Chatworkの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める
Chatworkの代わりを探し始めると、候補はいくらでも出てきます。困るのは候補が少ないことではなく、比べる軸が定まらないことです。ここでは、候補を並べる前に済ませておくべき棚卸しの手順を示します。いま何に使っていて、そのうち何を手放してよいのか。ここが決まっていないと、どの候補も一長一短に見えて、検討が止まります。
候補を並べる前に、いま何に使っているかを数える
最初にやるのは、機能の比較ではありません。自分たちの使い方を数えることです。数えるのは4つで足ります。
1つ目は、やりとりしている相手の内訳です。社内だけか、取引先が入っているか。取引先が入っているなら、その数はいくつか。2つ目は、タスク機能を何件使っているか。実際に期限付きで運用されているものの件数です。3つ目は、ファイルをどれくらい置いているか。4つ目は、過去の会話をどれくらいの頻度でさかのぼって読んでいるか。
この4つを数えると、たいていの職場で偏りが見えます。よくあるのは、社内の会話だけが圧倒的に多く、タスク機能はほとんど使われておらず、ファイルは別の保管場所にあり、過去の会話をさかのぼる機会も月に数回、という形です。この場合、代わりに求めるべきものはかなり絞れます。
反対に、取引先との会話が全体の半分を占めている場合は、話がまったく変わります。相手がすでにその道具を使っていることが前提になっているので、こちらの都合だけで乗り換えると、相手にも移ってもらう交渉が必要になります。ここは機能の比較では埋まりません。
数えるのに必要な時間は、1時間もかかりません。管理画面から利用者の一覧と、参加しているチャットの一覧を取り出せば、おおよその割合は出ます。この1時間を惜しむと、比較の段階で何週間も迷うことになります。
手放せないものの筆頭は、社外の人とのつながり方
この道具が国内で広く使われている理由のひとつが、社外の人と直接つながれる仕組みです。相手が同じ道具を使っていれば、会社をまたいでも1対1のやりとりができます。取引先がすでに使っている確率が高いため、こちらから声をかけたときに「うちも使っています」と返ってくる場面が多くなります。
ここは、代わりを探すときに最も引っかかる部分です。社内向けに設計された道具は、外部の人を入れるときに招待の手続きが要ります。相手の会社の情報管理の規則で、外部の道具にアカウントを作れない場合もあります。つまり、社外とのつながりは機能ではなく、相手側の事情も含めた条件になります。
無料の枠で使っている場合、この社外とのつながりには上限があります。公式の料金ページによると、フリープランの組織外コンタクトは1利用者あたり20人までです。この制限は、後から追加されたものです。2024年8月29日の告知では、変更前は制限なしだったものが、変更日以降は組織外コンタクトが20人までになったと説明されています。同じ告知では、保存容量が組織あたり5GBから10GBへ増えたこと、メッセージの閲覧制限が「直近40日以内に投稿された最新5,000件」から「直近40日以内に投稿されたメッセージ」へ変わったことも記載されています。
棚卸しの段階で確かめるのは、その社外の相手と、別の手段でやりとりできるかどうかです。メールで足りる相手、電話で足りる相手、共有の画面を1枚渡せば足りる相手。分けてみると、本当にこの道具でつながっている必要がある相手は、思ったより少ないことがあります。
タスク機能がチャットの中にあることの意味
もうひとつ、この道具を特徴づけているのがタスク機能です。会話の流れの中から、そのままタスクを作って相手に振れます。別の画面へ移動する必要がないので、思いついた瞬間に登録できます。
この仕組みは、2026年に作り直されました。公式の告知によると、それまではタスクに複数の担当者を設定すると人数分のタスクが作られ、本文や期限を変えるときに1つずつ直す必要がありました。変更後は、複数人に対して1つのタスクで管理する形になり、依頼者でも担当者でも本文や期限を編集すると、他の担当者全員に同じ内容が反映されます。完了の処理も、同じタスクの担当者どうしで互いに扱えるようになりました。この変更は2026年9月上旬に予定されており、告知には、それ以前に作られたタスクも自動的に新しい形へ移ると書かれています。
代わりを探す立場から見ると、ここは手放せるかどうかの判断が分かれる部分です。タスクが会話と同じ場所にあることには利点も欠点もあります。利点は登録の速さ、欠点は一覧性です。タスクがチャットごとに分散するため、案件全体でいま何が残っているかを1枚で見るのは得意な形ではありません。
判断の目安は、棚卸しで数えたタスクの件数です。実際に期限付きで運用されているタスクが10件に満たないなら、その機能は手放してよい部類に入ります。逆に、100件を超えて回っているなら、代わりの道具でも同じ速さで登録できるかを最優先で確かめます。
料金の形を、いまの名前で正確に押さえる
比較の資料を作るときに、ここで間違えると全部やり直しになります。2026年に有料プランの名前が変わりました。公式の告知によると、2026年8月4日から、ビジネスプランがスタンダードプランへ、エンタープライズプランがプロフェッショナルプランへ名称が変わっています。告知には、変更はプラン名称のみで、機能、利用料金、契約条件に変更はないと明記されています。新規の申し込みは2026年8月4日から新しい名前で、既存の契約は2026年8月12日以降に順次移行し、2026年9月30日に完了予定とされています。
金額は公式の料金ページに記載があります。フリープランは0円。スタンダードプランは年間契約で1利用者あたり月700円(税抜)、月間契約なら月840円(税抜)。プロフェッショナルプランは年間契約で月1,200円(税抜)、月間契約なら月1,440円(税抜)です。注記には、プロフェッショナルプランの最小利用者数が5人であること、表示価格がすべて税抜であることが書かれています。
契約の形にも注意点があります。公式ページの質問と回答の欄には、有料プランへ上げたあとフリープランへ戻すことはできないこと、年間契約の途中で月額契約へ切り替えることはできないこと、月の途中で解約しても利用日数にかかわらず規定分の全額を支払う必要があることが記載されています。また、利用者数とライセンス数が異なる場合はライセンス数に基づいて料金が発生する、とも書かれています。実際に在籍している人数ではなく、購入したライセンスの数で請求される形です。
比較の表を作るときは、この「ライセンス数で請求される」点を他の候補と揃えて見ます。人数が増減する職場では、実在の人数で課金される形と、購入した枠で課金される形とで、年間の総額がかなり変わります。
無料のまま続けている場合に、実際に効いている制限
無料の枠で使い続けている職場は少なくありません。この場合、代わりを探す動機は費用ではなく、制限であることが多いはずです。効いている制限を特定すると、候補の条件が決まります。
公式の料金ページに載っている無料の枠の内容は、利用者数が組織あたり100人まで、保存容量が組織あたり10GB、メッセージの閲覧が直近40日以内、組織外コンタクトが1利用者あたり20人まで、ビデオ通話と音声通話が1対1、というものです。メッセージへの反応は6種類、検索は基本のものだけ、と記載されています。広告の表示についても、無料の枠では表示ありとされています。
このうち、業務の支障として挙がりやすいのは閲覧の40日です。2か月前に決まったことを確かめようとすると、会話が読めません。議事録を別の場所に残す運用で回避している職場もありますが、その運用自体が手間になります。次に挙がるのが組織外コンタクトの20人で、取引先の担当者が増えるとすぐに当たります。
効いている制限が閲覧の40日だけなら、選ぶべき候補の条件は「過去の記録が消えないこと」です。会話の速さや反応の種類は二の次になります。効いているのが組織外の人数なら、条件は「外部の人を何人でも入れられること」です。制限を1つに特定してから候補を見ると、比較が一気に速くなります。
4つの節目を確かめる。終了、新規の受付、運営、料金
他社の道具を検討するとき、料金だけを見て判断するのは危険です。事業が終了しないか、新規の受付が止まっていないか、運営する会社が変わっていないか、料金の形が変わっていないか。この4点を公開情報で確かめます。いま使っている道具についても、同じ目で見ておく必要があります。
運営する会社については、変更がありました。公式の企業サイトには次のように書かれています。
2024年7月1日、Chatwork株式会社は株式会社kubellへと社名変更しました。 出典: kubell.com
同じページでは、ビジネスチャットの会社から、業務そのものを請け負う形のクラウドサービスへ軸を広げる方針が説明されています。事業内容のページには、ビジネスチャットのほか、経理や労務や採用や営業事務といった業務を外部に依頼できるサービスが並んでいます。サービス自体の名前は変わっておらず、提供が続いている点は公式サイトから確認できます。
終了については、サービス全体の終了を示す告知は見当たりません。ただし一部の範囲では終了の予定が告知されています。2026年9月4日の告知によると、中国語(繁体字)とベトナム語での表示提供が、2026年11月30日をもって終了します。対象は本体の表示言語とサービスサイトの表示で、終了後は自動的に英語表示に切り替わると説明されています。同じ告知には、これは表示言語のみの変更で、アカウント情報、チャット履歴、送受信ファイル、タスクなどのデータには影響がなく、機能、契約内容、料金にも変更はないと書かれています。
新規の受付については、止まっていません。ただし手続きが1つ増えました。2026年7月17日の告知によると、2026年8月から新規登録時に電話を使った本人確認が追加されます。登録画面に表示される番号へ本人の電話から発信する形で、呼び出しの段階で発信者番号を確認して切断するため通話料は発生せず、所要時間は数秒を想定していると説明されています。すでに利用中の利用者に追加の操作は発生せず、利用者の追加にも影響しないとされています。一方で、番号非通知の設定やIP電話からは認証できないこと、発信できる日本国内の電話回線が必要であることが記載されています。導入の背景として、2026年1月以降、実在の企業や個人になりすましたアカウントを作る手口が確認されていることが挙げられています。
料金の改定については、直近の告知は名称の変更のみで、金額そのものの改定を示す告知は見当たりません。
候補を、3つの型に分けてから見る
ここまでの棚卸しを踏まえると、候補は3つの型に分かれます。型を分けずに並べると、比べる項目が噛み合いません。
1つ目は、会話が中心の型です。速いやりとり、社外との接続、通話。いまの使い方が会話にほぼ全振りされている職場は、この型の候補で足ります。乗り換えの主眼は、過去の記録が残ること、外部の人を何人でも入れられること、費用の形が合うことです。
2つ目は、進行の管理が中心の型です。案件ごとに作業を並べ、担当と期限を持たせ、いまどこで止まっているかを1枚で見る形です。棚卸しでタスクの件数が多く出た職場は、こちらへ寄せると詰まりが減ります。会話の速さは落ちますが、探す時間が減ります。板の形で作業を追う道具との違いはTrelloとの比較に、担当と期限を軸にした形はAsanaとの比較に整理されています。
3つ目は、併用する型です。会話は今の道具のまま残し、進行の管理だけを別の道具へ移します。取引先とのつながりを手放せない職場では、これが現実的な着地になることが多くなります。欠点は、置き場所が2つになることです。どちらに何を書くかの取り決めを1行で決めておかないと、両方が中途半端に埋まります。
自分たちがどの型なのかは、棚卸しの1つ目と2つ目で決まります。社外の相手が多く、タスクの件数が少ないなら1つ目。社内中心でタスクが多いなら2つ目。社外が多くタスクも多いなら3つ目です。
手放してよい機能は、30日の使用実績で切る
機能の一覧を左右に並べて丸を付けていく比較表は、たいてい判断の役に立ちません。丸が多いほうが良いように見えますが、使っていない機能の丸には価値がないからです。
代わりに使えるのが、直近30日の使用実績で切る方法です。30日のあいだに一度も使われなかった機能は、手放してよい候補に入れます。「いつか使うかもしれない」を残し始めると、候補が絞れません。実際に、半年使っていない機能が突然必要になる確率は高くありません。
この切り方をすると、多くの職場で手放せる側に回るのは、予約送信、反応の種類、通話の人数、細かい検索の条件、あたりです。残る側に回るのは、社外とのつながり、過去の記録、ファイルの置き場所、通知の届き方です。並べてみると、残る側はどれも「情報が消えないこと」と「届くこと」に関わっています。
手放す側に入れたものは、比較表から列ごと消します。列が減ると、候補ごとの本当の差が見えます。10列の表で丸の数を数えるより、3列の表で中身を確かめるほうが、判断は速く正確になります。
移したあとに必ず残る手作業
候補が決まっても、移行がそのまま済むわけではありません。必ず手で作り直す部分が残ります。ここを見込んでおかないと、移行の途中で止まります。
最も重いのは、社外の相手への案内です。取引先ごとに、新しい連絡先をどう伝えるか、いつから切り替えるかを個別に調整する必要があります。相手の担当者が複数いれば、その全員に届ける必要があります。取引先が20社あれば、20回の調整です。ここは自動化できません。
次に重いのが、進行中のタスクの移し替えです。過去の完了済みタスクを全部運ぶ必要はありませんが、いま動いているものは移さないと抜けます。担当と期限を保ったまま移せるかどうかは、候補ごとに確かめます。
3つ目が、外部の道具とつないでいる部分です。公式の開発者向け資料によると、この道具の外部接続を使うには、パーソナルプランを除いて組織管理者への申請が必要とされています。すでに申請して使っている連携がある場合、その処理をどこへ移すかを決める必要があります。
並走させる期間と、やめる日を先に決める
移行で失敗する典型が、期限を切らずに並走させることです。両方が生きていると、人は書きやすいほうへ書きます。結果として、どちらにも半分ずつ情報が溜まり、探す時間が倍になります。
決めるのは2つです。並走させる期間と、元の道具の使用をやめる日。期間は4週間を上限にします。それ以上引き延ばすと、移行そのものが日常になって終わりません。やめる日は、期間の初日に全員へ伝えます。
やめる日を過ぎたあと、元の道具をすぐ解約するかどうかは別に判断します。過去の記録を参照する必要があるなら、無料の枠に落とせるかを確認します。ただし公式ページには、有料プランへ上げたあとフリープランへ戻すことはできないと明記されています。解約前に、参照が必要な記録を取り出しておく必要があります。
取り出しの手段としては、チャットログの書き出しが料金表の機能一覧に記載されていますが、制限ありという注記が付いています。どの範囲まで取り出せるかは、解約を決める前に管理画面で実際に1回試して確かめておきます。
ファイルの置き場所を、乗り換えの前に決め直す
棚卸しの3つ目で数えたファイルの量は、候補の絞り込みに直結します。公式の料金ページによると、保存容量は無料の枠が組織あたり10GB、有料のプランは1利用者あたり10GBです。数え方が組織単位から利用者単位へ変わるため、人数が多い職場では有料に移った時点で総量が一気に増えます。注記には、ファイルの保存容量を追加する場合はオプション料金が必要だと書かれています。
乗り換えを検討する段階で確かめておきたいのは、その容量を本当に使っているかどうかです。多くの職場では、やりとりの過程で投げ合った確認用のファイルが大半を占めています。最終版は別の保管場所にあり、道具の中に残っているのは途中経過です。この場合、容量は判断の軸になりません。
反対に、この道具が実質的な保管場所になっている職場では、乗り換えは重くなります。過去に投げたファイルを検索で探す運用が根付いていると、その運用ごと移す必要があります。候補側でファイルを同じように探せるか、あるいはファイルだけ別の保管場所へ切り出せるかを先に決めます。
現実的な進め方は、乗り換えとは切り離して、先にファイルの置き場所を整理することです。会話の道具を保管場所として使わない形にしておけば、乗り換えの検討で考えるべき項目が1つ減ります。この整理は、乗り換えをやめた場合でも無駄になりません。
通知の届き方が、乗り換えの成否を分ける
機能の比較では見落とされやすく、実際の定着を左右するのが通知です。いまの道具で、自分宛てのメッセージがどう届いているかを思い出してください。画面の上部に数が出る、端末に知らせが来る、メールにも届く。この形に全員が慣れています。
乗り換え先で通知の形が変わると、最初の2週間は必ず見落としが出ます。見落としが1回起きると、「新しいほうは見ていないから、大事な話は前の道具で」という運用が生まれます。こうなると並走が固定化し、乗り換えは事実上失敗します。
防ぐには、乗り換えの初日に通知の設定を全員分そろえます。各自に任せると、既定のまま使う人と全部切る人に分かれます。とくに確かめておくのは、自分宛ての指定が付いたときに端末へ届くか、返事が要る話とそうでない話を分けて受け取れるか、の2点です。
あわせて、いまの道具で使っている「自分宛て一覧」に相当する画面が候補側にあるかを見ます。自分に関係する話だけを1枚で確認できる画面が無いと、全部の会話を追うことになり、すぐに見なくなります。公式の料金ページでは、自分宛てのメッセージ一覧は無料の枠でも使える基本機能として並んでいます。ここを当たり前だと思っていると、候補側で欠けていることに気づかないまま移してしまいます。
試用の期間を、業務の山に合わせて取る
候補が2つか3つに絞れたら、試します。ここで多いのが、暇な時期に試して「問題なさそう」と判断し、繁忙期に入ってから破綻する形です。道具の向き不向きは、順調なときには出てきません。
試す時期は、案件が重なる週に合わせます。同時に3件も4件も動いていて、取引先からの差し込みが入り、担当が入れ替わる。この状態で回るかどうかが、本番の条件です。静かな週に試して分かるのは、画面の見やすさくらいです。
期間の目安は2週間です。1週間では慣れの段階が終わりません。1か月だと、試用のつもりが本番になってしまい、やめる判断がしにくくなります。なお、いまの道具については、公式ページの質問と回答の欄に、有料プランを1か月お試しで利用できると記載があります。候補側にも同等の試用枠があるかは、申し込み前に確かめます。
試すときに見るのは、機能が動くかどうかではありません。参加した人が自分から書き込むかどうかです。書き込んだ人の数を、2週間のあいだ毎日数えます。この数字が3日目以降に伸びないなら、その候補は定着しません。機能の評価より、この1つの数字のほうが判断材料として確かです。
社内から出る反対と、その答え方
乗り換えの検討で必ず出るのが、社内の反対です。多くの場合、反対の中身は3つに分かれます。
1つ目は、慣れです。今の画面に慣れているので変えたくない、という反対です。これは正当な理由なので、否定せずに扱います。効くのは、変える範囲を狭く見せることです。会話は今のまま、進行の管理だけを別の場所に移す、という形なら反対は小さくなります。
2つ目は、取引先への影響です。相手に迷惑がかかる、という反対で、これは実際に起きます。答え方は、取引先ごとに切り分けることです。棚卸しで数えた社外の相手のうち、本当に移ってもらう必要がある相手は何社かを示すと、話が具体になります。全社が対象だと思われている間は、反対が止まりません。
3つ目は、費用です。今より高くなるなら意味がない、という反対です。ここは数字で答えます。いまの契約がライセンス数で請求されている場合、実在の人数との差を出します。年間契約と月間契約の差も出します。そのうえで候補の年額を並べると、感覚ではなく金額で議論できます。
3つとも、答えの材料は棚卸しの中にあります。棚卸しを飛ばして候補から入ると、この3つに何も返せません。
選び直すときに効く、3つの軸
最後に、候補を絞り込むための軸を3つに整理します。機能の数ではなく、この3つで見ます。
1つ目は、記録が消えないかです。無料の枠で過去の会話が読めなくなる形か、期間の制限がない形か。ここは運用でごまかせません。棚卸しで「過去をさかのぼる頻度」を数えているなら、その数字に照らして判断します。月に数回でも遡るなら、消える形は避けます。
2つ目は、料金が何で増えるかです。実在の人数で増えるのか、購入した枠で増えるのか、扱う案件や板の数で増えるのか。人の出入りが多い職場は、ここの形の違いが年額に直結します。機能で絞らず、区切るのは人数と板の数だけという形であれば、プランごとに使える機能が変わらないので、比較表の列そのものが要らなくなります。区切り方の違いは料金に、使える機能の範囲はできることにまとまっています。
3つ目は、外部の人を入れられるかです。取引先を入れる前提なら、招待の手続きと人数の扱いを先に確かめます。社外の人を入れるときの考え方は安全性の考え方に整理されています。
候補ごとの違いを横に並べるなら比較の一覧から辿れます。資料の置き場所と作業の追跡を同じ場所に置く形はNotionとの比較、表の形で担当と工程を並べる形はmonday.comとの比較、国内の開発現場で使われてきた形はBacklogとの比較、国産の板型の道具はJootoとの比較にそれぞれ整理されています。いま板の形で管理している内容をそのまま運べるかどうかはTrelloからの移行、検討の途中で出やすい疑問はよくある質問で確かめられます。
Q1. Chatworkの有料プランの名前が変わったと聞きました。料金も変わりましたか?
公式の告知によると、2026年8月4日からビジネスプランがスタンダードプランへ、エンタープライズプランがプロフェッショナルプランへ名称が変わりました。告知には、変更はプラン名称のみで、機能、利用料金、契約条件に変更はないと明記されています。既存の契約は2026年8月12日以降に順次移行し、2026年9月30日に完了予定とされています。
Q2. 無料のまま使い続ける場合、いちばん困る制限はどれですか?
公式の料金ページによると、フリープランはメッセージの閲覧が直近40日以内に限られます。2か月前に決まったことを確かめられないため、議事録を別の場所に残す運用が必要になります。次に当たりやすいのが組織外コンタクトの上限で、1利用者あたり20人までです。取引先の担当者が増えると早い段階で届きます。
Q3. 乗り換えるとき、過去のやりとりは取り出せますか?
料金表の機能一覧にはチャットログの書き出しが挙がっていますが、制限ありという注記が付いています。どの範囲まで取り出せるかは、解約を決める前に管理画面で1回試して確かめてください。有料プランへ上げたあとフリープランへ戻すことはできないと公式ページに明記されているため、解約前に必要な記録を取り出しておく必要があります。
Q4. 取引先が使っているので乗り換えられません。どうすればよいですか?
会話は今のまま残し、進行の管理だけを別の道具へ移す併用の形が現実的です。そのうえで、社外の相手を棚卸しして、本当に移ってもらう必要がある相手が何社かを数えてください。メールで足りる相手、共有の画面を1枚渡せば足りる相手を分けると、調整が必要な社数はたいてい想定より少なくなります。