ClickUpの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める
ClickUpの代わりを探し始めた人が最初にやりがちなのは、機能の一覧を横に並べて比べることです。しかしこの比べ方では判断が終わりません。相手のほうが機能が少なく見えるのは当然で、問題は「その少なさが自分たちに効くかどうか」だからです。ここでは2026年9月時点で公開されている料金ページの内容を確かめたうえで、手放してよい機能を先に決める順番を整理します。
探し始める理由は、3つのどれかに分かれる
代わりを探す動機を言葉にしておくと、候補の絞り方が変わります。実際に出てくる理由は、だいたい次の3つです。
1つ目が、費用です。人数が増えて年間の金額が想定を超えた、あるいは全員分を払う仕組みが自分たちの使い方と合わない、という理由です。
2つ目が、定着しないことです。管理する側は使えているが、作業する人が開かない。覚えることが多くて、入力が続かない。この理由で探している場合、道具を替えても同じことが起きる可能性があります。
3つ目が、特定の機能の制限です。無料の範囲で足りなくなった、あるいは特定の上限に当たった、という理由です。
この3つで、探すべき方向が変わります。費用が理由なら課金の単位を、定着が理由なら覚えることの量を、制限が理由ならその項目だけを見ればよく、他は比べる必要がありません。動機を1文で書けないまま候補を並べると、比較表を作ること自体が仕事になります。
探す前に、いま何を使っているかを数える
代わりを決める前の作業は、候補を集めることではありません。いまの使用実態を数えることです。ここを飛ばすと、使っていない機能の有無で判断してしまいます。
数えるのは次の6つです。
・実際に作られている入れ物の数。空間、フォルダ、リストがそれぞれいくつあるか ・実際に開かれている見方の種類。一覧、板、カレンダー、工程表のうち、どれを週に何回開いているか ・動いている自動化の数と、その内容 ・外部サービスとの連携で、止まると困るもの ・社外の人が入っている数と、その人が何をしているか ・添付ファイルの総量
この6つを数えると、たいてい驚くことになります。機能の一覧では数十個が使える状態でも、実際に毎週触られているのは4つか5つです。数えた結果が「一覧と板とカレンダーだけ」なら、候補を絞る条件はずいぶん緩くなります。
数え方のコツは、管理者の画面ではなく作業する人の画面から数えることです。管理者は設定のために一通り触っているので、使用実態を過大に見積もります。
もう1つ、数える期間を決めてください。過去30日で十分です。半年前に一度使っただけの機能を「使っている」に数えると、条件が無駄に厳しくなります。判断の基準は、無くなったら今月困るかどうかです。
数え終えたら、その結果を紙1枚にまとめて、作業する人に見せてください。たいてい「これしか使っていなかったのか」という反応が返ってきます。その反応自体が、候補を絞る合意の土台になります。数字を見ずに議論すると、機能が減ることへの漠然とした不安で話が止まります。
手放せるものと手放せないものを分ける
数えたものを2つの箱に入れます。判断の基準は「無くなったら、その日のうちに代わりの手当てが要るか」です。
手放しにくいのは、たいてい次のあたりです。
・作業の一覧と状態の管理。これが核なので、どの候補にもある ・担当と期限。同じく核 ・外部サービスとの自動連携のうち、業務の流れに組み込まれているもの ・過去のやり取りの記録。移せない場合、参照の手段を別に用意する必要がある
手放せることが多いのは、次のあたりです。
・複数ある見方のうち、月に1回も開いていないもの ・試しに作ったまま動いていない自動化 ・階層の深さそのもの。後で詳しく書きます ・使っていない外部サービスとの連携枠
この仕分けを書き出したら、手放せない側だけを候補の条件にします。手放せる側は比較表から消してください。消さずに残すと、相手に無い項目が並んで、実態より差が大きく見えます。
階層の深さは、移した先で再現しないほうがいい
代わりを探すときに最も引っかかるのが、入れ物の階層です。いまの道具では、空間、フォルダ、リスト、タスク、サブタスクといった段階があり、それぞれに上限が設定されています。料金ページの比較表では、無料の段階で空間が5つ、空間あたりのフォルダが100、空間あたりのリストが40という数字が並んでいます。有料の段階では、この上限が段階的に増えます。
深い階層を組める道具から移るとき、多くの人は同じ階層を新しい道具でも再現しようとします。これはたいてい失敗します。理由は2つです。
1つは、候補となる道具の多くが浅い階層で設計されており、無理に再現すると本来の使い方から外れるからです。もう1つは、深い階層そのものが定着しない原因になっていた可能性があるからです。作業する人が自分の担当を探すのに3階層下りる必要があるなら、その構造は使われません。
移行は、構造を作り直す機会でもあります。いまの階層を全部書き出して、それぞれに「実際に何件入っているか」を書き添えてください。1件か2件しか入っていない箱が並んでいるなら、その階層は要りません。
現場でよく聞くのは、移行後に階層を2段浅くしたら、更新する人が増えたという話です。構造の複雑さと、更新される率は反比例します。
課金の単位が、乗り換えの判断を縛っている
費用が動機なら、金額の前に数え方を確かめてください。公式のよくある質問には、次のように書かれています。
To upgrade ClickUp, you'll need to upgrade your entire Workspace, which means all members in your Workspace. 出典: clickup.com
つまり、一部の人だけを有料にする使い方はできません。ワークスペースに入っている全員が有料の人数になります。さらに、ワークスペースを複数持っている場合は支払いも別々になると案内されています。
この数え方は、代わりを選ぶときの比較軸になります。候補の道具が同じ数え方なのか、閲覧だけの人を無料で入れられるのか、社外の人を別枠で数えるのか。ここが違うと、同じ単価でも年額が大きく変わります。
社外の人の扱いも確かめてください。有料の段階では、社外向けの席数が社内の人数に連動する形になっています。公式の説明では、Unlimitedは有料1人の環境で5席、以降1人増えるごとに2席が付き、Businessは10席から始まり以降1人ごとに5席という並びです。読むだけの社外の人は無制限とされています。
社外との仕事が多い現場では、この連動が扱いにくくなります。協力会社が増えるたびに社内の契約を見直すことになるからです。代わりを選ぶなら、社外の人がどう数えられるかを最初の条件に入れてください。
自動化の回数上限は、比較軸になりにくい
比較表で目立つ項目の1つが自動化の回数です。無料の段階では有効な規則が5つで実行が100回、Unlimitedで規則500と実行1,000回、Businessで規則が無制限で実行5,000回、Enterpriseで実行250,000回という並びです。
数字が大きく見えるので、代わりを探すときにも同じ土俵で比べたくなります。しかし先に数えたはずです。実際に動いている自動化はいくつあったでしょうか。
現場で実際に動いているのは、多くて数個です。状態が完了に変わったら担当者に通知する、期限が過ぎたら印を付ける、といった単純なものが中心になります。数百の規則を運用しているなら話は別ですが、そうでないなら、この行は比較表から外してよい項目です。
もう1つ考えておきたいのは、誰が自動化を保守するかです。組んだ人が異動したあと、なぜその動きをするのか誰も説明できない、という状態はよく起きます。移行は、この種の負債を精算する機会でもあります。動いている自動化を1つずつ見て、いま必要な理由を書けないものは移さないでください。
AIの費用は、本体とは別に積み上がる
比較の土俵をそろえるときに見落とされやすいのが、AI関連の費用です。料金ページでは、本体のプランとは別の枠として表示されています。
Brain AIが1人あたり月9ドル、Everything AIが1人あたり月28ドルという表示です。さらに、利用量に応じた追加の購入があり、10,000単位で10ドルという単価が示されています。1単位あたり0.001ドルという計算です。
本体の上に積む形なので、Businessを契約していてBrain AIを足すと、1人あたりの負担は月21ドルになります。候補の道具と比べるときは、この積み上げ後の金額を使ってください。本体の単価だけで比べると、実際の支出と噛み合いません。
もう1点、価格が動く可能性が明記されています。料金ページには、AIの提供元が料金を上げた場合には段階的かつ透明に価格を調整する、という趣旨の方針が掲げられています。これは誠実な説明であると同時に、AI部分の費用は固定ではないという意味でもあります。年度の予算を組むときは、この部分を変動費として扱ってください。
替えても直らない問題を、先に分けておく
乗り換えで解決する問題と、しない問題があります。ここを分けずに動くと、移行に数か月かけたあとで同じ不満が出ます。
替えて直る見込みがあるのは、次のあたりです。
・課金の単位が使い方と合っていない ・特定の上限に当たっている ・画面に出る選択肢が多すぎて、作業する人が迷っている ・外部との共有の仕組みが、社外の人数と噛み合わない
替えても直らないのは、次のあたりです。
・入力する動機が誰にもない。入力しても自分の仕事が楽にならない状態 ・進行を決める場所が複数ある。チャットでも日程が動き、道具でも動く状態 ・とりまとめる人が1人で全部を入力している体制 ・そもそも案件の区切りが決まっておらず、何を1件とするかが人によって違う
後者の4つは、道具の外にある問題です。移行先でも同じ構造をそのまま持ち込むので、同じ結果になります。
とくに2つ目は見落とされがちです。日程の変更が口頭やチャットで決まり、あとで誰かが道具に反映する運用になっていると、道具の中の情報は常に遅れます。遅れた情報は信用されず、信用されないものは更新されません。この連鎖は、画面の使いやすさでは断ち切れません。
移行を検討する場面は、この種の運用を見直す数少ない機会でもあります。道具を替えることと、決めごとを作り直すことを、同じ時期にやってください。別々にやると、どちらの効果か分からなくなります。
保存しているファイルの量を、先に量る
見落とされやすい条件が1つあります。ファイルの容量です。無料の段階では60MBという上限が示されており、有料の段階では無制限とされています。作業そのものは容量に影響せず、容量に効くのは添付ファイルだけだと公式のよくある質問に説明されています。
いま有料で使っていて容量を気にしていない場合、自分たちが何GBを置いているかを把握していない可能性があります。候補の道具に同じ量が入るのか、入るとしたら追加費用が発生するのかは、先に確かめる条件です。
もう1つ考えたいのが、そもそもファイルを進行の道具に置くべきかという点です。図面や動画や大きな資料は、専用のファイル置き場に置いて、進行の道具からは参照だけする形にすると、次に乗り換えるときの移行がずっと軽くなります。
移行を機に、この方針を変える手もあります。過去のファイルはそのまま古い環境に残して閲覧用に1か月だけ契約を残し、新しい環境には新規のファイルだけを置く。こうすると、移行作業の大半を占めるファイルの移動が不要になります。ただし古い環境を閲覧のために残す期間は、費用が二重にかかります。
止めるときに何が起きるかを、契約の前に読む
移行を決めたら、いまの契約をどう終わらせるかも決めます。公式の案内から読み取れる条件を整理します。
解約はいつでもでき、現在の契約期間の終わりまで使えると案内されています。すぐに下の段階へ落とすことも選べるとあります。つまり、移行の作業期間中に契約を切ってしまって作業ができなくなる、という事態は避けられます。
返金については、購入から30日以内であれば全額の返金に応じるという趣旨の方針が掲げられています。契約したばかりで合わないと判断した場合は、この期間内に決める価値があります。
途中で人を追加した場合の請求は、残りの期間に応じた日割りになると説明されています。移行の途中で人を増やすと、その月の請求が跳ねます。移行期間中は人の追加を止める、という決めごとを作っておくと経理が混乱しません。
そして重要なのが、移行の完了日と契約の区切りを合わせることです。年払いの途中で移ると、使っていない期間の費用が残ります。逆に、区切りの直前に慌てて移ろうとすると、データの持ち出しが間に合いません。区切りの2か月前から準備を始めるくらいの余裕を見てください。
持ち出せるものを、先に確かめる
移ると決める前に必ずやることが1つあります。いまのデータを、どの形で外に出せるかの確認です。
確認するのは4点です。
・作業の一覧を、表の形で出せるか。出せる場合、どの項目まで含まれるか ・コメントや履歴が出せるか。出せない場合、参照の手段をどうするか ・添付ファイルをまとめて落とせるか ・担当者の対応付けをどうするか。移行先で同じ人に紐づく形にできるか
現場で最も時間を食うのは、後ろの2つです。ファイルの量が多い場合、落とすだけで日数がかかります。人の対応付けは、氏名の表記ゆれやアカウントの有無で必ず詰まります。
移行のスケジュールを引くときは、この2つに全体の半分の時間を割り当ててください。データを出す作業そのものは短く終わります。
なお、契約の終了については、いつでも解約でき、現在の契約期間の終わりまで使えると案内されています。すぐに下の段階へ落とすことも選べるとあります。移行の完了日と、契約の区切りを合わせておくと、二重に払う期間が生まれません。
終了や改定の予告が出ていないかを確かめる
候補を並べるときも、いまの道具を続ける判断をするときも、確かめるべき点は同じ4つです。提供が終わる予告が出ていないか。新規の受付が止まっていないか。運営している会社が変わっていないか。そして料金の改定が予告されていないか。
いまの道具について、2026年9月時点で公開されている料金ページから読み取れる範囲を挙げます。製品の提供が終わる予告は見当たりません。新規の受付停止の案内もありません。料金ページには4つの段階が並んでおり、いずれも申し込みの導線があります。
料金の改定については、先に触れたとおり、AI部分については段階的に調整する方針が明記されています。本体のプランについて改定を予告する記載は見当たりませんでした。
運営については、ページの末尾に記載があり、各種の認証を取得している旨が示されています。会社が入れ替わったことを示す記載は見当たりません。
候補の道具についても、同じ4点を必ず確かめてください。料金だけを比べて移った先が、半年後に新規の受付を止めていた、という事態は起こりえます。とくに、機能が近いのに極端に安い候補は、事業として続けられているかを先に見る価値があります。
費用の差が本当に出るのか、年額で確かめる
費用が動機なら、候補との差を年額で出しておいてください。単価の比較だけで動くと、移行の手間に見合わないことがあります。
いまの金額を出す式は単純です。ワークスペースに入っている人数に、選んでいる段階の単価を掛け、AIを足しているならその分を加えます。料金ページの表示は、Unlimitedが年払いで1人あたり月7ドル、月払いで月10ドル、Businessが年払いで月12ドル、月払いで月19ドルです。
20人がBusinessの年払いなら、月240ドル、年2,880ドルです。ここにBrain AIを全員分足すと、月に180ドルが乗って年5,040ドルになります。AIを全員に配るかどうかで、年額がほぼ倍になる計算です。
候補との差が年に数百ドルなら、移行に費やす人の時間のほうが高くつく可能性があります。移行にかかる時間を見積もって、時給を掛けてみてください。作業の移し替え、人の対応付け、社内への説明、定着までの生産性の低下。これらを合計すると、小さなチームでも数十時間になります。
差が年に数千ドル以上あるなら、移行の費用は1年以内に回収できます。この線引きを先にやっておくと、「なんとなく高い気がする」で動かずに済みます。
なお、金額は米ドル表示です。日本の会社が払う場合は為替が効くので、円に直す作業は判断の直前にやってください。
候補に含めないほうがよい相手
候補を集める段階で、外しておくべき相手があります。
1つ目が、いま使っている道具より明らかに機能が多い相手です。乗り換えの動機が定着や費用にあるなら、さらに多機能な道具に移っても解決しません。機能の多さは、選ぶときの安心と、使うときの迷いを同時にもたらします。
2つ目が、持ち出しの経路が不明な相手です。次に移るときのことを考えずに入ると、同じ悩みを数年後に繰り返します。候補を評価するとき、入る方法だけでなく出る方法を必ず確かめてください。
3つ目が、事業として続いているかが読み取れない相手です。更新の履歴が公開されているか、料金のページが最近更新されているか、問い合わせに返信が来るか。この3つで、ある程度は判断できます。
4つ目が、いまの困りごとと関係のない部分だけが優れている相手です。たとえば自動化が理由で探しているわけではないのに、自動化の強さを売りにしている候補を最終候補に残しても、判断材料になりません。
候補は3つまでに絞ってください。4つ以上を同時に試すと、比較表を作る作業そのものが本来の仕事を圧迫します。
候補を並べる軸を、機能の数から外す
ここまでの整理を踏まえると、比較表に置くべき軸は機能の数ではありません。次の6つに絞ると判断が速くなります。
・課金の単位。全員分を払うのか、使う人だけなのか ・社外の人の扱い。別枠か、社内の人数に連動するか ・覚えることの量。作業する人が使い始めるまでに説明が要る項目の数 ・入れ物の階層の深さ。浅いほうが定着しやすい ・持ち出しの経路。次に移るときに出せるか ・止まったときに誰に聞けるか。問い合わせの窓口と、対応する時間帯
このうち、最後の1つは見落とされがちです。時差のある提供元だと、日本の午前中に投げた問い合わせの返信が翌日になります。止まったときに業務が止まる性質の道具なら、ここは費用と同じ重みを持ちます。
機能の数を軸にすると、多いほうが良く見えます。しかし定着の観点では、多さは負債になりえます。作業する人が触る項目が少ないほど、使われる率は上がります。
乗り換えを決める前の、2週間の試し方
候補を2つか3つに絞ったら、実際に動かして確かめます。資料を読んで決めるのではなく、進行中の案件を1つ入れて試してください。
・1日目。候補の環境を作り、進行中の案件の作業を20件から30件入れる ・2日目。手放せないと決めた機能が、実際に同じことをできるか確かめる ・3日目。作業する人を2人招き、説明を10分だけして触ってもらう ・1週目の終わり。その2人が自分から更新したかを数える ・2週目。とりまとめる側が、週次の報告に使う一覧を作れるか試す ・2週目の終わり。いまの道具でかかっている時間と比べる
判定は1週目の終わりです。10分の説明で作業する人が触り始めたなら、その候補は定着します。触らなかったなら、原因が画面なのか説明なのかを切り分けてください。
このやり方の利点は、機能の有無ではなく使われるかどうかで決められることです。代わりを探している動機が定着にあるなら、これ以外に確かめようがありません。
試すときの注意点が2つあります。1つは、本物の案件を使うことです。架空の案件を作って試すと、実際の粒度や件数が再現されないので、重さも迷いも出ません。もう1つは、招く人を選びすぎないことです。新しい道具に前向きな人だけを招くと、結果が実態より良く出ます。むしろ、いまの道具を最も使っていない人を1人入れてください。その人が触ったなら、他の人も触ります。
2週間の試用を終えたら、結果を数字で残してください。招いた人数、自分から更新した人数、報告用の一覧を作るのにかかった時間。この3つを候補ごとに並べると、社内で説明するときに議論が短く済みます。
寄せられる相談から見えていること
道具の乗り換えについて届く相談を眺めていると、いちばん多いのは「機能が多すぎて使いこなせていない」という趣旨のものです。そして次に多いのが、その状態で別の道具を探すと、また機能の多さで選んでしまうという話です。
機能が多い道具は、選ぶ段階では安心材料になります。将来必要になるかもしれない項目が全部ある、という安心です。しかし運用が始まると、画面に並ぶ選択肢の多さが、作業する人にとっての迷いになります。迷いは入力の遅れになり、遅れた表は信用されなくなります。
もう1つ多いのが、契約の単位に関する相談です。進行を見る数人だけ有料にしたいのに、全員分を払う仕組みになっている。この不一致は、人数が増えるほど効いてきます。
こうした事情から、道具の作りとしては、段階ごとに機能を分けず機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形もありえます。どの契約でも同じことができるなら、とりまとめる人は「この操作は今の契約で許されるか」を調べずに済みます。そのかわり、高度な自動化や広い外部連携を求める使い方には応えられません。どちらが合うかは、先に数えた使用実態で決まります。
候補を横に並べて見るなら、Trelloとの比較、Asanaとの比較、Notionとの比較、monday.comとの比較、Backlogとの比較、Jootoとの比較が、それぞれ違う軸で整理されています。まとめて確かめるなら比較の一覧から入れます。何ができるかはできることに、人数で金額がどう変わるかは料金にあります。カードで管理していたものを運び込む手順はTrelloからの移行に、預ける形を選ぶときの判断材料は安全性の考え方に、乗り換え前に出やすい疑問はよくある質問にまとめてあります。
最後に、決める前に3つだけ答えを出してください。手放せない機能を3つ挙げられるか。全員分を払う仕組みのままでよいか。そして、作業する人が10分の説明で触り始めるか。この3つが埋まれば、候補は自然に1つに絞られます。
Q1. ClickUpから乗り換えるとき、最初にやることは何ですか?
候補を集めることではなく、いまの使用実態を数えることです。実際に作られている入れ物の数、週に開いている見方の種類、動いている自動化の数、止まると困る外部連携、社外の人の数、添付ファイルの総量。この6つを作業する人の画面から数えると、比較表に載せるべき項目がぐっと減ります。
Q2. 一部の人だけ有料にして費用を抑えられますか?
2026年9月時点の公式のよくある質問には、アップグレードはワークスペース全体に対して行うもので、ワークスペース内のすべてのメンバーが対象になると書かれています。ワークスペースを複数持っている場合は支払いも別々になります。この数え方が合わないことが乗り換えの動機なら、候補の課金の単位を最初の条件にしてください。
Q3. 移行先でも同じ階層構造を作るべきですか?
おすすめしません。多くの候補は浅い階層で設計されており、無理に再現すると本来の使い方から外れます。また、深い階層そのものが定着しない原因だった可能性もあります。移す前に階層を書き出し、1件か2件しか入っていない箱は畳んでください。階層を浅くしたら更新する人が増えた、という話はよく聞きます。
Q4. 比較するときに見るべき項目は何ですか?
機能の数ではなく、課金の単位、社外の人の扱い、覚えることの量、入れ物の階層の深さ、持ち出しの経路、そして止まったときの問い合わせ先と対応時間帯の6つです。とくに最後の1つは、時差のある提供元だと返信が翌日になるため、業務が止まる性質の道具では費用と同じ重みを持ちます。