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kintoneの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める

2026年9月12日 ・ Pinateca編集部

kintoneの代わりを探しているとき、いちばん多い失敗は「同じことが全部できる1つの道具」を探しに行くことです。kintoneは業務のアプリを自分たちで作る土台なので、その上に何年も積み上げてきたものを、別の1つの製品がそのまま引き受けられることはまずありません。現実的な進め方は、いま載っているものを型ごとに仕分けて、手放してよいものを先に決めることです。ここでは、その順番を具体的に追います。

代わりを探す前に、いま何が載っているのかを数える

置き換えの検討は、候補を並べるところからではなく、いまの棚卸しから始めます。ここを飛ばすと、候補を見た瞬間に「これは足りない」「あれが無い」という話になり、比較が止まります。

数えるのは次の4つです。

・作ったアプリの数と、そのうち直近3か月で更新があったものの数 ・スペースの数と、実際に人が書き込んでいるものの数 ・入れているプラグインの数と、それぞれの提供元 ・外部と繋いでいる仕組みの数。フォーム、メール、他システムとのやり取り

この数え方で大事なのは、2つ目の数字を必ず出すことです。作ったアプリの総数は、たいてい実際に使われている数の何倍もあります。試しに作って放置したもの、一度きりの集計のために作ったもの、担当者が辞めて誰も触らなくなったもの。これらは置き換えの対象ではありません。移す必要があるのは、いま動いているものだけです。

参考までに、コースごとの上限は公式の料金ページに掲載されています。アプリ数はライトコースが200個、スタンダードコースが1,000個、ワイドコースが3,000個です。スペース数はそれぞれ100個500個1,000個と書かれています。上限に近づいているのか、まだ余裕があるのかで、そもそも置き換えの動機が違ってきます。

載っているものを、4つの型に仕分ける

数え終えたら、動いているアプリを型で分けます。型が違えば、代わりになる道具も違います。ここを混ぜたまま1つの候補で埋めようとするのが、置き換えが失敗する最大の理由です。

・台帳型。顧客、案件、備品、契約など、一覧で持っておきたいデータ ・申請型。誰かが出して、誰かが承認する流れがあるもの ・進行型。担当と期限があって、状態が動いていくもの ・集計型。上の3つを数えて、報告の形にするもの

進行をとりまとめる立場の人が本当に困っているのは、たいてい3つ目です。案件の状況が分からない、遅れが見えない、聞いて回っている。この症状で代わりを探しているなら、必要なのは進行を扱う道具であって、台帳と申請まで含めた土台を丸ごと入れ替えることではありません。

仕分けをすると、たいてい次の比率になります。台帳型が半分近く、申請型が2割、進行型が2割、集計型が1割前後。この場合、進行型だけを別の道具に出して、残りはそのまま置いておく、という判断があり得ます。全部を移すより、費用も期間も小さく済みます。

仕分けの副産物として、統合できるアプリも見つかります。同じデータを別々のアプリで持っていた、似た申請が3つに分かれていた、というのはよくある話です。移す前に減らせるものは、移す前に減らしてください。移してから整理するのは、何倍も手間がかかります。

手放してよいものを、先に決めておく

置き換えで一番揉めるのは、機能の話ではなく「これは要るのか」という話です。誰かが必要だと言えば、その機能を持つ候補しか選べなくなります。結果として、いまと同じかそれ以上に複雑な道具に行き着きます。

そこで、比較を始める前に、手放してよいものを決めてしまいます。判断の基準は次の3つです。

・直近1年で、その機能を実際に使った回数 ・使えなくなったときに、代わりの手段があるか ・その手段にかかる手間が、月に何分か

たとえば、細かい条件分岐のある承認の流れを持っているとします。年に数回しか通らない申請であれば、その分岐を再現できる道具を探すより、その申請だけ紙か既存の仕組みに残すほうが安く済みます。月に数百件通る申請なら、話は逆です。

もうひとつ、決めておきたいのが数字の扱いです。自動で計算している集計を、そのまま再現しようとすると、候補が一気に絞られます。表計算に書き出して集計する形で許容できるなら、選べる候補は大きく広がります。どちらを取るかは、その集計を誰が何のために見ているかで決まります。誰も見ていない集計が残っていることも、実際には少なくありません。

手放すと決めたものは、一覧にして関係者に共有してください。あとから「あれができなくなった」と言われたときに、決めた経緯を示せます。この一覧が無いと、移行の途中で要求が戻ってきて、作業が終わらなくなります。

金額の比較は、最低契約人数から始める

料金を比べるとき、1ユーザーあたりの単価を横に並べても意味がありません。最低契約人数が違えば、実際に払う金額が変わるからです。

公式の料金ページによれば、kintoneの最小ユーザー数はライトコースとスタンダードコースが10ユーザー、ワイドコースが1,000ユーザーです。価格は月額でライトが1,000円、スタンダードが1,800円、ワイドが3,000円で、いずれも1ユーザーあたりの税抜価格と明記されています。年額サービスを選んだ場合は、1ユーザーあたりライトが12,000円、スタンダードが21,600円、ワイドが36,000円と掲載されています。

つまり、実際に使うのが6人でも、スタンダードコースなら10人分として月18,000円が下限になります。この下限と、候補の道具の実人数分の金額を比べるのが正しい比較です。単価だけを見て「こちらのほうが高い」と判断すると、実際の支出とは逆の結論になることがあります。

オプションの金額も、公式の料金ページに掲載されています。ディスクの増設が月1,000円で10GB、セキュアアクセスが1ユーザーあたり月250円、メール共有のオプションが5,000件で月5,000円です。標準のディスク容量は5GBにユーザー数を掛けた分と書かれています。いま増設を重ねているなら、その分も比較の対象に入れてください。

料金が変わることは、比較の前提に入れておく

比べる相手の料金が、いつまでも同じとは限りません。これは特定の製品の話ではなく、どのサービスにも当てはまる前提です。

kintoneの場合、2024年5月に価格体系の改定が公表されています。発表の文面には、その理由が次のように書かれています。

運用や開発をはじめとした運営全体への投資を拡大し、より良いサービスを提供していくために、弊社のクラウドサービスの価格体系改定および、kintone、クラウドサービス版メールワイズの最小契約ユーザー数の改定を実施いたします。 出典: topics.cybozu.co.jp

同じ発表には、改定日が2024年11月1日であること、ライトコースが780円から1,000円へ、スタンダードコースが1,500円から1,800円へ改定されること、そして最小契約ユーザー数が5ユーザーから10ユーザーへ改定されることが表で示されています。

ここから読み取るべきは、値上げの是非ではありません。金額だけでなく、最低契約人数のような契約条件も動くということです。少人数で使っている組織にとっては、単価の改定より、最低人数の変更のほうが負担の増え方は大きくなります。

候補を比べるときは、その製品が過去にどんな条件の変更をしてきたかも見てください。公式のニュースやお知らせのページを遡れば分かります。値上げそのものは避けられませんが、変更をどれだけ前に告知しているか、経過措置があるかは、製品ごとに差が出ます。

社外の人をどう扱うかで、置き換えの難度が変わる

協力会社やクライアントを巻き込んでいる場合、ここが置き換えの成否を分けます。

kintoneでは、社外の人を入れるためのゲストユーザーがオプションとして用意されていて、料金ページには1ユーザーあたり月額でライトコースが700円、スタンダードコースが1,440円と掲載されています。人数に応じて積み上がる形です。

置き換えを検討するとき、確かめておきたいのは次の3点です。

・いま社外の人を何人入れているか。そのうち書き込む人は何人か ・その人たちが見ているのは、どのアプリの、どの範囲か ・相手側の手間。新しい道具を入れるとき、相手に何を頼むことになるか

3つ目が軽視されがちです。社内の都合で道具を替えると、社外の相手は新しい入り口を覚え直すことになります。相手が複数の取引先を抱えていれば、そのたびに違う道具を使わされている側です。ここで反発が出ると、結局メールでのやり取りに戻ってしまい、板が形骸化します。

相手に負担をかけずに進行を共有する方法をどう組むかは、道具を選ぶ前に決めておきたい論点です。招く相手ごとに見える範囲を区切る考え方は安全性の考え方に整理があります。ここが決まっていれば、候補の権限設計を見るときに、確かめるべき場所が絞れます。

プラグインとカスタマイズへの依存を棚卸しする

kintoneの強みは、足りないところをプラグインやカスタマイズで埋められる点です。そして、それがそのまま置き換えの難所になります。

まず確認しておきたいのは、コースによって拡張機能が使えるかどうかが分かれることです。公式の料金ページでは、外部サービスとの連携やプラグインなどの拡張機能は、スタンダードコースとワイドコースには付き、ライトコースには付かないことが示されています。APIリクエスト数は、1アプリごとにスタンダードが1日1万、ワイドが1日10万と書かれています。

棚卸しでは、次の順に一覧を作ります。

・入れているプラグインの名前と、提供元と、有償か無償か ・それぞれが、どのアプリのどの動きを担っているか ・自前で書いたカスタマイズの有無と、書いた人が社内にいるか ・外部サービスとの連携が何本あり、それぞれ何を運んでいるか

この一覧を作ると、置き換えの見積もりが現実的になります。よくあるのは、全体の8割は標準の機能で足りていて、残りの2割を数本のプラグインが支えている、という形です。その2割が何をしているのかを言語化できれば、候補の道具で同じことができるかを確かめられます。

逆に、自前で書いたカスタマイズがあり、書いた人がすでに社内にいない場合は要注意です。何をしているのか誰も説明できない処理が業務の途中に挟まっていると、置き換えたあとに「毎月やっていた処理が動いていない」という形で発覚します。移行を決める前に、必ず中身を確認する時間を取ってください。

データをどう持ち出すかを、先に試す

置き換えの検討で最後に回されがちなのが、データの持ち出しです。実際には、これを最初に試すべきです。持ち出せない形のデータがあれば、それだけで候補が絞られます。

確かめるのは次の4点です。

・レコードの書き出しが、どの形式でできるか ・添付ファイルがまとめて取り出せるか。1件ずつなのか ・コメントの履歴が残るか。残らないなら、残さなくてよいか ・アプリ同士の関連が、書き出したあとに再現できるか

4つ目が難所です。アプリをまたいで参照している設定は、表として書き出した時点で失われます。移す先で同じ関係を作るには、どの列とどの列が繋がっていたのかを記録しておく必要があります。これは書き出しのファイルには含まれないので、人が図に起こすしかありません。

移行の順番も先に決めます。動いている案件を全部まとめて移すと、どこで何が欠けたか分からなくなります。終わりが近い案件は元の場所に残し、新しく始まるものから新しい道具で作る。この形なら、並行して動く期間は生まれますが、途中で戻せます。実際の運び方の考え方はTrelloからの移行に手順の例があります。

支払いと契約の条件も、並べて確かめる

金額と機能が近い候補が残ったときは、契約まわりの条件で差がつきます。ここは社内の経理や総務と話す部分なので、先に押さえておくと手戻りが減ります。

kintoneの料金ページには、サイボウズから直接購入する場合の支払い方法として、クレジットカード払いと、マネーフォワード掛け払いによる請求書払いまたは口座振替が挙げられています。また、単月契約の月額サービスと、単年契約の年額サービスを選べることも示されています。

確かめておきたいのは次の4点です。

・請求書での支払いに対応しているか。法人カードを持たない部署でも契約できるか ・通貨。国内の事業者か、海外の事業者か。海外なら為替が請求額に効く ・契約の単位。月ごとか年ごとか。途中で人数を減らせるか ・販売の経路。直接契約か、代理店を経由するか。経由する場合は窓口がどちらになるか

4つ目は運用に効きます。代理店を経由する契約では、人数の変更もコースの変更も、その代理店に相談する形になります。窓口が1つ増えるぶん、相談できる相手がいる利点と、手続きに時間がかかる欠点の両方があります。どちらを取るかは、社内に詳しい人がいるかどうかで決めてください。

あわせて、学校法人や公共団体、非営利の団体を対象にした割引の枠が用意されている場合があります。該当するなら、正規の金額で見積もる前に窓口を確認しておく価値があります。

候補を試す期間を、どう設計するか

比較の最後は、実際に触って確かめる段階です。ここで大事なのは、期間の設計です。

kintone側の条件を例に挙げると、公式の料金ページには30日間の無料お試しがあり、お試しできるのはスタンダードコースで、期間中はユーザー数に制限なく利用できると書かれています。あわせて、試用期間は延長できないこと、試用期間の終了日の翌日から30日後にデータが自動的に消去されることも明記されています。契約後も試用中のデータを使う場合は、終了から30日以内に発注する必要があるとも書かれています。

候補の道具にも、それぞれ試用の条件があります。並べて見るときは、次を揃えてください。

・試せる期間と、その間に使える機能の範囲 ・試用中に入れたデータを、本番へ引き継げるか ・試用が終わったあと、データがいつまで残るか ・同じ環境をもう一度試せるか

条件が揃っていないまま比べると、期間の長い候補が有利に見えます。実際に必要なのは長さではなく、本番と同じ条件で試せるかどうかです。機能が絞られた状態で1か月触っても、判断の材料にはなりません。

試す内容も決めておきます。架空のサンプルではなく、いま動いている案件を1つだけ持ち込んでください。担当が決まっていないタスク、期限が動くタスク、社外が絡むタスク。この3つが含まれる案件が、いちばん確かめたいことを教えてくれます。

サポートの条件が変わることも、比較の対象に入れる

料金と機能は誰でも比べますが、サポートの条件は見落とされます。実際には、困ったときに誰に聞けるかは、日々の運用に直接効きます。

kintoneの料金ページには、メール、電話、チャットによるサポートが提供されていることが示されています。あわせて、2026年9月13日よりサポートの内容と提供方法が変更になる旨の案内が掲載されています。変更の告知では、AIによるチャットのサポートが24時間365日の形で加わる一方、ライトコースの電話サポートの窓口が終了することが示されています。スタンダードコースとワイドコースについては、メールとチャットと電話の窓口が引き続き提供されると案内されています。

ここで確かめるべきは、変更の良し悪しではありません。自分たちが契約している段で、いま使っている窓口が今後も残るのかどうかです。電話で聞けることを前提に運用を組んでいる組織が、その窓口を失うと、社内で答えられる人を用意する必要が出ます。

候補の道具についても、同じ観点で確かめてください。問い合わせの経路、対応する時間帯、日本語で聞けるかどうか、返答までの目安。導入の評価期間中に、わざと1件問い合わせてみるのが確実です。

置き換えの見積もりを、社内に出せる形にする

比較が終わったら、決裁を取る段になります。ここで月額の差額だけを出すと、たいてい通りません。決裁する人が知りたいのは、差額ではなく、移すのにかかる手間と、移したあとに何が良くなるかです。

出しておきたい項目は次のとおりです。

・移す対象の数。動いているアプリ、スペース、レコードの件数 ・移さないと決めたものの一覧と、その代わりの手段 ・移行にかかる作業日数の見込み。誰が何日使うか ・並行して両方を動かす期間の長さ ・月額の比較。いまの金額と、移した後の金額。最低契約人数を踏まえた実額で ・1年後に無くなっている作業の名前

最後の行がいちばん重要です。金額の比較だけでは、削減額が小さく見えます。実際には、聞いて回る時間、表を作り直す時間、報告用に転記する時間が乗っています。これらを分単位で出すと、話が具体的になります。たとえば、毎週の進捗確認に3人が30分かけているなら、月に6時間です。これがゼロにならなくても半分になるなら、月額の差額を上回ることは珍しくありません。

逆に、なくなる作業を挙げられないなら、置き換えの必要が無い可能性があります。そのときは、無理に稟議を通すより、いまの仕組みの中で運用を直すほうが早く効きます。

移行の途中で必ず起きる、2つの揉めごと

実際に移す段になると、ほぼ確実に起きることが2つあります。先に知っておくと、対処が早くなります。

1つ目は、移さないと決めたはずの機能が戻ってくることです。担当者が変わったり、久しぶりにその業務が回ってきたりしたときに、「前はできたのに」という声が出ます。手放すと決めた一覧を残しておき、そのときの判断の理由を添えておいてください。理由が残っていれば、話が蒸し返されても短く済みます。理由が残っていないと、毎回ゼロから議論することになります。

2つ目は、移行の期間が延びることです。並行して2つを動かす期間は、必ず当初の想定より長くなります。理由は単純で、古いほうを止める判断を誰もしたがらないからです。止める日を最初に決めて、カレンダーに入れてください。日付が決まっていないと、半年後も両方が動いたままになり、入力の手間が二重にかかり続けます。

この2つを避けるために効くのは、移行の責任者を1人だけ決めることです。合議で進めると、手放す判断も、止める判断も、誰も下しません。決める人を1人置き、その人が判断した内容を記録に残す。これだけで、移行の期間は目に見えて短くなります。

あわせて、移行の最中は新しい要望を受け付けない期間を設けてください。移しながら改善もしようとすると、どちらも終わりません。まず同じことができる状態まで運び、それから改善に入る。この順番を守るだけで、途中で頓挫する確率が大きく下がります。

kintoneのままがよい場合を、先に置いておく

ここまで置き換えの手順を書いてきましたが、動かさないほうがよい場合もはっきりあります。

まず、載っているものの大半が台帳型と申請型である場合です。データの構造を自分たちで決めて、それを使い続けているなら、その土台を捨てて別の道具に移す理由は小さくなります。進行の管理だけが不満なら、その部分だけを別に出すほうが安全です。

次に、外部との連携が業務の中心にある場合です。他システムとのやり取りを何本も抱えているなら、置き換えはその配管ごと作り直す話になります。配管を作り直すコストは、月額の差額では回収できません。

そして、社内に作り込める人がいて、その人が現役で動いている場合です。自分たちで変えられる状態は、それ自体が資産です。足りない機能があるたびに外へ発注する体制に戻ると、変更の速さは落ちます。

もうひとつ、社内の他の業務と密接に繋がっている場合も、動かさないほうが無難です。たとえば、営業の日報が案件の台帳に紐づき、その台帳が請求の元データになっている、という連なりです。途中の1つを抜くと、前後の両方に手を入れることになります。連なりの端にあるものから外していくのが、被害の少ない順番です。

逆に、次のどれかに当てはまるなら、少なくとも一部を外に出す検討に意味があります。作ったのに使われていないアプリが大半を占めている。進行の把握のために毎週人に聞いて回っている。社外の人を入れる金額が積み上がって重くなっている。作り込んだ人がすでに社内にいない。

寄せられる相談から見えていること

チームの進行を扱う道具について届く相談のうち、業務のアプリを作る土台から移りたいという内容を眺めていると、動機はほぼ2つに集約されます。

ひとつは、作る人と使う人が分かれてしまったという話です。最初は現場が自分で作っていたのに、いつの間にか情報システムの担当者や外部の業者にしか触れない状態になっている。すると、少し直したいだけの要望が、依頼と見積もりの手続きになります。この状態に不満が出ています。

もうひとつは、進行だけを見たいのに、そのために全部の仕組みを覚える必要がある、という話です。案件の状況を確かめたいだけの人に、アプリの設計思想から説明することになります。とりまとめる立場の人ほど、この説明役を引き受けることになり、負担が集中します。

この2つに共通しているのは、道具の性能ではなく、扱える人の範囲が狭いことです。だから、置き換えの候補を見るときも、機能の一覧より「誰が変えられるか」を先に確かめる価値があります。区切り方としては機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形もありえます。段ごとの機能差が無ければ、何をしてよいかの判断が要らなくなります。そのかわり、自分たちで細かく作り込みたいという要望には応えにくくなります。どちらが合うかは、社内に作れる人がいるかどうかで変わります。

判断の材料を揃えるなら、各サービスの輪郭を並べた比較の一覧と、板の上で何ができるかを整理したできること、それに人数とボードの数で区切る料金の考え方をまとめた料金を見比べてください。実際に寄せられる質問はよくある質問にまとめてあります。

Q1. kintoneの代わりを1つの道具で埋められますか?

載せているものの型によります。台帳型、申請型、進行型、集計型のうち、進行型だけが不満であれば、その部分を別の道具に出すだけで足りることがほとんどです。全部を1つで置き換えようとすると、いまと同じか、それ以上に複雑な道具を選ぶことになります。まず型で仕分けてください。

Q2. 費用はどう比べればよいですか?

最低契約人数から始めてください。公式の料金ページでは、kintoneの最小ユーザー数はライトコースとスタンダードコースが10ユーザー、価格は月額で1,000円と1,800円の税抜と掲載されています。実際に使うのが6人でも、スタンダードコースなら10人分が下限になります。この下限と、候補の実人数分の金額を並べるのが正しい比較です。

Q3. プラグインで実現している機能は、どう扱えばよいですか?

入れているプラグインの名前、提供元、担っている動きを一覧にしてください。多くの場合、業務の8割は標準の機能で足りていて、残りを数本のプラグインが支えています。その数本が何をしているかを言語化できれば、候補の道具で同じことができるか確かめられます。自前のカスタマイズは、書いた人が社内にいるかを先に確認してください。

Q4. データはどこまで持ち出せますか?

レコードの書き出し、添付ファイルの一括取得、コメント履歴の扱い、アプリ同士の関連の4点を、検討の最初に試してください。とくにアプリをまたいだ参照は、表として書き出した時点で関係が失われます。どの列とどの列が繋がっていたかを人が図に起こして記録しておく必要があります。

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