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Backlogの料金改定に備える|自分の適用日を先に確かめる

2026年9月3日 ・ Pinateca編集部

Backlogの価格改定について調べ始めると、まず金額の表が出てきます。ところが表を見ても、自分の請求額がいつからいくらになるのかは分かりません。今回の改定は全社一律ではなく、スペースごとの契約更新日に合わせて適用されるからです。

つまり最初にやるべきことは、他社の料金を比べることでも、社内に相談することでもありません。自分のスペースの「適用開始日」を確定させることです。ここが決まらないと、予算の話も、乗り換えの検討も、社内の説明も、全部が宙に浮きます。

この記事では、公式に公開されている資料に書かれていることだけを使って、備えの手順を順番に並べます。適用開始日の調べ方、人数とプロジェクト数の数え方、予約が必要かどうかの判定、支払い方法の決め直し、そして乗り換えを検討する場合にデータをどこまで持ち出せるのか。金額はすべて税抜です。乗り換えを勧める記事ではありません。残る判断も含めて、自分で決めるための材料を置きます。

適用日が人によって違う、という前提を先に共有する

日付が3つあります。ここを混ぜると、社内の話が噛み合わなくなります。

2026年12月31日は、現行4プラン(スターター、スタンダード、プレミアム、プラチナ)の新規契約の受付が終わる日です。適時開示には「現行プランの新規契約につきましては、2026年12月31日をもって受付を終了いたします」と書かれています。すでに使っている組織には直接関係しませんが、別スペースを新設する予定があるなら効いてきます。

2027年1月1日は、新しい3プラン(エコノミー、ビジネス、プロフェッショナル)が始まる日です。この日以降に新規で契約する人は、新プランからしか選べません。

適用開始日は、既存の契約者に新料金が適用される日です。これは「2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日」で、スペースごとに違います。ヌーラボはこの日を「適用開始日」と呼んでいます。

つまり、2027年1月1日から全員の請求が上がるわけではありません。年払いで2026年5月に更新した組織なら、次の更新は2027年5月です。それまでは現行料金のままです。月払いのクレジットカード払いなら、2027年1月中の更新日から新料金になります。

社内で「1月から値上がりするらしい」という話が回っていたら、まずここを訂正するところから始めるとよいです。実際の日付が3か月後なのか、10か月後なのかで、準備の進め方はまるで変わります。

現在の契約期間中の扱いについては、公式のFAQに明記があります。

現在の契約期間について、契約期間の途中でアップグレード(上位プランへの変更)をしない場合、追加の費用はかかりません。 出典: support-ja.backlog.com

旧料金を継続できる特別枠や、経過措置としての割引は公表されていません。用意されているのは、いまの契約期間はそのまま走り切れるという一点です。したがって「いつ終わるのか」を知ることが、そのまま「いつまで今の金額なのか」を知ることになります。

手順1:適用開始日を今日中に確かめる

いちばん最初にやることです。15分もかかりません。

自分のスペースの適用開始日は、契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。この画面に、適用開始日の案内が表示されます。

権限が要ります。一般のメンバー権限では見られないので、自分に権限が無い場合は、契約管理者が誰なのかを先に特定してください。中小規模の組織だと、最初に契約した人がすでに退職していて、権限の所在が分からなくなっているケースがあります。この確認自体に数日かかることもあるので、早めに動いたほうがよいです。

案内が表示されない場合があります。トライアル中、プラン停止中、フリープランの3つです。この場合は、いまの支払いサイクルから逆算します。年払いなら前回の更新月の1年後、クレジットカードの月払いなら毎月の更新日です。銀行振込で3か月払いや6か月払いを選んでいる場合は、次の支払い期間の開始日を数えていきます。

プランを停止している場合は、別の注意があります。2027年1月1日以降に再開すると、新プランでの再開になります。いったん止めておいて後で戻る、という運用を考えている場合、戻った先が旧プランではないという点を織り込んでおいてください。

適用開始日が分かったら、それをカレンダーに登録します。そこから逆算して2つの期限が決まります。銀行振込なら適用開始日の64日前、クレジットカードなら適用開始日の2日前が、新プランを予約する期限の目安です。銀行振込の64日前というのは、請求書が発行されるまで、という意味です。請求書は次回の契約開始日の63日前に発行され、発行後の調整は問い合わせ扱いになります。

手順2:人数を数える

適用開始日が決まったら、次は人数です。ここで数えた数字が、そのまま金額を決めます。

新プランのエコノミーは、ユーザー数の上限が15です。ビジネスとプロフェッショナルは無制限(安定運用のため最大10,000人までを推奨との注記あり)です。つまり15人という線をまたぐかどうかで、月額が21,000円36,300円に分かれます。差は月15,300円、年183,600円です。

数えるときに見落としやすいのが次の3つです。

退職者のアカウント。退職の手続きでBacklogのアカウント削除が漏れているケースは珍しくありません。人事の退職者リストと、Backlogのユーザー一覧を突き合わせてください。

外部パートナーのアカウント。業務委託の人、制作会社の担当者、常駐していない協力会社の窓口。プロジェクトごとに増えていて、終わった案件の分がそのまま残っていることがあります。

兼務や部署異動で使わなくなった人。名前は残っているが、この半年ログインしていない、というアカウントです。最終ログイン日で並べ替えると洗い出せます。

現行のスタンダード、プレミアム、プラチナはユーザー数が無制限なので、これまで人数を気にする理由がありませんでした。だから棚卸しがされないまま増えている組織が多いはずです。今回の改定で人数という線が新しく入るので、ここは一度きちんと数える価値があります。

削除する前に確認しておきたいのは、そのアカウントが過去の課題の担当者や作成者として記録されている場合の扱いです。運用に影響が出そうなら、削除ではなく権限の見直しで対応できないかを含めて、事前に公式のヘルプで扱いを確認してください。

手順3:プロジェクト数を数える

人数の次はプロジェクト数です。エコノミーの上限は30です。現行のスタンダードは100だったので、70減ります。

ここには明確な落とし穴があります。公式のFAQに、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると書かれています。つまり、終わった案件をアーカイブして残しているだけで、30の枠を消費しています。

多くの組織では、案件が終わるたびにプロジェクトをアーカイブして、削除まではしていません。過去の経緯を参照したいからです。その運用のままだと、稼働中のプロジェクトが10しかなくても、アーカイブが25あれば合計35で上限を超えます。

数え方の手順はこうなります。プロジェクト一覧を開き、アーカイブを含めた表示に切り替えて、全部の数を数えます。次に、アーカイブ済みのものを1つずつ見て、「本当にもう参照しないもの」と「参照する可能性があるもの」に分けます。参照しないものについては、削除する前に課題とコメントをCSVまたはExcel形式で書き出しておけば、記録は手元に残ります。

ここで気をつけたいのは、書き出しには制限があるという点です。公式ヘルプには「課題のコメントの取得上限数は200件です。」と記載されています。コメントが200件を超えている課題では、全部は書き出せません。長く議論が続いた課題ほど、記録が欠ける可能性があります。

プロジェクト数の棚卸しは、人数の棚卸しより時間がかかります。どのプロジェクトを消してよいかは、その案件に関わった人でないと判断できないからです。適用開始日から逆算して、余裕を持って始めてください。

手順4:使用容量を確認する

3つ目の上限は容量です。エコノミーが30GB、ビジネスが100GB、プロフェッショナルが300GBです。

スタンダードからエコノミーへ移る場合、容量は30GBのままで変わりません。プレミアムからビジネスへ(100GB)、プラチナからプロフェッショナルへ(300GB)も据え置きです。つまり容量については、今回の改定で不利になる移行はありません。

ただしスタータープランからの移行だけは別です。スターターの容量は1GBなので、エコノミーの30GBへ移ると大幅に増えます。容量が理由で困ることはなくなります。

課題の添付ファイル数の上限も変わります。エコノミーが30、ビジネスとプロフェッショナルが50です。1つの課題に大量のファイルを添付する運用をしている場合は、この数字を確認しておいてください。

プロフェッショナルには容量追加オプションがあり、新料金は500GBが月払い120,000円(年払い月換算114,000円)、1TBが月払い155,000円(年払い月換算147,250円)です。いずれも税抜で、1TBを超える場合は問い合わせ対応になります。エコノミーとビジネスには容量追加オプションが無いので、容量が足りなくなったらプランを上げるしかありません。

手順5:予約が必要かを判定する

ここまでの3つの数字が揃うと、予約が必要かどうかが判定できます。

予約が必須になるのは、次のいずれかに当てはまる組織です。

・スタータープランを利用中 ・スタンダードプランでユーザーが16名以上、またはプロジェクトが30を超えている ・スタンダードプランでNulab Passを契約中

3つ目のNulab Passの条件は見落としやすいところです。2027年1月1日以降、Nulab Passはビジネスプランとプロフェッショナルプランでのみ利用できます。人数が15名以下でプロジェクトが30以下でも、Nulab Passを使っている時点で自動移行の対象から外れます。

予約しないままだとどうなるかについて、公式のFAQは「予約がない場合、適用開始日以降にBacklogを利用できなくなる可能性があります」と明記しています。この一文があるので、判定を後回しにしないほうがよいです。

新プランの予約機能は2026年8月5日に提供開始が告知されました。適用開始日より前に予約できます。

自動で移行するのは、プレミアム(ビジネスへ)、プラチナ(プロフェッショナルへ)、フリー(新しいフリープランへ)、そして15名以下かつ30プロジェクト以下でNulab Pass未契約のスタンダード(エコノミーへ)です。エンタープライズ版(オンプレミス)は機能と利用環境の変更なしで新料金が適用され、エデュケーションプランとNPOプランは新料金を基準に引き続き半額です。

なお、費用を抑えるために現行プラン内でプランを下げる、という手は使えません。「次の利用期間が2027年1月1日以降の場合は、現在のプランでのダウングレードはできません」とされています。

手順6:支払い方法を決め直す

金額の話より先に効いてくる論点です。

2027年1月1日以降、銀行振込で選べる支払い期間は年払い(12か月)のみになります。現在の3か月払いと6か月払いは廃止です。銀行振込でこれらを利用している場合、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。クレジットカード払いは、引き続き月払い(1か月)と年払い(12か月)を選べます。

適時開示は同じ内容を「月払いはクレジットカード払いのみとなります。3ヶ月払い・6ヶ月払いは廃止となります」と表現しています。この変更はCacooとNulab Passにも適用されます。

何が起きるかを具体的に書きます。銀行振込で3か月ごとに払っていたスタンダードの組織は、これまで16,000円の3か月分ずつを支払っていました。改定後はエコノミーの年額239,400円(年払い税抜)の一括請求です。金額の上げ幅は31%でも、1回に出ていく現金の額はまったく違います。

選択肢は2つです。年払いへの自動変更を受け入れるか、クレジットカードへ切り替えて月払いを維持するか。後者を選ぶ場合、法人カードの限度額、カードの名義、経理の締めのタイミングなど、確認することが増えます。経理や総務との調整が要るので、この判断は早めに社内へ回してください。

年払いには5%オフという利点もあります。エコノミーなら月払い21,000円が年払いで月換算19,950円、年額で252,000円が239,400円になります。年間12,600円の差です。資金繰りが許すなら、年払いを選ぶ理由はあります。

手順7:乗り換えを検討する場合、何を持ち出せるかを先に確認する

ここまでの手順で増加額が確定したら、初めて「動くかどうか」の検討に入れます。そして検討で最初に確認すべきなのは、移行先の機能ではなく、いまのデータをどこまで持ち出せるかです。

課題とコメントは、課題の検索結果をCSVまたはExcel形式でダウンロードできます。公式ヘルプには「課題の検索結果をExcel形式やCSVなどで出力できます。」と記載されています。ただしコメントの取得上限数は200件です。Excel形式はセルが含むことのできる合計文字数の制限を受けるため、文字数が大きい場合はCSV形式が推奨されています。

共有ファイルは、WebフォルダやFinderからダウンロードします。

Gitリポジトリは、Backlogに保管されているリポジトリをすべて git clone する形です。Subversionは、公式ヘルプの手順に沿ってエクスポートします。

スペース全体については、有料オプションが用意されています。「スペースデータのバックアップ 50,000円(税抜+消費税)」で、課題やWikiなどのデータをCSV形式ファイルにし、共有ファイルや添付ファイルと一緒にGoogleドライブで提供するサービスです。ここで重要な注意書きがあります。

バックアップしたデータは、Backlogにインポートできません。 出典: support-ja.backlog.com

つまりこのバックアップは、記録として保管するためのものであって、環境を作り直すためのものではありません。

取り込み側の話もしておきます。Backlogへの一括登録はCSVファイルで行い、専用テンプレートをダウンロードして使う必要があります。「課題検索結果一覧の出力」機能で出力したCSVでは一括登録はできません。一度に一括登録できる課題は最大250件です。課題の「状態」は入力できず、すべて「未対応」で登録されます。

この仕様は、他社ツールへ移る場合にも同じ問題として現れます。書き出したCSVをそのまま移行先に流し込める保証はありません。進行中の課題の状態(未対応、処理中、完了など)が引き継げるかどうかは、移行先の仕様次第です。

したがって現実的な移行の形は、「過去の記録はCSVとファイルで保管しておき、進行中の案件だけを手で新しい環境に立て直す」になります。この手間を時間に換算して、増加額と並べて比べる。これが判断の順番です。

手順8:残るという判断も、きちんと選ぶ

備えの記事は乗り換えの話に流れがちですが、動かない判断が合理的なケースははっきりあります。

プレミアムとプラチナの利用者は、上げ幅が約34%と約33%、自動移行で上限も据え置きです。数十人から数百人が使っているスペースを移す手間と、月に9,000円から25,000円の増加を比べれば、動かないほうが合理的なことが多いはずです。

Git / Subversionを課題と紐づけて使っている組織も同じです。Gitリポジトリ数は新プランでも全プラン無制限、1リポジトリあたり10GBで共通です。リポジトリを持たない道具へ移ると、運用そのものが成立しません。

Nulab PassでSAML認証や監査ログを使っている組織は、認証基盤と結びついているので、外す判断が取りにくいはずです。ビジネス以上への移行が必要になりますが、認証を組み替えるコストと比べれば早いです。

取引先にセキュリティシートを提出する立場の組織も注意が要ります。セキュリティシートの対応は、エコノミーが対象外、ビジネスが有料、プロフェッショナルが年1回無料です。エコノミーへ移ると対応が受けられなくなります。

残ると決めたなら、あとは予算の確保と支払い方法の調整だけです。それはそれで確定した作業になるので、迷い続けるより早く決めたほうが楽になります。

社内にどう説明するか。稟議に載せる数字の作り方

適用開始日と着地するプランが決まったら、次は社内の手続きです。ここで手が止まる組織が多いので、必要な数字の作り方を書いておきます。

まず押さえるのは税の扱いです。ヌーラボが公表しているBacklogの金額は、改定の前後ともすべて税抜です。料金ページには「価格は全て税抜表示です。別途消費税がかかります。」と明記されており、適時開示のプラン表にも「(税抜)」と付記されています。税込金額は公式には掲示されていません。稟議に税抜のまま出すと差し戻されるので、消費税を足した額に直してください。

次に、比較する数字を年額で揃えます。月額どうしで比べると差が小さく見えますが、契約は年単位で動くので、年額で並べたほうが判断しやすくなります。たとえばスタンダードからエコノミーへの自動移行なら、年払い税抜で182,400円が239,400円です。増加は年57,000円。プレミアムからビジネスなら307,800円が413,820円で、増加は年106,020円。プラチナからプロフェッショナルなら855,000円が1,140,000円で、増加は年285,000円です。

スターターからエコノミーへの移行だけは、桁が違います。年払い税抜で30,780円が239,400円で、増加は年208,620円です。金額そのものはプラチナの増加額より小さいのですが、元の金額に対する倍率が約7.78倍なので、予算の枠組みごと作り直すことになります。この層は「増額の申請」ではなく「新規の支出の申請」として扱われることが多く、そのぶん社内の承認に時間がかかります。

稟議に添える説明としては、次の3点を書いておくと通りやすくなります。改定は提供元の正式な決定であり、適時開示も出ていること。旧料金を継続できる経過措置は公表されていないこと。自分たちのスペースでは適用開始日が何月何日で、その日から新料金になること。ここに、人数とプロジェクト数を数えた結果と、なぜそのプランに着地するのかを添えれば、判断材料としては足ります。

もし乗り換えを選択肢に入れるなら、比較の材料として「移行にかかる工数の見積もり」も同じ表に入れてください。進行中の案件を新しい環境へ立て直す時間を人日で出し、社内の単価を掛けて金額に直します。増加額が年57,000円で、移行の工数が10人日なら、金額だけを見れば動かないほうが安い、という結論になることもあります。この比較を出さずに乗り換えの検討を始めると、決まらないまま期限が来ます。

過去の改定と、延期の前例をどう扱うか

「どうせ延期されるのでは」という声が社内から出ることがあります。事実関係を整理しておきます。

延期の前例はあります。ただし料金改定ではなく、プランの提供終了のケースです。2023年8月24日に「クラシックプランの提供終了のお知らせとプラン移行のお願い」が公開され、当初の終了予定は2024年5月31日でした。ところが2024年3月6日に「クラシックプランの提供終了を延期いたします」が公開され、終了日は2025年5月31日へ1年延期されています。延期の理由は、移行に不安を感じる利用者へのサポートを厚くするためと説明されていました。

一方、料金改定そのものは予定どおり実施されています。前回の利用料金改定は2023年1月11日で、告知は2022年10月4日15時に公開されました。告知から実施まで約3か月です。このときは年払い割引率が16%から5%へ引き下げられ、既存契約者の扱いは今回と同じ考え方で「すでに利用期間が開始しているプランは、次回の更新まで従来の料金でご利用いただけます」とされていました。改定の目的として、サービス運用環境の強化、情報セキュリティ対策の強化、サービス開発体制の強化、顧客サポート体制の強化の4点が挙げられていました。

なお、このときの改定前後の具体的な金額は、告知記事の本文には数字として記載されておらず、料金ページへのリンクで案内されていました。したがって2023年改定の上げ幅がいくらだったかは、公開資料では確認できませんでした。

今回は2026年6月17日の告知で2027年1月1日の実施なので、予告期間は約6か月半です。前回より長く取られています。そのうえで適時開示まで出ているので、延期を前提に準備を止めるのは危険です。過去に一度延期の前例があるという事実は事実として押さえたうえで、予定どおり実施される前提で動くのが安全です。

もうひとつ、サービス自体の継続についても確認しておきます。Backlogの提供終了の告知は、Backlogブログ、ヌーラボのニュース、IRニュースのいずれにも見当たりません。2026年に入ってから、Backlog AIアシスタント(2026年3月)、関連課題(2026年7月28日)、AIレビュー(2026年8月7日)、孫課題(2026年8月18日)と機能追加の告知が続いており、2026年6月22日には中期経営計画も開示されています。畳む前触れとしての値上げではない、という点は社内の説明に使えます。

独自データ考察:備えの本質は、数える作業にある

ここまでの手順を振り返ると、実際にやることのほとんどは「数える」ことでした。適用開始日を数え、人数を数え、プロジェクト数を数え、容量を確認し、増加額を計算する。比較検討らしいことは、最後の最後にしか出てきません。

これは今回の改定に限った話ではありません。道具の料金体系は、必ずどこかに線を引いています。線は3種類あります。人数の線、量(プロジェクト数や容量)の線、機能の線です。料金が変わるということは、この線の位置か種類が動くということです。だから備えの作業は、自分たちの現在地を数えて、新しい線に当て直すことに尽きます。

今回で言えば、人数15とプロジェクト数30の線をまたぐかどうかが、月額21,000円と36,300円を分けます。年額では239,400円と413,820円です。差は年174,420円(いずれも年払い税抜)。棚卸しをして線の手前に着地できるなら、その数時間の作業がそのまま費用の差になります。逆に、数えずに「たぶん超えている」と判断して上のプランを選ぶと、その差額を毎年払い続けることになります。

そして数える作業には副産物があります。使われていないアカウント、放置されたプロジェクト、誰も見ていないファイル。これらを洗い出す作業は、料金がどうであれ、進行の管理そのものを軽くします。現場でよく聞くのは、道具を替えたら解決すると思っていた問題の半分は、実は棚卸しをしていなかっただけだった、という話です。

そのうえで乗り換えを検討するなら、比べる軸は金額ではありません。いまチームのどこで進行が詰まっているかです。プロジェクト数の上限で詰まっているなら、上限の切り方が違う道具を探す話になります。人数で詰まっているなら、定額か人数課金かという課金の型そのものを見直す話になります。工程表を1枚見せられれば足りるなら、機能の束を段で売る作りではない道具のほうが噛み合うこともあります。似ているようで、探す方向がまるで違います。

板の形をとる道具の中には、機能でプランを分けず、区切るのは人数とボードの数だけ、という作り方をしているものもあります。段を上がる判断が要らない代わりに、できることの幅そのものが絞られています。リポジトリの機能は持たず、自動化と外部サービスとの連携で勝負する作りでもありません。画面が日本語のみのものもあり、自動で取り込めるのが特定のツールからだけ、という制限がついていることもあります。どちらが優れているという話ではなく、線をどこに引いているかの違いです。料金の考え方は料金に、できることの範囲はできることに整理してあります。Backlogとの機能面の対応関係はBacklogとの比較にまとめてあります。

移行そのものの負担が気になる場合は、取り込みの仕組みがどこまで用意されているかを先に確認してください。手作業でカードを作り直す前提なのか、既存のデータを読み込めるのかで、必要な時間は桁が変わります。取り込みの範囲についてはTrelloからの移行に、データの取り扱いの考え方については安全性の考え方に整理してあります。

最後に、判断の順番だけもう一度書きます。適用開始日を確かめる。人数とプロジェクト数と容量を数える。新しい上限表に当てて着地するプランを決める。予約が必要なら期限までに予約する。支払い方法を決める。ここまでが備えです。乗り換えの検討は、この5つが終わってからで間に合います。順番を逆にすると、比較表を眺める時間だけが増えて、期限が近づきます。

なお、この記事に書いた日付、金額、上限、手順は、いずれも2026年9月2日時点で公式サイト、公式ヘルプ、および適時開示に掲載されていた内容です。金額はすべて税抜です。契約や社内の稟議に使う際は、必ずそのときの公式ページで最新の表記を確認してください。

Q1. 自分のスペースの適用開始日はどこで確認できますか?

契約管理者または管理者が「組織設定」の「プラン」画面で確認できます。ただしトライアル中、プラン停止中、フリープランの場合は案内が表示されません。その場合は今の支払いサイクルから逆算します。適用開始日は「2027年1月1日以降に到来する最初の契約更新日」で、スペースごとに異なります。

Q2. 予約の期限はいつまでですか?

期限の目安は、銀行振込が適用開始日の64日前まで(請求書が発行されるまで)、クレジットカードが適用開始日の2日前までです。請求書は次回の契約開始日の63日前に発行され、発行後の調整は問い合わせ扱いになります。公式FAQは、予約がない場合に適用開始日以降Backlogを利用できなくなる可能性があると明記しています。

Q3. プロジェクト数を数えるとき、アーカイブ済みも含めますか?

含めます。公式FAQに、アーカイブ済みのプロジェクトも上限に加算されると明記されています。稼働中が10でもアーカイブが25あれば合計35となり、エコノミーの上限30を超えます。削除する前に、課題とコメントをCSVまたはExcel形式で書き出しておけば記録は残せます。コメントの取得上限は200件です。

Q4. データはどこまで持ち出せますか?

課題とコメントはCSVまたはExcel形式で書き出せます(コメントの取得上限は200件)。共有ファイルはWebフォルダやFinderから、Gitはgit clone、Subversionは公式手順でエクスポートします。スペース全体は有料オプション(50,000円、税抜と消費税)ですが、そのバックアップはBacklogにインポートできないと明記されています。

Q5. 支払い方法は今のうちに変えておくべきですか?

銀行振込で3か月払いか6か月払いを使っている場合は、検討する価値があります。2027年1月1日以降、銀行振込は年払いのみになり、適用開始日から自動的に年払いへ変更されます。月払いを維持したい場合はクレジットカードへの切り替えが必要で、法人カードの限度額や経理の締めの確認に時間がかかることがあります。

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