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解体工事の工程表の組み方|近隣への配慮と届出の余裕

2026年10月2日 ・ Pinateca編集部

解体工事の工程表を探している人が本当に困っているのは、表の書式ではありません。着手日から書き始めた工程表が、届出の期限に間に合わないと後から分かる、という順番の問題です。重機を何日押さえるかは見積もりの段階で決まっています。動かせないのは、その手前にある事前調査と届出の締切です。

先に結論を書きます。解体工事の工程表は、着手日からではなく、着手日の手前にある2つの期限から逆算して組みます。14日前と7日前です。この2つが法令で定められた最短の期限で、ここを起点に前へ伸ばしていくと、工程表の頭は着手日の1か月近く前から始まります。そこまで書いていない工程表は、必ず途中で作り直しになります。

この記事では、解体工事の工程表が何の表なのかという定義から始めて、届出の期限から逆算する組み方、工程の区切り方、近隣対応をどこに入れるか、遅れが出たときの直し方、そして表計算で作る限界までを順に扱います。届出や調査の具体的な適用範囲は建物の条件で変わるため、自治体の担当窓口と所轄の労働基準監督署に事前に確認してください。

解体工事の工程表は「重機の表」ではない

新築の工程表と解体の工程表は、性質が違います。新築は工種が積み上がっていく表で、前の工程が終わらないと次が始まりません。解体は逆で、実際に重機が入っている期間は全体の一部にすぎず、表の大半は手続きと段取りで埋まります。

実際の解体現場を分解すると、大きく3つの層になります。1つめが手続きの層で、届出、許可、事前調査、ライフラインの停止がここに入ります。2つめが現場の層で、養生、内部の手ばらし、重機による解体、基礎の撤去、整地が入ります。3つめが近隣と関係者の層で、挨拶、説明、苦情の受付、完了の報告が入ります。

多くの工程表は2つめの層だけを書いています。重機が入る日から整地が終わる日までが横棒で並んでいて、日数は正しい。それでも工事が遅れるのは、1つめと3つめの層が表に載っていないからです。手続きは日数がかかるうえ、相手が役所や事業者なので自分の都合で縮められません。

手続きの層で日数を食うのは、待ち時間です。役所の受理、事業者の訪問日、分析の結果。どれも自分の作業ではないので、人を増やしても縮みません。縮められるのは着手のタイミングだけで、だから工程表は前へ伸ばす形になります。

つまり、解体工事の工程表は、重機の稼働表ではなく、手続きの締切表です。締切から逆算して並べたものが工程表になり、着手日から前に並べたものは希望の一覧になります。この差が、工程表の精度を決めます。

逆算の起点になる2つの期限

法令で決まっている期限が2つあります。この2つが工程表の骨になります。

1つめは、大気汚染防止法の届出です。特定建築材料に係る特定粉じん排出等作業を伴う工事のうち、届出の対象になるものについて、発注者または自主施工者が作業開始の日の14日前までに都道府県知事へ届け出ることが定められています。石綿を含む材料の除去などが該当します。

2つめは、建設リサイクル法の届出です。対象建設工事の発注者または自主施工者は、工事に着手する日の7日前までに、分別解体等の計画などを都道府県知事へ届け出ることが定められています。届出を受けた知事は、受理した日から7日以内に限り、計画の変更などを命じることができます。つまり、7日前ぎりぎりに出すと、命令が来たときに着手日を動かすしかなくなります。

対象になる規模も政令で決まっています。建築物の解体工事は、当該工事に係る部分の床面積の合計が80平方メートル以上のものが対象です。参考として、新築または増築は500平方メートル、それ以外の建築物の工事は請負代金1億円、建築物以外の解体や新築等は請負代金500万円が基準になっています。同じ者が2つ以上の契約に分割して請け負う場合は、1つの契約とみなして基準を当てます。分割して基準を下回らせることはできません。

手続き 期限 届出先 対象の目安
大気汚染防止法の作業実施届出 作業開始の14日前まで 都道府県知事 届出対象特定工事
建設リサイクル法の届出 着手の7日前まで 都道府県知事 解体は床面積の合計80平方メートル以上
石綿の事前調査結果の報告 あらかじめ 所轄労働基準監督署長 解体は床面積の合計80平方メートル以上、改修は請負代金100万円以上

石綿の事前調査結果の報告は、石綿障害予防規則で定められています。建築物の解体工事は当該工事に係る部分の床面積の合計が80平方メートル以上、建築物の改修工事は請負代金の額が100万円以上のものについて、電子情報処理組織を使って所轄労働基準監督署長へ報告します。こちらも、同一の事業者が2つ以上の契約に分割して請け負う場合は1つの契約とみなします。

工程表を引くときは、この3つの締切を先に縦線として入れます。そのうえで、一番手前の締切である14日前から、さらに前へ伸ばしていきます。

着手日の1か月前から書き始める

14日前が最短の締切だからといって、工程表の頭を14日前に置くと間に合いません。届出を出すには、その前に調査と書類が要ります。

石綿の事前調査は、設計図書等の文書を確認する方法と、目視により確認する方法の両方で、対象の全ての材料について行います。これで使用の有無が明らかにならなかった場合は、分析による調査が必要になります。分析に出せば検体の採取と結果待ちの日数が発生します。ここが工程表で一番読みにくい箇所です。

この日数を短くできる条件が1つあります。新築工事の着工日が平成18年9月1日以降の建築物は、その着工日を設計図書等の文書で確認する方法によることができると定められています。築年が新しい建物であれば、調査そのものが軽くなります。逆に、それより古い建物、特に図面が残っていない建物は、分析の日数を見込んで工程表を引く必要があります。事前調査等の記録は、調査を終了した日から3年間保存します。

調査が終わってから届出書類を作り、14日前に間に合わせる。ここまでで、着手日の3週間前には調査が終わっている必要があります。さらに、調査の依頼から着手まで数日は見ます。結果として、工程表の頭は着手日の1か月前あたりに来ます。

同じ期間に、並行して進むものがあります。ライフラインの停止です。電気の引込線の撤去、ガスの閉栓とメーターの撤去、水道の止水、通信回線の撤去。それぞれ連絡先が違い、事業者の都合で訪問日が決まります。1社でも遅れると、その日の作業が止まります。

ライフラインの停止は安全確保の要となるため、解体工事工程表にも必ず記載されます。感電やガス漏れ、漏水を防ぐために、電気は引込線の撤去、ガスは閉栓とメーター撤去、水道は止水のうえでメーターの取り外しまで完了させます。固定電話やインターネット回線は撤去工事の立会いが必要な場合もあるため、工事開始の10〜14日前までに各社へ連絡し、日程を一本化しておくとトラブルを回避できます。 出典: koki-inc.net

ライフラインの行は、1本にまとめないほうがよいです。事業者ごとに行を分けて、連絡日と訪問日を別の欄で持ちます。1本にまとめると、どれが済んでどれが残っているのかが表から読めなくなります。

工程の区切り方

現場の工程は、次の順で並びます。区切りの単位は、日ではなく「次の工程が始められる状態」で切るのが実務的です。

足場と養生。 隣地との距離、道路との距離、建物の高さで日数が変わります。防音シートまで張るかどうかは近隣の状況で決めます。ここを1日で見積もって2日かかるケースは珍しくありません。

内部の手ばらし。 建具、石膏ボード、断熱材、設備配管を分別して外します。建設リサイクル法が分別解体を求めているので、混ぜて壊す工程にはできません。手ばらしの日数は、建物の面積よりも中の物量で決まります。残置物が多い建物は、ここが倍になります。

屋根と外壁の解体。 手作業の範囲と重機の範囲を分けます。隣家に接している面は手で落とすことになり、日数が伸びます。

躯体の解体。 重機が主役になる工程です。木造とRC造とS造で速度がまるで違います。構造ごとの日数の目安を1つの表に混ぜると読み間違えるので、その現場の構造だけで引きます。

基礎の撤去。 深さが読めないと日数が読めません。図面がない場合、掘ってから分かることが多い工程です。ここに余裕を置いていない工程表は、ほぼ必ず後半で崩れます。

廃材の搬出。 品目ごとに運搬先が違い、受入先の営業日に縛られます。土日が挟まると止まります。運搬の車両手配も、この工程の律速になります。

整地と確認。 地面を均し、発注者と一緒に確認します。ここで残置物や想定外の埋設物が見つかると、追加の工程が発生します。

表に書くときは、工種ごとに「終わったと言える条件」を1行で添えておきます。「内部手ばらし完了」ではなく「内装材の搬出完了、重機の進入路確保済み」と書きます。条件が書いてあると、進捗の報告が「だいたい終わった」にならず、次の工程を始めてよいかの判断がその場でできます。

近隣への配慮を工程表に載せる

解体工事で工程が崩れる原因のうち、届出と並んで多いのが近隣対応です。そして近隣対応は、ほとんどの工程表に書かれていません。

書くべきものは3つです。

着手前の挨拶です。 隣接する家と、道路を挟んだ向かい、搬出の車両が通る経路の沿線が対象になります。挨拶の範囲は現場ごとに変わるので、工程表には「挨拶の対象と実施日」を行として持たせます。実施日は、届出の期限より前に置きます。役所に出す前に近隣に伝えておくほうが、あとの説明が楽になります。

工事中の連絡窓口です。 誰が電話を受けるか、何時から何時まで受けるかを決めて、近隣に紙で渡します。窓口を決めていないと、現場の作業員が対応することになり、作業が止まります。工程表には窓口の担当者名を書いておきます。

苦情が出たときの止め方です。 騒音や振動の苦情で作業を止める判断を、誰がするかを先に決めます。現場の判断で止めてよい範囲と、発注者に確認する範囲を分けておきます。ここが決まっていない現場では、止めるべきときに止まらず、後で工期の遅れよりも大きい問題になります。

近隣対応の日程は、工程表の上で作業工程と同じ行の並びに置きます。別紙にすると見られません。とくに、騒音が大きい工程の開始日と、挨拶の実施日が表の上で並んでいることが重要です。挨拶より先に重機が来た現場は、そのあと何をしても関係が戻りません。

道路を使う場合は、道路使用許可の申請が別に必要になります。申請先は所轄の警察署で、必要な日数は管轄によって変わります。搬出の車両が路上に停まるなら、この行も工程表に要ります。

遅れが出たときの直し方

工程表を引いたら、遅れます。重要なのは、遅れたときに何を動かすかを先に決めておくことです。

動かしてよいものと、動かしてはいけないものを分けます。動かしてはいけないのは、届出の期限と、近隣に伝えた工程の開始日です。届出の期限は法令なので動きません。近隣に伝えた日程を勝手に動かすと、信用の問題になります。

動かせるのは、現場の工程の順番と、工程ごとの投入人数です。基礎の撤去で深さが想定より深いと分かったとき、搬出の車両を増やして日数を吸収する、あるいは整地の工程を1日削る、という調整をします。

工程表の直し方で失敗が多いのは、全部の横棒を右にずらすやり方です。これをやると、後ろの工程で押さえている車両や受入先の予約と合わなくなります。ずらすのは、直後の1工程だけにして、そこから先は元の日程を守れるように投入量で吸収します。吸収できないと判明した時点で、初めて後ろを動かします。

そして、直した工程表を誰が見るかを決めておきます。現場の職長、発注者、産業廃棄物の運搬先、近隣の窓口。見る相手が4者いるのに、更新した表が1人の手元にしかないと、次の日に4通りの認識で現場が動きます。ここが表計算で工程表を作ったときの最大の弱点です。

工程が変わるたびに新しいファイルが生まれて、誰がどの版を見ているのか分からなくなります。「最新版」という名前のファイルが3つある状態は、どの現場でも起きます。更新した表が1つの場所にあり、開いた人が常に最新を見る形になっていれば、この事故は起きません。

構造ごとに日数の読み方を変える

同じ床面積でも、構造が違えば工程表の形が変わります。他の現場の日数をそのまま持ってきて崩れるのは、ここを同じ扱いにしているからです。

木造は、手ばらしの比率が高くなります。 建具や造作材が多く、分別して外す工程に日数が寄ります。重機で壊す期間は短くても、その前後が長い。隣家との距離が近い現場が多いので、手で落とす面が増える点も効きます。工程表を引くときは、重機の日数より手ばらしの日数を先に詰めます。

鉄筋コンクリート造は、重機の工程が主役になります。 圧砕の速度が全体を決め、そのあとの鉄筋の切り分けと搬出が続きます。搬出量が木造とは桁が違うので、車両の手配と受入先の営業日が律速になりやすいです。日数の見積もりは、壊す速度ではなく運び出す速度で確かめます。

鉄骨造は、揚重と搬出の段取りで決まります。 部材を切って下ろす工程が入り、クレーンを使う場合はその日程に他の工程が従います。クレーンの手配日が動くと、前後がまとめて動きます。工程表の上では、この行を一番太い縦線として扱います。

構造を問わず読みにくいのが基礎です。図面が残っていない現場では、掘ってから深さが分かります。杭が残っていた、土間が二重になっていた、地中に旧い基礎があった。どれも工程表の後半で出てきて、後ろの整地と引き渡しを押します。基礎の行には、最初から予備の日数を明示して置いておきます。予備を「バッファ」として工程表の最後にまとめて置く書き方は、解体では機能しません。使う場所が基礎の直後に決まっているので、そこに置いたほうが判断が速くなります。

業者から出てきた日数を鵜呑みにしないための質問は、3つで足ります。手ばらしと重機の境目をどこに置いているか。搬出は1日あたり何台で計画しているか。基礎の深さは何を根拠に見込んでいるか。この3つの答えが揃えば、工程表の日数が妥当かどうかの見当が付きます。

廃材の搬出とマニフェストの行を持つ

解体工事の工程表で、現場の工程と同じくらい遅れの原因になるのが廃棄物の処理です。ここは行として独立させます。

分別解体が求められているので、廃材は品目ごとに分かれて出ます。コンクリート、コンクリートと鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート。これらは建設リサイクル法で特定建設資材として政令に定められており、再資源化等が求められます。品目ごとに運搬先が違い、受入先の受け入れ時間と営業日が違います。

工程表に落とすときの要点は、搬出を1本の横棒で書かないことです。品目ごとに行を分けて、それぞれ運搬先と車両の手配日を持たせます。1本にまとめると、どの品目で止まっているのかが表から読めません。実際に止まるのは、たいてい1品目だけです。

管理票の流れも工程表に載る項目です。運搬が終わってから返ってくる票があり、それが揃わないと完了の書類が出せません。現場の作業が終わった日を工程表の終点にしてしまうと、書類が揃うまでの期間が表の外に落ちます。工程表の終点は、現場の整地ではなく書類の完了に置きます。

もう1つ、見落とされやすいのが残置物です。家具、家電、生活用品が残っていると、解体の廃材とは別の扱いになります。誰が片付けるのか、費用はどちらが持つのかを着手前に決めておかないと、着手日に現場で止まります。工程表には「残置物の撤去完了」という行を、養生より前に置きます。

現場でよく聞く失敗の型

工程表が崩れた現場の話を集めると、原因はいくつかの型に収まります。

届出を業者任せにしていた。 建設リサイクル法の届出は、発注者または自主施工者が行うものとして定められています。実務では業者が代わりに手続きを進めることが多いのですが、出したつもりで出ていない、という取り違えが起きます。工程表に「届出の提出日」と「誰が出したか」の行を持たせて、提出の事実を確認するところまでを工程に入れておくと防げます。

石綿の調査で分析が必要になり、2週間動いた。 図面のない古い建物で起きます。分析の結果待ちを見込まず着手日を先に決めていたため、近隣に伝えた日程ごと組み替えることになった、という話をよく聞きます。着工日が古い建物は、最初から分析の日数を工程表に入れておきます。

土日で搬出が止まった。 受入先の営業日を見ずに横棒を引いた場合に起きます。工程表に土日の縦線が入っていないと、この失敗は引いている最中に気づけません。

近隣への挨拶が重機の到着より後になった。 工程表に挨拶の行がなく、担当者の記憶で進めていた現場で起きます。この1件だけで、以降の作業時間の制約が厳しくなります。

どの型も、表に行が無いことが原因です。日数の見積もりが甘かったのではなく、そもそも表に載っていない工程が止めています。

工程表の書式に必ず入れる列

書式の話です。解体工事の工程表に最低限必要な列は、次の通りです。ここが揃っていれば、書式そのものは表計算でも板でも構いません。

工種の名称と、終わったと言える条件。 「完了」の定義が書かれていない行は、進捗の報告が「だいたい終わった」になります。次の工程を始めてよいかを判断できる条件を、1行で添えます。

開始日と終了日、そして動かせるかどうかの印。 届出の期限のように動かせない行と、投入量で吸収できる行を、表の上で区別します。印が付いていれば、遅れが出たときに何を動かすかの判断が数秒で済みます。

担当者。 現場の工程だけでなく、届出と連絡にも担当を割り当てます。手続きの行に担当が書かれていない工程表は、その行が誰の仕事でもなくなります。

相手先。 役所、電力会社、ガス会社、水道局、通信会社、運搬先、近隣。自分の都合で動かせない相手が絡む行は、相手先を列として持ちます。遅れの原因を探すとき、この列があると早いです。

先行する工程。 どの行が終わらないと始められないかを書きます。解体は工種の前後関係が単純なので、全部の行に書く必要はありません。基礎と搬出と整地の3か所に書いておけば足ります。

予備の日数。 どの行にいくつ持っているかを明示します。合計だけを最後に置くと、使ったかどうかが分かりません。

この6列が入っていれば、工程表は判断の道具になります。逆に、工種と日付だけの表は、記録にはなっても判断には使えません。

見積もりの比較にも工程表を使う

工程表は、工事が始まってから使う道具だと思われがちですが、見積もりを比べる段階でも効きます。

複数社から見積もりを取ると、金額が大きく違うことがあります。違いの理由は、単価ではなく前提の違いであることが多いです。手ばらしの範囲、養生の仕様、基礎の撤去の深さ、残置物の処分の扱い。これらの前提が各社で違えば、金額は当然違います。

前提をそろえる一番早い方法が、こちらから工程表の形を渡すことです。工種の並びと、それぞれの想定日数の枠を渡して、各社にそこへ数字を入れてもらいます。そうすると、どの工種を厚く見ているか、どこを省いているかが横並びで見えます。

不明瞭な差額は、数量根拠の不足や処分費の想定違いが原因になりやすいです。各社へ同一条件の前提表を渡し、木造解体手順や基礎解体の深さなど手順をそろえて再見積もりを依頼すれば、公正な比較が可能です。写真・工程表・解体工事工程表エクセルの提示がある会社は透明性と信頼性が高く、後日のトラブル抑止にもつながります。 出典: koki-inc.net

あわせて確認しておくとよいのが、業としての登録です。解体工事業を営む者は、土木工事業、建築工事業または解体工事業に係る建設業法の許可を受けた者を除き、業を行う区域を管轄する都道府県知事の登録を受けることが建設リサイクル法で定められています。この登録は5年ごとに更新が必要です。許可か登録のどちらを持っているかは、見積もりを比べる前に確かめておく項目です。

表計算で作る限界と、板に載せる利点

解体工事の工程表は、表計算で作られていることがほとんどです。書式としては何の問題もありません。詰まるのは、更新と共有の部分です。

表計算の工程表で起きることは、だいたい3つに絞れます。1つめは版が分かれることです。メールで送った表が各自の手元で更新され、どれが正かが分からなくなります。2つめは、更新が1人にしかできないことです。横棒を引き直せる人が1人だと、その人が現場にいる間は誰も直せません。3つめは、届出の期限や近隣対応の行が別紙になりがちなことです。1枚に収めようとすると、手続きの層が落ちます。

工程表を板として持つ形にすると、この3つが同時に解けます。ガントの画面で横棒を引きつつ、同じ案件の情報としてカレンダーや一覧でも見られる。届出の期限はカードの期限として持ち、担当者を割り当てておく。近隣対応は別の板ではなく同じ板の行として持つ。カンバンもガントもカレンダーも最初から使える構成についてはできることに一覧があります。

もう1つ、解体の現場で効くのが会話の置き場所です。工程の変更の連絡が電話とチャットに分かれていると、決まったことが3日で探せなくなります。工程表のカードに変更の理由が残っていれば、同じ質問が2度来ません。話す場所と残す場所を分けずに、同じ板に載せるのが実務的です。

いま別の道具で工程表を管理していて、版が分かれる問題が起きていないなら、替える理由はありません。困っているのが「更新した表が関係者に届かない」ことだけなら、共有のしかたを直すだけで済む場合もあります。各サービスとの違いは比較の一覧に並べてあります。工程表に強い道具を探している場合は、Backlogとの比較のような個別の比較のほうが判断しやすいはずです。

費用については、人数とボードの数だけで区切る形になっています。5人まで、ボード10個までが無料で、ガントチャートもフリープランから使えます。有料に移る境目と税抜の金額は料金で確かめられます(2026年9月時点)。運用上の細かい疑問はよくある質問に載せています。

最後に1つ。工程表の精度を上げる作業の8割は、道具の外にあります。届出の期限を先に縦線として入れること、石綿の調査に分析が要るかどうかを早く確かめること、近隣への挨拶を届出より前に置くこと。この3つは、どの道具を使っても自分で決めることです。道具ができるのは、決めた内容を関係者全員が同じ版で見られるようにすることだけです。それでも、版が分かれない状態を作れるかどうかで、現場の止まり方は変わります。

Q1. 解体工事の工程表は着手日の何日前から書き始めるべきですか?

着手日の1か月前あたりが目安です。法令上の最短の締切は、大気汚染防止法の届出が作業開始の14日前まで、建設リサイクル法の届出が着手の7日前までです。その手前に石綿の事前調査と書類の作成が入り、分析による調査が必要になれば結果待ちの日数も加わります。14日前から逆算して、調査と書類の日数を足してください。

Q2. 建設リサイクル法の届出が必要になる解体工事の規模はどれくらいですか?

建築物の解体工事は、当該工事に係る部分の床面積の合計が80平方メートル以上のものが対象です。同じ者が2つ以上の契約に分割して請け負う場合は、1つの契約とみなして基準を当てるため、分割して下回らせることはできません。個別の適用は建物の条件で変わるので、自治体の担当窓口に確認してください。

Q3. 工程表が遅れたとき、何から動かせばよいですか?

動かしてはいけないものを先に決めます。届出の期限と、近隣に伝えた工程の開始日は動かせません。動かせるのは現場の工程の順番と投入する人数や車両の量です。全部の横棒を右にずらすと、押さえてある車両や廃材の受入先の予約と合わなくなるので、ずらすのは直後の1工程だけにして、先は投入量で吸収してください。

Q4. 近隣への挨拶は工程表のどこに入れますか?

届出の期限より前に置きます。役所へ出す前に近隣へ伝えておくと、あとの説明が楽になります。工程表には挨拶の対象範囲と実施日、工事中の連絡窓口の担当者名、苦情が出たときに作業を止める判断を誰がするかの3つを行として持たせてください。別紙にすると見られなくなり、騒音の大きい工程の開始日との前後関係も読めなくなります。

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