Asanaの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める
「asana 代わり」で検索する人の多くは、道具の出来に不満があるわけではありません。人が増えて席の費用が跳ねた、無料で使える人数が変わった、使っている機能より払っている金額のほうが大きく感じる。そういう具体的な引っかかりが先にあって、その出口として代わりを探しています。
だから最初に決めるべきなのは、乗り換え先ではありません。手放してよい機能はどれか、です。これが決まっていないまま候補を並べると、いま使っていない機能まで含めて横並びの表を作ることになり、結局「機能が多いほう」を選んで同じ場所に戻ります。逆に、手放してよいものが決まっていれば、候補は数分で絞れます。
この記事では、まず乗り換える理由がない場合を具体的に挙げます。そのうえで、手放してよい機能を決めるための切り分け方、料金と人数の仕組み、ゲストの数え方、データの持ち出し方、そして見極めの手順を順に整理します。数値と上限は公式ページとヘルプセンターに書かれている内容だけを写しており、いずれも2026年9月2日時点の確認です。
乗り換える理由がない場合を、先に挙げる
道具を替える作業は、決めた時点では安く見えて、動き出してから高くつきます。板の作り直し、権限の設定、全員への説明、慣れるまでの停滞、そして「前の道具ならこうだった」という会話が数週間続くこと。これらは移行の見積もりにはまず入りません。替えない判断ができるなら、それが一番安い選択です。
以下に当てはまるなら、いま代わりを探す必要はありません。当てはまらない項目が出てきたときに、はじめて次の章に進んでください。
2025年11月12日より前からのアカウントで、人数が10人に収まっている
無料の Personal プランには2つの版があると公式ヘルプに明記されています。2025年11月12日より後に登録した場合は「Up to 2 seats」で2人まで。2025年11月12日より前からアカウントを持っていた場合は「Legacy Personal Plan」に該当しうるとされ、こちらは「Up to 10 seats」で10人までです。
旧プランに該当する条件も、ヘルプにそのまま書かれています。2025年11月12日より前にすでに Personal を使っていた場合、同日より前に無料トライアルを始めていた場合、同日より前の90日以内に支払いを開始していた場合の3つです。
つまり、この条件を満たすアカウントで、関わる人が10人に収まり、タスクとプロジェクトの数が問題になっていないなら、費用は0円のまま回ります。無料プランの範囲としては「無制限のタスクとプロジェクト」「リスト、ボード、カレンダービューの切り替え」「無制限のストレージ、最大100MB/ファイル」「100以上の無料連携」が料金ページに列挙されています。この状態で道具を替える理由は、実務上ほとんど見当たりません。
現場でしばしば起きるのは、上限に触れていないのに「そろそろ変わるらしい」という話を聞いて探し始めるパターンです。まず自分のアカウントがどちらの版に該当するかを確認してください。ヘルプにも、ダウングレードの手続きに入ると自分のプランの詳細が表示される旨の注記があります。
工程表とレポートを、毎週実際に見ている
タイムライン(工程表)とガントビューは Starter 以上の機能として案内されています。ヘルプの利用可能プラン欄には Starter、Advanced、Enterprise、Enterprise+ に加えて旧来の Premium、Business、Legacy Enterprise が並んでおり、Personal は含まれていません。料金ページ側でも、Personal の機能一覧は「リスト、ボード、カレンダービューの切り替え」までで、タイムラインは Starter の欄に置かれています。
ここで大事なのは、工程表が使えるかどうかではなく、毎週それを開いているかどうかです。開いているなら、有料プランの費用はその1点だけで働いています。工程表を1枚で見られる状態は、進行を預かる立場の人にとって置き換えが最も難しい部分です。
レポートダッシュボードも同じです。料金ページでは Starter の機能一覧に「レポートダッシュボード」が含まれ、ヘルプの2025年の料金改定の説明にも、汎用レポートが Starter で使えるようになったと記載されています。週次の会議でその画面を投影しているなら、それは支払いに対して確実に返ってきている機能です。
外部との協業が多く、ゲストの仕組みで得をしている
ゲストの扱いは、公式に明確な記載があります。「Note that guests do not count towards your bill, and do not take up a space on your subscription's seat limit.」とされ、組織におけるゲストは請求の人数にも席の上限にも数えられません。料金ページでは Starter の機能一覧に「無制限の無料ゲスト」が並び、英語ページでは「Unlimited free guests」と表記されています。
制作会社やコンサルタント、取引先を頻繁にプロジェクトへ招く働き方をしているなら、この仕組みは金額に直接効きます。社内メンバーの分だけ席を買い、外部の関係者は費用をかけずに参加してもらう。この形で回っているチームが、席の課金だけを理由に乗り換えを検討するのは損になりがちです。
ただし例外があります。ワークスペースを使っている場合は「Unlike organizations, anyone collaborating in a workspace counts towards the paid plan, whether full members or guests.」とされ、ゲストも有料プランの人数に数えられます。自分たちが組織なのかワークスペースなのかを確認しないまま「ゲストは無料」と考えていると、請求額の見込みがずれます。
自動化と外部連携が、すでに業務の土台になっている
無料プランのダウングレード時に使えなくなるものとして、ヘルプには「Workflow builder and automation rules」「Forms」「Advanced search」「Advanced reporting and dashboards」「Asana AI」「AI Studio」などが列挙されています。裏を返せば、これらは有料プランで動いている機能です。
フォームから案件が自動で立ち上がる、担当が変わると通知が飛ぶ、条件に応じて次の工程へ自動で進む。こうした仕組みが業務の一部として組み込まれているなら、それは道具を替えたときに最も再現しづらい部分です。連携についても、無料プランの欄にすでに「100以上の無料連携」と記載があり、有料プランではさらに広い範囲が案内されています。
自動化が回っているチームでは、移行の費用が他のチームより明確に高くつきます。ルールの本数を数えて、そのうち何本が実際に月1回以上発火しているかを見てください。発火しているルールが多いほど、替えない理由は強くなります。
管理者側の要件が、すでに固まっている
料金ページでは、Enterprise の機能一覧に「SAML 認証」「ユーザープロビジョニング機能 (SCIM)」「サービスアカウント」「閲覧限定ライセンス」「ゲスト招待の権限」「プロジェクトの管理者コントロール」「管理者からのお知らせ」が並んでいます。Advanced には「強化されたセキュリティ機能」が含まれます。
シングルサインオンでの認証、退職時のアクセス権の自動削除、閲覧だけのライセンス。情報システム部門がこうした条件を要件として持っている場合、それを満たす道具は限られます。要件が固まっているなら、機能一覧の比較より先に、その要件を満たせるかどうかで候補が消えていきます。多くの場合、いま満たせているものを手放す判断にはなりません。
入力が定着していて、進捗の表が嘘になっていない
これが一番大きな理由です。進捗の表は、入力する人が増えないとすぐ嘘になります。現場では、導入から2週間で誰も更新しなくなると言われています。逆に、いまチーム全員が自分のタスクを自分で動かしていて、表を見れば実態が分かる状態になっているなら、それは道具ではなく運用が完成しているということです。
道具を替えると、この定着はいったんゼロに戻ります。画面の位置が変わり、通知の届き方が変わり、「前はここにあった」という質問が数週間続きます。定着している運用を替えるのは、費用の問題が相当に大きいときだけにしてください。
手放してよい機能を先に決める
ここからが本題です。代わりを探すという作業は、実質的には「何を手放すか」を決める作業です。同じ機能を全部持っている道具に替えるなら、費用も運用もほとんど変わりません。安くしたい、単純にしたい、という動機で探しているなら、必ずどこかを削ることになります。
削る場所を先に決めておかないと、候補を見るたびに「これも要る、あれも要る」となって判断が止まります。順番を逆にしてください。
「無いと止まる」と「あると安心」を分ける
まず、いま使っている機能を紙に書き出します。工程表、カスタムフィールド、レポート、フォーム、自動化ルール、外部連携、権限設定、検索。書き出したら、それぞれに1つだけ質問をします。「これが明日使えなくなったら、仕事は止まるか」です。
止まるものは手放せません。止まらないものは、たいてい「あると安心」の側です。この2つを混ぜたまま比較表を作ると、全部が必須に見えます。実際には、止まる機能は3つから5つ程度に収まることがほとんどです。
判断に迷うものは、直近1か月でその機能を開いた回数を数えてください。回数が数えられないほど使っているなら必須、思い出せないなら安心の側です。この作業に必要なのは30分程度で、ここを飛ばすと候補選びに何日もかかります。
工程表を何のために引いているのかを言葉にする
工程表は、手放すかどうかで最も議論が割れる機能です。ここは「使っているか」ではなく「何のために引いているか」で分けてください。
締切の前後関係を全員に見せるために引いているなら、必要なのは線ではなく期日と順番です。期日が入ったカードを日付順に並べられれば、目的は満たせます。一方、複数の案件をまたいで担当者の負荷を見るために引いているなら、それは線でしか表せません。前者は手放せる可能性があり、後者は手放せません。
もう1つよく聞くのは、工程表を1人が引き直している状態です。誰か1人が表を更新している間、他の人はその表を見られません。更新が止まれば、表は実態から離れます。この形になっているなら、工程表そのものではなく、更新の担当が1人に寄っていることのほうが問題です。道具を替えても同じ人が同じ作業を続けるなら、詰まりは解けません。
カスタムフィールドは、何を判断するために足したのか
カスタムフィールドは Starter 以上の機能として案内されています。ヘルプの説明では「Custom fields let you add additional data to tasks in your Asana projects.」とされ、料金ページでは優先度や予算、承認ステータスといった例が挙げられています。
現場でよく起きるのは、フィールドが増え続けて、誰も見ていない列が残るという状態です。フィールドを1つずつ見て、「この値が変わったときに、誰かの行動が変わるか」を確認してください。行動が変わらないフィールドは、記録のための記録です。
ここを整理すると、必要なフィールドの数は驚くほど減ります。10を超えるフィールドを持っているチームでも、判断に使っているのは担当、期日、状態の3つだけということは珍しくありません。そこまで絞れるなら、フィールドの自由度は手放してよい機能に入ります。
レポートは、誰が見ているのかを確かめる
レポートダッシュボードは、作った人と見る人が別なことが多い機能です。作った側は毎週更新していても、見る側は月に1回しか開いていない、ということが起こります。
確かめ方は単純です。次の会議で「先週のダッシュボードを見た人」と聞いてください。手が挙がらないなら、そのレポートは会議の資料として作り直せます。逆に、経営や他部門が定期的に見ているなら、それは手放せません。
レポートを手放す判断をした場合、代わりに必要になるのは「板を見れば状況が分かる」という状態です。集計して初めて分かるのではなく、板の並びそのものが報告になっている形にできれば、レポート機能は不要になります。
料金と人数の見え方を、正確に把握する
金額の話に入る前に、公式ページの表示を確認しておきます。ここを曖昧にしたまま比較すると、判断がずれます。
日本語の料金ページには4つのプランが並んでいます。年払いと月払いの切り替えスイッチがあり、年払い側には「最大 18% オフ」と表示されます。
| プラン | 年払い(日本語ページ) | 月払い(日本語ページ) | 年払い(英語ページ) |
|---|---|---|---|
| Personal | ¥0 | ¥0 | $0 |
| Starter | ¥1,200 | ¥1,475 | $10.99 |
| Advanced | ¥2,700 | ¥3,300 | $24.99 |
| Enterprise | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ |
単位表記は「ユーザー 1 人あたりの料金 /月」で、年払いは1年ごとの請求、月払いは月ごとの請求です。英語ページの月払いは Starter が $13.49、Advanced が $30.49 と表示されます。Enterprise は「料金についてはセールスチームにお問い合わせください」とされています。Enterprise カード内には、より高度なセキュリティとコンプライアンスを求める場合の選択肢として Enterprise+ の案内も置かれています。
税の扱いも押さえておいてください。日本語ページのよくある質問には「お客様に請求される料金には税金が含まれていませんが、お客様の請求先住所が日本国内にある場合、事業上の購入金額に対して日本の消費税 (JCT) が課税されます。」と書かれています。つまり表示は税抜で、日本国内の請求先には消費税が別に加算されます。
英語ページは USD、日本語ページは JPY で、金額は別建てになっています。USD価格と JPY価格の換算方法や換算レートについての説明は、公式ページには見当たりませんでした。記事や社内資料で金額に触れるときは、どちらのページの表示かを明記しておくのが安全です。プランと価格は変わりますので、判断する直前に公式ページで確認してください。
課金は「階層」と「席数」の2軸で決まる
ヘルプには「A subscription is made of two component parts; the plan tier you need, and the number of seats you require」と明記されています。プランの階層と席数の掛け算で金額が決まる、という構造です。
席数の刻みにも決まりがあります。最小は2席で、次に3席、4席、5席のプランが用意されています。そこから先は、合計人数が30人以下のときは5人単位、30人から100人のときは10人単位、100人から500人のときは25人単位、500人を超えると50人単位で増えていくと記載されています。1席だけのプランは提供されておらず、2席から4席のプランを除いて、1席ずつ追加することはできないとされています。
この刻みが効いてくるのは、人数が中途半端なときです。たとえば11人のチームなら、5人単位の区切りに合わせて15席を買うことになります。実際に使う人数と支払う席数がずれる分は、あらかじめ見込んでおいてください。
なお、有料プランでは席数の上限はありません。料金ページには Starter 以上に「ライセンス数の上限なし」と記載され、英語ページでは「No user seat limits」と表記されています。
人数の上限は、登録した時期で変わる
無料で使える人数の話は、ここが最も誤解されやすい部分です。いま公式ヘルプに書かれている内容は次のとおりです。
Asana Personal includes up to 2 seats per project and team. If your team currently has more than 2 active users, you'll need to take action when downgrading. 出典: help.asana.com
現在の料金ページに表示されているのは「2 人のユーザー」「2 users」だけです。説明文も「ユーザー 2 人まで無料でコラボレーションできます。Asana を始める個人や小規模チームに最適です。」となっています。
一方で、前述のとおり旧プランが併存しています。2025年11月12日より前からアカウントを持っていた場合、「Up to 10 seats」の Legacy Personal Plan に該当しうるとヘルプに明記されています。つまり、同じ「無料プラン」という言葉で話していても、相手のアカウントがいつ作られたかによって人数の上限が違います。社内で情報を共有するときは、必ず登録時期とセットで伝えてください。
ダウングレードの手続きについても記載があります。現在2人を超える利用者がいる場合、席の上限に収まるようユーザーの削除を求められること、削除されたユーザーはワークスペースへのアクセスを失うが作業履歴は残ること、そして一部のユーザーは異なる席数上限の旧プランを持っている可能性があり、手続きの途中で自分のプランの詳細が表示されることが書かれています。
なお、以前に言われていた人数に相当する記載は、現在の公式ページには見当たりません。過去に何人だったかを断定して書いている情報を見かけたら、そこは確認せずに信じないほうが安全です。
ゲストを人数に数えるかどうかは、組織かワークスペースかで変わる
ここは金額の見込みが最も大きく動くところなので、独立して確認しておきます。
ゲストの定義は「A guest is a user in an organization who does not share the organization's email domain.」です。組織のメールドメインを共有していない利用者、つまり取引先、業務委託先、顧客、外部のコンサルタントなどが該当します。
No. Guests do not contribute toward your overall membership count when upgrading an entire organization. 出典: help.asana.com
これは「有料の組織でゲストの分も払う必要があるか」という質問への回答です。組織全体をアップグレードする場合、ゲストは人数に数えられません。別の記事にも、10人の組織メンバーと2人のゲストからなる12人のチームであれば10席のプランで足りる、という具体例が挙げられています。
ただし注意点が3つあります。1つ目は前述のワークスペースの例外です。組織ではなくワークスペースを使っている場合、ゲストも有料プランの人数に数えられます。2つ目は、有料組織のメンバーが他の組織でゲストとして参加していても、自分の所属組織ではライセンスを占有し続けるという注記です。3つ目は利用規約上の制限で、自社の従業員をゲストとして扱い、席の購入を回避する使い方は認められていません。ヘルプにも「Customers using Asana's service are not permitted to provide employees, or employees of its affiliates, with access to the Asana service as guests instead of acquiring end user subscriptions for such employees.」と明記されています。
ゲストにできないことも押さえておいてください。ルールの作成や所有はできませんが、ルールを起動することはできます。タスクテンプレートの作成と編集、カスタムフィールドの設定の作成と編集、チームの作成とチーム設定の編集もできません。有料組織の管理者になるにはフルメンバーである必要があり、ゲストとメンバーを相互に変換することもできないとされています。
外部の関係者が多いチームでは、この仕組みが費用を大きく左右します。ゲストのままで足りる相手が何人いるのかを数えてください。ここが多いなら、席の課金を理由に乗り換える必要は薄くなります。
データの持ち出しは、JSONとCSVで案内されている
道具を替えるかどうかを検討するとき、最後に効いてくるのがデータの持ち出しです。持ち出せない道具は、検討そのものが成立しません。
公式ヘルプには「You can export your project to the text-based file formats JSON or CSV.」と記載されています。よくある質問「What file formats can be used to export Asana projects?」への回答も「You can export Asana projects to JSON or CSV file formats.」で、書き出せる形式は JSON と CSV の2つです。
手順もそのまま案内されています。プロジェクト名の横にあるドロップダウンメニューを開き、「Export/Print」にカーソルを合わせ、希望のファイル形式を選ぶ、という流れです。プロジェクト以外にも、検索ビューと自分のタスクを書き出せるとされています。用途としては、バックアップの保持、表計算ソフトでの分析、外部の関係者との共有、文書化の要件への対応、他の業務システムとの連携が挙げられています。
取り込みについては「You can import tasks to a project in Asana using CSV.」とされ、CSV が案内されています。手順はプロジェクト名の横のヘッダーメニューから「Import」を選び、CSV を選ぶ流れです。CSV 以外の方法として、タスク名の一覧をコピーして貼り付ける方法も案内されており、改行ごとに新しいタスクが作られると書かれています。
この機能の利用可能プラン欄には Personal を含む全プランが並んでいます。つまり、無料のまま使っている場合でも書き出しはできます。
実務では、乗り換えを検討し始めた時点で一度書き出しておくことをおすすめします。手元に CSV があるだけで、候補の道具に試しに取り込んでみる、表計算ソフトで件数を数える、といった検討がすぐにできます。書き出しに必要な時間は5分程度で、これをやらずに候補を眺めている時間のほうがはるかに長くなります。
日本語での表示と、データの保管場所
日本語での利用については、対応言語の一覧に Japanese が含まれています。切り替えはプロフィール設定の「Display」タブから行い、表示設定は利用者ごとの設定であって、他のメンバーの画面には影響しないと注記されています。ヘルプセンターと料金ページにも日本語版が用意されています。
データの保管場所については、明確な条件があります。「Data residency is available to be purchased as an add-on in Enterprise organizations and divisions and is included in Enterprise+ tiers.」とされ、Enterprise 組織のアドオンとして購入するか、Enterprise+ に含まれる形になります。選べる地域は次のとおりです。
| 保存地域 | バックアップ地域 |
|---|---|
| Virginia, United States(既定) | Ohio, United States(既定) |
| Frankfurt, Germany | Dublin, Ireland |
| Tokyo, Japan | Osaka, Japan |
| Sydney, Australia | Melbourne, Australia |
日本国内での保存を選ぶには Enterprise のアドオンまたは Enterprise+ が必要です。既定では、新しいワークスペースと既存の顧客データは米国に置かれ続けるとされ、地域を変えるにはセールスチームへの連絡が必要と案内されています。
地域内に保存されるのは、チーム、プロジェクト、タスク、ドメインと CSV の書き出し、添付ファイルといった顧客データ、利用者が最初のプロジェクトで作成した内容、そして利用者名、プロフィール写真、ロケールといったプロフィール情報です。一方で、メールアドレス、ゲストのパスワード、パスワード再設定リンクなどの一時キー、IPアドレス、識別子といった認証関連の情報と、席数や利用状況の計測に使われるデータは地域外に保存されうると記載されています。インフラについては、Amazon Web Services と提携して地域内のストレージを提供しており、保存時と通信時に暗号化され、地域をまたいだバックアップで保護されるとされています。
保管場所が社内規程で決まっているなら、これは手放せない条件です。逆に、規程がそこまで求めていないなら、この条件を外すだけで選べる道具の幅は大きく広がります。
見極めの手順を、5つの段階に分ける
ここまでの内容を、実際に手を動かす順番に並べ直します。この順番どおりに進めれば、候補は自然に絞れます。
1段階目は、数えることです。実際に使っている人数、そのうち書き込む人と見るだけの人の内訳、動いているプロジェクトの数。この3つを数えます。数える前に候補を探し始めると、必ず判断がぶれます。
2段階目は、自分のアカウントがどの版に該当するかの確認です。無料プランを使っているなら、2人までの現行版か、10人までの旧プランかを確かめます。有料プランなら、いま何席で契約していて、そのうち何席が実際に稼働しているかを見ます。席の刻みの都合で、使っていない席が含まれていることがあります。
3段階目は、手放してよい機能を決めることです。前述の「無いと止まるか」の質問を、機能ごとに1回ずつ通します。ここで残った機能が、候補選びの条件になります。書き出す作業は30分で終わります。
4段階目は、データを書き出すことです。JSON と CSV のどちらでもよいので、主要なプロジェクトを1つ書き出して手元に置きます。中身を開いて、どの情報が列として出てくるかを確認してください。移行のときに落ちるのは、たいていこの列に入っていない情報です。
5段階目で、はじめて候補を見ます。3段階目で残した機能だけを条件にして、候補の公式ページを確認します。ここで気をつけたいのは、料金と上限は必ず各社の公式ページで直接確かめることです。まとめ記事の数字は古くなっていることが多く、プランは変わります。
この5段階を踏めば、比較表を作る必要はほとんどありません。条件が3つか4つに絞れていれば、候補は自然に2つか3つに減ります。
板にまとめるという選び方についての考察
手放してよい機能を決めた結果、多くのチームが残すのは同じものです。誰が何をいつまでにやるか、いま何が止まっているか、この2つだけです。この2つを1枚の板で見せる形にすると、機能の多さは判断の軸から外れます。
その考え方で作られている道具を見るときは、料金が何で区切られているかを最初に確認してください。人数で区切るのか、板や案件の数で区切るのか、機能の段階で区切るのか。この設計が、運用の形をそのまま決めます。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという考え方を取る道具もあり、その場合は「この機能を使うために上のプランへ」という判断が発生しません。料金の考え方は料金に、機能の範囲はできることにまとめてあります。
候補を横に並べるときの見どころも、型ごとに違います。カードを動かす板型の道具は、ボードの枚数と人数のどちらで上限が来るかが分かれ目です。その差の見方はTrelloとの比較で扱っています。タスクの粒度を細かく扱う型の道具は、機能が増えるほど設定と運用の設計に時間がかかります。機能の多さと使い続けやすさをどう天秤にかけるかという論点はAsanaとの比較にまとめてあります。
文書とデータベースを兼ねる型の道具は自由度が高い代わりに、全員が同じ形で入力し続けられるかが分かれ目になります。作れるかどうかより、作ったあとに誰が維持するかという問題が残る点はNotionとの比較に整理しています。広い範囲をカバーする管理基盤型の道具は、必要な機能と使わない機能の切り分けが導入の成否を分けます。その切り分け方はmonday.comとの比較にあります。
国内の開発現場で使われてきた課題管理型の道具は、課題と工程の連動に強みがあります。開発以外の業務も同じ場所で回すかどうかで評価が変わる点はBacklogとの比較で扱っています。国内発の板型の道具との違いは、料金の区切り方と画面の考え方に出ます。その差の見方はJootoとの比較にまとめてあります。候補全体の位置づけを一度に確認したいなら比較の一覧から入るのが早いです。
比較を読むときに気をつけたいのは、書いている側の弱点が書かれているかどうかです。この記事を出している側の道具にも、はっきりした限界があります。ソースコードを置くリポジトリの機能は持っていません。自動化と外部連携の広さでは勝負していません。画面は日本語のみです。自動で取り込めるのは Trello からだけで、他の道具からのデータは手で移すことになります。移行の手順はTrelloからの移行に書いてあり、データの扱いの考え方は安全性の考え方にまとめてあります。
弱点を書かない比較は、読む価値が下がります。他社の欠点だけが並んでいる記事を見かけたら、その分だけ差し引いて読んでください。同じ理由で、この記事では Asana 以外のサービスについて料金や上限の数字を書いていません。プランは変わりますし、確かめられない数字を並べても判断の役には立たないからです。ここに載せた Asana の数値は、いずれも2026年9月2日時点で公式ページとヘルプセンターに記載されている内容です。
最後に順番をもう一度確認しておきます。数える。自分のプランの版を確かめる。手放してよい機能を決める。データを書き出す。それから候補を見る。この順番を守るだけで、比較に使う時間は大きく減ります。導入前に出やすい疑問はよくある質問に集めてあります。
代わりを探すという行為は、機能を数える作業ではありません。手放してよいものを決める作業です。決まっていれば、候補は少なくて済みます。決まっていないなら、いま使っている道具を替える理由も、まだ固まっていないということです。
Q1. Asanaの無料プランは何人まで使えますか?
公式ヘルプには2つの版が記載されています。2025年11月12日より後に登録した場合は「Up to 2 seats」で2人まで、同日より前からアカウントを持っていた場合は「Legacy Personal Plan」に該当しうるとされ10人までです。現在の料金ページに表示されているのは「2 人のユーザー」のみなので、社内で共有するときは登録時期とセットで伝えてください。
Q2. 工程表(タイムライン)は無料プランで使えますか?
公式ヘルプの利用可能プラン欄には Starter、Advanced、Enterprise、Enterprise+ と旧来の Premium、Business、Legacy Enterprise が並んでおり、Personal は含まれていません。料金ページでも Personal の機能一覧はリスト、ボード、カレンダーの切り替えまでで、タイムラインとガントビューは Starter の欄に置かれています。
Q3. Asanaのデータはどの形式で書き出せますか?
公式ヘルプには「You can export your project to the text-based file formats JSON or CSV.」と記載されており、JSON と CSV の2つです。プロジェクト名の横のメニューから Export/Print を選ぶ手順が案内されています。プロジェクト以外に検索ビューと自分のタスクも書き出せます。取り込みは CSV と、タスク名の一覧を貼り付ける方法が案内されています。
Q4. 外部の協力会社を招くと、その分の料金もかかりますか?
組織の場合、公式ヘルプに「Guests do not contribute toward your overall membership count」と記載されており、ゲストは請求人数にも席の上限にも数えられません。ただしワークスペースを使っている場合はゲストも人数に数えられます。また自社の従業員をゲスト扱いにして席の購入を回避する使い方は、利用規約上認められていません。