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Asanaが使いにくいと感じるとき|合っていないのは道具か組み方か

2026年9月2日 ・ Pinateca編集部

「Asanaが使いにくい」と感じたとき、そこで起きていることは一つではありません。通知が多すぎて大事な連絡が流れる、プロジェクトが増えすぎて探す時間が伸びる、入力する人が増えないまま進捗の表だけが古くなる。これらは見え方が似ていても、原因の置き場所がまったく違います。片方は自分たちの組み方を変えれば今日から直り、もう片方は道具の作りとして残り続けます。この記事では、その2つを切り分けたうえで、直せるものを先に具体的な手順として並べ、そのあとに公式資料で確認できる範囲の「残るもの」を整理します。

使いにくさの正体は、道具の作りと自分たちの組み方に分かれる

進行のとりまとめをしている人から出てくる「使いにくい」は、たいてい次の形をしています。開いた瞬間に情報量が多くて、どこを見ればいいのか分からない。誰かに頼んだ仕事の状態を知るために、結局チャットで聞いている。先週決めた運用ルールが、今週にはもう守られていない。

ここで大事なのは、これらの症状のほとんどが「道具を替えたら直るもの」ではないということです。プロジェクトの切り方が事業部の単位で大きすぎれば、どの道具に移しても画面は重くなります。タスクの粒度が「サイト制作」のように粗ければ、どの道具でも進捗は0か100かでしか表せません。通知を初期設定のまま全員に飛ばしていれば、どの道具でも通知は流れます。組み方の問題を道具のせいにして移行すると、移った先で同じ症状が3か月後に再発します。

一方で、組み方をどれだけ工夫しても越えられない線もあります。無料で使える人数の上限、工程表やカスタムフィールドがどのプランから使えるか、人数を増やすときの課金の刻み方、ゲストを人数に数えるかどうか。これらは仕様として決まっているので、運用の努力では動きません。ここに当たっているなら、それは「使いにくい」ではなく「合っていない」であり、判断は道具の入れ替えか、プランを上げるかの二択になります。

だから見直す順番は決まっています。まず組み方で直せるものを全部つぶす。それでも残った不満だけを、道具の性質として並べる。この順番を逆にすると、移行のコストを払ったのに何も変わらなかった、という結果になりがちです。逆に言えば、組み方を直しきったあとに残る不満は、はっきりした乗り換えの理由になります。

道具の入れ替えを考えるとき、判断材料の大半はこの切り分けに集まります。比較表の機能の数を数えるより、自分たちの「使いにくい」がどちらの箱に入るのかを決めるほうが、はるかに早く結論に近づきます。

使いにくいと言われるときに、実際に起きている場面

具体的な症状から入ります。以下は、5人から数十人規模のチームで進行を預かっている人からよく聞く場面です。それぞれが、組み方の箱と道具の箱のどちらに入るのかも添えます。

通知が多すぎて、大事な連絡だけが埋もれる

コメントが付くたび、担当が変わるたび、期日が近づくたびに通知が届き、受信箱が1日で数十件になる。そのうち全部を開かなくなり、本当に見るべき依頼を見落とす。この状態になると、チームは通知ではなくチャットで直接声をかけるようになり、道具の中に記録が残らなくなります。これは組み方の箱に入ります。通知の設定と、誰をプロジェクトのメンバーに入れるかで大きく変わります。

プロジェクトが増えすぎて、探す時間のほうが長い

案件ごと、月ごと、思いつくたびにプロジェクトを作った結果、サイドバーが縦に伸び、目的の場所にたどり着くまでに数十秒かかる。しかも似た名前が並んでいるので、間違ったプロジェクトにタスクを置いてしまう。これも組み方の箱です。切り方の基準を決め直せば直ります。

タスクの状態が0か100かでしか分からない

「サイトリニューアル」という1件のタスクが2か月間ずっと未完了のまま置かれている。進んでいるのか止まっているのかが、担当者に聞かないと分からない。これは粒度の問題で、組み方の箱に入ります。

入力する人が増えず、表がすぐ古くなる

とりまとめ役だけが更新し、他のメンバーは見るだけになる。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。1週間更新されていない表を会議で映すと、その場で口頭の報告に切り替わり、道具を開く理由がなくなります。これは半分が組み方、半分が道具の作りです。入力の手数が多い道具ほど、更新は止まりやすくなります。

無料で始めたら人数の上限に当たった

試しに使い始めて手応えがあったので人を増やそうとしたら、無料で入れられる人数の上限に当たった。ここは完全に道具の箱です。運用でどうにかできるものではないので、料金の話として正面から扱う必要があります。

見たい形の一覧が有料プランだった

工程表の形で全体を見たい、案件ごとに独自の項目を持たせて集計したい、という要望が出たときに、それが上位プランの機能だと分かる。これも道具の箱です。ただし「その形が本当に要るのか」は組み方の問題でもあるので、上げる前に一度考える価値があります。

組み方で直せるもの1: プロジェクトの切り方を決め直す

最初に手を付けるべきは、プロジェクトの切り方です。ここが決まっていないと、他の何を整えても崩れます。

切り方の基準は、部署や事業ではなく「終わりがあるかどうか」で分けるのが扱いやすい形です。終わりがある仕事、たとえば1件の案件、1回のイベント、1本の制作物は、1つのプロジェクトにします。終わりがなく続く仕事、たとえば問い合わせ対応、記事の入稿、月次の締め作業は、案件ごとに作らず、1つの受け皿にまとめて回します。この2種類を混ぜて同じ数だけプロジェクトを作ると、終わらないプロジェクトが延々と溜まり、サイドバーが伸びます。

もう一つの基準は、そのプロジェクトを開く人が誰かです。開く人が3人以下しかいないプロジェクトが10個以上あるなら、切りすぎです。逆に、開く人が20人いてタスクが200件あるプロジェクトが1つだけなら、大きすぎます。目安として、1つのプロジェクトが抱える動いているタスクは、多くても数十件までに収める。それを超えたら、工程で分けるか期間で分けるかを決めます。

過去のプロジェクトの扱いも決めておきます。終わった案件は完了にして一覧から外す。この操作を月に1回、決まった曜日にやると決めておくだけで、画面の重さはかなり変わります。終わったものが残り続けている状態は、それだけで「使いにくい」の主要な原因になります。

命名も基準を作ります。案件名だけでは、半年後に何の案件だったか分からなくなります。日付や取引先の種別を頭に付けて、並べたときに順番が意味を持つようにします。ここは道具の機能ではなく、決めるかどうかだけの話です。決めていないチームでは、人によって命名が違い、検索が効かなくなります。

この切り直しは、まとめてやろうとすると終わりません。動いている案件だけを対象にして、止まっているものと終わったものは一括で片付ける。この順番なら半日で終わります。

組み方で直せるもの2: タスクの粒度をそろえる

粒度は、進捗が見えるかどうかを決める一番大きな要素です。

置き方の基準は「1人が担当できて、数日で終わる」ことです。1件のタスクに複数人の担当が必要なら、それはタスクではなくプロジェクトか工程です。2週間以上かかるものも、途中経過が見えないので分けます。逆に、30分で終わる作業を全部タスクにすると、今度は件数が増えすぎて管理そのものが仕事になります。目安として、1件あたり半日から3日程度に収まる大きさにそろえると、一覧を見たときに進み方が読めます。

タスク名の付け方も統一します。「サイト修正」ではなく「トップページのバナー差し替え」のように、何をどうするかが名前だけで分かる形にします。名前を開かないと中身が分からない状態だと、一覧の意味がなくなり、結局全部開いて確認することになります。

期日は、全部に入れるか、入れないかを決めます。半分だけ入っている状態が一番よくありません。期日でソートしたときに、期日のないタスクが下に沈み、存在しないものとして扱われます。期日を入れないなら、代わりに優先度の項目でそろえる。どちらかに統一します。

担当者は必ず1人にします。複数人を担当にできる形にすると、誰も自分ごとにしません。関係者は担当ではなく、閲覧やコメントの形で関わってもらいます。この線引きが曖昧なチームでは、期日を過ぎたタスクが誰にも拾われずに残ります。

粒度をそろえる作業は、既存のタスクを全部作り直すことではありません。これから作るタスクに新しい基準を当て、既存の大きすぎるタスクは、動いているものだけを分割します。止まっている大きなタスクは、そもそも進める気がないものなので、いったん保留に落とすほうが早いです。

組み方で直せるもの3: 通知を減らし、見る場所を1つに決める

通知が多いという不満は、ほぼ全部が設定と参加者の見直しで解決します。

まず、プロジェクトのメンバーに全員を入れないことです。関係する人を全員入れると、全員に全部の更新が飛びます。実際に手を動かす人だけをメンバーにして、様子を知りたいだけの人は、週に1回の報告を見る側に回します。ここを分けるだけで、通知の量は目に見えて減ります。

次に、自分が受け取る通知の種類を絞ります。自分が担当のタスクの動きと、自分あてのコメントだけを通知にして、それ以外はアプリの中で見る形にします。メールとアプリの両方で同じ通知を受け取っている人が多く、これだけで受信数が半分になります。表示や通知の設定はメンバーごとに持つ形になっているため、一人が直しても他の人の画面は変わりません。チームで整えるなら、設定の手順を書いて共有し、各自にやってもらう必要があります。

そして、見る場所を1つに決めます。進行の状況を確認する場所が「プロジェクトの画面」「自分のタスク一覧」「チャット」「週次の報告資料」の4つに散っていると、どれも中途半端に古くなります。とりまとめ役が毎日開く場所を1つに決めて、他の場所には「そこを見て」と書くだけにする。この一本化は、道具を替えなくても今日できます。

会議の運用も合わせます。進捗確認の会議で口頭の報告を許すと、道具は更新されなくなります。会議では画面を映して、映っていないものは報告として扱わない。冷たいようですが、入力が続く仕組みはこれ以外にほとんどありません。現場では、更新されない道具は2週間ほどで誰も開かなくなると言われています。逆に、会議で必ず映すという運用が定着すると、前日に全員が更新するようになります。

組み方で直せるもの4: 入力してもらうための最小の型を作る

入力する人が増えない原因の多くは、やる気ではなく手数です。1件のタスクを起こすのに、名前を書き、担当を選び、期日を入れ、種別を選び、説明を書く、という5つの操作が必要なら、忙しい人は入れません。

対策は、必須の項目を2つか3つに絞ることです。名前と担当だけ必須、あとは空でもよい、と決めます。項目を増やすほど集計はきれいになりますが、入力が止まれば集計する中身がなくなります。集計の精度より、まず入力が続くことを優先します。

型をあらかじめ用意しておくのも効きます。よく発生する仕事、たとえば新規案件の立ち上げ、月次の請求、記事の入稿は、必要なタスクが毎回ほぼ同じです。この並びをひな型として置いておき、コピーして使う形にします。ゼロから起こす手間がなくなるだけで、入力の心理的な壁は大きく下がります。

外部の協力者やクライアントに入力してもらう場合は、さらに絞ります。相手にとって、こちらの道具は仕事の道具ではなく「付き合いで開くもの」です。相手が触る場所を1つの一覧に限定し、そこだけを見てもらう形にします。相手に負担をかけずに把握するには、相手の入力を増やすのではなく、こちらから見に行く回数を増やすほうが早いこともあります。

最後に、更新のタイミングを決めます。毎日でなくてよいので、たとえば毎週水曜の夕方に自分のタスクを見直す、と決める。決めていないチームでは、更新は「気づいた人がやる」ことになり、結局とりまとめ役1人の仕事になります。

道具の性質として残るもの: 人数と料金の線

ここからは、組み方では動かせない部分です。以下はすべて、Asanaの公式の料金ページとヘルプセンターに書かれている内容です。プランの内容や金額は変わるので、判断する前に必ず公式のページで最新の表示を確認してください。

無料プランで使える人数

無料の Personal プランで使える座席数について、公式ヘルプには次のように書かれています。

Asana Personal includes up to 2 seats per project and team. If your team currently has more than 2 active users, you'll need to take action when downgrading. 出典: help.asana.com

つまり、いまの無料プランはプロジェクトとチームあたり2人までです。料金ページの Personal の欄にも「2 人のユーザー」とだけ書かれています(2026年9月2日確認)。

ただし、ここには時期による違いがあります。公式ヘルプの「Versions of personal plans」の項では、Personal プランに2つの版があると明記されています。2025年11月12日より後に登録した場合は「Up to 2 seats」の現行版、それより前からアカウントを持っている場合は「Up to 10 seats」の旧版(Legacy Personal Plan)に該当しうる、という書き分けです。旧版の対象になる条件として、その日より前にすでに Personal を使っていた場合、その日より前に無料トライアルを開始していた場合、その日より前の90日以内に支払いを開始していた場合が挙げられています。

したがって「無料で何人まで使えるか」は、いつからそのアカウントを使っているかで変わります。数年前から使い続けているチームなら10人まで入れられている可能性があり、これから新しく登録するチームは2人が上限です。過去にもっと多い人数が使えたという話を目にすることがありますが、それに相当する記載は現在の公式ページには見当たらないため、この記事では触れません。

有料プランの金額と、いつ時点のものか

日本語の料金ページ(2026年9月2日確認、表示は税抜)では、Starter が年払いで1ユーザーあたり月1,200円、月払いで月1,475円。Advanced が年払いで月2,700円、月払いで月3,300円。Enterprise は「料金についてはセールスチームにお問い合わせください」と表示されています。年払いへの切り替えスイッチには「最大 18% オフ」と添えられています。

税の扱いについては、日本語ページのよくある質問に「お客様に請求される料金には税金が含まれていませんが、お客様の請求先住所が日本国内にある場合、事業上の購入金額に対して日本の消費税 (JCT) が課税されます」と書かれています。つまり表示は税抜で、日本国内の請求先には消費税が別途かかります。

なお、英語ページは USD 表示で、Starter が年払い10.99ドル、月払い13.49ドル、Advanced が年払い24.99ドル、月払い30.49ドルとなっており、JPY 表示とは別建てです。両者の換算方法や換算レートの説明は、公開資料では確認できませんでした。金額に触れるときは、どちらのページの表示かを添えるのが安全です。

工程表とカスタムフィールドが、どこから使えるか

「全体を工程表の形で見たい」という要望は、進行のとりまとめでは必ず出ます。公式ヘルプのタイムラインの記事には、利用できるプランとして Starter、Advanced、Enterprise、Enterprise+、および旧プランの Premium、Business、Legacy Enterprise が並んでおり、Personal は含まれていません。料金ページ側でも、Personal の一覧は「リスト、ボード、カレンダービューの切り替え」までで、タイムラインは Starter の一覧に「タイムラインとガントビュー」として載っています。

カスタムフィールドも同じ線です。ヘルプ記事の利用可能なプランの欄に Personal は含まれておらず、料金ページでは Starter の機能一覧に「カスタムフィールド」が並びます。レポートダッシュボードも Starter の一覧に含まれています。

有料から無料に下げたときに何が使えなくなるかは、公式ヘルプに一覧の形で示されています。そこには「Timeline view (Gantt charts)」「Workflow builder and automation rules」「Advanced reporting and dashboards」「Forms」「Advanced search」「Admin console features」「Projects with more than 2 members」などが並んでいます。無料で始めて途中から人が増えたチームが「急に使えなくなった」と感じるのは、この線に当たったときです。

人数を増やすときの刻み

見落とされやすいのが、課金の刻み方です。公式ヘルプには、契約は「プランの階層」と「シート数」の2つで決まると書かれたうえで、シート数の増え方が具体的に示されています。

The smallest subscription available is a 2-seat plan. Next, Asana offers 3-, 4- and 5-seat plans. Subscription size then increases in increments of 5 users when total users are less than or equal to 30; increments of 10 when total users are between 30 and 100; increments of 25 when total users are between 100 and 500; and increments of 50 when total users are more than 500. 出典: help.asana.com

同じ記事には「Asana does not offer a 1-seat plan」とあり、2席3席4席のプラン以外では、1席だけを足すことはできないとも書かれています。総人数が30人以下なら5人刻み、30人から100人なら10人刻みという構造なので、7人のチームが8人になるときは、次の刻みまでまとめて増える形になります。人の出入りが多いチームでは、この刻みが実際の支払いに効いてきます。なお、Starter 以上には「ライセンス数の上限なし」と記載されており、人数そのものに上限は設けられていません。

ゲストを人数に数えるかどうか

外部の協力者を招く場合、費用の扱いは組織かワークスペースかで変わります。公式ヘルプでは、ゲストは「組織のメールドメインを共有しないユーザー」と定義され、有料の組織における扱いとして「Guests do not contribute toward your overall membership count when upgrading an entire organization」と書かれています。別の記事にも「guests do not count towards your bill, and do not take up a space on your subscription's seat limit」とあり、10人のメンバーと2人のゲストからなる12人のチームなら10席で足りる、という例まで示されています。

ただし例外があります。組織ではなくワークスペースを使っている場合について「Unlike organizations, anyone collaborating in a workspace counts towards the paid plan, whether full members or guests」と明記されています。ゲストは無料だと聞いていたのに請求が合わない、という食い違いは、この違いから生まれることがあります。

ゲストにできないことも整理されています。ルールの作成や所有はできない、タスクのひな型の作成や編集はできない、カスタムフィールドの設定の作成や編集はできない、チームの作成やチーム設定の編集はできない、有料の組織の管理者にはなれない、といった記載があります。さらに利用規約の話として、自社や関連会社の従業員をゲストとして参加させ、本来必要な利用契約を取得しない使い方は認められていない、と明記されています。人数を抑える目的でゲスト枠を使うのは、公式に禁じられている使い方です。

なお、無料の Personal プランでのゲスト招待の人数上限については、公開資料では確認できませんでした。Starter 以上には「無制限の無料ゲスト」との記載があります。

日本語の表示と、データの置き場所

日本語には対応しています。公式ヘルプの表示設定の記事に、選べる言語として日本語(Japanese)が含まれています。ただし注記に「Display settings are personal to you and will not affect what your teammate sees」とあるとおり、表示言語はメンバーごとの設定です。チーム全体を日本語にそろえたいなら、各自に設定してもらう必要があります。

データの保管場所は、上位のプランの話になります。公式ヘルプには「Data residency is available to be purchased as an add-on in Enterprise organizations and divisions and is included in Enterprise+ tiers」と書かれており、選べる地域の表には保存地域「Tokyo, Japan」とバックアップ地域「Osaka, Japan」の組み合わせが載っています。既定については「By default, data will continue to reside in the United States for new workspaces and existing customer data」とあり、国内保存にするには営業への連絡が必要だと案内されています。国内にデータを置くことが取引先の条件になっている場合、これは組み方では動かせない線になります。

持ち出しと持ち込みの形式

道具を替えるかもしれない、と考えたときに先に確認しておきたいのが、データを外に出せるかどうかです。公式ヘルプには、プロジェクトを JSON または CSV の形式で書き出せると書かれています。プロジェクト以外にも、検索結果の表示や自分のタスクを書き出せるとの記載があります。取り込みについては CSV でのインポートに加えて、タスク名の一覧を貼り付けると改行ごとに新しいタスクが作られる、という方法も案内されています。この記事の対象プランには Personal も含まれています。

書き出せる形式が用意されていることは、それだけで判断の自由度になります。移るにしても残るにしても、いま入っている情報を外に出せるかどうかは、先に確かめておく価値があります。

切り分けを2週間で終える手順

ここまでを、実際に動かせる順番にまとめます。

1週目の前半は、切り方と粒度の見直しに充てます。動いている案件だけを対象に、プロジェクトを終わりのあるものとないものに分け、終わったものを完了にします。同時に、2週間以上動いていない大きなタスクを、分割するか保留にするかで仕分けます。ここで画面の情報量が3割ほど減るはずです。

1週目の後半は、通知と見る場所です。プロジェクトのメンバーから「様子を知りたいだけの人」を外し、自分の通知設定を担当分だけに絞ります。そのうえで、毎日開く場所を1つ決め、チームに周知します。

2週目は、入力の型を作ります。よく起きる仕事のひな型を2つか3つ作り、必須の項目を2つに絞ります。そして週の後半の会議で、画面を映しながら進捗を確認します。この1回で、入力が続くかどうかがだいたい見えます。

2週間が終わった時点で、まだ残っている不満を紙に書き出します。そこに「人数の上限」「工程表が上位プランだった」「刻みで人数が飛ぶ」「データの置き場所」のような、仕様として決まっている項目が並ぶなら、判断は組み方ではなく道具かプランの選択です。逆に、残った不満が「メンバーが更新しない」「タスク名がバラバラ」であれば、まだ組み方の余地があります。この場合に道具を替えても、移った先で同じことが起きます。

いまのままがよい場合と、比べるときの軸

先に「替えないほうがよい場合」を置きます。自動化のルールを組んで日々の作業を回している、外部のサービスとの連携が業務の前提になっている、複数の部門をまたいでポートフォリオの単位で見る必要がある。このどれかに当てはまるなら、そこは強みが出ている領域なので、無理に動かす理由はありません。使いにくさの原因が組み方にあったなら、直したうえでそのまま使うのが一番早い結論です。

そのうえで、他の道具と比べるときに見るべき軸は3つに絞れます。

1つ目は、人数の増減にどう効くかです。1人足すたびに何が起きるのか、次の刻みまで飛ぶのか、上限に当たるのか。とりまとめる立場では、人の出入りのたびに管理者の手間が増える構造かどうかが効いてきます。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという考え方の道具もあり、この場合は「この機能が使いたいからプランを上げる」という判断そのものが発生しません。どちらがよいかはチームの形によりますが、少なくとも軸としては比べる価値があります。

2つ目は、入力する人が増えるかどうかです。とりまとめ役1人が更新している状態は、道具を替えても直らないことが多い一方で、入力の手数が減れば改善する部分は確実にあります。画面を開いてから1件のタスクを起こすまでに何回操作するか、この数を実際に数えて比べると、机上の比較よりはるかに役に立ちます。

3つ目は、出入りの自由度です。入れた情報を外に出せるか、いま使っている道具から持ち込めるか。ここが塞がっている道具は、合わなかったときの逃げ道がありません。

具体的に比べる材料としては、道具ごとの整理が使えます。カンバンの板で回している場合の違いはTrelloとの比較に、この記事で扱った内容と重なる項目の一覧はAsanaとの比較にまとまっています。文書と表を同じ場所で扱う形との違いはNotionとの比較、案件の管理を色分けや自動化で組む形との違いはmonday.comとの比較、開発の課題管理を含む形との違いはBacklogとの比較、国産のカンバン型との違いはJootoとの比較にあります。どれから見ればよいか決められないときは、道具ごとの一覧を並べた比較の一覧から入ると、比べる軸そのものが整理できます。

判断を早くするために、先に決めておくとよいこと

道具の検討が長引くチームには、共通のパターンがあります。機能の一覧を横に並べて、丸の数が多いほうを選ぼうとして止まるのです。丸の数は、使わない機能の数も一緒に数えてしまいます。

代わりに、次の3つを先に決めておくと判断が速くなります。

1つ目は、入力する人の数です。見るだけの人は何人で、実際に触る人は何人か。この2つの数が分かれば、料金の話は一気に単純になります。多くのチームでは、触る人は思っているより少なく、見るだけの人が多数を占めます。触る人の数だけで料金が決まる形なら、見る人の分は費用の検討から外れます。

2つ目は、譲れない見え方が1つあるかどうかです。工程表の形が絶対に要るのか、板の形で足りるのか。ここが決まっていないと、上位プランの機能表を延々と読むことになります。実務としては、板の形と期日の一覧で足りるチームがかなりの割合を占めます。

3つ目は、社外の人が入るかどうかです。入るなら、その人を人数に数えるのか、どこまで見せるのかを先に決めます。ここの扱いは道具によって考え方が大きく違い、あとから変えにくい部分です。

この3つを決めたうえで、道具ごとにできることの範囲を確認します。範囲の整理はできることに、費用の考え方は料金にまとまっています。いまカンバンの板で運用していて中身をそのまま移したい場合の手順はTrelloからの移行にあり、社内の情報を預けるうえでの考え方は安全性の考え方で確認できます。細かい疑問が残っている場合はよくある質問を先に見ておくと、確認の往復が減ります。

道具の相性は、機能の数ではなく運用の続き方で決まる

比較の材料を集めていると、機能の多さが安心につながるように見えます。ただ、進行のとりまとめで実際に効くのは、機能の総数ではなく「来週も全員が開くかどうか」です。

この観点で見ると、使いにくさの原因は3つの層に分かれます。いちばん上は運用の層で、切り方、粒度、通知、会議の運用が入ります。ここは今日から直せて、効果も大きい層です。真ん中は設定の層で、必須項目の数、ひな型、権限の設計が入ります。ここは半日から数日かかりますが、直せます。いちばん下が仕様の層で、人数の上限、プランの線、課金の刻み、データの置き場所が入ります。ここは動きません。

不満を書き出したときに、上の2層に7割以上が入っているなら、道具を替える判断はまだ早い段階です。逆に、下の層に3つ以上入っていて、そのどれもが業務の前提に関わるなら、替えるかプランを上げるかの二択に進んでよい段階です。

そしてもう一つ、忘れられやすい観点があります。とりまとめ役が異動したり抜けたりしたときに、その運用が続くかどうかです。1人の丁寧さで支えられている運用は、その人がいなくなった月に崩れます。切り方の基準、命名の規則、更新のタイミングが文書として残っていれば、道具が何であっても引き継げます。逆に、それが残っていない状態で道具だけを新しくしても、同じ属人化が別の画面で再現されるだけです。

「使いにくい」という感覚は、放っておくと道具への不信に変わり、最後は誰も開かなくなります。そうなる前に、原因を運用、設定、仕様の3つに仕分けてください。仕分けが終われば、次に何を変えればよいかは自動的に決まります。直せるものを直したうえで残った不満だけが、道具を替える正当な理由になります。

Q1. Asanaの無料プランは何人まで使えますか?

公式ヘルプによると、2025年11月12日より後に登録した場合はプロジェクトとチームあたり2人までです。それより前からアカウントを持っている場合は、10人までの旧プラン(Legacy Personal Plan)に該当することがあります。料金ページに現在表示されているのは「2 人のユーザー」のみなので、これから始めるチームは2人が上限と考えてください。

Q2. 工程表(タイムライン)は無料プランで使えますか?

公式ヘルプのタイムラインの記事では、利用できるプランとして Starter、Advanced、Enterprise、Enterprise+、および旧プランの Premium、Business、Legacy Enterprise が挙げられており、Personal は含まれていません。料金ページでも Personal の一覧はリスト、ボード、カレンダーの3つまでです。工程表の形が必要なら、有料プランの検討が前提になります。

Q3. 通知が多すぎるのは設定で減らせますか?

減らせます。効果が大きいのは、プロジェクトのメンバーを実際に手を動かす人だけに絞ることと、自分が受け取る通知を担当分と自分あてのコメントに限定することの2つです。ただし表示や通知の設定はメンバーごとに持つ形なので、一人が直しても他の人の画面は変わりません。手順を共有して各自に設定してもらう必要があります。

Q4. 外部の協力者を招くと料金は増えますか?

組織として使っている場合、公式ヘルプにはゲストは請求の人数に数えず、契約の座席数も消費しないと書かれています。ただし組織ではなくワークスペースを使っている場合は、ゲストも有料プランの人数に数えられると明記されています。また、自社の従業員をゲスト扱いにして契約を回避する使い方は、利用規約で認められていません。

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