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Excelの使い方|最初のプロジェクトをどう組み立てるか

2026年9月11日 ・ Pinateca編集部

Excelの使い方を調べる理由は人によって違いますが、チームの進行を預かっている人の場合、目的はだいたい1つに絞られます。目の前の案件を、着手から終わりまでこの道具で回したい。関数の一覧や機能の解説ではなく、その順番が知りたい。この記事は、案件を1件まるごと組み立てる手順に絞って書きます。覚える操作は6つ、入れる数式は3本です。それ以上のことは、最初の1件では要りません。

表を開く前に、この案件で何を決めたいのかを1行で書く

いちばん最初にやるのは、表計算を開くことではありません。紙かメモ帳に、次の1行を書くことです。

「この表を見て、誰が、何を判断できればよいか」

書けないなら、まだ表を作る段階ではありません。書けたなら、その1行が列を決める基準になります。

現場でよく出てくる答えは3種類です。「今週やることが、各自に分かればよい」「納期に間に合うかどうかが、自分に分かればよい」「誰の手が空いているかが、割り振る人に分かればよい」。この3つは、必要な列が違います。

1つ目なら、担当と期日と状態があれば足ります。2つ目なら、そこに予定と実績の日付が要ります。3つ目なら、予定の工数と担当の稼働が要ります。

3つとも欲しくなる気持ちは分かりますが、最初の1件では1つに絞ってください。列を増やすほど埋める手間が増え、埋まらない列が並ぶと表全体が信用されなくなります。2件目を回すときに、必要だと分かった列だけを足していきます。

書いた1行は、表のどこかに残しておいてください。半年後に自分か誰かがこの表を開いたとき、何のための表なのかが分かります。

最初に作るのは表ではなく、作業の一覧

列の設計より先に、この案件で何をするのかを全部書き出します。順番も日付も考えず、思いつく順に並べるだけです。

書き出し方は、成果物から逆算するのが確実です。最終的に何を納めるのかを書き、それを作るのに必要なものを1段下に書き、さらにそれを作るのに必要なものを書く。これを2段か3段まで下ろすと、実際に手を動かす作業が出てきます。

抜けを見つけるには、3つの問いを当ててみてください。

・誰かの確認や承認を待つ時間は入っているか。これが抜けると、たいてい1週間ずれます ・材料や資料を用意する作業は入っているか。作る作業だけ書かれていることが多いものです ・終わったあとに、片付けや引き渡しの作業は残っていないか

書き出しは、1人でやるより関係者を集めてやったほうが精度が上がります。30分で足ります。集まれないなら、書き出したものを回覧して足りない分を足してもらってください。

この段階では、まだ表計算を使う必要はありません。付箋でも、共有のメモでも構いません。表に移すのは、一覧が固まってからです。

粒度は、半日から3日で切る

書き出した作業の大きさをそろえます。ここが最初の1件でいちばん効く工程です。

大きすぎる作業は、進んでいるのか止まっているのか分かりません。「設計」という1行が3週間そのままになっていても、誰も異常だと気づけません。

小さすぎる作業は、数が増えすぎて一覧が読めなくなります。1時間で終わることを1行にすると、案件1件で行が200行を超えます。

扱いやすいのは、半日から3日で終わる大きさです。この幅なら、朝に見て「昨日から動いていない」が意味を持ちます。

大きすぎる作業を割るときは、時間で機械的に割らないでください。「設計・前半」「設計・後半」と割っても、前半が終わったかどうかを判断できません。途中で確かめられるものが出てくるところで割ります。「たたき台を出す」「レビューを受ける」「直して確定する」のように、区切りごとに何かが手元に残る形にします。

調査や検討のように終わりがはっきりしない作業は、期限を切って「その日までに分かったことを書く」を完了の条件にします。終わりの条件を書かないと、その1行だけがいつまでも残り続けます。

粒度をそろえた結果、行数は案件1件で20行から60行くらいに収まるのが目安です。

列は7つで始める

いよいよ表を作ります。最初の1件では、次の7つで足ります。

・作業名。何をするかが1行で分かるように書く ・担当。1人だけ書く ・予定の開始日 ・予定の終了日 ・状態 ・実績の終了日 ・備考

これ以上は足さないでください。優先度も、分類も、進捗率も、最初の1件では使われないまま空欄が並びます。必要だと分かってから足すほうが、結果的に早く回ります。

担当を1人にするのは、意図があります。2人以上書くと、どちらが動かすのかが決まらないまま止まります。作業を分担するなら、行を分けてください。

実績の開始日は、最初は要りません。開始日を記録して意味があるのは、後から見積もりの精度を上げたいときだけです。最初の1件では、終わったかどうかが分かれば足ります。

備考は、遅れたときの理由を1行書く場所です。長く書かせようとすると書かれなくなるので、1行と決めてください。

7つの列を1行目に並べたら、範囲を選んでテーブル機能をかけます。これをかけておくと、行を足したときに書式も計算式も自動で伸びます。かけずに進めると、あとで行を足すたびに手直しが発生します。

担当と状態は、打たせずに選ばせる

表を配る前にやっておくと、後の手間が大きく変わる設定があります。

担当の列には、入力規則で名簿から選ばせる設定をかけます。名簿は別のシートに縦1列で作っておきます。手で打たせると、姓だけの人とフルネームの人、全角と半角のスペースが混ざり、集計もフィルタも割れます。

状態の列も同じです。選択肢は4つまでにしてください。「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」で、ほとんどの案件は足ります。増やしたくなったときは、その状態を増やすと誰の判断が変わるのかを考えてから足してください。判断が変わらないなら、増やす意味はありません。

日付の列には、書式を日付に設定しておきます。ここを設定せずに配ると、「9/15」「9月15日」「15日」が混ざり、計算に使えなくなります。

案件コードのような番号を持たせる場合は、列の書式を文字列にしてください。数値として扱われると、先頭の0が消えたり、長い番号の末尾が変わったりします。

この4つの設定にかかる時間は、合わせて10分ほどです。かけずに配ると、返ってきた表をそろえ直す作業が毎週発生します。

覚える操作は6つで足りる

最初の1件を回すのに必要な操作は、次の6つです。他は、必要になったときに調べれば間に合います。

1つ目、テーブル機能。範囲を1つの表として認識させます。行を足したときの事故が減ります。

2つ目、入力規則。選択肢から選ばせます。上で説明したとおりです。

3つ目、条件付き書式。ある条件に合う行だけ見た目を変えます。使うのは遅れの表示だけにしてください。色に意味を持たせすぎると、あとで誰も覚えていない状態になります。

4つ目、ウィンドウ枠の固定。見出し行を固定して、下にスクロールしても列の意味が分かるようにします。行が20行を超えたら必須です。

5つ目、フィルタ。自分の担当の行だけ、遅れている行だけ、というふうに絞り込みます。会議のときにこれを使うだけで、進み方が変わります。

6つ目、シートの保護。触ってよい場所と触ってはいけない場所を分けます。計算式が入っている列を守るために使います。

この6つを覚えるのにかかる時間は、合わせて1時間ほどです。関数の一覧を全部覚えようとするより、ここに時間を使ったほうが表は長持ちします。

入れる数式は3本だけ

最初の1件では、計算式は3本で足ります。

1本目は、遅れているかどうかの判定です。予定の終了日を過ぎているのに状態が完了になっていないなら「遅れ」と出す。これを1つの列に出しておくと、フィルタで遅れだけを抜き出せますし、件数も数えられます。

2本目は、今週の作業かどうかの判定です。予定の開始日か終了日が今週のうちに入っているなら「今週」と出す。会議の前にこれで絞ると、話す対象がその場で決まります。

3本目は、件数の集計です。全体の行数と、完了の行数と、遅れの行数。この3つが分かれば、報告に必要な数字はそろいます。集計は表の中ではなく、別のシートか表の外に置いてください。表の中に置くと、並べ替えたときに集計行が真ん中に移動します。

3本とも、意味が分かる範囲で書いてください。他人が読めない長さの式を1本書くより、途中の計算を列に分けて短い式を3本書くほうが、後で直せます。

数式を書いたら、その列は保護をかけて触れないようにします。担当者が誤って上書きすると、その行だけ判定が消えたまま気づかれません。

見た目を整えるのは、最後の10分でよい

作り始めると、罫線や色に手を出したくなります。その時間は後回しにしてください。見た目を整えるのは、中身が固まってからで間に合います。

それでも最低限やっておくと効くことが4つあります。

1つ目は、列幅をそろえることです。作業名の列だけ広く、日付の列は狭く。文字が切れていると、開いた人がその列を読み飛ばします。

2つ目は、罫線を減らすことです。全部のセルに線を引くと、かえって読みにくくなります。見出しの下に1本引き、あとは行の背景を1行おきに薄く塗るだけで十分です。テーブル機能をかけていれば、この形は自動で付きます。

3つ目は、日付の表示を短くすることです。「2026年9月15日」と表示すると列が広くなります。「9/15」で足ります。年をまたぐ案件だけ、年を入れてください。

4つ目は、文字の大きさをそろえることです。強調したい行だけ大きくすると、印刷したときに行の高さが揃わず、読みにくくなります。強調は太字だけで足ります。

この4つにかかるのは10分ほどです。これ以上の装飾は、運用が始まって「読みにくい」という声が出てから直せば間に合います。

印刷して渡す予定があるなら、先に確かめる

社外に紙で渡す、あるいは会議で配る予定があるなら、作り終える前に一度印刷の設定を確かめてください。あとから直すと、列幅の調整をやり直すことになります。

確かめるのは3つです。

1つ目、横1枚に収まるかどうか。列が多いと、右側の数列だけが2枚目に飛びます。印刷の設定で横を1ページに収める指定をするか、印刷しない列を非表示にします。

2つ目、2枚目以降にも見出し行が出るかどうか。印刷タイトルの設定をしておかないと、2枚目からは列の意味が分からない表になります。

3つ目、余白と向きです。作業名が長い表は、横向きにしたほうが読めます。

画面用と印刷用で必要な列が違うなら、無理に1枚で兼ねないでください。印刷用のシートを別に作り、必要な列だけを参照する形にします。画面で見やすくすると印刷で切れ、印刷に合わせると画面が窮屈になる、という綱引きが起きるからです。

置き場所を決めてから配る

作った表をどう渡すかで、その後の運用がほぼ決まります。

添付ファイルで送るのは避けてください。送った瞬間に版が分かれます。それぞれが自分の手元で書き換え、返ってきたものを1つにまとめる作業が、とりまとめる人に戻ってきます。

置き場所へのリンクを送り、全員が同じ1つを開く形にします。複数人が同時に開いて更新するには条件があり、公式のサポートページには次のように書かれています。

Excel ブックは、.xlsx、.xlsm、または .xlsb ファイル形式で使用する必要があります。この形式ではないファイルの場合は、ファイルを開き、[ ファイル>コピーの保存] を選択します。形式を [Excel ブック (*.xlsx)] に変更します。共同編集では、Strict Open XML スプレッドシート形式はサポートされていないことに注意してください。 出典: support.microsoft.com

同じページには、Microsoft 365のサブスクリプションが必要であること、ブックをOneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Onlineのライブラリに置く必要があること、そしてマイクロソフトがホストしていないオンプレミスのSharePointサイトでは共同編集がサポートされないことも書かれています。

社内のファイルサーバーに置く場合、誰かが開いている間は他の人が編集できません。この形で運用するなら、更新する人を1人に決めて、他の人は見るだけにするほうが混乱しません。

配るときは、リンクと一緒に3行だけ伝えてください。どこを触るのか、いつまでに触るのか、触らなかったらどうなるのか。この3行がないと、リンクは開かれないまま流れます。

最初の1週間を、どう回すか

作った表が続くかどうかは、最初の1週間で決まります。

初日は、全員に開いてもらうところまでをやります。開いて、自分の行があることを確認して、状態を1つ変えてもらう。それだけです。開けない人がここで分かります。

3日目に、入力されているかを見ます。入っていない人には、個別に声をかけてください。全体に向けて「入力をお願いします」と流しても、自分のことだと思われません。

1週間目の終わりに、最初の会議をします。ここで大事なのは、表を画面に出して、その表だけを見て話すことです。別途口頭で報告を受けると、表に入れる意味がなくなります。

会議では、遅れの列でフィルタをかけ、遅れている行だけを見ます。順調な行は読み上げません。遅れている行ごとに、次に何をするか、誰がやるかをその場で決めて、備考に1行書きます。

この形なら、遅れが5件でも15分で終わります。全部の行を読み上げる会議は、順調な行の報告に時間の大半を使うことになります。

入っていない行は扱わない、と決めておいてください。困る人が出れば、次の週から入ります。

つまずきやすい5つの場所と、その直し方

最初の1件で、多くの人が同じ場所でつまずきます。先に知っておけば避けられます。

1つ目は、日付が計算に使えないことです。見た目は日付でも、中身が文字として入っていると、引き算も比較もできません。判定の式が動かないときは、まずここを疑ってください。列の書式を日付にして、入れ直せば直ります。

2つ目は、行を足したのに書式や式が付いてこないことです。テーブル機能をかけていないと起きます。かけ忘れていた場合は、いま範囲を選んでかけ直せば、以降は自動で伸びます。

3つ目は、並べ替えたら行の中身がずれることです。表の一部だけを選んで並べ替えると起きます。テーブルにしておけば、範囲全体が対象になるのでずれません。

4つ目は、集計の数字が実感と合わないことです。集計の式が参照している範囲に、あとから足した行が含まれていないのが原因です。範囲を列全体にするか、テーブルの名前で参照してください。

5つ目は、担当者ごとに書き方が違うことです。入力規則をかけていないと必ず起きます。すでに混ざってしまっている場合は、置換で片付けてから規則をかけます。

この5つは、どれもテーブル機能と入力規則をかけていれば起きません。最初の設定に10分使う価値があるのは、このためです。

途中で作業が増えたときの足し方

案件が動き出すと、必ず作業が増えます。ここでの扱い方が、表の寿命を決めます。

行を足すのはとりまとめる人だけ、と決めてください。誰でも挿入できる状態だと、途中に空白行が増え、並べ替えのたびに構造が崩れます。担当者は既にある行の状態と実績日だけを触ります。

足すときは、表のいちばん下に足します。順番が気になるなら、後で並べ替えれば済みます。途中に挿入すると、テーブルの外に出てしまったり、条件付き書式が付いてこなかったりします。

作業が増えた理由も、備考に短く書いてください。「先方の要望で追加」「仕様変更のため」。これがあると、案件が終わったあとに「なぜ当初の予定より2週間かかったのか」を説明できます。

逆に、なくなった作業は削除せず、状態を「取りやめ」にして残すか、備考にその旨を書いて完了にしてください。削除すると、当初何を予定していたかが消えます。

増える作業が多すぎて追いつかない場合は、粒度が細かすぎる可能性があります。最初に決めた大きさに戻れているかを確かめてください。

終わったあとに、何を残すか

案件が終わったら、その表を閉じて終わりにしないでください。次の1件が楽になる材料が入っています。

残すのは3つです。

1つ目は、当初の予定と実際の日付の差です。どの工程が予定より長くかかったのかが分かれば、次の見積もりで同じ工程に余裕を持たせられます。

2つ目は、あとから増えた作業の一覧です。同じ種類の作業が毎回増えているなら、それは次から最初の一覧に入れるべきものです。

3つ目は、備考に書かれた遅れの理由です。理由の種類が偏っているなら、そこが改善の対象になります。確認待ちが多いなら、確認を頼む時期を前倒しする。材料の到着待ちが多いなら、発注の時期を見直す。

この振り返りにかかる時間は30分ほどです。案件が終わった直後にやってください。1か月経つと、理由を覚えている人がいなくなります。

振り返った結果は、次の案件で使う雛形に反映させます。表を毎回1から作るのは無駄なので、終わった表から実績を消して、作業の一覧だけを残したものを雛形として保存しておきます。

社外の相手が絡むときに、先に決めること

協力会社や外注先が関わる案件では、最初の1件でも決めておくことがあります。決めずに始めると、途中で表が二重になります。

1つ目は、社外の人にこの表を触ってもらうかどうかです。触ってもらう場合、置き場所へのアクセスをどう渡すかを情報システムの担当に確認してください。社内の規定で外部の人に共有できない場所を使っていると、そもそも成立しません。

2つ目は、触ってもらわない場合、誰が転記するかです。メールやチャットで来た報告を、社内の誰かが表に入れることになります。この作業は毎週発生するので、担当を決めておかないと抜けます。転記が挟まると、表の数字は必ず1日から数日古くなります。その前提で報告してください。

3つ目は、見せてよい範囲です。社内の見積もりや原価が同じブックに入っていると、うっかり渡してしまう事故が起きます。社外に見せる分は、最初から別のシートか別のブックに切り出しておきます。非表示にしただけでは、渡した相手が再表示できます。

社外が絡む案件では、この3つを決めるのに15分かかりません。決めずに進めると、案件が終わるまで毎週その判断をやり直すことになります。

2件目、3件目が来たときに起きること

1件を回し切ると、雛形ができます。ここから先で起きるのは、雛形を使い回すことで生まれる、別の種類のつまずきです。

最初に起きるのは、前の案件の残りが混ざることです。実績の日付を消し忘れたまま新しい案件を始めると、着手前なのに完了している行が並びます。雛形として保存するときは、作業名だけを残して他の列を空にしたものを、専用のファイルとして分けておいてください。

次に起きるのは、案件によって合わない作業が残ることです。雛形に入っている作業のうち、今回の案件では発生しないものを消さずに進めると、ずっと未着手のまま残ります。始める前に、雛形を上から読んで、要らない行を消す作業を5分かけてください。

3つ目は、複数の案件が並行し始めることです。ここで、案件ごとにファイルを分けたままにするか、1つにまとめるかを決める必要が出てきます。分けたままなら1件ずつは軽いままですが、全体を見たいときに開いて回ることになります。まとめれば全体は見えますが、担当者に渡す範囲を切りにくくなります。

決め手は、全体を見る必要が実際にあるかどうかです。上司や顧客に「いま何件動いていて、何件遅れているか」を毎月報告しているなら、まとめるほうが得です。報告の必要がなく、案件ごとに独立して回っているだけなら、分けたままで構いません。

4つ目は、人数が増えることです。更新する人が3人を超えたあたりから、同時に触れるかどうか、変わったことが伝わるかどうかが効いてきます。ここから先は、表の作り方ではなく置き場所そのものの話になります。

表計算のまま続ける場合と、置き場所を変える場合

続けてよい状況は、はっきりしています。

・更新する人が実質1人で、他の人は見るだけ ・案件の期間が短く、途中で日程が大きく動かない ・社外には紙かPDFで渡す形が中心 ・数字の集計や比較が主目的で、日々のやり取りは別の場所で完結している

このどれかに当てはまるなら、道具を替える理由はありません。ここまでに挙げた設定を入れて整えるほうが、時間の使い道として得です。

一方で、次のことが増えてきたら、置き場所を変える検討の材料になります。日程が動くたびに前後の作業を手で直している。変わったことを自分が連絡して回っている。誰がいつ変えたかを追えなくて困っている。社外に見せる分だけ別ファイルを作っている。

比べるときは、機能の数ではなく、更新する人を増やせるか、変わったことが伝わるか、人数が増えたときに費用がどう伸びるかの3つで並べてください。費用の考え方は道具によって違い、上位のプランでないと使えない機能がある形と、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形があります。後者の考え方で組まれた料金なら、工程を見るためだけに上位プランへ上げる必要はありません。

カードを並べて仕事を動かす形がどう違うかはTrelloとの比較、割り当てと締切を中心に据えた形はAsanaとの比較、文書と表を1つの場所に持つ形はNotionとの比較、課題を1件ずつ立てる形はBacklogとの比較、板と表を切り替える形はmonday.comとの比較にそれぞれ整理があります。候補を絞り込む前の下調べには比較の一覧が使えます。

何がどこまでできるかを一覧で見たい場合はできることを開いてください。できないことも同じページに書かれています。リポジトリの機能を持たないこと、自動化と外部連携では勝負しないこと、画面が日本語のみであること、自動で取り込めるのはTrelloからのデータだけであること。この4つは、判断の材料として先に読んでおくほうが後戻りが減ります。実際に移す段取りはTrelloからの移行、社内の情報を外に置くことの説明が要るときは安全性の考え方、契約前の細かい疑問はよくある質問にまとまっています。答えが見つからないときはお問い合わせから聞いてください。

最初の1件を回し切ったあとに残るのは、きれいな表ではなく、この案件では何がどれだけかかるのかという感覚です。その感覚は次の見積もりに使えます。表を作ること自体が目的にならないよう、振り返りの30分だけは必ず確保してください。

Q1. 最初に作る表には、どの列を入れればよいですか?

作業名、担当、予定の開始日、予定の終了日、状態、実績の終了日、備考の7つで足ります。優先度や分類や進捗率は、最初の1件では使われないまま空欄が並ぶことが多いため、必要だと分かってから足してください。列が少ないほど埋まります。

Q2. 作業の大きさはどれくらいで区切ればよいですか?

半日から3日で終わる大きさが扱いやすい目安です。この幅なら、朝に見て昨日から動いていないことが意味を持ちます。大きすぎる作業を割るときは、時間で機械的に割らず、途中で何かが手元に残る区切りで割ってください。

Q3. 覚えるべき操作はどれですか?

テーブル機能、入力規則、条件付き書式、ウィンドウ枠の固定、フィルタ、シートの保護の6つで最初の1件は回せます。合わせて1時間ほどで覚えられます。関数の一覧を網羅するより、この6つに時間を使ったほうが表は長持ちします。

Q4. 作った表をどう配ればよいですか?

添付ファイルで送ると、その瞬間に版が分かれます。置き場所へのリンクを送り、全員が同じ1つを開く形にしてください。同時に更新するには、Microsoft 365のサブスクリプションがあり、形式がxlsx、xlsm、xlsbのいずれかで、OneDriveかSharePoint Onlineに置かれている必要があります。

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