない。
次に、5つを数えます。リンクの項目の数、自動化の月あたりの実行回数、インターフェースを開いている人の数、同期を張っている表の数、外部連携の有無です。数え終わったら、それぞれについて「手放してよい」「代わりが要る」「絶対に必要」の3段階を付けます。
「絶対に必要」が3つ以上あるなら、乗り換えは重い判断になります。プランの選び方や入力の設計を先に見直すほうが早いはずです。
「手放してよい」が多いなら、候補は広がります。このとき見るのは機能表ではなく、料金の区切り方、現場が更新し続けるか、持ち出せるか、日本語で使えるかの4つです。どの機能が最初から入っているかはできることに、どの単位で区切っているかは料金にまとまっています。
似た設計の道具と並べたいなら、表計算に近い作りから入るものとしてNotionとの比較が近く、案件を横に並べて進行を見るものとしてはmonday.comとの比較が同じ軸で読めます。日本の開発チームで使われることの多い道具と比べたいならBacklogとの比較が参考になります。候補が決まっていないなら比較の一覧から探すほうが早いはずです。判断の材料として残った疑問はよくある質問にも項目があります。
代わりを探す作業でいちばん時間を食うのは、候補を集めることではありません。自分が何を使っているかを数えることです。そこさえ終われば、残りの判断は驚くほど短時間で済みます。
Q1. Airtableから乗り換えるか判断する材料は何ですか?
候補を並べる前に、自分が何を使っているかを数えます。表どうしのリンクの項目数、自動化の月あたりの実行回数、インターフェースを開いている人数、ベースをまたぐ同期の数、外部連携の有無の5つです。それぞれに手放してよいかどうかを判定し、絶対に必要なものが3つ以上あるなら乗り換えは重い判断になります。
Q2. 費用が理由なら、乗り換える以外に手はありますか?
プランの選び方を見直す余地があります。請求はワークスペース単位なので、本格的に使う部署だけを有料にする分け方ができます。また課金対象はTeamがコメント可以上、Businessが編集可以上と違うため、見るだけの人が多いチームでは単価の高いプランのほうが合計で安くなる場合があります。
Q3. 無料プランのままだと何が先に足りなくなりますか?
レコード数と人数です。無料プランはベースあたり1,000件で、この上限は表をまたいで累計されます。編集可または作成可の権限を持てるのは5人までで、読み取り専用は無制限、コメント可は50人までです。上限に達してもデータは消えませんが、新しいレコードを追加できなくなります。
Q4. 乗り換え先を選ぶとき、何を確かめておくべきですか?
料金の区切り方、現場が更新し続けるか、後から持ち出せるか、日本語で使えるかの4つです。あわせて、サービスの終了予定、新規受付の停止、運営会社の変更、料金の改定の4点も確かめます。特に新規受付の停止は料金ページからは分からず、既存顧客向けの案内まで見に行く必要があります。