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Backlogから中身を持ち出す|出せるものと出せないもの

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog エクスポート」と検索する人の目的は、たいてい2つに分かれます。ひとつは、定期的な控えを取っておきたいという保全の目的。もうひとつは、他のツールへ移ることを考えていて、その前に「そもそも中身を持ち出せるのか」を確かめたいという目的です。2026年に入ってからは、後者が増えています。

理由は明確です。2026年6月17日、ヌーラボがBacklogのプラン改定を公式に告知しました。2027年1月1日から、現行の4プランが3プランに統合され、金額と上限が変わります。それを見た人が「うちはいくらになるのか」を計算し、その次に「持ち出せるのか」を調べ始める。この順番で検索する人が、いまとても多い状態です。

先に結論を書きます。Backlogのデータは、公式に案内されている手段でかなりの部分を書き出せます。ただし1回の操作で全部がまとまって出てくるわけではなく、データの種類ごとに出口が別々に用意されています。そして書き出したものをBacklogへ戻すことは、公式に「できません」と明記されています。この記事では、公式ヘルプに書かれている内容だけを使って、出せるもの、出せないもの、確かめる順番を並べます。記載はすべて2026年9月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容にもとづいています。

持ち出しを調べる人が増えている背景を、事実として押さえる

まず、いま何が起きているのかを正確に把握しておきます。ここを曖昧にしたまま作業を始めると、締切を読み違えます。

公式のBacklogブログに「2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります」という告知が出ています。掲載は2026年6月17日、その後2026年7月3日に背景の記述が一部修正されています。同じ日付で、東証グロース市場向けの適時開示も出されました。噂ではなく、上場企業として開示された確定事項です。

日付は2つあり、この2つを混同すると計画が狂います。1つ目は2026年12月31日で、現行プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終わる日です。2つ目は2027年1月1日で、新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まる日です。

そして既に契約している組織にとって重要なのは、3つ目の日付です。適時開示には「既に現行プランをご利用中のお客様については、プラン改定日以降最初に到来する契約更新日より、順次新プランへ移行のうえ改定後のプランが適用されます」と書かれています。つまり全社一律で2027年1月1日から上がるのではなく、契約更新日ごとに切り替わります。ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいます。

日付 何が起きるか
2026年6月17日 プラン改定の告知と適時開示
2026年8月5日 新プランの予約機能の提供開始を告知
2026年12月31日 現行4プランの新規契約の受付終了
2027年1月1日 新3プランの提供開始
適用開始日 既存契約が新プランへ切り替わる。スペースごとに異なる

金額はすべて税抜です。現行はスターターが月2,700円、スタンダードが月16,000円、プレミアムが月27,000円、プラチナが月75,000円。新プランはエコノミーが月21,000円、ビジネスが月36,300円、プロフェッショナルが月100,000円です。いずれも月払いの金額で、年払いは月払いに比べて5%オフになります。この割引率は改定の前後で変わりません。

影響の大きさは、いまどのプランを使っているかで桁が違います。スターターには新プランに同格の受け皿がないため、最低でもエコノミーの月21,000円になります。一方、プレミアムとプラチナの利用者は自動で移行し、上げ幅は3割台に収まります。「値上げだから全員が乗り換えを検討すべき」という話ではまったくありません。ここを取り違えると、必要のない移行作業に何十時間も使うことになります。

なお、Backlog自体の提供終了の告知はどこにも出ていません。むしろ2026年に入ってからも機能追加の発表が続いており、2026年3月にBacklog AIアシスタント、2026年7月28日に関連課題、2026年8月7日にAIレビュー、2026年8月18日に孫課題の提供開始が告知されています。データの持ち出しを調べることと、いますぐ出ていくことは別の話です。

持ち出す前に、Backlogの中身を5つの塊に分けて数える

エクスポートの話に入る前にやっておくと効率が変わるのが、自分たちのスペースに何が入っているのかを塊ごとに数えることです。Backlogのデータは1か所にまとまっていません。種類ごとに出口が違うので、種類ごとに数えておかないと、あとで「あれが出ていない」と気づくことになります。

塊1:課題とコメント

進行の記録の本体です。件名、詳細、担当者、期限日、状態、種別、カテゴリー、マイルストーン、優先度といった属性と、そこにぶら下がるコメントの列があります。チームの意思決定の履歴は、ほとんどがこのコメント欄に溜まっています。移行を考えるときに最も価値が高く、最も抜け落ちやすいのがここです。

塊2:添付ファイル

課題やコメントに直接くっついている画面写真や資料です。本文とは別の実体として保管されているので、課題の書き出しとは別の扱いになります。新プランでは課題1件あたりの添付ファイル数が、エコノミーは30、ビジネスとプロフェッショナルは50と案内されています。

塊3:共有ファイル

課題に紐づかない、プロジェクト共通の置き場に入っているファイル群です。仕様書やデザインの元データが置かれていることが多く、容量の大半をここが占めているケースがよくあります。

塊4:WikiとドキュメントとGitとSubversion

社内の手順書や設計メモが入っているWikiとドキュメント、そしてソースコードのリポジトリです。Git / Subversionは、公式の料金ページによれば無料のフリープランを含む全プランで使えると記載されています。新プランでもGitリポジトリ数は全プラン無制限、1リポジトリあたり10GBで共通と案内されています。

塊5:設定と権限

プロジェクトの構成、ユーザーとその権限、カスタム属性の定義、状態の並び、種別の一覧といった「器のかたち」です。これは書き出しの対象として案内されているものが見当たらず、移行のときは作り直すことになります。移行の見積もりで最も見落とされる工数がここです。

公式に案内されている書き出しの手段

ここからが本題です。公式ヘルプに書かれている手段を、そのまま並べます。

課題とコメントを書き出す

課題の検索結果を、CSVまたはExcel形式でダウンロードできます。公式ヘルプには次のように書かれています。

課題の検索結果をExcel形式やCSVなどで出力できます。 出典: support-ja.backlog.com

操作としては、課題の検索画面(シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索)の一覧の右上または右下にあるアイコンから、課題とコメントのダウンロード、および印刷用ページの表示ができます。

ここで最初の重要な制限が出てきます。公式ヘルプには「課題のコメントの取得上限数は200件です。」と明記されています。1つの課題に200件を超えるコメントが付いている場合、その超えた分は書き出しに含まれません。長く運用してきたスペースほど、議論が長い課題ほど、この上限に当たります。移行を検討している人は、まず自分たちのスペースで最もコメントが多い課題を開いて件数を数えてみてください。ここが判断の分かれ目になることがあります。

形式については、公式ヘルプがCSVを推奨しています。Excel形式は「セルが含むことができる合計文字数」の制限を受けるため、文字数が大きい場合はCSV形式が推奨されると書かれています。詳細やコメントが長い課題を扱うなら、迷わずCSVを選ぶのが公式の案内に沿った選択です。

共有ファイルを書き出す

公式ヘルプには、共有ファイルはWebフォルダやFinderからダウンロードすると案内されています。ファイルマネージャ側からまとめて取得する形なので、課題の書き出しとは操作の場所がまったく違います。容量が大きいと時間がかかるため、回線と時間帯を選んだほうが確実です。

GitとSubversionを持ち出す

Gitについては、Backlogに保管されているGitリポジトリをすべて git clone するという案内です。リポジトリの数が多い組織では、一覧を作って順に回すスクリプトを用意することになります。Subversionについては、公式ヘルプに「Subversionのリポジトリのエクスポートサービスはありますか?」という項目があり、その手順でエクスポートできると案内されています。

スペース全体を一括で受け取る(有料オプション)

課題やWikiなどのデータをまとめて受け取る手段も用意されています。公式ヘルプによれば、有料オプションの「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜+消費税)」で、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスです。

この有料オプションは、Wikiを含むデータを一括で受け取れる唯一の公式手段として案内されています。個別の書き出しを何十回も繰り返す手間と、50,000円という金額のどちらを取るかは、スペースの規模とプロジェクト数によって答えが変わります。プロジェクトが数個なら手作業で足りますし、数十個あるなら金額を払ったほうが早いという判断も成り立ちます。

出せないもの、出せても欠けるもの

ここが記事の核心です。「エクスポートできる」という言葉は、あるかないかの二択ではありません。出せるが欠けるもの、出せるが形が変わるものがあります。

戻せない、という明記がある

最も重要な注意点が、公式ヘルプに1行で書かれています。「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」という記述です。有料の50,000円のバックアップを取っても、それを使ってBacklogを元の状態に戻すことはできません。つまりこのバックアップは、Backlogを復元するためのものではなく、中身を人が読める形で手元に持つためのものだと理解しておく必要があります。

この一文の意味は重いです。「とりあえずバックアップを取っておけば、いつでも元に戻せる」という前提が成り立たないからです。Backlog上のデータそのものは新プランへ移行しても引き続き利用でき、移行作業は不要と公式に案内されているので、通常の運用で慌てる必要はありません。ただし解約という選択をしたあとに「やっぱり戻す」ことは、書き出したファイルからは行えないと考えておくのが安全です。

コメントの上限200件

前述のとおり、1課題あたりのコメント取得上限は200件です。この上限は、長期運用しているチームほど痛みます。仕様の変更経緯、顧客とのやりとり、判断の理由。それらが200件目より後ろにあるなら、書き出したCSVには載りません。

状態は書き出せても取り込めない

書き出しの制限ではなく、取り込みの制限として現れる欠損があります。公式ヘルプの一括登録の項には「課題の『状態』は入力できません。すべて『未対応』で登録されます」と書かれています。この仕様が意味するのは、書き出したCSVを別のBacklogスペースに読み込ませても、完了済みの課題が全部「未対応」で並ぶということです。数千件の課題を移した先で、どれが終わっていてどれが残っているのかが分からなくなります。

添付の実体と本文の紐づけ

CSVで受け取る課題本文と、別経路で受け取る添付ファイルは、受け取った時点では別々のものです。どのファイルがどの課題に付いていたのかを人の手で結び直す作業が要ります。ファイル名が「image.png」ばかりのスペースでは、この作業がほぼ不可能に近くなります。移行を決めたら、この点だけは早い段階でサンプルを取って確かめておくべきです。

設定と権限

プロジェクト構成、ユーザーの権限、カスタム属性の定義、状態の並び順といった設定については、書き出しの手段が公式資料では確認できませんでした。移行するなら手で作り直す前提で見積もってください。

書き出したCSVをそのまま読み込めると思わない

移行の計画でいちばん多い誤解が、「書き出したCSVをそのまま次のツールに入れれば終わる」という思い込みです。Backlog自身の取り込み機能ですら、そうはなっていません。

公式ヘルプに書かれている一括登録の仕様を並べます。

・一括登録は専用のテンプレートをダウンロードして使う必要がある ・「課題検索結果一覧の出力」機能で出力したCSVでは一括登録はできない ・CSVは2行目から入力する。1行目は登録処理に必要な情報のため削除しない ・入力できる項目は、件名(必須)、詳細、種別、担当者、開始日、期限日、予定時間、実働時間、カテゴリー、発生バージョン、マイルストーン、優先度、親課題 ・日付はハイフン区切り(例 2025-07-31)。複数値はカンマ区切り ・課題の「状態」は入力できず、すべて「未対応」で登録される ・カスタム属性を登録している場合は、CSVファイルにカスタム属性の項目が追加される。必須のカスタム属性は入力が必須 ・一度に一括登録できる課題は、最大250件

注目すべきは2つ目です。書き出したCSVと、読み込ませるCSVの形が違うと公式に明記されています。書き出しの形式と取り込みの形式が一致しないのは、Backlogに限った話ではなく、多くのツールで共通して起きることです。移行の作業とは、実質的にこの2つの形式の間で列を並べ替え、値を作り直す作業になります。

もうひとつ、250件という1回あたりの上限も効いてきます。課題が5,000件あるなら、単純計算で20回に分けることになります。Googleスプレッドシートを使った一括登録の案内もありますが、こちらはCSVによる一括登録と違って孫課題を登録できない旨が公式ヘルプに記載されています。

受け取ったCSVを人が読める状態にするまで

書き出しのボタンを押した時点では、作業はまだ半分も終わっていません。受け取ったファイルを開いて中身を確かめる工程が残っています。ここでつまずく人が多いので、確認する場所を挙げておきます。ここは公式ヘルプの記述ではなく、CSVという形式そのものの性質から来る話です。

文字化けしていないか

CSVはただのテキストファイルなので、開く側のソフトが文字コードを取り違えると日本語が崩れます。Excelでダブルクリックして開くと化けるのに、テキストエディタで開くと正常に読める、という状態はよく起きます。書き出したファイルを最初に開くときは、いきなりExcelでダブルクリックせず、テキストエディタで先頭の数行を見て、日本語が読める状態かを確かめてください。化けていた場合でも、多くはファイルが壊れているのではなく、開き方の問題です。Excel側の「データの取得」からファイルを指定し、文字コードを選んで読み込む手順を使えば、たいてい解決します。

詳細やコメントの改行がセルの中に残っているか

課題の詳細やコメントには改行が入っています。CSVでは、改行を含む値は引用符でくくって1つのセルに収める決まりになっています。ここが正しく処理されていないと、1件の課題が複数行に割れて、行数と課題数が合わなくなります。書き出したファイルを表計算ソフトで開いたら、まず行数と課題の件数が一致するかを確かめてください。ここがずれていると、その後の集計も移行もすべて狂います。長い詳細を書く文化があるチームほど、この確認は先にやる価値があります。

日付と時刻の形式

日付は、受け取ったあとに別のソフトが勝手に解釈して形を変えてしまうことがあります。表計算ソフトは日付らしき文字列を見つけると自動的に日付型に変換するため、意図しない年に飛んだり、時刻が落ちたりします。Backlogの一括登録の側では、日付はハイフン区切り(例 2025-07-31)と公式ヘルプに指定されています。受け皿のツールがどの形式を求めるのかを先に確かめて、そこに合わせる前提で受け取ってください。

担当者名の表記ゆれ

担当者はCSVの中では名前の文字列として入ります。移行先で同じ人を同じ人として認識させるには、名前とアカウントを結ぶ対応表が要ります。同姓の人がいる、旧姓と新姓が混在している、表示名が「山田」と「山田太郎」で揺れている。こうした状態は長く運用したスペースではよく起きます。移行前に、ユーザー一覧を書き出して名寄せの対応表を作っておくと、あとの作業がまるごと楽になります。人数が15名程度なら手作業で足りますが、外部パートナーを含めて数十人いる場合は、この対応表づくりだけで半日仕事になります。

今日できる確認手順

ここまでの内容を、今日30分でできる作業に落とします。順番が大事です。

手順1:自分のスペースの適用開始日を確認する

いつから金額が変わるのかは、全社一律ではありません。契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面を開くと、自分のスペースの適用開始日が確認できます。ただしトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、この案内が表示されません。ここが分からないと、書き出しの締切も、比較の締切も、予算の締切も決まりません。最初にやってください。

手順2:予約が必要な組織かどうかを確かめる

新プランの予約が必須になる組織の条件は、公式に3つ示されています。スタータープランを使っている場合、スタンダードプランでユーザー16名以上またはプロジェクト30超の場合、スタンダードプランでNulab Passを契約している場合です。公式FAQは「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。

手順3:人数とプロジェクト数を数える

エコノミーの上限はユーザー15名、プロジェクト30です。ここを超えるとビジネスの月36,300円になり、金額が大きく変わります。数え方には注意点があり、公式FAQはアーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記しています。数えるときは、退職者のアカウントが残っていないか、外部パートナーのアカウントが何人分あるか、寝ているプロジェクトが何個あるかを、この機会に棚卸ししてください。金額が2倍近く変わる可能性のある作業です。

手順4:いちばん重いところで書き出しを試す

全部を書き出す前に、最もコメントが多い課題を1件選んで書き出してみてください。200件の上限に当たるかどうか、詳細の長い文章がCSVの中でどう入っているか、添付ファイルの参照がどう表現されているか。この1件で分かることが、移行の見積もりの精度を決めます。うまくいく場合の確認より、いちばん危ないところの確認を先にやるほうが、判断が早くなります。

手順5:容量を確認して所要時間を見積もる

共有ファイルと添付ファイルの合計容量を確認します。現行プランのストレージ上限はスターター1GB、スタンダード30GB、プレミアム100GB、プラチナ300GBです。上限に近い量が入っているなら、ダウンロードは1日では終わらないと考えて計画してください。

書き出したあとの受け皿を、どう比べるか

持ち出せることが分かったとして、次に来るのは「どこへ持っていくか」です。ここで急がないほうがいい理由が2つあります。

1つ目は、そもそも残る判断が十分ありうることです。プレミアムやプラチナを使っている組織は自動で移行し、上げ幅は3割台に収まります。ストレージ上限も据え置きです。移行には人の時間がかかり、その時間は請求書には出ませんが、確実にコストです。月9,300円の差額のために、数十時間の移行作業と、チーム全員が新しい画面に慣れるまでの数週間を投じる価値があるかは、慎重に見積もる必要があります。Backlogは長く使われてきた製品で、日本語のサポートも手厚く、Git / Subversionを本体に持っている点は他のツールにあまりない強みです。

2つ目は、延期の前例があることです。クラシックプランの提供終了は、当初2024年5月31日の予定でしたが、2024年3月6日に延期が告知され、2025年5月31日へ1年延ばされました。理由は、移行に不安を感じる利用者へのサポートを厚くするためと説明されています。今回の改定が延期されると断言はできませんが、過去に一度そういうことがあったという事実は、判断の材料になります。

そのうえで比べるなら、受け皿の候補は複数並べて見たほうが判断を誤りません。カンバン中心で軽く回したいならTrelloとの比較、部署をまたいだ大きめの運用ならAsanaとの比較、文書とタスクを同じ場所に置きたいならNotionとの比較を見ると、自分たちが何を優先しているのかがはっきりします。Backlogとの機能や考え方の違いを正面から整理したものはBacklogとの比較にまとめてあります。

受け皿を選ぶときに必ず確認してほしいのが、取り込みの手段です。ここは自分たちの側の弱点も含めて書いておきます。このサイトが案内している自動の取り込みは、いまのところTrelloからの取り込みだけで、Backlogからの自動移行の仕組みは用意していません。詳しくはTrelloからの移行に書いてあるとおりで、Backlogから移る場合は書き出したCSVを整えて手で入れ直す前提になります。リポジトリ機能も持っていないため、Git / SubversionをBacklog内で使っている組織は、コードの置き場を別に決める必要があります。データの預かり方の考え方は安全性の考え方に書いてあります。

判断の順番を間違えないために

エクスポートの調査は、それ自体が目的ではありません。目的は「残るか、移るか、縮めるか」を決めることです。順番を整理します。

第1に、適用開始日を確定させる。ここが決まらないと締切が決まりません。第2に、人数とプロジェクト数を数えて、自分たちが新プランのどこに着地するかを確定させる。第3に、その金額差を出す。第4に、移行にかかる人の時間を見積もる。第5に、差額と移行コストを比べる。この順番でないと、感情で決めることになります。

移行の人の時間を見積もるときの目安になるのが、この記事で並べた制限です。200件のコメント上限に当たる課題が何件あるか。状態が全部「未対応」になった課題を人の手で直すのに何時間かかるか。添付ファイルを課題に結び直す作業が現実的か。カスタム属性と状態の定義を作り直すのに何日かかるか。この4つを数字にしてから、差額と並べてください。

そして、移らないと決めた場合にできることもあります。プロジェクトのアーカイブと削除の違いを理解して数を減らす、使っていないアカウントを整理する、共有ファイルの古い版を消して容量を下げる。上限の手前に着地できれば、それだけで金額が変わります。書き出しの調査で分かった「何がどこにどれだけあるか」は、そのまま整理の材料になります。移らない選択をした人にとっても、この作業は無駄になりません。

なお、支払い方法の変更も見落とせません。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払いのみになり、現在の3か月と6か月は廃止されます。クレジットカード払いなら月払いと年払いを引き続き選べます。銀行振込で3か月や6か月を選んでいる組織は、適用開始日から自動的に年払いに変更されるため、エコノミーなら年額239,400円(年払い、税抜)の一括請求と向き合うことになります。金額の差より先に、資金繰りのほうに影響が出る組織があります。月々の小さな支払いを前提に予算を組んでいた組織ほど、この変更のほうが先に効いてきます。

最後にもうひとつ。書き出しの調査を進めていくと、「そもそもこのプロジェクト、もう誰も見ていないのでは」という発見が必ず出てきます。数年前に立てたまま止まっているプロジェクト、退職した人の担当のまま残っている課題、誰も開かない共有ファイル。移行するにせよ残るにせよ、それらを持っていく理由はありません。持ち出しの検討は、道具を変える話であると同時に、たまったものを見直す機会でもあります。持ち出せるかどうかは、契約を切ってからでは確かめられません。試すなら、いまの契約が生きているうちです。

Q1. Backlogから課題を書き出す方法は何ですか?

課題の検索画面(シンプルな検索、高度な検索、キーワード検索)の一覧の右上または右下にあるアイコンから、課題とコメントをCSVまたはExcel形式でダウンロードできます。公式ヘルプは、Excel形式にはセルが含むことができる合計文字数の制限があるため、文字数が大きい場合はCSV形式を推奨しています。詳細やコメントが長い課題を扱う場合はCSVを選んでください。2026年9月2日時点の公式ヘルプの記載です。

Q2. 書き出したデータをBacklogに戻せますか?

公式ヘルプには「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記されています。有料オプションのスペースデータのバックアップを取っていても、それを使ってBacklogの状態を復元することはできません。別のスペースへ課題を入れ直す場合は、一括登録用の専用テンプレートに合わせてCSVを作り直す必要があり、書き出した検索結果のCSVはそのままでは使えません。

Q3. コメントは全部書き出せますか?

書き出せない場合があります。公式ヘルプに「課題のコメントの取得上限数は200件です。」と明記されており、1つの課題に200件を超えるコメントが付いている場合、超えた分は書き出しに含まれません。長く運用してきたスペースほど当たりやすい制限です。移行を検討しているなら、最もコメントが多い課題を1件開いて件数を確認するところから始めるのが確実です。

Q4. Wikiや共有ファイルもまとめて受け取れますか?

有料オプションのスペースデータのバックアップが用意されています。公式ヘルプによれば料金は50,000円(税抜+消費税)で、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスです。共有ファイル単体であればWebフォルダやFinderからダウンロードでき、GitリポジトリはすべてをGitのcloneで取得すると案内されています。

Q5. プランが変わる前に、いつまでに動けばよいですか?

まず契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で自分のスペースの適用開始日を確認してください。新プランの予約の期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。スタータープラン利用中、スタンダードでユーザー16名以上またはプロジェクト30超、スタンダードでNulab Pass契約中のいずれかに当たる組織は予約が必須とされています。

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