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Backlogをやめる|手続きと、消える前に取り出すもの

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

「backlog 解約」で検索する人の多くは、まだやめると決めていません。料金改定の告知を見て金額を確かめ、いまの使い方と釣り合っているかを考えている途中です。そのうえで、やめるとしたら何がどうなるのかを知っておきたい、という段階にいます。

この記事は、その段階の人に向けて3つを並べます。1つ目は、やめ方には型があるということ。2つ目は、2027年1月の改定でその型の条件が変わるということ。3つ目は、どの型を選ぶにしても、先に取り出しておくべきデータがあるということです。順番を間違えると、取り出せたはずのものが取り出せなくなります。

「やめる」には3つの型がある

やめると言っても、実際には状態が3つに分かれます。この違いを最初に押さえておくと、手続きも、取り出すものも変わってきます。

第一の型は、完全に解約することです。有料の契約を終わらせ、スペースを使わなくなる状態です。この場合、データをどう扱うかの確認が必須になります。

第二の型は、プランを停止することです。しばらく使わないが、あとで再開するかもしれない、という状態に置きます。ここには2027年の改定が直接効いてきます。公式の案内によれば、プランを停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。停止しておけば以前の条件のまま戻れる、という理解は成り立ちません。

第三の型は、フリープランに落とすことです。有料をやめて、無料の範囲で参照だけ続ける形です。移行先へ移りつつ、過去の記録は元の場所で見られるようにしておきたい、という使い方で選ばれます。ただしこの型も、2027年1月からは条件が変わります。

どの型を選ぶかで、必要な手続きも、期限も変わります。まずここを決めてから、細かい話に入るのが早道です。逆に、型を決めないまま調べ始めると、無関係な条件まで気になって判断が止まります。3つのうちどれを考えているのかを、最初に言葉にしておきます。

とりまとめる人が実際に迷うのは、第二と第三

完全に解約すると決めているなら、話は単純です。取り出して、閉じる。それだけです。

迷いが生じるのは、第二と第三の型です。過去の記録をどこに置くかが決まらないまま、とりあえず残しておこう、という判断になりやすいからです。ところが「とりあえず残す」は費用が発生し続けるか、条件の変更で使えなくなるかのどちらかに向かいます。残すなら、いつまで残すのかを決めておく必要があります。

現場でよく聞くのは、参照専用として残した環境を、半年後に誰も開いていないという話です。移行の直後は不安なので残したくなりますが、実際に遡る場面は年に数回あるかどうかです。書き出したファイルを共有ドライブに置いておけば足りることがほとんどです。

残すと決めるなら、期限を数字で決めます。3か月、6か月、1年のいずれかを選び、その日をカレンダーに入れておく。期限を決めずに残すと、費用が発生し続けるか、条件の変更で使えなくなるかのどちらかに向かいます。「念のため」を理由に無期限で残す判断は、後任にそのまま引き継がれ、誰も止められなくなります。

契約と費用の前提を先に押さえる

やめる手続きの前に、費用の扱いを確認しておきます。公式の料金ページに記載されている条件は次のとおりです。

まず、契約期間中に解約した場合の返金対応はありません。これは料金ページの記載です。したがって、やめるタイミングは契約期間の切れ目に合わせるのが基本になります。半年分を払った直後にやめると、その半年分は戻りません。

支払い方法は銀行振込かクレジットカードのいずれかです。銀行振込は3か月分、6か月分、12か月分のいずれかの一括払いで、振込手数料は利用者の負担です。クレジットカードは1か月分か12か月分の一括払いになります。

初期費用はかからず、料金ページに書かれている金額のみと案内されています。有料オプションを申し込んだ場合は別途費用がかかります。納品書や発注書など特別な書類への対応は行っておらず、どうしても必要な場合は1回10,000円(税抜)と記載されています。

なお、公表されている金額はすべて税抜です。料金ページに「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されています。社内で費用を比べるときは、この点を揃えておかないと数字がずれます。

支払い期間の選択肢が、2027年から狭くなる

やめる時期を考えるうえで効いてくるのが、支払い期間の変更です。2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになります。現在の3か月と6か月は廃止されます。銀行振込で3か月または6か月を選んでいる場合は、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。

クレジットカード払いは、引き続き月払い(1か月)と年払い(12か月)を選べます。

これが意味するのは、銀行振込のまま続けると、次の請求が1年分になるということです。月々の感覚で払っていた組織が、年額での一括請求と向き合うことになります。エコノミープランの年払いは239,400円(税抜)です。この金額が一度に来ると分かった時点で、やめるかどうかの判断を前倒しする組織は出てきます。

請求書は次回の契約開始日の63日前に発行されると案内されています。発行後の調整は問い合わせ扱いになるため、判断はこの日より手前で済ませておくのが安全です。

2027年の改定が、やめ方の条件を変える

料金改定の告知は2026年6月17日に公開され、同日付で上場企業としての適時開示も出ています。現行の4プランを3プランに統合したうえでの料金改定であり、やめ方に関わる条件もいくつか変わります。

ダウングレードに制限がかかる

費用を下げる手段として、上のプランから下のプランへ移す方法があります。ここに制限が入りました。公式のFAQには「次の利用期間が2027年1月1日以降の場合は、現在のプランでのダウングレードはできません」と記載されています。

つまり、いまのうちに下げておこう、という動きには期限があります。次の利用期間の開始が2027年1月1日以降にかかる場合、現行プランの中で下げる操作はできなくなります。プラン変更を検討しているなら、自分の契約期間がどこで切れるかを先に確かめる必要があります。

フリープランの上限が変わる

無料に落として参照だけ続ける、という型を選ぶ場合、条件の変更を把握しておく必要があります。

新しいフリープランのユーザー数の上限は5名で、現在の10名から減ります。2026年12月31日までに追加済みの10名までは引き続き使えますが、2027年1月1日以降は新規のユーザー追加ができません。さらに、6名以上で使っていた組織が2027年1月1日以降にユーザーを減らすと、5名を超える人数には戻せないと案内されています。

プロジェクト数は1、ストレージは100MBです。参照専用として残す場合、100MBという容量は現実的な制約になります。添付ファイルを多く抱えているなら、無料に落とした形で全部を持ち続けることはできません。

停止して再開すると、新プランでの再開になる

第二の型、プランの停止についてもう一度確認します。停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。停止は時間を止める機能ではありません。

またトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は、「組織設定」の「プラン」画面に適用開始日の案内が表示されません。自分の期限を確かめられない状態になるため、停止する前に必要な情報を控えておくことになります。

予約が必須の組織は、やめるにしても期限が先に来る

移行や解約を検討している最中でも、切り離して扱うべき手続きがあります。新プランの予約です。

予約が必須になるのは、スタータープランを利用中の組織、スタンダードプランでユーザーが16名以上またはプロジェクトが30を超える組織、スタンダードプランでNulab Passを契約している組織です。公式のFAQは、予約が無い場合について次のように書いています。

予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります。 出典: support-ja.backlog.com

やめるつもりであっても、取り出しが終わる前に使えなくなる事態は避けたいところです。予約の期限は、銀行振込が適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードが適用開始日の2日前までが目安と案内されています。

消える前に取り出すもの

やめ方が決まったら、取り出しに入ります。公式に案内されている手段だけを、優先順位の順に並べます。

1. 課題とコメント

課題は検索結果の一覧から書き出せます。公式ヘルプの記載は次のとおりです。

課題の検索結果をExcel形式やCSVなどで出力できます。 出典: support-ja.backlog.com

一覧の右上と右下のアイコンから、課題とコメントをCSVまたはExcel形式でダウンロードでき、印刷用ページの表示もできます。Excel形式はセルが含むことのできる合計文字数の制限を受けるため、文字数が大きい場合はCSV形式が推奨されると案内されています。取り出しの目的なら、CSVを選んでおくのが無難です。

ここに1つ制約があります。**課題のコメントの取得上限数は200件**と明記されています。長く動いてきた案件では、この上限を超えるものが出ます。超えた分は書き出しに含まれません。契約や請求の根拠として残す必要がある議論が含まれていないかを、書き出しの前に確認しておきます。

書き出しはプロジェクトごとに行うことになります。プロジェクトが30あれば30回です。作業時間として見込んでおきます。

書き出す前に、検索の条件を決めておくと後が楽になります。状態で絞らずに全件を出すのか、完了済みも含めるのか。ここを決めずに始めると、プロジェクトごとに条件がばらつき、あとで突き合わせられなくなります。取り出しの目的が保管なら、条件を付けずに全件を出す形で統一しておくのが分かりやすい方法です。

2. 共有ファイルと添付ファイル

共有ファイルは、WebフォルダやFinderからダウンロードする方法が案内されています。課題に付いた添付ファイルは、CSVの行の中には入りません。別に運ぶことになります。

ここは容量が効きます。ストレージの上限はスターターが1GB、スタンダードが30GB、プレミアムが100GB、プラチナが300GBです。上限近くまで使っているなら、ダウンロードそのものに時間がかかります。回線の速度によっては丸1日を見込む必要があり、解約日の直前に始めると間に合わないことがあります。

3. GitとSubversion

Gitリポジトリは、保管されているものをすべて git clone する方法が案内されています。Subversionについては、公式ヘルプに専用のエクスポート手順があります。

リポジトリは、コードそのものだけでなく、履歴を含めて持ち出せます。ただし、課題番号とコミットの結び付きは持ち出せません。クローンした先で、コミットメッセージに書かれた課題のキーは文字列として残りますが、そこから課題へ飛べる状態は再現されません。

なお、Git / Subversionは公式の料金ページによればスターターからプラチナまでの全プランで利用でき、フリープランでも利用可と記載されています。リポジトリを課題と同じ場所で運用してきたなら、やめる判断そのものを一度見直す材料になります。

4. Wikiとドキュメント

Wikiやドキュメントについて、課題のような一覧からの書き出し機能があるかどうかは、公開資料では確認できませんでした。有料オプションの「スペースデータのバックアップ」の説明に、課題やWikiなどのデータをCSV形式のファイルにする旨が記載されています。

自分で運ぶなら、ページを開いて本文をコピーする形になります。数が多い場合、更新日で並べ替えて、直近で参照されているものだけを選ぶのが現実的です。日常的に開かれているページは、想像よりずっと少ないのが普通です。

5. スペース全体のバックアップという有料の選択肢

まとめて受け取る手段として、有料オプションの「スペースデータのバックアップ」があります。費用は50,000円(税抜、別途消費税)で、課題やWikiなどのデータをCSV形式のファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供されるサービスです。

やめる場面では、この選択肢は検討に値します。プロジェクトごとの書き出しを何十回も繰り返す手間が消えるからです。プロジェクトが多く、担当者の時間単価を掛けると50,000円を超えるなら、費用として釣り合います。

ただし注意点があります。公式ヘルプは「バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。」と明記しています。これは記録を保管するための書き出しであり、他のサービスへ移す作業を代行するものではありません。移行先に入れる作業は、受け取ったあとに別途行うことになります。

取り出しの順番と、期限の逆算

順番は、容量の大きいものから始めます。ファイルとリポジトリが先で、課題のCSVは後です。CSVは短時間で終わりますが、ファイルのダウンロードは時間が読めません。

期限の逆算は、契約期間の終わりから引きます。データを取り出す作業に何日かかるかを見積もり、その日数の2倍を確保します。作業の途中で「これも要る」と気づくものが必ず出るからです。有料オプションのバックアップを頼む場合は、依頼から受け取りまでの日数も見込む必要があります。

手続きを進める人と、社内で通す順番

やめる作業でつまずくのは、技術ではなく段取りであることが多くあります。誰が操作できて、誰の承認が要るのかを先に押さえます。

操作できる人が限られている

プランの確認や変更は、契約管理者または管理者の権限を持つ人が行います。「組織設定」の「プラン」画面で適用開始日を確認できるのもこの立場の人です。

ここで起きがちなのが、その権限を持っていた人がすでに退職している、というつまずきです。長く使っている環境ほど確率が上がります。権限の持ち主が誰かは、管理画面のユーザー一覧で確かめられます。やめる話を始める前に、まずここを見ておくと、あとで止まりません。

支払いの情報も同様です。クレジットカードで払っている場合、そのカードの持ち主が現在も在籍しているか。銀行振込の場合、請求書がどこに届いているか。この2つが分からないまま解約日を決めると、手続きの直前で調べ直すことになります。

社内の承認と、費用の切り替え

道具をやめる判断は、多くの場合、費用の話として社内を通ります。ここで必要になるのは、金額の比較だけではありません。やめたあとに何がどうなるかの説明です。

用意しておくと通りやすいのは、次の4点です。現在の年額と、改定後の年額。移行先を選ぶ場合はその年額。移行にかかる作業時間の見積もり。そして、過去の記録をどこに置くかの方針。この4点があれば、質問の大半は先に潰せます。

説明の場でよく出るのが「過去のデータはどうなるのか」という質問です。ここに答えが用意できていないと、判断が先送りされます。取り出したデータを共有ドライブのどこに置き、誰が見られるようにするかまで決めておくと、その場で結論が出ます。

現場への告知は、日付を先に伝える

やめると決まったら、使っている人への告知が要ります。伝える順番は、日付が先です。いつから書き込めなくなるのか、いつまでに何をしておくべきか。理由や背景は後ろで構いません。

告知が遅れると、直前まで課題が増え続け、取り出す量が増えます。書き込みを止める日を決めて伝えるだけで、作業量は目に見えて減ります。社外の協力先が入っているプロジェクトがあるなら、その相手にも同じ日付を伝えます。伝え漏れると、こちらが取り出しを始めたあとに書き込みが続き、記録が二重になります。

取り出しでよくあるつまずき

実際に手を動かした人が引っかかる場所は、だいたい決まっています。先に知っておくと避けられます。

プロジェクトの数だけ操作が要る

課題の書き出しは、プロジェクトごとに行うことになります。5つなら気になりませんが、30近くあると同じ操作を30回繰り返すことになります。しかも1回ごとにファイル名を決め、保存先を選びます。

対策は2つです。1つは、書き出す対象を減らすこと。動いているプロジェクトと、直近で参照するものだけに絞れば、回数は半分以下になります。もう1つは、有料オプションのバックアップを使うことです。前述のとおり50,000円(税抜)ですが、繰り返しの操作が消えます。どちらを選ぶかは、プロジェクト数と担当者の時間単価で決まります。

ファイル名が重複して、上書きされる

添付ファイルをまとめてダウンロードすると、同じ名前のファイルが複数出てくることがあります。「見積書.pdf」「スクリーンショット.png」といった名前は、複数の課題で使われています。同じフォルダに落とすと、後から落としたものが上書きするか、連番が付いて元がどれか分からなくなります。

避け方は、課題ごとかプロジェクトごとにフォルダを分けてから落とすことです。手間は増えますが、あとで探せる状態になります。取り出しの目的は保管なので、探せない形で残しても意味がありません。

書き出したCSVが表計算ソフトで崩れる

課題の詳細欄に長い文章や改行が入っていると、表計算ソフトで開いたときに行がずれることがあります。文字化けが起きることもあります。

対策は、開く前にファイルをそのまま複製しておくことです。元のファイルは触らず、複製したほうで作業します。表計算ソフトで開いて保存し直すと、元の形が変わってしまうことがあるためです。保管が目的なら、書き出したままのファイルを1つ残しておくのが安全です。

取り出しの途中で契約が切れる

いちばん避けたいつまずきです。契約期間の終わりから逆算せずに始めると、ファイルのダウンロードが終わる前に使えなくなることがあります。

容量が大きいほど時間が読めません。ストレージを100GB近く使っているなら、回線の速度によっては数日かかります。作業の見積もりに2倍の余裕を持たせるのは、このためです。

取り出したデータを、どこにどう置くか

取り出しただけでは終わりません。半年後に探せる形にしておかないと、取り出した意味がなくなります。

置き場所は共有ドライブが基本です。プロジェクトごとにフォルダを作り、その中にCSV、添付ファイル、共有ファイルを入れます。フォルダ名には日付を入れておくと、いつ時点の記録かが分かります。

ファイル名の付け方も先に決めます。プロジェクト名と書き出した日を入れておけば、フォルダの外に出ても何のデータか分かります。日付は年月日を数字で並べる形にすると、名前順で並べたときに時系列になります。細かいことに見えますが、半年後に探す人が最初に頼るのはファイル名です。

もう1つ用意しておきたいのが、目次にあたる1枚です。どのプロジェクトのデータがどこにあるか、書き出した日はいつか、コメントが200件を超えていて完全には取れていない課題はどれか。この3点を表にしておけば、あとで探す人が迷いません。

契約や請求の証跡として必要なものは、別に分けます。委託先とのやり取りや、納品の確認に関わる記録は、社内の保管ルールに従って期間を決めます。保管の期間や扱いに判断が必要な場合は、社内の管理部門や専門家に確認しておくのが確実です。

社外の人が入っていたプロジェクトのデータには、先方の情報が含まれます。取り出したあとの置き場所と、誰が見られるかは、移行の前に決めておきます。見せる範囲の考え方は安全性の考え方のページに整理があります。

やめる前に、やめない選択肢も並べる

ここまで手続きを書いてきましたが、公平を期すために、やめない選択肢も同じ土俵に置きます。

1つ目は、上限に合わせて中身を減らすことです。エコノミープランの上限はユーザー数15名、プロジェクト数30です。退職者のアカウントが残っていないか、終わったプロジェクトが閉じられているかを確認すると、上限に収まることがあります。収まればビジネスプランの36,300円ではなく、エコノミーの21,000円(いずれも税抜・月払い)で済みます。この差は年額で183,600円です。

2つ目は、リポジトリを使っているかどうかで判断を分けることです。課題とコミットが結び付いている状態は、移した先で作り直せません。この結び付きを日常的に使っているなら、金額の差より失うものが大きい可能性があります。判断の材料として、直近半年でコミットから課題へ飛んだ回数を思い出してみると、重みがはっきりします。

3つ目は、移行にかかる時間を金額に換算して比べることです。書き出し、整形、取り込み、確認、社内への案内、移行後の混乱。合計すると数十時間になることは珍しくありません。担当者の時間単価を掛けた数字と、料金の差額を並べます。差額のほうが小さければ、残る判断に十分な根拠があります。

Backlogは長く使われている製品です。2026年に入ってからもBacklog AIアシスタント、関連課題、AIレビュー、孫課題と機能追加の告知が続いており、提供終了の告知は出ていません。値上げという言葉だけで動く理由にはなりません。

移る場合に、次を選ぶ視点

移ると決めた場合、次の道具を選ぶ視点を3つ置いておきます。

1つ目は料金の形です。人数で増えるのか、席数の下限があるのか、スペース単位の定額か。同じ人数でも年額が数倍変わります。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという作りであれば、工程表や属性のために上のプランへ上げる相談が起きません。料金の考え方は料金のページ、使える範囲はできることのページで確かめられます。

2つ目は取り込み口です。CSVを受け取れるか、1回あたりの件数の上限はいくつか、間違えたときに取り消せるか。自動での取り込みに対応する範囲がTrelloに限られる作りのサービスもあり、それ以外は表計算を経由することになります。運べる範囲はTrelloからの移行のページに記載があります。

あわせて見ておきたいのが、入力する人が増えるかどうかです。やめて移った先で更新するのが数人に固定されれば、進捗の表はすぐ実態から離れます。埋める欄が多く、考える時間が要る作りだと、現場では2週間ほどで更新が止まると言われています。機能の多さより、この点が定着を左右します。

3つ目は、Backlogとの違いを言葉にできるかです。何を捨てて何を得るのかがはっきりしていないと、移した先で同じ不満が出ます。両者の課金の単位と上限の考え方の差は、Backlogとの比較のページにまとまっています。

今日のうちに終わる確認

やめるかどうかを決める前に、次の5つを確かめます。どれも短時間で終わります。

第一に、契約期間の終わりがいつかです。返金がないため、この日付が判断の起点になります。第二に、適用開始日を「組織設定」の「プラン」画面で確認します。第三に、支払い方法が銀行振込かクレジットカードかを確認します。銀行振込なら、次の請求が年額になる可能性があります。第四に、使っている容量を確認します。これがそのまま取り出しにかかる時間になります。第五に、登録されている人数とプロジェクト数を、使っていないものも含めて数えます。

数え方には注意点があります。人数は招待済みのアカウントで数えます。ログインしていない人でも席は埋まります。プロジェクト数は、閉じたつもりのものが残っていないかを含めて数えます。アーカイブしたプロジェクトの扱いについては、公式のFAQで最新の記載を確認したうえで数えるのが確実です。容量は管理画面の表示をそのまま控えます。記憶で「たしか半分くらい」と言うと、取り出しの日程が丸ごとずれます。

確認した数字は、その場で1枚の表にまとめておきます。あとで社内に説明するとき、この表がそのまま資料になります。作り直す手間が省けるだけでなく、数字を口頭で伝えたときに起きる食い違いも防げます。

この5つが揃うと、やめる場合の期限と作業量、残る場合の金額が、同じ表の上に並びます。そこまで来れば判断は難しくありません。細かい条件で不明な点が残る場合は、よくある質問のページに運用まわりの疑問がまとまっています。

Q1. 契約期間の途中で解約したら、残りの分は返金されますか?

返金の対応はありません。公式の料金ページに、契約期間中に解約した場合の返金対応はない旨が記載されています。したがって、やめるタイミングは契約期間の切れ目に合わせるのが基本です。銀行振込は3か月・6か月・12か月、クレジットカードは1か月・12か月の一括払いのため、自分がどの期間で払っているかを先に確認し、そこから逆算して取り出しの日程を組みます。

Q2. プランを停止しておけば、あとで同じ条件で再開できますか?

できません。公式の案内によれば、プランを停止している場合、2027年1月1日以降に再開すると新プランでの再開になります。停止は時間を止める機能ではない、という理解が必要です。またトライアル中、プラン停止中、フリープランでは「組織設定」の「プラン」画面に適用開始日の案内が表示されないため、停止する前に必要な情報を控えておくことになります。

Q3. 無料プランに落として、過去の記録だけ残せますか?

条件を確認したうえでなら可能です。ただし2027年1月1日から、フリープランのユーザー数の上限は10名から5名に変わります。2026年12月31日までに追加済みの10名までは引き続き使えますが、以降は新規のユーザー追加ができず、6名以上で使っていた組織が人数を減らすと5名を超える人数には戻せません。プロジェクト数は1、ストレージは100MBです。

Q4. 解約前に取り出しておくべきデータは何ですか?

課題とコメント(CSVまたはExcel)、共有ファイルと添付ファイル、Gitのクローン、Subversionのエクスポート、Wikiやドキュメントの本文です。順番は容量の大きいファイルとリポジトリから始めます。まとめて受け取る手段として、有料オプションのスペースデータのバックアップ(50,000円・税抜)もありますが、公式ヘルプはこのデータをBacklogにインポートできないと明記しています。

Q5. やめるかどうかを、何を基準に決めればよいですか?

移行にかかる作業時間を金額に換算して、料金の差額と並べます。書き出し、整形、取り込み、確認、社内案内、移行後の混乱を合計すると数十時間になることが珍しくありません。あわせて、リポジトリを課題と同じ場所で使っているかを確認します。課題番号とコミットの結び付きは移した先で再現できないため、日常的に使っているなら残る理由になります。

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