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Chatworkからデータを移す|持ち出せるものと、手で作り直す部分

2026年9月13日 ・ Pinateca編集部

Chatworkから別の道具へ移すと決めたとき、最初に立ちはだかるのは「過去のやりとりをどうするか」です。全部運べると思って作業を始めると、途中で仕様の上限に当たって止まります。逆に何も運ばずに切り替えると、3か月後に必要な記録が見つからず、結局元の契約を残し続けることになります。ここでは公式の仕様に書かれている内容から、持ち出せる範囲と、手で作り直すしかない範囲を切り分けます。

移す前に決めるのは、何を移さないかのほう

移行の計画で最初に決めるのは、運ぶ対象ではなく、運ばない対象です。ここを決めずに始めると、作業量が読めません。

運ばない側に入れてよいものは、はっきりしています。完了して1年以上経った案件のやりとり、すでに退職した人が担当していた会話、最終版が別の場所に保管されている資料の途中経過。これらは、移す手間に対して読み返される確率が低すぎます。

運ぶ側に入れるのは、いま動いている案件に関する記録だけに絞ります。具体的には、進行中のタスク、進行中の案件で決まった事項、その案件で使う最新のファイル。この3つです。件数にすると、多くの職場で数百件の単位に収まります。

過去の記録をどうしても残したい場合は、移すのではなく、参照できる状態で保管する方向で考えます。移し先の道具に入れると、新しい記録に混ざって検索の邪魔になります。別の場所にまとめて置き、必要なときだけ開く形にしたほうが、移し先が使いやすくなります。

判断の目安として使えるのが、直近90日のあいだに実際にさかのぼって読んだ回数です。数えてみると、多くの職場で月に数回です。その頻度なら、別の場所に置いてあっても支障は出ません。

取り出す手段は2つある

公式の情報から確認できる取り出し方は2つです。管理画面からの書き出しと、APIを使った取得です。それぞれ性質が違います。

管理画面からの書き出しについては、公式の料金ページの機能一覧にチャットログの書き出しが挙がっています。ただし「制限あり」という注記が付いています。どの範囲まで書き出せるかは、実際に管理画面で1回試して確かめる必要があります。プランによって使えるかどうかも変わる位置に並んでいるため、いまの契約で使えるかを先に見ます。

APIを使う方法は、公式の開発者向け資料に仕様が公開されています。接続先は決まった宛先で、すべての要求に鍵を付ける必要があり、要求はかならず暗号化された経路で送る決まりです。取得できる対象として、自分の情報、自分の状態、自分のタスク一覧、コンタクト一覧、チャット一覧、チャットの情報、メンバー一覧、メッセージ一覧、タスク一覧、ファイル一覧、招待用の連絡先などが並んでいます。

どちらを使うかは、取り出したいものによります。会話をそのままの形で保管したいだけなら、管理画面の書き出しのほうが手間は少なくなります。取り出したものを移し先の形に変換して投入したいなら、APIのほうが扱いやすい形式で受け取れます。

APIを使う前に、申請と鍵の扱いを済ませる

APIを使う場合、いきなり書き始めることはできません。公式の資料には、鍵を発行する手順として、画面右上の利用者名から表示されるメニューでサービス連携を開き、左側のメニューから鍵の項目を選ぶ流れが説明されています。

そのうえで、組織で使っている場合は申請が必要です。公式の資料には、パーソナルプランを除いて組織管理者への申請が必要だと明記されています。申請の窓口が案内されており、使いたいアカウントでログインしたうえで申請する形です。移行の日程を引くときは、この申請にかかる日数を見込んでおきます。申請が通らないまま切り替えの日を迎えると、移行そのものが止まります。

鍵の扱いには注意が要ります。公式の資料には、鍵に有効期限がなく、機能に全面的に触れられるものだと書かれています。第三者に見せないよう扱いに十分注意すること、鍵は宛先の後ろに付ける形ではなく必ず要求の見出し部分に入れて送ることが、注意として記載されています。移行のために一時的に発行した鍵は、作業が終わったら無効にする手順まで含めて計画に入れます。

仕様の変更にも気をつけます。公式の変更履歴によると、2025年7月3日から、投稿や変更を行う操作では宛先の後ろに付けた項目を受け付けなくなり、本体に入れた項目だけを読む形になりました。あわせて、項目で操作の種類を指定する書き方も廃止されています。過去に書かれた移行用の処理をそのまま流用すると、この点で動かなくなります。

メッセージは、1回の取得で100件までしか返ってこない

移行の作業量を左右する最大の制約がこれです。公式の資料には、チャットのメッセージ一覧を取得する処理について、最大100件まで取得すると明記されています。同じく、チャットのファイル一覧も最大100件、チャットのタスク一覧も最大100件、自分のタスク一覧も最大100件です。

つまり、1つのチャットに5,000件のメッセージがあるなら、単純計算で50回に分けて取る必要があります。チャットの数が50個あれば、その掛け算になります。数万件の規模になると、取得の処理を作ること自体が1つの仕事です。

ここで判断が分かれます。移行のために処理を書く人手があるなら、時間をかけて取り切ることはできます。人手がないなら、管理画面からの書き出しで済ませるか、そもそも過去のメッセージを運ばない判断をします。前の節で触れたとおり、進行中の案件で決まった事項だけに絞れば、手で書き写せる量に収まることが多くなります。

現実的な折衷案として、進行中の案件については決まった事項だけを手で1枚にまとめ、過去のチャットは書き出しでまとめて保管し、必要になったら検索する、という形があります。この形なら、処理を書かずに済み、かつ記録も失いません。

取得の速さには上限がある

大量に取りに行く場合、もう1つ効いてくるのが速さの制限です。公式の資料に載っている応答の例には、残り回数、上限、制限が戻る時刻を示す見出しが含まれており、上限の値として300が示されています。

この数字が意味するのは、一定の時間のあいだに送れる要求の回数に上限があるということです。1件ずつ順番に取りに行く処理を書くと、上限に当たって待たされます。数万件を取るなら、待ち時間を含めて数時間から数日の作業になる前提で見積もります。

実務的な対処は3つあります。1つ目は、取る対象を絞ること。全チャットではなく、進行中の案件に関わるチャットだけに絞れば、回数は桁で減ります。2つ目は、業務時間外に動かすこと。待ちが入っても誰も困りません。3つ目は、途中で止まっても再開できる形にしておくことです。どこまで取ったかを記録しながら進めれば、失敗しても最初からやり直さずに済みます。

移行の日程を引くときは、この取得作業を切り替えの直前に置かないようにします。切り替え日の前夜に始めて、上限に当たって終わらない、という事故が起きます。切り替えの2週間前には取り終えておき、切り替え当日は差分だけを追う形にすると安全です。

タスクは、2026年の刷新で形そのものが変わっている

移行の計画を立てる時期によっては、ここで食い違いが出ます。公式の告知によると、2026年に複数担当のタスクの仕組みが刷新されました。それまではタスクに複数の担当者を設定すると人数分のタスクが作られていましたが、変更後は複数人に対して1つのタスクで管理する形になりました。本文や期限を編集すると他の担当者全員に同じ内容が反映され、完了の処理も同じタスクの担当者どうしで扱えるようになっています。

告知には、この変更が2026年9月上旬に予定されており、利用中の端末やアプリの版にかかわらず、すべての利用者に自動的に適用されると書かれています。それ以前に作られたタスクも自動的に新しい形へ移るとされています。

移行の作業にとって、これは無視できません。刷新の前に取り出したタスクの一覧と、刷新の後に取り出した一覧では、同じ作業の並び方が変わる可能性があります。担当者ごとに分かれていた行が1つにまとまるためです。移し先で「1つの作業に複数の担当」を表現できるかどうかも、あわせて確かめておく必要があります。

取り出す時期をずらせるなら、刷新が適用されたあとに取るほうが扱いやすくなります。適用の前後にまたがって作業すると、前半と後半で形が違うデータが混ざり、突き合わせに余計な手間がかかります。

ファイルは、一覧と実体を分けて考える

APIで取得できるファイルの一覧には、ファイルの識別番号、投稿した人の情報、元になったメッセージの番号、ファイル名、大きさ、投稿した時刻が含まれると公式の資料に記載されています。つまり、ここで取れるのは目録であって、ファイルそのものではありません。

実体を持ち出すには、目録をもとに1件ずつ取りに行く処理が要ります。件数が多ければ、前の節で触れた速さの制限にも当たります。ここも、全件を運ぶ前提で考えると作業が膨らみます。

現実的な進め方は、最新版だけに絞ることです。同じファイルの第3稿までが全部残っているなら、運ぶのは最終版だけで足ります。そもそも最終版が共有の保管場所に置かれている職場なら、この道具から運ぶべきファイルはほとんど無いはずです。

保存容量については、公式の料金ページに、無料の枠が組織あたり10GB、有料のプランが1利用者あたり10GBと記載されています。10人で使っていれば有料側の総量は100GBです。この数字を見て「全部運ぶのは無理だ」と判断するほうが、結果として早く終わります。

社外とのつながりは、移せない部分として扱う

データの移行で最も手間がかかるのは、実はデータではありません。取引先とのつながりです。コンタクト一覧を取得する処理は用意されていますが、取れるのは相手の情報であって、移し先で自動的につながるわけではありません。

移し先が招待制の道具であれば、取引先ごとに招待を送り、相手に受け取ってもらう必要があります。相手の会社の規則で外部の道具に登録できない場合もあります。ここは技術ではなく、交渉と調整の領域です。

進め方としては、取引先を3つに分けます。1つ目は、移し先に入ってもらう相手。継続的に案件が動いていて、やりとりの回数が多い相手だけをここに入れます。2つ目は、メールに戻す相手。やりとりの頻度が低ければ、メールで十分です。3つ目は、そもそも接点が終わっている相手。ここは何もしません。

この仕分けを先にやると、調整の件数が具体的な数字になります。取引先が50社あっても、1つ目に入るのは10社に満たないことが少なくありません。全社に案内を出す前提で考えていると、移行そのものを諦める判断になりがちです。

取り出したものを、移し先のどこに入れるか

取り出す方法ばかり考えていると、入れる先の設計が抜けます。取り出したデータをそのまま移し先に流し込むと、会話の形のまま大量の記録が並び、結局読めません。

入れる前に決めるのは、粒度の対応です。いまの道具ではチャット1つが案件に対応していることが多いはずです。移し先が案件ごとにページを持つ形なら、チャット1つが案件1つになります。移し先が板と札の形なら、チャット1つが板1枚、その中の決まった事項が札になります。

決まった事項をどう抜き出すかは、機械では難しい部分です。会話の中から結論だけを取り出す処理を書くより、案件の担当者が1件ずつ「いまの状態」を1枚にまとめ直すほうが、結果として速く正確になります。進行中の案件が20件なら、1件15分でも5時間です。

ファイルについては、移し先に入れるか、別の保管場所に置いて連絡先だけを残すかを決めます。移し先の保存容量に上限があるなら、後者のほうが安全です。ここも、移す前に1行の決まりを作っておくと、作業中に迷いません。

移行の途中で、絶対にやってはいけない操作

作業中の事故で最も重いのが、チャットの削除です。公式の資料には次のように書かれています。

グループチャットを退席すると、このグループチャットにある自分が担当者のタスク、および自分が送信したファイルがすべて削除されます。 グループチャットを削除すると、このグループチャットにあるメッセージ、タスク、ファイルがすべて削除されます。 (一度削除すると元に戻せません。) 出典: developer.chatwork.com

退席するだけでも、自分が担当のタスクと自分が送ったファイルが消える点は見落とされやすい部分です。移行が済んだつもりで整理を始めた人が退席し、まだ取り出していなかったファイルが消える、という事故が起こり得ます。

対策は単純です。移行の期間中は、チャットの退席と削除を全面的に禁止する、と全員に伝えます。整理は切り替えが完全に終わってから、担当を1人決めて行います。この1行を伝えておくだけで、取り返しのつかない事故はほぼ防げます。

あわせて、退職者のアカウントの扱いも決めておきます。移行の途中でアカウントを消すと、その人が担当だったタスクや送ったファイルが影響を受ける可能性があります。移行が終わるまでは、人事上の手続きとアカウントの削除を切り離しておくのが安全です。

外部の仕組みとつないでいる処理を、先に洗い出す

見落とされやすいのが、自動で流れ込んでくる通知です。問い合わせフォームの内容が自動で投稿される、監視の警報が自動で届く、日程の登録に合わせてタスクが作られる。こうした処理は、誰も意識していないまま何年も動いていることがあります。

公式の資料には、外部の仕組みとつなぐ手段として、鍵を使った接続のほか、利用者の許可を取って接続する方式と、出来事が起きたときに外へ知らせる方式が用意されていると書かれています。また、外部の連携を仲介するサービスを使った例として、電子メールが届いたら投稿する、不具合を検知して関係者にタスクを振る、日程に予定が追加されたらタスクを振る、といった使い方が挙げられています。

移行の計画では、これらを1つずつ洗い出して、移し先へ付け替えるか、いったん止めるかを決めます。洗い出しの手がかりは、自動で投稿されている内容そのものです。投稿者の名前が人ではないもの、決まった書式で毎日届いているものを探せば、たいてい見つかります。

付け替えを忘れると、切り替えた後も古い道具へ通知が流れ続けます。誰も見ていない場所に警報が届く状態は、気づくのが遅れるだけ危険です。切り替えの日には、自動の処理も同時に止めるか移すかを決めておきます。仲介のサービスを使っている場合は、宛先を差し替えるだけで済むことが多いので、作業そのものは軽く済みます。

誰がやるかと、どれくらいかかるかを見積もる

移行が止まる原因の多くは、技術ではなく人手です。担当を決めずに「手の空いた人がやる」形にすると、誰も着手しません。

必要な役割は3つです。1つ目は、取り出しと投入を実際に行う人。2つ目は、案件ごとに「いまの状態」を1枚にまとめ直す人。これは案件の担当者本人がやります。3つ目は、取引先への案内と日程の調整をする人。この3つを兼任させると、どれかが必ず遅れます。

時間の目安を出しておくと、計画が具体になります。案件ごとの状態をまとめ直す作業は、1件あたり15分前後です。進行中の案件が20件なら5時間で、担当者が5人いれば1人1時間です。取引先への案内は、1社あたり30分を見込みます。10社なら5時間です。

取り出しの作業だけは、量によって大きく振れます。処理を書くなら半日から数日、管理画面の書き出しで済ませるなら数時間です。ここが読めないと全体が読めないので、計画の最初に小さく試して所要時間を測ります。1つのチャットだけを対象に取り出してみれば、全体の目安は掛け算で出ます。

この見積もりを出さないまま進めると、「思ったより時間がかかる」という理由で途中で止まります。止まった移行は、並走が固定化して元に戻ります。

移し終わったあと、抜けていないかを確かめる

切り替えたその日に「終わった」と判断するのは早すぎます。抜けは、たいてい1週間から2週間後に表に出ます。確かめる手順を先に決めておきます。

確かめる項目は3つで足ります。1つ目は、進行中のタスクの件数が合っているか。古い側で数えた件数と、移し先の件数を突き合わせます。差が出たら、どこで落ちたかを追います。2つ目は、案件の数が合っているか。3つ目は、参加している人が全員、移し先にいるか。

そのうえで、切り替えから1週間後に、参加者へ1つだけ質問します。「この1週間で、古いほうを見に行った回数は何回でしたか」。回数が多い人がいるなら、その人が必要としている情報が移せていません。何を見に行ったのかを聞けば、抜けている対象が具体的に分かります。

抜けが見つかったときに備えて、古い道具の契約は切り替え後もしばらく残します。前の節で触れたとおり、無料の枠へ落として記録だけ残すことはできないため、残すなら有料のままです。その費用を移行の予算として最初から見込んでおくと、慌てて解約して後悔する事態を避けられます。

なお、表示言語に関する変更が移行の判断に影響するのではと気にする声もありますが、公式の告知には、中国語(繁体字)とベトナム語の表示終了について、これは表示言語のみの変更で、アカウント情報、チャット履歴、送受信ファイル、タスクなどのデータには影響がなく、機能、契約内容、料金にも変更はないと明記されています。データの取り出しに関わる変更ではありません。

並走の期間と、切り替えの日取りを先に決める

移行がうまくいかない原因の大半は、期限を切らずに並走させることです。両方が生きていると、人は書きやすいほうへ書きます。結果として、どちらにも半分ずつ情報が溜まります。

決めるのは3つの日付です。取り出しを終える日、新しい道具で書き始める日、古い道具への書き込みをやめる日。取り出しを終える日は、切り替えの2週間前。書き始める日と、書き込みをやめる日のあいだが並走の期間で、上限は4週間にします。

並走の期間中は、古い道具を「読むだけ」に位置づけます。新しい話は新しい道具へ、過去の確認は古い道具へ。この区別が守られていれば、並走が長引いても情報が二重になりません。守られないのは、区別が曖昧なときです。

日付は、期間の初日に全員へ伝えます。伝える文面には、3つの日付と、チャットの退席と削除を禁止することの2点だけを書きます。項目が増えると読まれません。切り替えの前日には、もう一度同じ内容を送ります。

移し終わったあと、元の契約をどうするか

切り替えが済んでも、すぐに解約できるとは限りません。過去の記録を参照する必要が残っているなら、しばらく契約を維持する判断になります。ここで確かめておくべき制約があります。

公式の料金ページの質問と回答の欄には、有料プランへ上げたあとフリープランへ戻すことはできないと明記されています。つまり「費用を抑えるために無料の枠へ落として記録だけ残す」という選択は取れません。維持するなら有料のまま、やめるなら記録ごと手放す、という二択になります。

あわせて、年間契約の途中で月額契約へ切り替えることはできないこと、月の途中で解約しても利用日数にかかわらず規定分の全額を支払う必要があることも記載されています。年間契約の残り期間がある場合は、その期間を並走に充てる計画にすると無駄が出ません。

解約を決めるなら、その前に必要な記録を取り出し切ります。取り出したものが本当に読める形になっているかを、解約の1週間前に確かめます。ファイルが壊れていた、文字が化けていた、といった問題は、確かめなければ解約後まで気づきません。解約後に気づいても、もう戻せません。

移し先で新しく口座を作るときに増えた手順

移行の当日に足を取られやすいのが、アカウントを作る側の手続きです。移し先の道具だけでなく、いま使っている側でも手順が増えた点は知っておくと役に立ちます。

公式の告知によると、2026年8月から新規登録時に電話を使った本人確認が追加されました。登録画面に表示される番号へ、本人の電話から発信する形です。呼び出しの段階で発信者番号を確認して切断するため通話はつながらず、通話料は発生せず、所要時間は数秒を想定していると説明されています。

影響が及ぶ範囲も書かれています。いま使っている人が改めて認証をやり直す必要はなく、組織へ人を足す操作にも関係しません。手順が増えるのは管理者のアカウントを新しく作る場面だけで、発信できる日本国内の電話回線と、発信者番号を通知できる設定が要ります。番号を通知しない設定や、通信回線を使った電話からは認証できないと書かれています。

移行の場面でこれが効くのは、検証用に別の組織を新しく作ろうとしたときです。並走のテストのために新しい組織を用意する計画なら、電話回線が使えるかを先に確かめます。背景としては、2026年1月より後に、実在する会社や人を装ったアカウントが作られる事例が見つかっていることが説明されています。

移行を判断するときに効く、3つの軸

最後に、移すかどうか、どこまで移すかを決める軸を3つに絞ります。

1つ目は、過去の記録を本当に使っているかです。直近90日でさかのぼった回数を数えます。月に数回なら、別の場所に保管するだけで足ります。毎日さかのぼっているなら、移し先でも同じように探せるかを最優先で確かめます。ここを感覚で決めると、要らない作業を何週間も抱えることになります。

2つ目は、社外の相手を何社移すかです。前の節の仕分けで出た数字が、そのまま移行の重さになります。10社を超えるなら、調整に1か月は見込みます。ここを見誤ると、日程が全部ずれます。

3つ目は、移し先の形が自分たちの仕事の単位と合っているかです。会話が中心の職場と、案件ごとに作業を追う職場では、合う形が違います。板の形で作業を追う形との違いはTrelloとの比較に、担当と期限を軸にした形はAsanaとの比較に、資料と作業を同じ場所に置く形はNotionとの比較に整理されています。表の形で担当と工程を並べる形はmonday.comとの比較、国内の開発現場で使われてきた形はBacklogとの比較、国産の板型の道具はJootoとの比較にまとまっています。候補を横に並べて見るなら比較の一覧から辿れます。

移し先を選ぶ段階で確かめておくと手戻りが減るのは、費用が何で増えるかです。人数で増える形、購入した枠で増える形、扱う板の数で増える形があります。機能で絞らず、区切るのは人数と板の数だけという形であれば、プランによって使える機能が変わらないため、移行の途中で「この機能は上のプランだった」と気づく事故が起きません。区切り方は料金、使える機能の範囲はできることにまとまっています。板の形で管理している内容をそのまま運べるかどうかはTrelloからの移行、社外の人を入れるときの考え方は安全性の考え方、移行の前に出やすい疑問はよくある質問で確かめられます。

Q1. 過去のメッセージは全部取り出せますか?

公式のAPI仕様には、チャットのメッセージ一覧を取得する処理は最大100件までと明記されています。数千件あるチャットでは何十回にも分けて取る必要があり、送れる回数にも上限があります。管理画面からのチャットログ書き出しという手段もありますが、制限ありという注記が付いているため、範囲を実際に試して確かめてください。

Q2. APIを使うのに準備は要りますか?

鍵を発行したうえで、組織で使っている場合はパーソナルプランを除いて組織管理者への申請が必要だと公式資料に記載されています。申請にかかる日数を移行の日程に見込んでください。鍵には有効期限がなく機能に全面的に触れられるため、移行用に発行したものは作業後に無効化する手順まで計画に含めます。

Q3. タスクはそのままの形で移せますか?

2026年に複数担当のタスクの仕組みが刷新され、人数分に分かれていたタスクが1つにまとまる形へ変わりました。刷新の前後で一覧の並び方が変わる可能性があるため、取り出す時期は刷新が適用されたあとに寄せるほうが扱いやすくなります。移し先で1つの作業に複数の担当を持たせられるかも確かめてください。

Q4. 移行が済んだら、すぐ解約してよいですか?

解約の1週間前に、取り出した記録が実際に読める形になっているかを確かめてください。公式の料金ページには、有料プランからフリープランへ戻すことはできないと明記されているため、費用を抑えて記録だけ残すという選択は取れません。年間契約の残り期間がある場合は、その期間を並走に充てる計画にすると無駄が出ません。

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