Jootoでガントチャートを引く|どのプランから使えて、何ができないか
かんばんでタスクを回しているチームが、あるとき必ずぶつかるのが工程表です。カードを動かすだけでは「いつ終わるのか」に答えられず、上や取引先から日程を聞かれるたびに表計算ソフトを開き直すことになります。Jootoでガントチャートを引けるのかを調べている人の多くは、この往復をやめたいと思っています。この記事では、公式が自分で書いている機能の位置づけと、プランごとに触れる範囲、そして工程表を組むうえで先に知っておくべき期限を、順番に確かめていきます。
工程表を探している人が、この道具にたどり着く理由
まず、これは検索する側の思い込みではなく、提供側が数えている事実です。ガントチャートに特化した新サービスの発表資料には、過去1年間にGoogle検索からJootoのサービスサイトを訪れた人の検索語について、上位10パターンのうち7つに「ガントチャート」および関連ワードが含まれていた、と書かれています。集計期間は2025年2月1日から2026年1月31日までです。
つまり、かんばん方式の道具として知られている製品に、工程表を目当てにした人が大量に流れ込んでいた状態が、少なくとも1年は続いていたことになります。同じ資料には、オウンドメディアでも表計算ソフトでのガントチャート作成方法に関する記事が高い閲覧数を集めていた、とも書かれています。
この数字は、進行をとりまとめる立場の人にとって示唆があります。チームが日々動かしたいのはカードですが、まとめる側が求めているのは線です。この2つは同じ道具に同居させにくく、多くのチームが「日々はかんばん、報告は表計算ソフト」という二重管理に落ち着きます。工程表を引く道具を探し始めるのは、たいていこの二重管理が限界に来たときです。
そして、二重管理をやめるかどうかの判断には、機能があるかないかより先に確かめるべきことがあります。工程表を誰が引き直すのか、引き直している間に他の人が見られるのか、日付が動いたときに後ろの工程が連動するのか。この3つが決まらないまま道具だけ変えても、引き直す人の負担は変わりません。
公式が「補完する位置づけ」と書いている
Jootoにガントチャートの表示があるかどうかでいえば、あります。新規登録の画面にも、ビジネスプランのトライアルで使える機能として「進捗管理機能・ガントチャート」が並んでいます。問題は、その機能がどこまでを担う想定で作られているかです。ここについては、提供側が明確に書いています。
しかし、既存のJootoにおけるガントチャート機能は日々のタスク管理を補完する位置づけであり、中長期でプロジェクト全体を設計・運用していく用途には特化していません。 出典: www.jooto.com
競合の紹介記事が書いた評価ではなく、作った側の説明です。同じ資料では、この製品はPDCAのうちDCA、つまり実行と確認と改善の領域に強みを持つサービスとして展開してきたが、P(計画)の部分を後押しできる仕組みが求められていた、と続きます。
この一文は、検討の順番を大きく変えます。「機能が付いているのに使いにくい」という感想は、多くの場合、使う側の腕の問題ではありません。日々のカードの進み具合を横から眺めるための表示に、半年先までの工程設計を載せようとすれば、無理が出るのは当然です。半年の工程を1つの画面で組み替えたいのか、今週動いているカードの前後関係を確かめたいのか。求めているものがどちらなのかを先に決めておくと、判断が速くなります。
前者であれば、この機能単体で完結させる想定にはなっていません。後者であれば、かんばんの補助として十分に働きます。
別サービスとして切り出された経緯と、その意味
2026年2月27日、ガントチャートに特化した新サービス「Ganto」のβ版先行利用が始まりました。発表資料によれば、正式リリースは2026年9月頃を予定しており、それまでの間はJootoに登録しているユーザーであれば無料でβ版を試せる、とされています。利用には先行利用の申し込みが必要です。
注目すべきは、これが既存製品の新機能ではなく、新サービスとして切り出されたという点です。資料には、新機能としてではなく新サービスとして提供することで「シンプルでユーザーフレンドリー」「誰でも、簡単に、直感的に使えるツール」という使い心地は守り続ける、と書かれています。工程表の機能を本体に足していくと、かんばんの手軽さが崩れる。その判断が先にあったことが読み取れます。
新サービス側の設計として挙げられているのは、1画面の中でタスク追加から期間設定、依存関係の設定まで完結する構造、日本の祝日や長期連休を前提とした営業日ベースの期間管理、会議や承認資料として使える工程表の印刷と共有、依存関係や期間設定の整合性の可視化です。料金については、正式リリース時に年額プランと月額プランの2つを設定する予定で、人数無制限の定額制を採用する、とされています。
ここから読み取れるのは、工程表というものが本質的に「関わる人数が読めない」道具だという前提です。日々カードを動かすのは数人でも、工程表を見たい人は部署をまたぎ、外部のパートナーまで含まれます。人数で課金する形と工程表の性質は噛み合いにくく、定額制を選んだ理由もそこにあると説明されています。人数で区切るか、板の数で区切るか、機能で区切るかは道具ごとに考え方が分かれるところで、比較するときは比較の一覧のように、同じ軸で並べた表を先に見ておくと迷いが減ります。
プランごとに、どこまで触れるか
料金ページに掲載されている内容を、2026年9月10日時点のものとして整理します。表示価格はすべて税抜です。
・無料プラン: 月額0円。使えるのは1人まで。組織全体で100MB、添付は1つあたり10MBまで、履歴がさかのぼれるのは30日 ・スタータープラン: 年間契約で1ユーザーあたり月417円、月額契約なら月500円。10人まで、1ライセンスごとに5GB、1ファイル300MB、行動履歴は過去1年分 ・ビジネスプラン: 年間契約で1ユーザーあたり月980円、月額契約なら月1,300円。1人から、1ライセンスごとに10GB、1ファイル1GB、行動履歴は無制限。別途、初期費用が発生すると注記されています ・タスクDXプラン: 人数無制限の定額制で、金額は問い合わせ。データ上限は2TB
工程表を運用するときに効いてくるのは、価格そのものより行動履歴の保存期間です。誰がいつ日付を動かしたのかを追えないと、工程がずれた理由を後から説明できません。無料プランの30日分は、月次で振り返る運用なら間に合いますが、四半期の工程を扱うと足りなくなります。
もうひとつ、ゲスト機能と予実管理機能は、料金表の並びのうち無料プランとスタータープランの列に横線が引かれています。工程表を社外の相手と共有したい場合や、予定と実績を突き合わせたい場合は、どのプランで何が使えるかを申し込み前に確かめておく必要があります。各プランの実際の機能一覧は料金のような形で自社の使い方と並べて見ると、必要な線が引けるかどうかを判断しやすくなります。
工程表の運用で本当に詰まるのは、線の引き直しではない
道具を変えると決めるとき、「線を引き直す時間が減る」ことを理由に挙げる人は多いのですが、実際に運用が止まる場所は少し違います。現場でしばしば出るのは、次の3つです。
1つ目は、工程表を1人が抱えることです。表計算ソフトで組んでいると、開いている間は他の人が触れません。同時に編集できる形に移しても、実際には「日程を動かしていいのはあの人だけ」という運用が残り、変更の連絡が担当者に集まって、その人の返信待ちで全体が止まります。道具を変えるときは、日付を動かせる人を何人にするかを先に決めておくと、詰まりが軽くなります。
2つ目は、粒度がそろわないことです。工程表に「設計」と「ボタンの色を直す」が同じ高さで並ぶと、線の長さの意味がばらばらになり、見た人が全体像をつかめません。かんばんのカードをそのまま工程表に流し込む設計だと、この問題が起きやすくなります。工程表に出す単位と、日々動かすカードの単位を分けるのか、同じにするのか。ここを決めていないと、どの道具でも同じ場所で崩れます。
3つ目は、更新されなくなることです。工程表は、引いた直後がいちばん正確で、そこから毎日ずれていきます。ずれを直す作業が誰の仕事でもない状態になると、2週間ほどで誰も見なくなると言われています。防ぐには、日付の更新をカードの状態変更と同じ動作にしてしまうのが確実です。カードを動かせば線が動く形であれば、工程表を直すための時間を別に取る必要がなくなります。
この3つは、どれも機能一覧に現れません。だからこそ、比較表だけを見て決めると、導入後にそのまま持ち越されます。
補足すると、3つ目の「更新されなくなる」は、道具を変えた直後には起きません。新しい道具は珍しいので、最初の2週間は全員がよく触ります。問題が出るのは、繁忙期に入った1か月後です。人は忙しくなると、記録より作業を優先します。このとき、記録が作業のついでに済む形になっていれば残り、別作業として時間を取る形になっていれば飛びます。工程表の更新が「カードを右に動かす」のついでに終わるかどうかは、道具の作りと自分たちの設計の両方で決まります。導入前の検討では、平常時ではなく繁忙期の動きを想像しておくと、選び方が変わります。
β版を業務の工程表に使うときの注意
新サービスのβ版は無料で試せますが、業務の工程表をそのまま乗せる前に、公開されている利用規約を読んでおく価値があります。β版利用規約には、データの扱いについてはっきりした記述があります。
第3条には、β版で作成したガントチャート、およびその中で行った作成・編集・アーカイブ等の操作は、連携されているJooto上の該当データに対してリアルタイムまたは逐次的に反映されると書かれています。さらに、双方向で反映されること、β版での操作がJootoの本番環境のデータに影響を与える可能性があることを十分に認識するように、とも記されています。
第2条では、完全性、正確性、有用性、特定の目的への適合性、継続性および動作の安定性等について一切保証しないとされ、データの消失や意図しない上書き、業務の中断について責任を負わないと書かれています。ただし故意または重大な過失に起因する場合はこの限りではない、と続きます。第4条では、利用者が自己の責任でバックアップを行うものとする、とされています。
つまり、試用の場と本番の板がつながっている構造です。試すこと自体を避ける必要はありませんが、進行中の案件のボードをそのまま接続するか、検証用のボードを作ってから接続するかで、リスクの大きさが変わります。実務では、締切が動くと関係者への連絡が発生する案件ほど、検証用の板で先に確かめておくほうが安全です。データを預ける先の考え方を整理したいときは安全性の考え方のような、保管と復旧の方針が書かれたページを読み比べておくと判断材料になります。
2027年7月31日という期限が、工程表の引き方を変える
工程表の話をする前に、必ず押さえておくべき事実があります。トップページに掲示されている案内によれば、Jootoは2027年7月31日をもって一般提供を終了します。提供終了日までは、契約条件に従ってサービス品質とセキュリティを維持し、サポートも継続すると書かれています。一方で、2027年8月1日以降は登録されていたデータを順次すべて削除する予定であること、契約更新とライセンス追加は終了に向けて段階的に受付を停止することも、公式のFAQに明記されています。
工程表というのは、その性質上、先の日付を扱う道具です。ここで期限を意識せずに線を引くと、道具の終了日をまたぐ工程を、終了する道具の上に書くことになります。2026年9月10日時点で終了日まで残り約23か月ですから、1年以上の工程を持つ案件では、すでに射程の外に出ている線があるはずです。
判断としては、次の3つに分かれます。終了日より前に完了する案件はそのまま運用してよい。終了日をまたぐ案件は、工程表だけ先に別の場所へ移す。組織全体としてどうするかは、契約更新の受付停止時期が案内された段階で決める。少なくとも、いま新しく引く長期の工程表を、この道具の中だけに置かないほうが安全です。
なお、新規のアカウント登録画面は2026年9月10日時点でも開いており、ビジネスプランを31日間、人数無制限で試せる案内が出ています。試すこと自体は止められていません。ただし、試した結果を長期の運用計画に組み込むかどうかは、終了日を前提に考える必要があります。
表計算ソフトの工程表と、道具の上の工程表は別のものになる
工程表を道具に移すとき、多くのチームがまず考えるのは「いま作っている表を、そのまま画面の中に持っていく」ことです。ところが実際に移してみると、同じものにはなりません。理由は、表計算ソフトの工程表が、線を引くための道具ではなく、絵を描くための道具だからです。
表計算ソフトでは、セルに色を塗って線に見せています。色を塗る位置は人が決めているので、どんな形でも作れます。工程の下に注記を挟むことも、2本の線を1行に押し込むことも、休みの週だけ列を詰めることも自由です。この自由さがあるから、担当者ごとに違う形の表ができあがり、そして本人以外は直せなくなります。
道具の上の工程表は、その逆です。線の始まりと終わりは、カードに入っている日付から自動で決まります。人が絵を描いているのではなく、データを横から見ているだけです。だから、日付が入っていないカードは線になりません。担当者が決まっていないカードは、誰の行にも並びません。表計算ソフトなら「未定」と書いて済ませていたものが、道具の上では表示されないという形で現れます。
この差は、移行の初日に必ず出ます。表計算ソフトの表をそのまま流し込むと、線が半分しか出ません。原因は道具の不具合ではなく、もともとの表に日付が入っていない行があったからです。移す前に、すべての行に開始日と終了日を入れる作業が発生します。この作業は面倒ですが、やってみると「実は誰も期日を決めていなかった工程」が何本も見つかります。工程表を道具に移す価値の半分は、この棚卸しにあります。
もうひとつの差は、印刷です。表計算ソフトの表は、そのまま紙にできます。道具の上の工程表は、画面で見ることを前提に作られているものが多く、A3の紙に収める用途では扱いにくいことがあります。会議に紙を持ち込む文化が残っている場合、印刷や書き出しの仕様は先に確かめておく必要があります。新サービスの発表資料に、会議や承認資料として活用できる工程表の印刷・共有が特長として挙がっているのは、この点が現場で効いているからだと読めます。
かんばんの列と工程表の線を、どう対応させるか
かんばんと工程表を同じ道具に同居させるとき、設計で最初に決めるのは、列と線の対応です。ここを決めないまま始めると、片方を直すたびにもう片方が壊れます。
かんばんの列は、状態を表します。未着手、対応中、確認待ち、完了。カードは左から右へ動き、動いた瞬間に状態が変わります。一方、工程表の線は、期間を表します。いつ始まって、いつ終わるか。この2つは違う情報で、片方からもう片方を自動で出すことはできません。カードが「対応中」になっていても、それが予定どおりの日に始まったのか、3日遅れて始まったのかは、状態からは分かりません。
現場で機能している組み方は、おおむね2つです。
1つは、工程表に出すカードを絞る方法です。日々動かすカードは細かく作ってよいことにして、工程表には親にあたるカードだけを出します。「請求書機能の実装」という親カードに日付を入れ、その下に細かい作業カードをぶら下げます。工程表を見る人は親の線だけを見て、作業する人は子のカードだけを動かします。この形なら、工程表が細かすぎて読めなくなる問題を避けられます。
もう1つは、工程表用の板を分ける方法です。日々の板とは別に、工程だけを並べた板を作ります。更新の手間は増えますが、日々の板の設計を工程表の都合で歪めなくて済みます。案件が複数走っていて、それぞれの板の作りが違うチームでは、こちらのほうが破綻しにくい傾向があります。
どちらを選ぶにせよ、決めておくべきことは同じです。工程表に出す単位は何か。日付を入れる責任は誰にあるか。日付が動いたとき、板のどこを直すか。この3つを紙に1枚書いて共有しておくだけで、半年後の状態がかなり変わります。ルールが無いまま人が増えると、粒度の違うカードが工程表に並び、線の長さが意味を持たなくなります。
社外の相手に工程表を見せるときに起きること
工程表は、社内だけで完結しないことが多い道具です。制作会社なら発注元に、建設や設備なら元請けや施主に、社内システムなら他部署に、進み具合を見せる場面が出てきます。ここで料金の考え方が効いてきます。
人数で課金する形の道具では、見るだけの相手にも席が必要になります。編集させないゲスト用の枠が用意されている製品もあれば、通常の席と同じ扱いになる製品もあります。Jootoの料金表では、ゲスト機能の行について、無料プランとスタータープランの列に横線が引かれています。社外と工程表を共有したい場合は、どのプランでその枠が使えるのかを申し込み前に確かめておく必要があります。
席の話とは別に、運用上の注意もあります。工程表を社外に開くと、こちらの内部事情まで見えます。「確認待ちで3日止まっている」「担当者が3件かけ持ちしている」といった状態が、そのまま相手に伝わります。これは信頼の材料になることもあれば、余計な口出しを招くこともあります。実務では、外向けに見せる板と、内向けに動かす板を分けているチームが多く、外向けには週に1回まとめて反映する形が定着しています。
もう1つ、契約の観点があります。工程表は納期の記録でもあるため、あとから「いつ遅れが発生したか」を確かめる材料になります。誰がいつ日付を動かしたのかを追えるかどうかは、行動履歴の保存期間に左右されます。無料プランでは過去30日分、スタータープランでは過去1年分、ビジネスプランでは無制限と料金表に記載されています。取引先とのやりとりを含む案件で、四半期をまたぐ工期を扱うなら、30日という保存期間は短すぎます。この点は、機能の有無ではなくプランの選び方の問題です。
なお、契約や下請けの取引条件そのものについては、道具の設定で解決できる話ではありません。取引の条件や書面の扱いに不安がある場合は、公正取引委員会のような所管の窓口や、専門家に確かめるのが確実です。
日付が動いたときに、誰に何を伝えるか
工程表の運用が続くかどうかを分けるのは、線を引く作業ではなく、線が動いたあとの連絡です。ここが仕組みになっていないチームでは、工程表を持っていても電話とチャットで日程調整が行われ、表は事後的に書き換えられます。それでは、表を見ても現在地が分かりません。
伝える相手は、たいてい3種類に分かれます。後ろの工程を担当する人、全体の完了日を気にしている人、そして社外の相手です。この3つは、必要な粒度も速度も違います。後ろの工程の担当者には即座に伝わる必要があり、全体を見る人には週次でまとまっていれば足ります。社外には、確定してから伝えるほうが混乱しません。
道具の上でこれを実現する方法は、大きく2つあります。1つは、通知を使う方法です。カードの担当者に自動で通知が飛べば、後ろの工程の人には即座に届きます。ただし通知が多すぎると読まれなくなるので、日付の変更だけを通知する設定にできるかどうかが分かれ目になります。もう1つは、週次で見る場所を決める方法です。毎週決まった時間に工程表を開いて、動いた線だけを確認する。これなら通知に頼らずに済みます。
進行をとりまとめる立場としては、通知の設計より先に、遅れの申告を早くする空気を作るほうが効きます。遅れを言い出しにくい環境では、工程表の日付は締切の当日まで動きません。当日に動いた日付は、もう調整の役に立ちません。3日前に動けば手が打てます。道具は、動かした結果を全員に見せることはできますが、動かす気にさせることはできません。
実務でよく機能しているのは、週の初めに「今週ずれそうなもの」を1つだけ挙げてもらう運用です。挙げること自体を評価の対象にしないと決めておけば、申告が出てきます。工程表の精度は、機能ではなくこの空気で決まります。
工程表を持つ道具を選び直すときに見る順番
ここまでの事実を、進行をとりまとめる立場から並べ直します。工程表の道具を選ぶとき、比較サイトの機能一覧は最後に見るくらいでちょうどよく、先に確かめるべきものは別にあります。
先に確かめるのは、次の4つです。
・線を動かせる人を何人にするか。1人に集めると止まり、全員に開くと崩れます。3人から5人が現実的な線です ・工程表に出す単位と、日々動かすカードの単位を同じにするか、分けるか ・工程表を見るだけの人が何人いるか。人数で課金する形だと、見るだけの人にも席が必要になります ・その道具が、自分たちの案件の最長の工期より長く続く見込みがあるか
4つ目は、これまであまり検討項目に入っていませんでした。しかし2025年から2026年にかけて、国内外のプロジェクト管理ツールでは提供終了や統合の発表が続いています。料金と機能だけを比べて選ぶと、この軸が抜けます。比較の材料として、Backlogとの比較やmonday.comとの比較のように、同じ項目で並べた表を複数見ておくと、どの軸が自社にとって重いのかが見えてきます。かんばんから工程表へ広げたときに何が増えるのかはできることの一覧で確かめられますし、いま使っている板をそのまま持ち出せるかどうかはTrelloからの移行のような取り込み手順の説明に書かれています。
そのうえで、最後に1つ。工程表は、作った瞬間から古くなります。線を引く機能の優劣より、線がずれたときに誰がどうやって直すのかを決めているかどうかが、運用が続くかどうかを分けます。この決め事はどの道具にも付いてこないので、道具を選ぶのと同時に、自分たちで決めておく必要があります。判断に迷う点があればよくある質問のような形で疑問を先に潰しておくと、導入後の手戻りが減ります。
Q1. Jootoのガントチャートはどのプランから使えますか?
新規登録画面には、ビジネスプランを31日間試せるトライアルの案内として「進捗管理機能・ガントチャート」が挙げられています。プランごとの細かな可否は料金ページの機能一覧で確認する形になります。なお公式の発表資料には、既存のガントチャート機能は日々のタスク管理を補完する位置づけで、中長期の設計運用には特化していないと明記されています。
Q2. GantoとJootoのガントチャートは何が違いますか?
Gantoは2026年2月27日にβ版が始まった別サービスで、正式リリースは2026年9月頃を予定しています。営業日ベースの期間管理、依存関係の設定、工程表の印刷と共有を1画面で行う設計で、正式版では人数無制限の定額制を採用する予定と発表されています。Jooto本体の機能ではなく、新サービスとして切り出されています。
Q3. β版のガントチャートを本番の案件で使っても大丈夫ですか?
β版利用規約の第3条には、β版での操作がJootoの本番環境のデータに双方向で反映されると書かれています。第2条では動作の安定性等を一切保証しないとされ、第4条では利用者自身がバックアップを行うものとされています。締切が動くと関係者への連絡が発生する案件では、検証用のボードで先に確かめるほうが安全です。
Q4. 2027年の提供終了は工程表の運用に影響しますか?
影響します。公式の案内によれば一般提供の終了は2027年7月31日で、2027年8月1日以降はデータを順次すべて削除する予定とされています。終了日をまたぐ工期の案件は、その道具の中だけに工程表を置かない判断が必要です。契約更新とライセンス追加も段階的に受付を停止すると告知されています。