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Basecampで進捗を管理する|報告のために作り直さない組み方

2026年9月13日 ・ Pinateca編集部

進捗管理でいちばん時間を食うのは、作業を追うことではありません。追った結果を、報告のためにもう一度別の形に作り直すことです。道具の中には最新の状態があるのに、上に出す資料は別に作る。この二重作業が毎週発生すると、とりまとめる人の一日が溶けます。

この記事では、2026年9月12日時点で公開されているヘルプ文書の記述だけを使って、Basecampで進捗を扱う仕組みを整理します。状態をどう置くのか、誰が何を見られるのか、報告に使える画面は何があるのか、そして記録が消える設定はどこにあるのかまで、進行を預かる立場から確かめる順に並べます。

案件の状態は、3段階の針で置く

案件の画面の上部には、針と呼ばれる表示が出ます。いま案件が順調なのか、危ないのか、問題があるのかを一目で示すためのものです。

選べる状態は3つです。順調、いくらか懸念あり、心配あり、という区切りになっています。状態を変えるときは、針を押して履歴の画面を開き、針を動かす操作から新しい更新を出します。状態を選び、必要なら説明の覚書を添え、誰に知らせるかを選んで保存します。

ここで効いてくるのが履歴です。更新するたびに、その時点の状態と覚書が記録として積まれ、新しいものから順に並びます。3週間前に「いくらか懸念あり」に落ちていて、そのときの覚書に理由が書かれている。この並びがあるだけで、月末の振り返りで記憶を掘り起こす必要がなくなります。

既定では、針の更新は依頼主には見えません。ただし、投稿する前にその回だけ依頼主に見せると選ぶこともできます。社内で率直に書いた状態と、依頼主に伝える状態を、同じ場所で分けて扱える作りです。針を動かせるのは案件に入っている人だけで、依頼主は見えている分を読むことはできても、状態を書き込むことはできません。

全案件の針をまとめて見る画面も用意されています。最近動きのあった案件から順に並ぶので、どの案件が最近手を入れられていないかも同時に分かります。この画面は依頼主には表示されません。

針と丘の画面は役割が違います。針は「この案件は大丈夫か」という一言の状態で、丘は「作業のうちどこまで見通しが立ったか」を表します。報告の相手が経営層なら針で足り、実務の担当者と話すなら丘のほうが具体的です。両方を同じ画面に置く必要はありません。

運用で決めておくべきことが2つあります。ひとつは、誰が針を動かすかです。案件に入っている全員が動かせる作りなので、決めておかないと誰も動かしません。案件ごとに1人、状態を宣言する役を置くのが分かりやすい形です。

もうひとつは、動かす周期です。週に1回、決まった曜日に全案件の針を見直すと決めておくと、更新されていない案件がその場で炙り出されます。全案件の針をまとめて見る画面が最近動いた順に並ぶので、下のほうに沈んでいる案件が、放置されている案件です。

3段階しかないことを物足りなく感じる人もいますが、段階を増やすと運用が壊れます。5段階にすると、真ん中の段階に全部が集まります。「順調ではないが心配というほどでもない」という報告は、聞いた側に何も伝えません。3段階だと、真ん中を選んだ時点で理由の説明が要る空気になります。この摩擦が、実は仕組みとして効いています。

会議の代わりに、決まった質問を決まった時刻に出す

進捗を集める方法として、定例会議を開く以外の仕組みが用意されています。決まった質問を決まった周期で自動的に投げて、答えをひとつの記録にまとめる仕組みです。

公式の説明では、例として毎週月曜の朝9時に「今週は何に取り組みますか」と自動で聞く形が挙げられています。全員の答えは同じ場所に保存され、あとからまとめて読めます。特定の1人の答えだけを時系列で追うこともできると書かれています。

この仕組みの効き方は、定例会議と比べると分かりやすいです。10人が30分の定例に出ると、5人時が消えます。同じ情報を文章で集めるなら、書く側は1人3分、読む側は5分で済みます。会議で得られる「その場のやり取り」は失われますが、進捗の共有だけが目的の会議なら、置き換えられます。

注意点は、質問の作り方です。「進捗はどうですか」のような漠然とした質問を出すと、「順調です」という答えが並ぶだけになります。答えが判断に使える形になる質問、たとえば「今週、誰かの返事を待って止まっていることはありますか」のような聞き方をすると、集まる情報の質が変わります。

答えは横断の一覧からもまとめて読めます。案件をまたいで全員の回答だけを並べる画面が用意されているので、月曜の午前中にそこを一度開けば、全案件の状況がひととおり頭に入る形になります。

周期の設計にも気をつける点があります。毎日聞くと、3週間で全員が惰性で同じ答えを書くようになります。週に1回か、長い案件なら2週に1回のほうが、答えの中身が保たれます。逆に、月に1回まで間を空けると、聞かれた側が何をしていたか思い出せず、答えが曖昧になります。

聞く相手を絞ることも考えてください。全員に同じ質問を投げる必要はありません。とりまとめる人が知りたいのは、多くの場合、止まっている箇所と、来週の予定です。作業そのものの報告は、やることの完了で足りています。質問を2つに絞って、回答を3行以内で書けるようにしておくと、続きます。

この仕組みを入れたあとに定例会議をそのまま続けると、二重報告になって現場が嫌がります。定期の質問を始めるなら、その分だけ会議の時間を短くするか、会議の議題を「質問の答えを読んだ上で相談したいこと」に切り替えるのが筋です。片方だけ足すと、負担だけが増えます。

レポートは10種類あり、探す方向が2つある

進捗を見る画面として、レポートがまとめて用意されています。ヘルプに並んでいるのは次のものです。

・案件を13週の時間軸に並べる画面 ・全案件の針の状態をまとめる画面 ・全案件の丘をまとめる画面 ・近く期限が来る作業 ・期限を過ぎた作業を、どれだけ過ぎたかで分けたもの ・担当が決まっていない作業 ・追加された作業と完了した作業を、期間で追うもの ・特定の人に割り当てられている作業 ・特定の人の投稿や書き込みの記録 ・案件ごと、人ごと、期間ごとの時間の記録

この並びを見ると、探す方向が2つあることが分かります。作業から探す方向と、人から探す方向です。「この案件は誰が止めているのか」を知りたいときは作業から、「この人はいま何を抱えているのか」を知りたいときは人から入ります。

進行をとりまとめる立場で毎週見るなら、期限を過ぎた作業の画面がいちばん実用的です。どれだけ過ぎたかで分類されるので、1日遅れと3週間遅れが同じ行に並びません。3週間遅れている作業は、遅れではなく「やらないことに決まったのに閉じていないもの」であることが多く、その仕分けが先にできます。

追加された作業と完了した作業を期間で追う画面も、使い方を決めておくと効きます。追加のほうが完了より多い週が続いているなら、その案件は膨らんでいます。見積もりを外しているのではなく、範囲が増えているということです。この差は、感覚では気づきにくく、数字で見ると一目です。依頼主と範囲の話をするときの材料になります。

特定の人の投稿や書き込みを追う画面には、使い方に注意が要ります。人の作業ぶりを監視する目的で毎日開くと、見られている側が萎縮します。使いどころは、引き継ぎの前にその人が何に関わっていたかを把握するときや、不在の人の作業を誰かが拾う必要があるときです。目的をはっきりさせずに開く習慣を作ると、道具への信頼が下がります。

レポートの画面は、どこからでもキーボードの操作で呼び出せます。会議中に聞かれて画面を探す、という場面が減ります。なお、案件を時間軸に並べる画面と、全案件の丘をまとめる画面と、時間の記録は、依頼主には表示されないとヘルプに明記されています。依頼主が入っている案件でも、社内向けの俯瞰は既定で分かれます。

担当が決まっていない作業を数える画面が、いちばん効く

10種類のうち、進行をとりまとめる立場から見て過小評価されているのが、担当が決まっていない作業をまとめる画面です。

案件が止まる理由の多くは、誰かが手を抜いているからではありません。誰の仕事か決まっていないからです。会議で「これはやったほうがいいね」と決まって、やることとして登録されて、しかし担当が空欄のまま残る。この作業は、誰も自分の担当だと思っていないので、期限が来ても誰も気づきません。

この画面は、その状態の作業だけを案件をまたいで集めます。毎週これを開いて、上から順に担当を決めていく作業を10分行うだけで、止まる案件の数が目に見えて変わります。

同じ理屈で、特定の人に割り当てられている作業をまとめる画面も使い道があります。1人に30件が集まっていることが分かれば、その人が抱えすぎていることを、本人が申告する前に知れます。抱えすぎた人は、たいてい自分からは言いません。

なお、カードにも担当と期限を付けられ、割り当てられたカードは担当者の作業の画面に現れます。カードの中に入れた小さい作業にも、それぞれ担当と期限を付けられます。ただし、中の小さい作業を完了しても、カードそのものの状態は変わらないという注記が付いています。細かく割った作業の完了数で全体の進み具合を測ろうとすると、この点で数字がずれます。

どこに書いたか分からない、を潰す横断の一覧

進捗管理の実務で地味に時間を食うのが、探す作業です。誰かが書いたはずの内容が、どの案件のどこにあるか分からない。この状態は、案件が10本を超えると日常的に起きます。

横断の一覧という画面が用意されています。種類ごとに、すべての案件を横断してまとめる画面です。並んでいるのは、すべての投稿、すべての資料、すべてのファイル、すべてのコメント、すべての定期の質問への回答、すべての転送されたメールです。

使い方は単純で、「誰かが今朝ファイルを上げたのは覚えているが、どの案件か思い出せない」という場面で、すべてのファイルの画面を開けば出てきます。人での絞り込みと、名前での検索も付いています。

検索そのものも強化されたと公式に案内されていて、加えて主要な画面に絞り込みの入力欄が付き、数文字打つとその場で一覧が絞られる作りになっています。

進捗管理の観点で言うと、この画面は「探す時間」を削るためのものです。探す時間は報告書には出てこないので軽視されがちですが、案件が並行している環境では、とりまとめる人の時間のかなりの割合を占めています。

探す時間を減らすもうひとつの仕組みが、あとで見返すための印です。通知を受け取ったが今は手が回らないというときに、今日の午後、明日の朝、今週中、来週といった単位で先送りの指定ができ、その時刻になると通知の欄に戻ってくる作りです。投稿やコメントにも同じ指定ができます。

とりまとめる立場だと、一日に届く通知の数が現場の担当者より多くなります。全部をその場で処理しようとすると、自分の仕事が進みません。届いた瞬間に「いま返す」「今日の午後に返す」「明日の朝に返す」の3つに振り分けるだけで、通知に追われる状態からは抜けられます。

資料や投稿に手元の印を付けて、まとめて開ける置き場も用意されています。進行中の案件の要点になる投稿に印を付けておけば、報告の直前にそこだけを開き直せます。

誰が何をできるかを、報告の前に決めておく

進捗管理の仕組みを組む前に、権限の線を引いておく必要があります。ヘルプには、管理者と所有者でできることがはっきり分けて書かれています。

管理者ができるのは、人の追加と削除、誰がどの案件にいるかの変更、会社や組織や集団の管理、案件の道具の名前の変更、そして個別のやり取りと会話の保存期間の設定です。

所有者はこれに加えて、段の変更、データの書き出し、誰かの担当作業の付け替え、ゴミ箱にあるものの復元、すべての案件への立ち入り、請求と請求書の扱い、二要素認証の強制ができます。

進捗管理でここが効くのは、担当作業の付け替えと、ゴミ箱の復元です。人が辞めたときに、その人が抱えていた作業をまとめて別の人に移す操作は、所有者にしかできません。誰かが誤って消した案件を戻す操作も同じです。とりまとめる人が所有者でない場合、この2つは毎回別の人に頼むことになります。

ゴミ箱については、所有者だけが全案件を横断して中身を見られる、という点も書かれています。何が消されたかの全体像を把握できるのは所有者だけ、という設計です。

進行を預かる立場なら、自分が所有者になっておくか、所有者と同じ部屋にいる人になっておくかを、運用を始める前に決めておくのが確実です。所有者が退職したり異動したりする予定があるなら、離れる前に移す作業が要ります。ヘルプには、所有者が不在のときは移管の手順を見るか、問い合わせるようにと書かれています。

案件の中の役割も決めておく価値があります。案件の道具の移動は、管理者と所有者と案件を作った人だけができると書かれています。やることリストを別の案件へ移す作業や、板そのものを移す作業は、この3者のどれかでないとできません。案件の構成をあとから組み替える予定があるなら、作った人が誰になっているかを確認しておいてください。

なお、2022年9月14日より前に作られたアカウントでは、この権限の区分が現在の記述と異なるという注記が付いています。古くから使っているチームは、ヘルプの記述と画面の挙動が食い違うことがあるので、実機で確かめるのが確実です。

完了した作業が溜まって、板が読めなくなる問題

進捗管理を数か月続けると、必ず起きる問題があります。完了した作業が画面に溜まって、いま動いているものが読めなくなることです。

既定では、完了したやることとカードは、その案件にそのまま残り続けます。管理機能を強化する追加を入れている場合は、完了から30日経ったものを自動で保管する設定にできます。設定できる間隔は30日だけで、それより短くも長くもできないと明記されています。

自動の保管を後から手動に戻しても、すでに保管されたものは戻ってきません。案件の保管された場所に残っているので、必要なものを1件ずつ戻す形になります。

追加を入れていない場合は、手で片づけることになります。項目ごとに保管するか、ゴミ箱へ入れるかを選べます。保管は見えなくするだけで中身は残り、ゴミ箱は消す方向です。どちらも後から戻せますが、ゴミ箱には期限があり、25日経つと完全に消えるか、その前に中身を空にした時点で消えると書かれています。

案件そのものにも同じ扱いがあります。案件を保管すれば、動いている一覧から外れて中身はそのまま残ります。ゴミ箱へ入れると消す方向になり、復元の期限が同じように効きます。所有者は、全案件を横断してゴミ箱の中身を見られるので、誤って消された案件を探す役はこの人になります。

保管した案件は、動かせる案件の数には数えられませんが、保存容量には数えられます。容量を空けたいときは、保管ではなくゴミ箱へ入れる必要があるとヘルプに明記されています。片づけの目的が画面を読みやすくすることなのか、容量を空けることなのかで、選ぶ操作が変わります。

進捗の画面を毎週見る習慣を作るなら、片づけの担当と周期も同時に決めておく必要があります。誰も片づけない画面は、3か月で誰も開かなくなります。四半期の終わりに、終わった案件をまとめて保管する日を決めておくのが、いちばん続きやすい形です。

時間の記録を、進捗の裏付けとして使う

進み具合を人の感覚だけで置いていると、報告のときに根拠を求められて詰まります。時間の記録は、その裏付けになります。

時間の記録は案件ごとに有効にする仕組みです。案件の名前を押して、日付や活動や丘の表示と並んでいる項目から有効にします。有効にすると、案件の操作の一覧から記録の画面を開けるようになります。

記録の付け方は2通りあります。記録の画面で日付と時間と人と覚書を入れて追加する方法と、投稿ややることなどの項目の中から直接その項目に対して記録する方法です。後者で記録すると、その項目に紐づいた小さな記録の表示が出ます。ただし、そこから全体の記録を開いても、表示されるのはその項目に関する分だけで、案件全体ではないという注記が付いています。

集計はレポートから行います。案件ごと、人ごと、期間ごとに見られて、その画面をCSVで取り出せます。取り出したCSVには、そのとき適用していた絞り込みと期間がそのまま反映されます。

予定と実績を並べたいなら、この記録と、期限を持った作業の一覧を突き合わせる形になります。工数の見積もりを毎回外しているチームなら、3か月分の記録を取り出して、案件の種類ごとの実績を出しておくと、次の見積もりの精度が変わります。

時間の記録が使えるのは、上位2つの段に標準で付いている場合と、それ以外の段で所有者が追加として入れた場合です。使い始める前に、自分たちの段で使えるかを確かめてください。

記録を運用に乗せるときの難所は、付ける習慣です。日が変わってから思い出して入れる方式だと、精度が落ちて、そのうち誰も入れなくなります。項目の中から直接記録できる作りになっているので、作業を終えてその項目を閉じるときに入れる、という流れに組み込むのが現実的です。

なお、記録した時間を請求の根拠として依頼主に見せる場合は、記録の画面が依頼主に表示されない点に注意が要ります。取り出したCSVを別の様式にまとめて渡す形になります。

記録が残る仕組みと、消える仕組みを両方確かめる

進捗管理は、記録が残っていることが前提の仕組みです。だからこそ、記録が消える設定がどこにあるかを知っておく必要があります。

既定では、個別のやり取りも会話も、アカウントが存在する限り検索できる形で保存されます。ただし、管理機能を強化する追加を入れると、保存期間を選べるようになります。選べるのは、永久、30日、90日、1年、2年です。個別のやり取りと会話は別々に設定できます。

ここが重要です。設定した期間を過ぎた書き込みは、添付ファイルごと完全に削除されます。

Once a message passes the limit you set, Basecamp permanently deletes it along with any attachments. Deleted transcripts can’t be recovered. 出典: 5.basecamp-help.com

削除された記録は復元できない、と明記されています。会話の保存期間を短くする判断は、情報の管理としては筋が通っていますが、進捗の根拠を会話に頼っている運用だと、あとから「いつ誰が決めたか」を追えなくなります。設定する前に、決定を残す場所が会話とは別にあるかを確かめてください。

同じ追加には、投稿から15分を過ぎるとコメントと会話の編集ができなくなり、削除は管理者と所有者だけになる設定も含まれています。記録の信頼性を保つための仕組みで、あとから書き換えられた記録を根拠に使わずに済みます。

移動と保管と削除を、作った本人と管理者だけに絞る設定も用意されています。ただし、他の人からコメントが付いている内容は、作った本人でも保管や削除ができず、管理者か所有者の対応が必要になるという注記が付いています。

この組み方で回らなくなる場面

正直に書いておくべき限界が3つあります。

ひとつめは、数字の進捗率が出ないことです。丘の点も針の3段階も、人が判断して置きます。パーセントで報告することが求められている環境では、完了した作業の件数を数えるレポートから自分で計算するか、別の場所で管理することになります。

ふたつめは、画面の表示が英語のみであることです。ヘルプに明記されています。入力する文字はどの言語でも扱え、道具の名前は案件ごとに好きな呼び方へ変更できますが、画面の骨組みは英語です。現場の担当者を含めて多くの人に入力してもらう仕組みを作るなら、ここが定着の分かれ目になることがあります。

みっつめは、仕組みが人の更新に全面的に依存していることです。針も丘も時間の記録も、自動では動きません。進捗管理の仕組みを入れても、入力する人が増えなければ表はすぐ嘘になります。これは道具の問題ではなく、どの道具を選んでも同じです。

逆に言えば、この3つが問題にならないチーム、つまり状態を言葉で共有できて、英語の画面に抵抗がなく、更新する習慣を作れるチームなら、報告のための資料を別に作る作業はかなり減らせます。

判断の目安を置くとすれば、進捗を報告する相手が数字を求めているかどうかです。パーセントを表に並べることが目的化している職場では、この組み方は噛み合いません。止まっている場所と、その理由と、いつ動き出す見込みかを言葉で聞きたい相手なら、噛み合います。どちらが正しいという話ではなく、報告の文化に合うかどうかの問題です。

進行をとりまとめる立場から、どう組み立てるか

最後に、組み立てる順番を並べます。

最初に、報告の相手と頻度を決めます。相手が経営層なら針の3段階で足り、実務の担当者と話すなら丘と作業の一覧が要ります。ここを決めずに画面を増やすと、誰も見ない画面が残ります。

次に、定期の質問を設計します。「順調です」としか返ってこない質問を出すと、仕組みごと形骸化します。止まっている場所を聞く形にしてください。

三番目に、担当が決まっていない作業を見る周期を決めます。週に1回、10分で構いません。ここが進捗管理でいちばん費用対効果の高い作業です。

四番目に、片づけの担当を決めます。完了したものが溜まる画面は、3か月で誰も開かなくなります。自動で保管する設定が使えるなら入れ、使えないなら手で片づける人を決めます。

五番目に、権限の線を引きます。担当作業の付け替えと、消したものの復元は、所有者にしかできません。とりまとめる人がその権限を持っているかを確かめてください。

六番目に、記録が消える設定を確認します。保存期間を短くしているなら、決定を残す場所が会話とは別にあるかを先に確かめます。

そして最後に、入力が続く形になっているかを見ます。板の上に会話も工程も置いてひとつにまとめる形についてはできることに整理があり、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという料金の考え方は料金にまとめてあります。他の道具の進捗の見せ方と並べたい場合は比較の一覧から、作業の割り当てを軸に見るならAsanaとの比較、記録の残し方を軸に見るならNotionとの比較、案件の一覧の作りを見るならmonday.comとの比較を参照してください。移す段取りはTrelloからの移行、データの扱いは安全性の考え方、細かい疑問はよくある質問にあります。

Q1. Basecampで進捗率は自動で出ますか?

出ません。案件の状態を示す針は順調、いくらか懸念あり、心配ありの3段階を人が選ぶ仕組みで、丘の画面も自動では更新されず人が点を動かすとヘルプに明記されています。数字で報告する必要がある場合は、期限を過ぎた作業の一覧や、追加と完了の件数を期間で追うレポートから自分で計算することになります。

Q2. 定例会議の代わりになる仕組みはありますか?

決まった質問を決まった周期で自動的に投げて、全員の答えをひとつの記録にまとめる仕組みが用意されています。公式の説明では、毎週月曜の朝9時に今週何に取り組むかを聞く形が例に挙げられています。特定の1人の答えだけを時系列で追うこともできます。答えは案件をまたいでまとめて読める画面もあります。

Q3. 担当が決まっていない作業をまとめて見られますか?

見られます。レポートの中に、担当が決まっていないやることとカードを案件をまたいで集める画面があります。案件が止まる理由の多くは担当が空欄のまま残っていることなので、週に1回この画面を開いて上から担当を決める作業は、進捗管理の中でも効き目が大きい部類です。

Q4. 会話の記録はずっと残りますか?

既定では、個別のやり取りも会話も、アカウントが存在する限り検索できる形で保存されます。ただし管理機能を強化する追加を入れると、永久、30日、90日、1年、2年から保存期間を選べるようになります。期間を過ぎた書き込みは添付ファイルごと完全に削除され、復元できないと明記されています。設定を変える前に、決定を残す場所が会話とは別にあるか確かめてください。

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