Confluenceの使い方|最初のプロジェクトをどう組み立てるか
Confluenceの使い方を調べると、ボタンの位置と操作の説明はすぐ見つかります。困るのはその先です。箱をいくつ作るのか、誰に書いてもらうのか、議事録はどこに置くのか。ここが決まっていないまま人を集めると、最初の1か月で置き場所がばらけて、2か月目には誰も探さなくなります。この記事では、最初の1案件を立ち上げる手順として、決める順番と実際の操作を並べます。
扱うのは、進行をとりまとめる立場の人が自分で組み立てる範囲です。管理者に依頼しないと進まない部分は、その旨を都度書きます。
なお、ここで書く手順は機能の全部を使い切ることを目指していません。最初に必要なのは、参加する人が迷わずに書けて、あとから探せる状態を作ることだけです。機能を全部把握してから始めようとすると、立ち上げが数か月先になり、その間に困りごとは解決しないままになります。使う機能を絞って早く始めるほうが、結果として定着します。
操作より先に決める3つ
画面を開く前に決めておくことが3つあります。これを決めずに作り始めると、途中で作り直しになります。
1つ目は、案件の呼び名です。正式名称、略称、社内での通称が混ざっていると、検索でも会話でも取り違えが起きます。どれを使うのかを1つ決めて、文書でも会話でもその呼び名だけを使ってください。これは道具の設定ではなく、チームの取り決めです。
2つ目は、書く人の範囲です。全員に書いてもらうのか、決まった数人が書いて他は読むだけにするのか。人数が10人を超えるチームでは、全員が自由に書く形にすると分類が壊れます。最初は書く人を3人ほどに絞り、形ができてから広げるほうが安定します。
3つ目は、置かないものを決めることです。何を置くかより、何を置かないかを先に決めたほうが運用は長持ちします。よくある線引きは、頻繁に変わる進捗の数字と、個人の下書きと、期限が短いやり取りの3つを置かない、という形です。この3つを入れると、検索の結果が古い情報で埋まります。
手順1 スペースを1つ作る
公式の説明では、この道具の入れ物についてこう書かれています。
A space is a container where you and your team create, store, and collaborate on work related to a shared project or initiative. 出典: support.atlassian.com
共有する案件や取り組みに関する作業を、作り、保存し、共同で進めるための入れ物、という説明です。最初は案件ごとに1つ作るのが分かりやすくなります。部署ごとにする方法もありますが、案件の始まりと終わりがはっきりしているチームには案件単位が向きます。
作成には条件が1つあります。公式の説明によれば、スペースを作るには利用者のアカウントに「スペースの作成」という全体の権限が有効になっている必要があります。自分の画面に作成の選択肢が出ていない場合は、権限が配られていないので、管理者に依頼してください。ここで止まる人は多いので、着手の前に自分の権限を確かめておくと時間を無駄にしません。
操作は、上部の作成から「スペース」を選び、名前、アイコン、目的、権限の型を決めて次へ進む流れです。名前は先に決めた呼び名をそのまま使ってください。この段階で別名を付けると、検索でも会話でも二重になります。
手順2 目的の3つから選ぶ
作成の途中で、スペースの目的を選ぶ場面があります。用意されているのは3つです。
・共同作業向け:その場で一緒に書く文書、ホワイトボード、データベースといった部品が最初から入る。案の出し合いや、決める前の検討に向く ・ナレッジベース向け:公開する前に非公開のまま書き直せることを重視した作り。手順書やよくある質問の整備に向く ・自分で設定する形:上の2つに当てはまらないときに、機能と設定を自分で組む
進行のとりまとめで最初に作るなら、共同作業向けが扱いやすくなります。案件の途中では、決まっていないことのほうが多いからです。手順書や社外向けの資料をまとめる段階に入ったら、別のスペースをナレッジベース向けで作って分けるという進め方ができます。
選んだ後も、既定で有効になっている機能を確認して調整できます。使わない機能は最初からオフにしておいたほうが、参加する人の迷いが減ります。選択肢が多い画面は、それだけで書き始めるまでの時間を延ばします。
手順3 識別子は最初に決めて、動かさない
スペースにはURLの一部になる短い識別子が付きます。自動で付けられますが、作成の途中で自分で決めることもできます。決まりは3つです。重複しないこと、英数字だけで作ること、255文字を超えないこと。
自分で決める場合は、案件の略号をそのまま使うのが実務的です。あとから見て何の箱か分かることが大事で、短さ自体は目的ではありません。
注意が要るのは、後から変えるときです。管理の権限を持つ人は変更できますが、公式の説明には2つの警告があります。1つは、外部のアプリの多くが正しい識別子を必要とするため、変更したら連携先の設定をやり直す必要があること。もう1つは、自社で管理する版から取り込んだページの中のリンクが動かなくなる可能性があることです。
つまり、識別子は後から直せる設定ではあるものの、直すと周囲に影響が出ます。最初に決めて、そのまま動かさない前提で付けてください。
手順4 持ち主をグループにしておく
スペースを作った人が、そのスペースの持ち主になります。持ち主は後から変更でき、個人のアカウントにもグループにも設定できます。管理者の役割は何人にでも割り当てられる一方で、持ち主の枠は常に1つだけです。
ここは最初のうちに手を入れておく価値があります。持ち主を作った本人のままにしておくと、その人が異動したり退職したりしたときに、誰も設定を触れない箱が残ります。案件が年単位で続くなら、最初からグループを持ち主にしてください。
操作は、スペースの名前の横にある操作の一覧からスペースの設定を開き、詳細の画面で持ち主の欄から利用者かグループを選んで保存する流れです。公式の説明では、持ち主、あるいは持ち主に割り当てられたグループに属する人は、そのスペースに対するすべての権限を与えられると書かれています。誰をそのグループに入れるかは、権限の重さを意識して決めてください。
手順5 木の根元に、置き場所の表を1枚置く
スペースを作ったら、いちばん最初に作るページは案件の説明ではありません。どこに何を置くかを書いた表です。
書く内容は多くありません。会議の記録はここ、決まったことはここ、外部に出す資料はここ、下書きはここに置かない。この4行があるだけで、参加する人は迷わずに置けます。逆にこの表がないと、置き場所の判断が人ごとに分かれ、同じ種類の文書が3か所に散らばります。
この表は木のいちばん上に置いて、スペースを開いたときに最初に目に入る状態にしてください。ページは親子の関係を持って木の形に育つので、根元に置いたものは常に見える位置に残ります。
半年に一度、この表と実際の置かれ方がずれていないかを確認します。ずれていたら、表のほうを実態に合わせて書き直すほうが早い場合もあります。人の動きを表に合わせるより、表を人の動きに合わせるほうが、結果的に守られます。
手順6 ひな型を3つだけ用意する
書き始めるまでの時間を短くする手当てとして、ひな型が効きます。ただし数を増やすと選ぶ手間が発生するので、最初は3つに絞ってください。
現場でよく使われるのは、会議の記録、決めたことの記録、調べたことの記録の3つです。会議の記録には、日付、参加者、決まったこと、持ち帰りの4項目だけを置きます。決めたことの記録には、何を決めたか、なぜそう決めたか、いつ見直すかの3項目です。調べたことの記録には、何を調べたか、出典、分かったことを置きます。
項目を増やしたくなりますが、増やすほど埋まらなくなります。埋まらない欄が並ぶひな型は、使う人にとって負担でしかありません。まず少なく作って、足りないと言われてから足すほうが定着します。
用意されているひな型の一覧もあるので、近いものがあればそれを土台にして項目を削るのが早道です。ゼロから作る必要はありません。
手順7 権限は、人ではなくグループに配る
権限を個人ごとに設定していくと、半年後には誰も全体を把握できなくなります。人が入るたび、抜けるたびに設定を触ることになり、そのうち抜けが出ます。
最初から、役割ごとのグループを作ってください。書く人のグループ、読む人のグループ、社外の人のグループ。この3つがあれば、当面は足ります。権限はグループに対して割り当て、人の出入りはグループへの追加と削除だけで済ませます。
この形にしておくと、退職者の権限が残り続ける事故も防げます。人事の異動にあわせてグループから外すだけで、関係するすべてのスペースの権限が同時に外れるからです。個人ごとの設定では、スペースの数だけ外し忘れの可能性が生まれます。
なお、社外の人を招く場合は、扱いが料金の段によって変わります。公式の料金ページでは、ゲストの無料アクセスは有料の最初の段から挙がっています。無料の範囲で社外との共有を前提に運用を組むと、途中で行き詰まる可能性があるので、最初に確かめてください。
最初の2週間で起きること
手順どおりに立ち上げても、最初の2週間には決まった出来事が起きます。先に知っておくと、慌てずに済みます。
1日目から3日目に起きるのは、置き場所を外した投稿です。作った箱ではなく、自分が普段使っている別の場所に書く人が出ます。ここで責めずに、置き場所の表を見せて、正しい場所へ移す手伝いをしてください。最初の数回で直せば、そのあとは定着します。放置すると、その人の書いたものは永久に別の場所に残ります。
1週目の終わりに起きるのは、題名の付け方のばらつきです。「打ち合わせ」「メモ」「資料」といった題名のページが並び始めます。この段階で題名の決まりを1行だけ足してください。後から一括で直すのは手間がかかります。
2週目に起きるのは、更新の失速です。最初の勢いが落ちて、書き込みが減ります。原因はたいてい「読まれている手応えがない」ことです。手当てとして効くのは、会議の中で実際にその画面を開くことです。週に一度でも全員の前で開かれる場所は、更新が止まりにくくなります。
もう1つ、2週目にはひな型への不満が出ます。項目が足りない、逆に多すぎる、という声です。これは使われている証拠なので、聞いたその週のうちに直してください。直す速さが、そのまま定着の速さになります。
検索で見つかる題名の付け方
この道具の価値の大半は、後から探せるかどうかで決まります。木の形に整理しても、実際に人が使うのは検索です。だから題名の付け方が、そのまま運用の質になります。
決まりは3つあれば足ります。1つ目は、案件の呼び名を必ず含めること。2つ目は、何についての文書かを名詞で入れること。3つ目は、日付を入れる場合は先頭に置くことです。「打ち合わせ」ではなく「3月改修 要件の確認 議事録」のように、検索する人が打ちそうな言葉を並べます。
避けたいのは、書いた人にしか意味の分からない略語と、内容を表さない一般語です。略語は数か月後に自分でも思い出せなくなります。一般語は検索結果に大量に並んで、どれが目的のものか判別できなくなります。
同じ内容の古い版が複数残っている場合も、検索は役に立たなくなります。検索結果に3つ並んで、どれが現行か分からない状態は、探すのをやめさせるには十分です。古い版は消すのではなく倉庫に移して、検索の対象から外してください。
書いてもらうための頼み方
とりまとめる立場でいちばん難しいのが、自分以外の人に書いてもらうことです。ここは道具の設定では解決しません。頼み方の問題です。
効くのは3つあります。1つ目は、書く場面を業務の流れの中に埋め込むことです。「会議が終わったらその場で5分だけ書く」のように、既存の予定にくっつけると続きます。別の時間に書いてもらう形は、忙しい週から順に飛ばされます。
2つ目は、書く量を減らすことです。4項目のひな型なら埋まりますが、10項目あると後回しになります。項目を減らして、それでも足りないと言われたときに足してください。
3つ目は、書いたものが使われた場面を本人に伝えることです。「あの手順書を見て新しい人が自分で作業できた」と伝えられた人は、次も書きます。読まれている手応えは、どんな督促よりも効きます。
逆に効かないのは、全員に書く権限を配って「自由にどうぞ」と言うことです。自由度を上げるほど、どこに何を書けばよいか分からなくなります。最初は書く人を絞り、形ができてから広げてください。
他の道具からの持ち込みを、どこまでやるか
立ち上げの段階で必ず出るのが、既存の資料をどこまで移すかという話です。全部移すという方針は、聞こえはよいのですが、ほとんどの場合は途中で止まります。
現実的なのは、これから作るものを新しい場所に置き、過去のものは実際に探されたときだけ移す進め方です。探されない資料は、移す価値がなかったということなので、そのまま古い場所に残しておけば足ります。半年たてば、何が生きている資料なのかが自然に選別されます。
移す作業をする場合は、そのまま貼り付けるのではなく、題名と置き場所を決まりに合わせてから入れてください。古い名前のまま持ち込むと、新しい場所でも同じ探しにくさが再現されます。移すのは中身の引っ越しであると同時に、整理の機会でもあります。
期限を切ることも大事です。移行の作業に終わりの日を決めないと、いつまでも両方の場所を見る状態が続きます。両方を見る期間が長いほど、片方が更新されなくなり、どちらが正しいか分からなくなります。
議事録の置き方は、日付ではなく案件で決める
実際に運用を始めると、最初につまずくのが会議の記録の置き場所です。日付ごとに並べる方法と、案件ごとに束ねる方法があります。
日付で並べると、作るときは楽です。しかし半年たつと、探す側は「あの話はいつの会議だったか」を思い出せません。案件で束ねると、作るときに一手間かかりますが、探すときは案件名から一直線に届きます。文書は書く回数より読まれる回数のほうが多いので、読む側に合わせるのが正解です。
実務的な折衷案としては、案件のページの下に会議の記録を並べ、題名の先頭に日付を入れる形があります。案件から入れば時系列で並び、日付を覚えている人は検索でも届きます。
もう1つ、会議の記録に決まったことを書き込んだまま放置しないでください。決定は別のページに移して、そこだけを見れば現在有効な取り決めが分かる状態にします。会議の記録の中に埋もれた決定は、参加していなかった人には見つけられません。
部品の使い分けを、1行で決めておく
ページの中には、その場で一緒に書く文書、ホワイトボード、データベースといった部品を置けます。使い分けを決めていないと、同じ情報が別の形で二重に存在します。
決め方は単純で、それぞれの向き不向きを1行で書いて置き場所の表に足すだけです。考えを広げる段階はホワイトボード、決まった内容は文書のページ、繰り返し参照する一覧はデータベース。この3行があれば、迷う場面はかなり減ります。
ホワイトボードには使える数の上限があり、段によって変わります。無料の段は1人あたり3つ、次の段で10個という書き方になっています。会議のたびに新しいものを作る使い方だと、思ったより早く上限に届きます。使い終わったものをどうするかも、最初に決めておいてください。
データベースは表として使えますが、これは文書の中に置かれた一覧です。並べ替えや絞り込みはできても、期限が近づいたことを知らせる、担当ごとの持ち分を見る、といった進行の管理を目的とした作りとは設計が違います。ここを取り違えると、次の節のような状態になります。
進捗の一覧をここに作ろうとすると、何が起きるか
導入して1か月ほどたつと、必ず「進捗の一覧もここに作ろう」という話が出ます。表を作ること自体はできるので、最初はうまくいっているように見えます。
問題が出るのは2週目からです。進捗の数字は毎日変わるのに、文書のページは誰かが開いて書き換えないと変わりません。更新する人が1人でも休むと、その週の表は古いまま残ります。読む側はそれに気づかないので、古い数字を見て判断します。
さらに、更新の負担が1人に集まります。とりまとめる立場の人が毎週、各担当に聞いて回って表を書き換える作業が発生します。この作業は1週間ごとに必ず来て、しかも減りません。
対処は2つに分かれます。1つは、一覧を諦めて、決まったことと手順だけをこの道具に置く形です。もう1つは、進行を追う場所を別に用意して、文書からはそこへリンクするだけにする形です。どちらでも構いませんが、文書のページで進捗を管理し続ける形だけは、時間がたつほど苦しくなります。
複数の案件を同時に持っているときの組み方
案件を1つ立ち上げたあと、次に来るのが2件目3件目です。ここで組み方を変えないと、箱の数だけが増えて全体が見えなくなります。
基本は、案件ごとにスペースを作り、共通するものだけを別の1つに集める形です。共通するものとは、社内の手順、ひな型、用語の定義、取引先の連絡先といった、どの案件からも参照されるものです。これを各案件の箱に複写すると、直すときに全部を直す羽目になります。
共通の箱を作ったら、各案件の置き場所の表から、そこへのリンクを1行置いてください。複写するのではなく参照する形にすると、更新は1か所で済みます。
もう1つ、案件が終わったときの扱いも決めておいてください。終わった案件の箱をそのまま残すと、検索の結果に古い情報が混ざり始めます。終了時に、残すページと倉庫に入れるページを仕分ける作業を、案件の締めの手順に入れておくと、後から遡って整理する必要がなくなります。作業としては数十分ですが、これをやっているかどうかで2年後の探しやすさが変わります。
3か月目にやる見直し
立ち上げてから3か月たったら、一度だけまとまった見直しをしてください。この時点で手を入れると、その後の数年が楽になります。
確認するのは4つです。置き場所の表と実際の置かれ方がずれていないか。使われていないひな型がないか。木の深さが4階層を超えていないか。更新が止まったまま現行のように見えているページがないか。
4つ目が見つかったら、消すのではなく倉庫に移してください。消すと経緯が追えなくなり、残すと現行と混ざります。倉庫に入れる操作はそのために用意されています。
見直しの担当は、書いた本人ではなく、その情報を使う側に任せるほうが正確です。書いた人は自分の文書を捨てにくく、判断が甘くなります。使う側は「これは古くて使えない」と言いやすい立場にあります。
見直しにかける時間は、2時間ほどを1回だけ取れば足ります。長く取るより、期日を決めて短く終える形のほうが実行されます。終わったら、何を直したかを置き場所の表に1行だけ書き足してください。次に見直す人が、前回どこまで手が入ったかを知る手がかりになります。
通知の設定を、最初に絞っておく
立ち上げ直後によく起きるのが、通知が多すぎて誰も読まなくなる状態です。全員がすべてのページの更新を受け取る設定のままだと、1日に何十件も届きます。届きすぎた通知は、そのうち全部が無視されます。
最初に決めるのは、誰が何を受け取るかです。案件に関わる全員が受け取るべきなのは、決定が変わったときだけです。日々の下書きの更新まで全員に流す必要はありません。自分が関係するページだけを見張る設定に切り替えてもらい、全体への連絡は別の手段で流す形にすると、通知の価値が保たれます。
もう1つ、コメントの扱いも決めておいてください。ページの中でやり取りを始めると、決定と議論が同じ場所に混ざります。議論は残す価値がありますが、読む側は結論だけを知りたい場面がほとんどです。議論が長くなったら、結論を本文に書き戻して、コメントは閉じる。この一手間があるかどうかで、後から読む人の負担がまったく違います。
つまずいたときに、どこへ戻るか
ここまでの手順どおりに進めても、うまくいかない場面は出ます。そのとき確かめるのは、道具の使い方ではなく、扱っている情報の種類です。
答えが変わりにくい情報は、この道具の得意な範囲です。手順、仕様、方針、決まったこと。一方、答えが毎日変わる情報は、別の場所に置いたほうが長持ちします。今日どこまで進んだか、誰が持っているか、期限まであと何日か。この2種類を混ぜないことが、いちばん効く手当てになります。
進行を追う場所に求める条件は多くありません。今日の状態が1画面で見えること、期限が線で表されること、担当者が自分で動かせること。この3つが揃っていれば、機能の多さは問われません。料金の区切り方も選ぶ材料になります。機能ごとに段を作る形もあれば、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形もあります。どのように区切っているかは料金に、その範囲で触れる機能はできることに並んでいます。
進行の側をどの道具に持たせるかを考える段階になったら、比較のページに具体例があります。板の上でカードを動かす形に近づけたいならTrelloとの比較、担当ごとの持ち分を追う形ならAsanaとの比較が該当します。書くことと進めることを1つに載せた場合に何が起きるかはNotionとの比較に、一覧を表として扱う道具はmonday.comとの比較に整理されています。国内で広く使われているものはBacklogとの比較とJootoとの比較に、全体の見取り図は比較の一覧にあります。
別の道具にすでにカードがある場合、取り込みの範囲はTrelloからの移行に手順として出ています。自動で入る項目は限られ、残りは人の手で作り直すことになります。預け先でのデータの扱いに関する考え方は安全性の考え方に、導入の前に出やすい疑問はよくある質問にまとめてあります。
社内の情報の扱い方そのものを見直す機会にするなら、外部の指針も使えます。守るべき情報をどう決めて運用に落とすかについては情報処理推進機構の資料が、氏名や連絡先を社外に見せる場面の注意については個人情報保護委員会の資料が参考になります。法令の適用が関わる場面では、所管の窓口に問い合わせるか、専門家の助言を得てください。
Q1. スペースは案件ごとに作るべきですか、部署ごとですか?
案件の始まりと終わりがはっきりしているチームなら、案件ごとに1つ作るほうが探しやすくなります。部署ごとにすると箱の数は減りますが、終わった案件の資料が残り続けて中身が混ざります。手順書や社外向けの資料をまとめる段階になったら、その用途だけ別のスペースに分ける進め方が扱いやすいです。
Q2. スペースを作る画面が出てきません。どうすればよいですか?
公式の説明では、スペースを作るには利用者のアカウントに「スペースの作成」という全体の権限が有効になっている必要があると書かれています。この権限が配られていないと選択肢自体が表示されません。自分で設定できる項目ではないので、管理者に依頼して権限を付与してもらってください。
Q3. スペースの識別子は後から変えても大丈夫ですか?
管理の権限を持つ人は変更できますが、公式の説明には2つの注意が書かれています。多くの外部アプリが正しい識別子を必要とするため設定をやり直す必要があること、そして自社管理版から取り込んだページ内のリンクが動かなくなる可能性があることです。最初に決めて動かさない前提で付けるほうが安全です。
Q4. 進捗の一覧もここで管理してよいですか?
表として作ることはできますが、更新は人が開いて書き換えないと反映されません。進捗の数字は毎日変わるため、更新する人が休んだ週はそのまま古い情報が残ります。決まったことと手順はこの道具に置き、今日の状態を追う部分は別の場所に持たせて、文書からはリンクするだけにする形が長持ちします。