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ガントチャートを月単位で無料で作る|続く粒度の決め方

2026年9月6日 ・ Pinateca編集部

ガントチャートを月単位で無料で作りたい、という相談は、半年から1年の長い計画を預かっている人からよく出ます。日単位で引いた工程表は精密ですが、引き直しが重すぎて誰も更新しなくなる。月単位なら粗くても続く。この判断は正しいのですが、月単位には月単位の落とし穴があります。この記事では、無料で月単位の工程表を作る方法を具体的に並べたうえで、粒度をどこに置けば運用が続くのかを整理します。

月単位の工程表が必要になる場面

月単位のガントチャートが要るのは、たいてい次のどれかです。年度の計画を立てるとき。半年から1年の開発や制作の全体像を役員や取引先に見せるとき。複数の案件を並行して抱えていて、どの月に負荷が集中するかを知りたいとき。いずれも、1日ずれたかどうかは問題ではなく、その工程が何月にあるかだけが問われる場面です。

こういう場面で日単位の工程表を持ち出すと、逆に読めなくなります。12か月を日単位で並べると列が365本になり、画面に収まりません。縮小して表示すれば収まりますが、今度は文字が読めない。全体像を見せるための図が、全体像を見せられなくなります。

現場でよく聞くのは、「役員に見せる用の粗い工程表」と「実務で使う細かい工程表」を別々に作っているという話です。これは二重管理そのもので、片方が必ず古くなります。粗い図と細かい図を別々に維持するのではなく、同じデータを月単位でも日単位でも見られる形にするのが本筋です。

背景を広く見ると、工程管理の道具は日単位を前提に作られてきました。作業を細かく分けて、担当を割り当てて、進み具合を測る。製造や建設の現場から来た考え方で、工程が物理的に決まっている仕事にはよく合います。一方で、企画や制作や開発のように、やってみないと期間が読めない仕事では、細かく分けた計画がすぐに現実と食い違います。日単位の道具を使いながら月単位の見方を求める人が増えているのは、この食い違いが原因です。

もうひとつ、月単位が求められる理由に、確定していない予定の扱いがあります。半年先の工程は、日付まで決められません。「11月ごろ」としか言えないものを、無理に11月15日と書くと、その日付が一人歩きします。月単位なら「11月」と書けるので、確度の低い予定を嘘にせずに置いておけます。これは精度が落ちるのではなく、精度を正しく表現しているということです。

日単位の工程表が2週間で止まる理由

日単位で引いた工程表が更新されなくなる理由は、能力や意識の問題ではありません。手数の問題です。

タスクが50件ある工程表で、1週間に10件の日付が動いたとします。日単位なら、10件それぞれの開始日と終了日を直すことになり、操作は20回です。後ろの工程が連動していれば、さらに増えます。この作業を毎週やり続けられる人は多くありません。現場では、2週間で誰も更新しなくなると言われています。

月単位なら、同じ10件が動いても、月をまたがない限り直す必要がありません。3日遅れたが同じ月のうちに終わる、という変化は月単位の図では変化として現れないからです。更新の対象になるのは、月をまたぐほど大きくずれたものだけです。実務では、これが10件のうち1件か2件に絞られます。

この手数の差は、時間で見るとさらにはっきりします。日単位で50件を維持すると、週に30分から1時間かかると言われています。月単位なら月に10分程度です。年間にすると、前者は30時間を超え、後者は2時間で収まります。

粒度を粗くすると情報が減るように思えますが、実際には逆のことが起きます。更新され続ける粗い図のほうが、更新が止まった細かい図より、はるかに多くの情報を持っています。止まった図はその日から嘘になり、見た人を間違った判断に導きます。粗くても正しい図には、少なくとも嘘がありません。

判断の基準はこうです。更新にかかる時間が週10分を超えるなら、粒度が細かすぎます。10分で終わらない仕組みは、忙しい週に必ず飛びます。1回飛ぶと差分が2週間分たまり、さらに重くなって二度と戻りません。

無料で月単位の工程表を作る3つの方法

無料で作る手段は、大きく3つに分かれます。それぞれ向き不向きがはっきりしています。

1つ目が表計算ソフトです。Googleスプレッドシートは無料で使え、列を月にして、該当する月のセルを塗るだけで月単位のガントになります。12列あれば1年分が1画面に収まります。共有も同時編集もできます。関わる人が少なく、案件が1つなら、これで十分に足ります。

2つ目が、タスク管理ツールの無料枠です。日付を持つカードを並べて、時間軸のビューで見る形になります。ただし後述するように、時間軸のビューは有料プランに置かれていることが多く、無料枠で使えるかどうかはツールによって大きく違います。

3つ目が、デスクトップの無料アプリです。GanttProjectのように、自分のパソコンにインストールして使う無料の工程管理ソフトがあります。公式サイトには、クラウドに依存せず、購読料も無く、Windows、macOS、Linuxのデスクトップで動作すると書かれています。データが手元に残るので、社外に出せない情報を扱う場合には有力な選択肢です。反面、チームで同時に編集する用途には向きません。ファイルを誰かが持ち、その人が更新する形になります。

チームで使うなら1つ目か2つ目、1人で計画を引くなら3つ目、というのがおおまかな振り分けです。人数が5人を超えて、全員が自分の担当分を動かす運用にしたいなら、2つ目以外は無理があります。

主要ツールの無料枠で時間軸のビューが使えるか

2026年9月4日時点で各社の公式料金ページを開いて確認した内容を並べます。プランは変わりますので、契約前には必ず自分で確認してください。

ツール 無料枠の範囲 時間軸のビュー
Trello ワークスペースあたり10コラボレーター、最大10ボード カレンダー、タイムラインの各ビューはPremium以上に記載
Asana Personalは2人まで タイムラインとガントビューはStarter以上に記載
monday.com 無料は最大2ユーザー、最大3ボード タイムライン・ガントビューはスタンダード以上に記載
Backlog フリーは最大10ユーザー・1プロジェクト ガントチャートはスタンダード以上に記載

Asanaの料金ページには、タイムラインとガントの違いがこう説明されています。

タイムラインは、スケジュールをすっきりとシンプルに表示します。一方、ガントチャートは、タスクの階層や進捗状況の追跡など、詳細なプロジェクト管理機能を提供します。 出典: asana.com

月単位で全体を見たいだけなら、この説明でいうタイムラインの側で足ります。階層や進捗率の管理まで要らないなら、機能が豊富なほうを選ぶ理由はありません。ここを取り違えると、必要のない上位プランを検討することになります。

金額も並べておきます。Asanaは税抜で、Starterが年払いで1ユーザー月額1,200円、月払いで1,475円です。monday.comは税抜で、年間払いのスタンダードが1ユーザー月額1,650円。Backlogは税抜で、ガントチャートの記載があるスタンダードが月額16,000円です。Backlogは人数課金ではなくプラン単位の課金なので、人数が多いチームでは1人あたりの金額が下がります。値付けの方式が違うと、単純な月額の比較では判断を誤ります。値付けの考え方の違いは料金のページで並べて確認しておくと、社内で説明しやすくなります。

表計算ソフトで月単位のガントを組む手順

表計算ソフトで作る場合の、実務的な手順を書いておきます。凝った関数は使いません。凝るほど、後で誰も直せなくなります。

まず、A列に工程名、B列に担当者、C列に開始月、D列に終了月を置きます。E列から右に、月を横に並べます。年度なら4月から翌年3月までの12列です。1行目に月の名前を入れて、2行目以降が工程になります。

次に、条件付き書式で塗ります。条件は、その列の月が開始月以上で終了月以下ならセルを塗る、という1本だけです。これを月の列全体に適用します。開始月と終了月を書き換えれば、色が自動でついてくる形になります。手でセルを塗る運用にすると、日付を直すたびに塗り直しが発生して続きません。ここは必ず自動にしてください。

3つ目に、行の並べ替えを考えます。工程を開始月の順に並べると、階段状の図になって読みやすくなります。担当者ごとに並べると、誰の負荷が何月に集中するかが見えます。どちらが要るかは目的によりますが、両方が要るなら、並べ替えができるように行に余計な結合を入れないことが大事です。セルを結合すると、並べ替えができなくなります。

最後に、更新のルールを決めます。月に1度、開始月と終了月の2列だけを見直す。それ以外は触らない。この形にすると、更新は5分で終わります。進捗率の列や、実績の列を足したくなりますが、足した分だけ更新が重くなり、続かなくなります。

月単位に落とすときの粒度の決め方

月単位にすると決めても、1つの工程をどこまで大きくまとめるかで、図の使い勝手がまったく変わります。

目安は、1つの工程が1か月から3か月に収まることです。1か月未満の工程が並ぶと、月単位の図では点にしかならず、意味を持ちません。逆に4か月を超える工程は、進んでいるのか止まっているのかが判別できなくなります。長い工程は、途中に区切りを置いて2本か3本に割ってください。

工程の数も効きます。1枚の図に載せる工程は20行前後が上限です。これを超えると、画面をスクロールしないと全体が見えなくなり、全体像を見せるという目的が果たせません。20行で足りないなら、それは1枚に載せる範囲が広すぎるということです。案件ごとや部門ごとに分けてください。

もうひとつ決めることがあります。月のどこを指すのかという定義です。「11月」と書いたとき、11月1日に始まるのか、11月中に始まればよいのか。ここを揃えないと、人によって解釈が変わります。おすすめは「その月のうちに終わる」で統一することです。終わりを揃えると、遅れが月末に必ず見つかります。

粒度を決めたら、それを守る仕組みも要ります。細かい工程を書き足したくなる人は必ず出てきます。細かい話はカードのコメントやチェックリストに書き、工程表には載せない。この線引きを最初に共有しておかないと、3か月後には日単位の図に戻っています。カードの中にどこまで情報を持たせられるかはできることのページで確認できます。

月単位でも運用が壊れる3つのパターン

月単位にすれば必ず続く、というわけではありません。壊れ方には型があります。

1つ目が、更新の担当が1人に固定される壊れ方です。月単位の図は更新回数が少ないので、とりまとめ役が1人で全部直せてしまいます。楽に見えますが、その人が休んだ月に図が止まります。しかも、他の人は自分で直した経験が無いので、代わりに直せません。更新回数が少ない図ほど、担当者本人に触らせる習慣を作っておく必要があります。

2つ目が、確定した予定と未確定の予定が混ざる壊れ方です。半年先の「11月ごろ」と、来月の「10月15日に納品」が同じ図に同じ見た目で並ぶと、どこまでが決まっている話なのか分からなくなります。色や記号で確度を分けてください。確定していない工程は薄い色にする、といった単純な区別で十分です。

3つ目が、遅れが図に出ない壊れ方です。月単位は変化に鈍いので、月をまたがない遅れは図に現れません。これは利点でもあり、欠点でもあります。月末に「今月終わる予定だったが終わらなかった」ものを翌月へ動かす作業を必ず入れてください。この作業をしないと、遅れが静かにたまり、四半期の終わりに一気に表面化します。

月単位と週単位を行き来する運用

実務では、月単位だけで足りることはあまりありません。全体は月単位で見て、直近だけは週単位や日単位で見る、という二段構えになります。

このとき大事なのは、2枚の図を作らないことです。同じデータを、表示の粒度だけ変えて見る形にします。表計算ソフトでは、これは難しい。月の列と日の列を両方持つと、更新が二重になります。表計算ソフトを選ぶなら、月単位で割り切り、直近の細かい話はカレンダーやタスクの一覧で扱うのが現実的です。

タスク管理ツールを使うなら、同じカードを月単位のビューと週単位のビューで切り替えられるかどうかが判断の分かれ目になります。切り替えられるなら、更新は1か所で済みます。切り替えられないなら、表計算ソフトと同じ問題が起きます。

行き来のルールも決めておいてください。よくある形は、今月と来月は週単位で見て、それ以降は月単位で見るというものです。月が変わるタイミングで、翌々月の工程を週単位に落とし込む。この作業を月初の30分で終わらせる習慣にすると、細かい計画を作りすぎずに済みます。半年先まで週単位で引いても、その計画はほぼ確実に外れます。

有料に移る境目と、移らないほうがよい場合

無料のまま続けられるなら、それが最善です。移る必要が出るのは、次の条件に当たったときだけです。

人数の枠に当たったとき。無料枠の人数は各社で差が大きく、Asanaは2人、monday.comは2ユーザー、Trelloはワークスペースあたり10コラボレーター、Backlogのフリーは10ユーザーと記載されています。5人から数十人のチームでは、この枠が先に効きます。

入れ物の数に当たったとき。案件ごとにボードを分ける運用だと、Trelloの10ボードやmonday.comの3ボードにすぐ届きます。工程で分けて案件はラベルで区別する設計にすれば、この枠は延ばせます。

とりまとめの手間が時間で測れるようになったとき。週3時間を超えたら、月額と比べる価値があります。10人のチームで1ユーザー月額1,200円なら月12,000円です。

逆に、移らないほうがよい場合もあります。案件が1つで、関わる人が3人以下なら、表計算ソフトで十分です。開発の課題管理と工程管理を同じ場所で回していて、それがうまく動いているなら、工程表の見た目のために構成を崩す理由はありません。この判断の材料はBacklogとの比較にまとめてあります。自動化や外部連携を作り込んでいる場合も同様で、その領域を重視するチームの考え方はAsanaとの比較で確認できます。

月単位の図に載せないほうがよい情報

月単位の工程表は、放っておくと情報が増え続けます。増えた分だけ更新が重くなり、続かなくなります。載せないと決めておくものを先に挙げておきます。

進捗率は載せないほうが無難です。月単位の図で「この工程は40%進んでいる」と書いても、判断が変わることはほとんどありません。知りたいのは、今月中に終わるかどうかの一点です。進捗率は入力の手間だけが確実に増え、しかも人によって基準が違うので比較もできません。終わる見込みがあるか無いかの2択で足ります。

実績の記録も、この図の役目ではありません。何月に何をしたかの記録は必要ですが、それは工程表とは別の場所に置くべきものです。計画を示す図に実績を混ぜると、行が2倍になって全体が読めなくなります。振り返りが必要なら、月末に図を書き出して残しておけば、後から比較できます。

細かい依存関係の矢印も、月単位では要りません。日単位の工程表では、AとBのつながりを矢印で示す意味がありますが、月単位では同じ月に並んでいる時点で前後がはっきりしません。矢印を引くと、線が交差して図が読めなくなります。前後関係が重要な工程だけ、行の並び順で表現するほうが伝わります。

費用や予算も、この図では扱わないほうがよいです。金額が入ると、見せる相手を選ばなければならなくなり、共有の範囲が一気に狭くなります。全員が見られる図でなくなった時点で、工程表は更新されなくなります。金額は別の資料に持つ。この分離は最初にやっておいてください。

載せる情報を絞ると図は素っ気なくなりますが、素っ気ない図のほうが長く生き残ります。情報を足すのはいつでもできますが、増えすぎた図から情報を減らす作業は、なぜか誰も手を付けたがりません。

案件をまたいで負荷を見るときの作り方

月単位の工程表を求める人の多くは、実は「工程」ではなく「負荷」を見たがっています。この案件とあの案件が同じ月に山を作っていないか。11月に人が足りなくなるのではないか。この問いに答えるには、案件ごとの工程表を並べるだけでは足りません。

作り方はこうです。工程の行に、担当者と、その月にかかるおおよその工数を持たせます。工数は時間で書く必要はありません。「その月をどれくらい使うか」を4段階くらいで書けば足ります。ほぼ専任、半分、少し、無し。細かい数字にすると入力されなくなるので、段階は粗くします。

次に、担当者を縦、月を横にした別の表を作り、そこに段階を集計します。同じ人の同じ月に「ほぼ専任」が2つ並んだら、それは破綻しています。この表は工程表とは別ものに見えますが、元のデータは同じなので、二重管理にはなりません。表計算ソフトなら関数で集計できますし、タスク管理ツールなら担当者で絞り込んだ一覧が同じ役割を果たします。

注意点が1つあります。この負荷の表は、正確さを求めた瞬間に使えなくなります。工数を時間で入力させ、実績と突き合わせようとすると、入力の手間が跳ね上がり、誰も書かなくなります。目的は「危ない月を早く見つけること」であって、工数を正確に測ることではありません。2か月先の山が見えれば、人を動かすか、日程を動かすかの判断ができます。それで十分です。

案件をまたいだ一覧が作れるかどうかは、道具の設計で決まります。案件ごとに完全に独立した入れ物を持つ作りだと、横断の一覧が作れないことがあります。無料枠の入れ物の数を気にして案件ごとに分けた結果、横断が見えなくなる。この順番で詰まる例は少なくありません。

半年より先の計画をどう扱うか

月単位の工程表を引くと、半年から1年先まで線を伸ばしたくなります。ここで手が止まる人が多い。半年先のことは決まっていないからです。

決まっていない予定の扱い方は2つあります。1つは、置かないこと。決まっていないものを図に載せないという方針です。すっきりしますが、「11月に大きな山があるらしい」という薄い情報まで消えてしまうので、負荷の見通しが立ちません。

もう1つは、確度を分けて載せることです。確定、ほぼ確定、検討中の3段階くらいに分けて、色や記号で区別します。検討中のものは月の幅も広めに取ります。「10月から12月のどこか」と書いておけば、嘘をつかずに存在だけを示せます。実務ではこちらのほうが役に立ちます。

期限も決めておいてください。検討中のまま3か月置かれている工程は、たいてい消えるか、まったく別の形になっています。四半期に1度、検討中の工程を全部見直して、確定するか消すかを決める。この掃除をしないと、図が古い希望で埋まっていきます。

もうひとつ、半年より先の工程には担当者を割り当てないほうが無難です。割り当てると、その人が「自分は11月にこれをやる」と受け取ります。実際には人が変わることも、案件そのものが無くなることもあります。担当は確定した工程にだけ付ける。この線引きが、無用な期待と落胆を防ぎます。

月単位の工程表を関係者に見せるときの整え方

月単位の図は、社内の実務より、社外や上位者への説明で使われることが多い道具です。見せる相手が変わると、整え方も変わります。

役員や上位者に見せる場合、見たいのは「遅れているかどうか」だけです。工程の名前を細かく書くより、今日の日付を示す縦線を引くほうが役に立ちます。線より左に終わっていない工程があれば遅れ、それだけで判断できます。表計算ソフトなら、当月の列に色を付けるだけで代用できます。

取引先に見せる場合は、粒度を落とします。社内向けの工程には、社外に出す必要のない作業が混ざっています。相手が知りたいのは、自分に関係する受け渡しの月だけです。社内向けの図をそのまま渡すのではなく、受け渡しの工程だけを抜いた図を別に作るほうが、結果的に説明が短く済みます。

現場のメンバーに見せる場合は、逆に自分の行が見つけやすいことが最優先です。担当者で並べ替えられるようにしておく。自分の行が見つからない図は、開かれなくなります。工程表が全員のものになるかどうかは、この一点で決まると言ってよいくらいです。

どの相手に見せる場合も、更新日を必ず図の中に書いてください。いつ時点の情報かが分からない工程表は、見た人が判断に使えません。表計算ソフトなら、いちばん上の行に「最終更新」の欄を1つ作るだけで済みます。この欄があると、更新が止まっていることも一目で分かるので、放置の抑止にもなります。

相談として届く内容から見えていること

工程管理の道具についての問い合わせを並べると、月単位を求める人の悩みには共通点があります。細かい工程表を作れないから月単位にしたい、のではなく、細かい工程表を作ったが維持できなかったから月単位に戻したい、という順番です。つまり一度は日単位を試している。

この順番が意味するのは、粒度は最初から粗くしておくほうが安全だということです。細かく始めて粗くするのは後戻りに見えるので、心理的に踏み切りにくい。粗く始めて必要な部分だけ細かくするほうが、途中でやめる判断がしやすくなります。

もうひとつ見えているのは、月単位を求める人の多くが、複数の案件を横断して見たいという要望も同時に持っていることです。案件ごとの工程表を月単位で並べて、どの月に人が足りなくなるかを知りたい。この要望は、入れ物を案件ごとに分ける設計と相性が悪くなります。案件をまたいで一覧できる作りかどうかは、道具ごとの違いを軸ごとに並べた比較の一覧で確認しておいてください。

そして、いちばん多い誤りが、道具の機能表で丸の数を数えて選ぶことです。丸の数は使わない機能でも増えます。見るべきは、毎月末に必ずする操作が何回で終わるかです。終わらなかった工程を翌月へ動かす操作が1回で済むか、5回かかるか。この差が半年後の運用を分けます。実際に他の道具から移すときのデータの扱いはTrelloからの移行に手順を書いてあり、移行前に確認しておく点はよくある質問にまとめてあります。取引先の情報を載せる以上、データの持ち方については安全性の考え方も併せて見ておいてください。

Q1. 月単位のガントチャートは無料で作れますか?

Googleスプレッドシートのような無料の表計算ソフトで作れます。列を月にして、条件付き書式で開始月から終了月までのセルを自動で塗る形にすれば、1年分が12列で1画面に収まります。デスクトップにインストールする無料の工程管理アプリもありますが、チームでの同時編集には向きません。

Q2. 日単位と月単位はどちらで作るべきですか?

更新にかかる時間で決めてください。週10分を超えるなら粒度が細かすぎます。全体像を見せる目的なら月単位、直近の作業を割り振る目的なら週単位が合います。両方必要な場合は、2枚の図を作らず、同じデータの表示を切り替えられる道具を選ぶのが安全です。

Q3. 月単位だと遅れが見えなくなりませんか?

月をまたがない遅れは図に出ません。対策として、月末に「今月終わる予定だったが終わらなかった工程」を翌月へ動かす作業を必ず入れてください。この一手間を入れておけば、遅れは最大でも1か月以内に表面化します。

Q4. 1枚の工程表に工程は何行まで載せてよいですか?

20行前後が上限です。これを超えるとスクロールしないと全体が見えなくなり、全体像を見せるという目的が果たせません。20行で足りない場合は、載せる範囲が広すぎるので、案件ごとや部門ごとに分けてください。1つの工程は1か月から3か月に収まる大きさが目安です。

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