ClickUpが使いにくいと感じるとき|合っていないのは道具か、組み方か
ClickUpが使いにくいと感じている場合、原因は1つではありません。組み方を直せば消える詰まりと、道具の性質としてどうしても残る詰まりが混ざっています。この2つを分けずに「合わないから替える」と決めると、替えた先でも同じ症状が出ます。ここでは、使いにくさの中身を分解して、どこに手を入れれば効くのかを順に見ていきます。
「使いにくい」を4つに分けて言い直す
進行をとりまとめる立場の人から出てくる「使いにくい」という言葉は、掘っていくとだいたい次の4つのどれかに落ちます。
・遅い。開くまで待たされる、切り替えるたびに止まる ・迷う。どこに何を入れるのか分からない、同じものが2か所にある ・うるさい。通知が多すぎて、大事なものが埋もれる ・触らせられない。見せたいだけの相手に、編集までできてしまう
この4つは、原因も対処もまったく違います。遅いのは主に構造と端末の問題、迷うのは設計の問題、うるさいのは初期設定の問題、触らせられないのは契約の段の問題です。まとめて「使いにくい」と言っている限り、どれにも手が入りません。
切り分けの第一歩は、誰がそう言っているかを確かめることです。とりまとめる人が使いにくいと言っているのか、作業する人が言っているのか。この2つは症状がまるで違います。とりまとめる人の不満は、たいてい「見たい形で見られない」ことに集まります。作業する人の不満は「入力が面倒」に集まります。前者は見方の設計で直ることが多く、後者は入力させる項目を減らすことで直ることが多くなります。
まず1週間、出てきた不満を紙に書き留めて、上の4つに仕分けてみてください。数を数えると、どこに手を入れれば一番多くの人が楽になるかが見えます。感覚のまま道具を替える判断をするより、この1週間のほうが結果的に早く進みます。
画面が重いと感じるとき、何が効いているか
遅いという訴えは、体感の問題なので測りにくいのですが、原因はある程度絞り込めます。
ひとつは、1つの画面に載せている件数です。数千件のタスクを1つの一覧に入れて、そこに並べ替えと絞り込みと集計を重ねると、描き直しに時間がかかります。これは道具の出来というより、量の問題です。見る単位を細かく区切って、1つの画面に載る件数を数百に収めると、体感がはっきり変わります。
ふたつめは、表示している項目の数です。カスタムの項目を20個も30個も作って、それを一覧に全部出していると、1行を描くたびに処理が増えます。一覧に出す項目は、その画面で判断に使うものだけに絞ってください。記録として持っておきたいだけの項目は、タスクを開いたときにだけ見えれば足ります。
みっつめは、端末とブラウザです。集める作りの道具は、画面の中で多くのことをこなすので、ブラウザのタブを大量に開いた状態だと影響を受けます。専用のアプリが用意されている場合はそちらを試すと、体感が変わることがあります。
ここまで試して変わらないなら、量に対して道具が合っていない可能性があります。ただし、その判断をする前に、本当に数千件を1つの画面で見る必要があるのかを考えてください。実務では、見たいのは「今週動くもの」と「遅れているもの」だけで、過去の完了分まで同じ画面に置いておく理由がないことがほとんどです。
迷うとき、削るべきなのは構造のほうである
入れる場所が分からない、同じものが2か所にある、という詰まりは、ほぼ例外なく構造の作りすぎが原因です。
集める作りの道具には、入れ物の階層が複数あります。階層があると、設計する側はつい全部の段を使いたくなります。部署で分けて、案件で分けて、工程で分けて、担当で分けて、という具合です。全部使うと、1つのタスクを置く場所の候補が何通りにも増えます。候補が増えれば、人によって置く場所が変わります。
直し方は単純で、使う段を減らすことです。判断の基準は「その段を分けないと困る人がいるか」です。困る人がいないなら、その段は要りません。5人から数十人のチームであれば、実際に必要な段は2つで足りることがほとんどです。
もうひとつ、迷いの原因になるのが状態の名前です。「対応中」「作業中」「進行中」が同じ板に並んでいると、どれを選べばよいのか誰にも分かりません。状態は、次に誰が動くかで決めるのが確実です。こちらが動く、相手が動く、終わった。この3つから始めて、足りなくなってから増やします。
必須にする項目も同じです。入力を必須にすればデータは揃いますが、必須が5つを超えたあたりから、人はタスクを作ること自体をやめます。チャットで済ませて板に載せなくなり、板の中身が実態と合わなくなります。データを揃えたい気持ちと、載せてもらいたい気持ちは、どこかで必ずぶつかります。載せてもらうほうを優先してください。
通知が多すぎて、誰も見なくなっているとき
通知の設定は、導入時にほとんど検討されないまま既定のまま使われます。そして数週間後、「通知が多すぎて見ていない」という状態になります。ここまで来ると、通知は無いのと同じです。
起きているのは、次のような重なりです。自分が作ったタスクの変更が届く。自分が担当のタスクの変更が届く。コメントがつくと届く。同じ内容がアプリとメールの両方に届く。これらが全部有効になっていると、1日に数十通が飛びます。
整理の考え方は、通知を「自分が動く必要があるもの」だけに絞ることです。具体的には、自分に担当が割り当てられたとき、自分宛てのコメントがついたとき、自分の担当分の期限が近づいたとき。この3つ以外は、開いたときにまとめて見れば足ります。
もうひとつ、届け先を1つに決めることです。アプリとメールの両方に同じものが届く設定にしておくと、人はどちらかを見なくなり、やがて両方を見なくなります。チームで「通知はここに来る」と1か所に決めておくと、見落としの責任の所在もはっきりします。
とりまとめる立場の人は、自分だけ全部の通知を受け取ろうとしがちですが、これも見直す価値があります。全部受け取るより、1日1回だけ全体を見る画面を開くほうが、結果的に把握できます。通知で追いかける仕事は、量が増えると必ず破綻します。
探しても見つからない、という詰まり方
集める作りの道具では、しばらく使うと「入れたはずのものが見つからない」が起きます。これは検索の性能だけの問題ではありません。同じ内容が複数の形で保存できてしまうことが原因です。
たとえば、ある決定事項が、タスクの説明文に書かれていることも、コメントに書かれていることも、別の文書に書かれていることも、ホワイトボードの付箋に書かれていることもあります。書いた人はそのときに一番近い場所へ書いただけですが、探す人は4か所を順に見ることになります。
対処は、置き場所の役割を決めることです。おすすめできる分け方は次のとおりです。
・決まったことは、案件の文書に1か所だけ書く ・途中のやり取りは、そのタスクのコメントに書く ・作業の依頼は、タスクとして立てる ・図や下書きは、文書に貼るか、リンクだけを残す
この取り決めを守らせるには、探す側が困った実例を共有するのが一番効きます。「先週の決定が3か所に分かれていて、古い内容で作業した人がいた」という話が1件あれば、ルールは通ります。抽象的な運用ルールを配っても、たいてい読まれません。
もうひとつ、完了したものの扱いを決めてください。終わったタスクを同じ場所に残し続けると、検索の結果に古いものが混ざります。区切りごとに別の場所へ移すか、表示から外す取り決めを作ると、探す時間が短くなります。残すこと自体は必要なので、消すのではなく、見える場所から外すのが正解です。
見せたいだけの相手に、編集までできてしまうとき
社外の人を板に入れたときに出る詰まりです。これは設定の工夫では消えません。契約している段によって、できることが変わるためです。
料金ページには、無料のワークスペースではメンバーもゲストも人数の制限なく無料で入れられると書かれています。ただし、無料のプランのゲストには作成と編集の権限がすべて与えられ、それを変えることはできないと明記されています。つまり、見せるだけにしたいという要求は、無料の段では満たせません。
有料の段に上げると、外部のゲストの席数に上限がつく代わりに、読み取り専用のゲストは無制限になります。席数の数え方は公式に具体的に書かれています。Unlimitedでは有料ユーザーが1人のワークスペースに5席、そこから有料ユーザーを1人増やすごとに2席が追加されます。Businessでは1人で10席、追加1人につき5席です。
この構造が使いにくさとして現れるのは、社外との仕事が多い現場です。協力会社が増えるたびに、席が足りるかどうかを計算し、足りなければ社内の契約を見直すことになります。しかも、書き込みが必要な相手と、読むだけでよい相手を分けて管理する必要があります。
回避の方法としては、書き込みが要る相手だけを席に入れ、残りは読み取り専用にする設計を先に決めておくことです。ただし、誰が書き込むかは案件が進むうちに変わります。毎回の見直しが発生する構造であること自体は変わりません。ここが負担になっているなら、それは組み方ではなく作りの問題です。
無料の上限に当たって、壊れたように見えるとき
「昨日までできたことが今日できない」という訴えが出たときは、機能の不具合ではなく、上限に達している可能性を先に疑ってください。
ClickUpには、有料の機能を無料のプランで何度か試せる「uses」という仕組みがあります。これはワークスペース全体で通算され、月が変わっても戻りません。上限に達しても、それまでのデータは消えませんが、その機能で新しく作ったり編集したりができなくなります。つまり、画面には残っているのに触れない、という状態になります。
公式のよくある質問には、上限に達したときの扱いについて次のように書かれています。
You'll still be able to use ClickUp, and we'll let you know as soon as a limit is reached. We're happy to provide a grace period to find the plan that works for you! 出典: clickup.com
上限に達しても使い続けられ、達したことは知らせる、そして猶予の期間を設ける用意がある、という内容です。急に何も使えなくなるわけではありませんが、裏を返せば、猶予のうちにプランを決める必要があります。
ファイルの保存容量も同じ種類の詰まりを生みます。無料のプランの保存容量は60MBと料金ページに書かれています。タスクそのものは容量を消費せず、影響するのは添付ファイルだけだと公式に説明されています。写真や図面を貼り始めた週に、急に貼れなくなるという形で現れます。
この種の詰まりは、道具が使いにくいのではなく、契約している段が用途に合っていないだけです。替える判断をする前に、まず有料の段で同じ操作ができるかを確かめてください。
日本語で使うときに引っかかる場所
海外で作られた道具を日本のチームで使うと、機能とは別のところで摩擦が出ます。
ひとつは、用語の訳です。同じ言葉が場所によって違う訳になっていたり、英語のまま残っていたりすると、社内の説明が難しくなります。対策としては、社内で使う呼び名を決めて、画面の表記と対応づけた短い表を配ることです。1枚の紙で済みます。
ふたつめは、日付と曜日の扱いです。週の始まりをどの曜日にするか、祝日をどう扱うかは、チームの運用に直接効きます。工程表を引くときに、日本の祝日が考慮されないと、日数の数え方がずれます。ずれたまま社外に出すと、実害が出ます。ここは設定で吸収できる範囲と、できない範囲があるので、評価の段階で必ず確かめてください。
みっつめは、問い合わせの経路です。サポートは無料の段から24時間365日と料金ページに書かれていますが、やり取りの言語や返答までの時間は、実際に問い合わせてみないと分かりません。導入の評価期間中に、わざと1件問い合わせてみるのが確実です。
そして、請求が米ドル建てである点も、経理とのやり取りで摩擦になります。為替の換算をどう扱うか、書類の要件がどうなるかは、契約の形と自社の状況で変わります。断定できる話ではないので、契約の前に経理担当と顧問の税理士に確認してください。
いちばん重い症状は、作業する人が更新しないこと
ここまでの詰まりは、どれも設定で改善できます。改善できないものが1つあります。作業する人が自分で状態を更新しない、という症状です。
この状態になると、板に出ている情報は実態と合わなくなります。合わない板を見て判断すると判断を間違えるので、とりまとめる人は結局、本人に聞いて回ることになります。聞いて回った内容を自分で板に入れ直すので、仕事は増えています。道具を入れる前より悪くなっている、という状態です。
原因は、たいてい3つのどれかです。入力の手間に対して、入力した人が受け取るものが無い。入力しなくても困らない仕組みになっている。入力の場所が、その人の仕事の動線から外れている。
3つ目が一番多く、そして見落とされます。現場に出ている人が、事務所に戻らないと更新できない形になっていれば、更新は翌日以降になります。翌日の情報で進行を判断するなら、そもそも板は要りません。入力する場所を、その人が普段いる場所に寄せられるかどうかが、定着するかどうかを分けます。
1つ目への対処は、入力した人に返ってくるものを作ることです。自分の担当分だけが見える画面を用意する、自分が書いた内容が誰かの判断に使われたことが見える、といった小さな見返りで変わります。2つ目への対処は、板の情報を正として扱うと決めることです。口頭で聞かれても「板に書いてある」と返す運用を、とりまとめる人が率先して守る必要があります。
上に出す報告を作ろうとして詰まるとき
日々の作業は回っているのに、月末の報告を作る段になると手が止まる。この形の使いにくさも、よく聞きます。
原因のひとつは、集計の画面が契約の段に紐づいていることです。料金ページを見ると、上級のカードを使える無制限のダッシュボード、無制限のタイムラインの表示、スプリントのポイントと報告、ポートフォリオでの負荷管理は、いずれもBusinessの欄に並んでいます。入り口の段では、日々の進行は回せても、集計して外に出す部分は届きません。
もうひとつの原因は、集計できる形でデータが入っていないことです。状態の名前が案件ごとにばらばらだと、横断して数えられません。日付の項目が「予定」と「実績」に分かれていなければ、遅れの日数を出せません。担当者が空のままのタスクが多ければ、負荷の集計に意味がなくなります。
つまり、報告で詰まるとき、上の段に上げれば解決するとは限りません。上げても、数える対象が揃っていなければ同じです。先に確かめるべきは次の3つです。
・状態の名前が、案件をまたいで揃っているか ・予定の日付と実績の日付が、別の項目として入っているか ・担当者が空のタスクが、全体の何割あるか
3つ目が2割を超えているなら、集計より先に運用の直しが要ります。担当が決まっていないタスクは、誰も動かさないので、そもそも進捗として数えられません。
揃っていることが確認できたうえで、それでも画面が足りないなら、そこは段を上げる理由になります。判断の材料としては料金にある区切り方と、できることに整理された機能の輪郭を見比べると、どこに線があるかが分かります。
3か月使った板を、いちど棚卸しする
導入してしばらく経った板は、必ず太ります。試しに作った画面、使わなくなった項目、誰も見ていない自動化。これらが積み上がって、日々の動作を鈍らせます。使いにくさの原因の何割かは、この積み上がりです。
棚卸しのやり方は決まっています。半日だけ時間を取って、次の順に見ていきます。
・見方の一覧を開き、直近1か月で誰も開いていないものを外す ・カスタムの項目を一覧にして、直近1か月で1度も値が入らなかったものを外す ・状態の名前を数え、実際に使われていないものを外す ・自動化のルールを開き、何をしているか説明できないものを止める ・完了した案件の置き場所を、動いている案件と分ける
このうち、いちばん効くのは2つ目です。使われていない項目は、入力する人にとっては毎回スキップする手間であり、一覧を描く側にとっては余計な処理です。両側に効きます。
外すときの注意として、いきなり消さないでください。まず一覧から外して、1か月様子を見ます。誰からも声が出なければ消します。消してから「あれが無いと困る」と言われると、復旧に手間がかかります。
棚卸しを半年ごとの予定として登録しておくと、太り方が緩やかになります。誰がやるかも決めておいてください。決めていないと、全員が「誰かがやるだろう」と思ったまま1年が過ぎます。
使いにくさの原因が、道具ではなく期待にあるとき
もうひとつ、切り分けておきたい種類があります。道具に期待していたことが、そもそも道具の仕事ではなかった、という場合です。
よくあるのは、次のような期待です。入れれば進捗が正確になる。入れれば納期が守られる。入れれば報告が要らなくなる。どれも、道具だけでは実現しません。進捗が正確になるのは、正確に入力する人がいるからです。納期が守られるのは、遅れが早く見えて、そこで人が手を打つからです。報告が要らなくなるのは、見れば分かる形に情報が揃っているからです。
つまり、道具が担うのは「見える形にすること」までで、その先は人の仕事です。ここを混同していると、どの道具を入れても失望します。そして失望のたびに替えるので、半年ごとに移行作業が発生し、そのたびにチームの学習がやり直しになります。
期待の線を引き直すには、導入前に「何がなくなるか」を1つだけ決めるのが確実です。たとえば、毎週の進捗確認の会議を30分短くする。工程表を引き直す作業を週に1回減らす。担当者に電話で状況を聞く回数をゼロにする。こうした具体的な作業の名前で置くと、達成したかどうかを判定できます。
判定できる目標があれば、使いにくさの議論も具体的になります。「なんとなく使いにくい」ではなく「この作業がまだ減っていない、理由はここ」という形で話せるようになります。
道具を替えて直る問題と、替えても直らない問題
ここまでの整理を踏まえて、替える判断の線を引きます。
替えて直る可能性が高いのは、次のような詰まりです。
・段が多すぎて、置き場所が決まらない。器の作りが単純な道具なら消える ・機能ごとに契約の段が分かれていて、そのつど判断が要る。区切り方が違えば消える ・社外の人を入れるたびに席数の計算が要る。数え方の違う道具なら消える ・画面の言語や日付の扱いが合わない。国内向けに作られた道具なら消える
一方、替えても直らないのは次のような詰まりです。
・作業する人が更新しない。これは運用と動線の問題で、道具では解けない ・状態の名前が揃っていない。どの道具でも同じように起きる ・通知の設計を放置している。既定のまま使えば、どの道具でも埋もれる ・1つの画面に数千件を出そうとしている。量の問題は持ち越される
線引きの基準は簡単です。いまの道具で設定を変えて試せることは、替える前にやってみる。やってみて直るなら、替える必要はありません。直らないなら、それは道具の性質なので、替える理由になります。この順番を守らないと、替えた先で同じ作業をやり直すことになります。
替えると決めたときに、先に用意しておくもの
替える判断をしたなら、比べる前に自分たちの条件を紙にしておいてください。条件を持たずに各サービスの案内を読むと、書いてあることの多い順に良く見えてしまいます。
書き出しておきたいのは次の5つです。
・有料で数える人数と、社外から入れる人の数 ・毎日開く画面を2つ挙げるとしたら何と何か ・入力してもらう項目のうち、絶対に外せないもの ・移す必要があるデータの量と、添付ファイルの総量 ・やめる判断をするときの期限と基準
この5つを持って各サービスを見ると、比較が短く済みます。並べて見たいときは比較の一覧に主要なサービスごとの整理があります。カンバンの板を中心に据える作りとの違いを知りたいならTrelloとの比較、文書を軸に何でも作れる作りと比べたいならNotionとの比較、案件ごとの管理に寄せた作りと比べたいならBacklogとの比較が近い論点を扱っています。
データの運び方については、移行の手順と、自動で運べるものと手で運ぶものの分け方を整理したTrelloからの移行が参考になります。社外の人に見せる範囲をどう区切るかは安全性の考え方に整理があります。
寄せられる相談から見えていること
チームの進行を扱う道具について届く相談のうち、「使いにくい」から始まるものを眺めていると、はっきりした傾向があります。多いのは機能の不足ではなく、判断の多さについての疲れです。
機能ごとに契約の段が分かれている作りだと、とりまとめる人は「この操作をしてよいのか」を毎回考えることになります。誰かが工程表を開いた、誰かが自動化を1つ組んだ、そのたびに段の話が発生します。機能の使い方を覚える負担より、この判断の負担のほうが重いという声が目立ちます。
もうひとつ多いのが、社外を入れるときの計算です。席数が社内の人数に連動する設計だと、協力会社が増えるたびに社内の契約を見直すことになります。社外との仕事が中心の現場では、これが毎月の作業になります。
そのため、料金の区切り方としては機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形もありえます。どの段でも同じことができるなら、判断そのものが消えます。ただし、この作りは万能ではありません。少人数で高度な自動化だけを安く使いたい、という要望には応えにくくなります。何を重く見るかで、合う形は変わります。
最後に、判断の順番だけ整理しておきます。まず、不満を4つに仕分ける。次に、設定で直せるものを直して2週間様子を見る。それでも残ったものが、道具の性質による詰まりです。残ったものが自分たちの仕事の中心にあるなら、替える価値があります。周辺にあるだけなら、替える手間のほうが高くつきます。判断に使える材料はできることと料金、それに実際に寄せられる質問をまとめたよくある質問にあります。
Q1. ClickUpが重いと感じます。設定で改善できますか?
まず1つの画面に載せている件数と、一覧に出している項目の数を確かめてください。数千件を1つの一覧に入れて並べ替えと絞り込みを重ねると描き直しに時間がかかります。見る単位を区切って数百件に収め、判断に使わない項目を一覧から外すと体感が変わります。専用アプリが用意されている場合はそちらでも試してください。
Q2. 昨日までできた操作が急にできなくなりました。不具合ですか?
無料のプランで有料機能の利用回数の上限に達した可能性があります。回数はワークスペース全体で通算され、月が変わっても戻りません。上限に達してもデータは消えませんが、その機能で新しく作ったり編集したりができなくなります。添付ファイルが貼れない場合は、60MBの保存容量に達していないかを確認してください。
Q3. 通知が多すぎて誰も見ていません。どう直せばよいですか?
自分が動く必要があるものだけに絞ります。担当が割り当てられたとき、自分宛てのコメントがついたとき、自分の担当分の期限が近いとき。この3つ以外は開いたときにまとめて見る形にしてください。あわせて届け先をアプリかメールのどちらか1つに決めると、見落としの責任の所在もはっきりします。
Q4. 道具を替えれば使いにくさは解消しますか?
詰まりの種類によります。入れ物の段が多すぎる、契約の段が機能ごとに分かれている、社外を入れるたびに席数の計算が要る、といった詰まりは作りの違う道具に替えると消えます。一方、作業する人が更新しない、状態の名前が揃っていない、通知が既定のまま、といった詰まりはどの道具でも同じように起きます。