kintoneのガントチャートを無料で使えるか|条件と費用の実際
kintoneでガントチャートを無料で使いたい、という調べ方をする人は、たいてい2つの立場のどちらかにいます。すでに社内でkintoneが動いていて、そこに工程表を足したい人。もうひとつは、これから道具を選ぶ段階で、追加費用のかからない選択肢を探している人です。この2つは、必要な答えがまったく違います。この記事では、公式のヘルプと料金ページに書かれている内容を確認したうえで、無料でどこまで届くのか、届かないなら何にいくらかかるのかを順に並べます。
「kintone ガントチャート 無料」を調べる人が置かれている状況
まず前提を揃えます。kintoneは、業務に合わせて自分でアプリを組み立てる仕組みです。顧客の一覧も、日報も、案件の管理も、フィールドを並べて作ります。最初から工程表の画面が用意されている道具とは、成り立ちが違います。この違いを踏まえないまま「ガントチャートはどこにあるのか」と探すと、いつまでも見つかりません。
もうひとつ、検索で使われる「無料」の語が、実は3つの別ものを指しています。ひとつめは、製品そのものが無料で使えること。ふたつめは、期間を限った無料のお試しがあること。みっつめは、いま払っている月額の中に追加費用なしで機能が含まれていること。この3つを分けずに調べると、答えが噛み合いません。
kintoneの場合、料金ページに無料で使い続けられるプランの記載はありません。あるのは30日間の無料お試しです。契約は最低10ユーザーからで、この最低ユーザー数は、少人数のチームにとっては先に効いてくる条件です。5人のチームでも、料金は10ユーザー分から始まります。
工程表を欲しがる場面も、実はひとつではありません。案件ごとの締切が重なる時期に、誰の作業がいつ詰まるのかを見たい。あるいは、社外に見せる資料として、日程を横棒で示したい。前者なら画面の中で更新できることが要りますが、後者なら書き出した図が一枚あれば足ります。どちらを求めているのかを先に決めておくと、この先の判断がだいぶ楽になります。
現場でよく聞くのは、「一覧の表は作れたのに、日程を横で見る方法だけが見つからない」という話です。表としてのデータは持っているので、あとは見せ方の問題だと感じる。ところが、その見せ方が標準では用意されていない、というのがこの件の核心です。
公式のヘルプに書かれている答えは短い
kintoneのヘルプセンターに、この疑問へ正面から答えるページがあります。記事番号は040196で、質問文がそのまま見出しになっています。
kintoneの標準機能では、ガントチャートの作成や表示はできません。カスタマイズやプラグインを適用することで、ガントチャートを表示できます。 出典: jp.kintone.help
同じページには、補足としてもうひとつ重要な記載があります。ライトコースを契約している場合はプラグインを利用できない、という点です。つまり、プラグインで工程表を出す道を選ぶなら、コースそのものを上げる必要があります。
さらにヒントとして、お試し環境ではスタンダードコースと同様の機能が使えること、ライトコースの契約中でも別途お試し環境を作ってガントチャートの表示を確認できることが書かれています。判断に迷ったときの現実的な進め方として、この案内は使えます。
ここまでで、検索の答えは出ています。標準の機能だけでガントチャートを出すことはできない。出すならプラグインかカスタマイズが要る。プラグインを使うにはライトコースでは足りない。この3つが公式の記載です。あとは、その条件を満たしたうえで、どこまで無料に近づけられるかという話になります。
無料に近づける道は3つある
道は大きく3つに分かれます。それぞれ、無料である部分と、無料でない部分がはっきり違います。
1つめは、30日間の無料お試しを使う道です。お試し環境ではスタンダードコースと同じ機能が使えるので、プラグインを入れてガントチャートの表示まで確認できます。ただし期間が切れれば止まります。検証には向きますが、本番の運用には使えません。この道の価値は、費用をかける前に自分の業務データで確かめられることにあります。実際のタスクを30件ほど入れて、更新の手間まで含めて触ってみると、判断の材料が揃います。
2つめは、開発者向けサイトで公開されているサンプルのガントチャートプラグインを使う道です。ソースコードはGitHubのkintone-samplesという場所に置かれていて、パッケージ済みのzipファイルも配布されています。ダウンロードそのものに費用はかかりません。ただし、公式のドキュメントには利用条件が明記されています。kintoneのプラグインはスタンダードコース以上で利用できること、そしてこのプラグインはプラグイン開発のためのサンプルであり、サポート対象外であることです。サンプルプラグインに関する問い合わせは、APIのサポート窓口の対象外とも書かれています。
3つめは、自分でカスタマイズを書く道です。JavaScriptでkintoneの画面に描画を足せば、望む形の工程表を作れます。この道は、外に払う費用はゼロにできます。かわりに、作る時間と、その後ずっと保守する時間がかかります。書いた人が異動したり退職したりしたときに、誰が引き継ぐのかを先に決めておかないと、数年後に触れないコードだけが残ります。
3つとも、費用の一部を別のところへ移しているだけだ、という見方ができます。お試しは時間で払い、サンプルプラグインは自己責任で払い、カスタマイズは人の手で払う。どれを選ぶにしても、この置き換えを意識しておくと、後から想定外のコストに驚かずに済みます。
無料お試しの30日で何を確かめるか
お試しの期間は限られています。触ってみた感想で終わらせず、判断に必要なものだけを取りに行く順番を決めておくと、30日を無駄にせずに済みます。
最初の週にやることは、実データを入れることです。架空のタスク名で並べた画面は、どの道具でもきれいに見えます。実際の案件名、実際の担当者、実際の締切を入れて初めて、行数の多さや名前の長さといった現実が見えてきます。50件ほど入れれば、表示の詰まり具合は分かります。
2週目は、担当者に触ってもらう番です。取りまとめ役だけが触って判断すると、必ず外します。判断する人は仕組みを理解しているので、どんな画面でも使えてしまう。実際に毎日入力するのは別の人です。その人が、自分の作業の終わりを報告するのに何回クリックするかを数えてください。3回を超えると、続かないことが多いです。
3週目は、変更が起きたときの動きを見ます。工程は必ずずれます。1本の棒を3日後ろへ動かしたとき、後ろに続く作業が一緒に動くのか、手で全部直すのか。ここが手作業だと、案件が10件を超えたあたりで維持できなくなります。
最後の週は、書き出しと見せ方の確認に充ててください。社外へ渡す形式、印刷したときの見え方、スマートフォンで開いたときの表示。ここで詰まると、せっかく作った表が使われません。この4段階を順に踏めば、期間内に必要な材料は揃います。
契約にかかる金額を先に並べる
無料の道を検討するにしても、土台になる契約の金額は把握しておく必要があります。2026年9月4日時点で公式の料金ページに記載されている内容です。すべて税抜と明記されています。
| コース | 1ユーザーあたり月額 | 最低契約ユーザー数 | プラグインの利用 |
|---|---|---|---|
| ライトコース | 1,000円 | 10ユーザー | 不可 |
| スタンダードコース | 1,800円 | 10ユーザー | 可能 |
| ワイドコース | 3,000円 | 1,000ユーザー | 可能 |
プラグインでガントチャートを出す前提なら、選べるのは実質スタンダードコースです。最低の10ユーザーで契約すると、月額は18,000円、年間で216,000円になります。これが、無料のサンプルプラグインを使った場合でも動かない下限です。
市販のプラグインを使う場合は、さらに上乗せされます。たとえばサイボウズのプラグイン紹介ページに掲載されているKOUTEIというガントチャートのプラグインは、月額10,000円、年額98,000円でドメイン単位という価格が、税抜で記載されています。ユーザー単位ではなくドメイン単位なので、人数が多いほど1人あたりの負担は下がる形です。お試しの申し込みも用意されています。
スタンダードコース10ユーザーに市販プラグインを1つ足すと、年間で314,000円ほどになります。無料という語から入った検索が、実際にはこの規模の判断に行き着く。ここを先に見ておくと、社内で説明するときに話が早くなります。
サンプルのプラグインを本番で使う前に確かめること
費用が浮くという理由でサンプルプラグインを選ぶなら、確かめておくことがいくつかあります。サポート対象外という記載は、単なる免責の文言ではなく、運用の設計に直結します。
まず、動かなくなったときに誰が調べるのかを決めておく必要があります。kintone本体は更新が続きます。画面の作りが変わったときに、プラグイン側が追随できるとは限りません。そのときに、社内でJavaScriptを読める人がいるかどうかが分かれ目になります。
次に、バージョンをどう管理するかです。配布されているzipにはバージョン番号が付いています。どの版を入れたのかを記録しておかないと、不具合が出たときに元へ戻せません。入れた日付と版を、社内の共有の場所に1行書いておくだけで、後の調査がかなり楽になります。
そして、業務のどこまでをそのプラグインに預けるかです。表示だけを任せるのか、日程の入力までそこで行うのか。入力まで預けると、動かなくなった瞬間に業務が止まります。表示だけなら、最悪の場合は一覧の表に戻せば済みます。この線引きを最初に決めておくと、リスクの大きさが変わります。
情報システムの担当者がいない会社では、3つめの線引きがとくに効きます。日程のデータそのものは標準のフィールドに入れておき、横棒の図はあくまで見せ方として足す。この構成にしておけば、プラグインを外してもデータは残ります。
カスタマイズで自作するときの見積もりの立て方
3つめの道を選ぶなら、費用がゼロに見えるところに落とし穴があります。外に払う金額は確かに発生しませんが、社内の時間は確実に消えます。見積もりの立て方を具体的にしておきます。
作る側の工数は、描画そのものより周辺で膨らみます。横棒を並べるだけなら、公開されているライブラリを使えば数日で形になります。時間がかかるのは、期間の重なりをどう表示するか、担当者ごとに行を分けるか、休日を色分けするか、といった仕様の決めごとです。この決めごとを社内で回すのに、打ち合わせが3回から5回は入ります。関係者が5人いれば、それだけで15時間前後が消えます。
保守の工数は、作ったあとに毎年発生します。ブラウザの更新、本体の画面の変更、社内の運用の変化。どれも予告なく来ます。年に2回の手直しを見込んで、1回4時間とすると、年間8時間です。人件費に置き換えれば、市販のプラグインの年額と大差ない水準になることも珍しくありません。
判断の分かれ目は、その画面が自社の業務に固有かどうかです。他社と同じ形でよいなら、既製品を買うほうが安く済みます。自社にしかない工程の考え方を画面に落とし込みたいなら、自作の価値が出ます。ここを曖昧にしたまま「安いから自作」と決めると、数年後に誰も触れないコードが残ります。
外部に開発を委託する場合は、納品後の保守を契約に含めるかどうかを最初に決めてください。含めない契約で作ってしまうと、最初の不具合が出た時点で追加の見積もりを取ることになり、そのやり取りの時間もこちらの負担になります。委託の条件については、所管の窓口や専門家に確認しておくと安全です。
標準の機能だけで工程を見せる代案
プラグインを入れないという判断をした場合でも、工程を共有する方法がなくなるわけではありません。標準の範囲でできることを整理します。
一覧の表示形式にはカレンダー形式があります。日付のフィールドを軸にしてレコードを月のカレンダー上に並べられるので、いつ何があるかは把握できます。横棒で期間の長さを示すことはできませんが、締切が集まっている週を見つける用途なら足ります。
開始日と終了日をフィールドとして持っておくことも重要です。いま横棒が出せなくても、データとして日付を2つ持っていれば、後からどんな道具にでも渡せます。逆に、締切の1日しか持っていないデータからは、期間を復元できません。将来の選択肢を残すという意味で、この2つのフィールドは最初から用意しておく価値があります。
期間を横棒で見せる必要が本当にあるかを、もう一度検討する余地もあります。工程表が求められる場面の多くは、実は「今週誰が詰まっているか」を知りたいだけのことがあります。担当者ごとに絞り込んだ一覧を、締切の近い順に並べて共有するほうが、更新の手間も少なく、読み違えも起きにくい。横棒の図は見栄えがよい分、作る側の負担が大きくなりがちです。
社外へ提出する資料として必要な場合は、月に1度だけ書き出して別の道具で図に起こす、という割り切りもあります。毎日更新する必要がないなら、常時表示できる仕組みに費用をかける理由は薄くなります。
社外の協力会社と工程を共有するとき
工程表が必要になる場面の多くは、社内だけで完結しません。制作会社、施工業者、業務委託の個人。関わる人が社外に及ぶと、判断の条件がひとつ増えます。その人たちにアカウントを配るのか、配らないのかです。
アカウントを配る場合、費用は人数に直結します。最低契約が10ユーザーからの仕組みなら、社内6人に社外4人を足しても金額は変わりませんが、社外が8人いれば14ユーザー分になります。案件ごとに相手が入れ替わる業種では、この出入りの手間も無視できません。契約が終わるたびに権限を外す作業が発生し、外し忘れが情報の持ち出しにつながります。
アカウントを配らない場合は、書き出した図を渡すことになります。この方式は費用が増えませんが、渡した瞬間から中身が古くなります。相手が古い図を見て動いてしまう事故は、現場でよく起きます。図に更新日を必ず入れる、次に送る日を決めておく、といった運用でしか防げません。
どちらを選ぶにしても、社外の人が見る範囲を絞れるかどうかは先に確認してください。ひとつの画面に全案件が並ぶ構成だと、A社にB社の日程が見えてしまいます。見える範囲を案件ごとに区切れる作りかどうかは、契約前に必ず確かめる項目です。この観点での考え方は安全性の考え方に整理してあります。
他の道具の無料枠と並べて考える
「無料」を軸に道具を探すなら、他の選択肢の無料枠も並べておくと判断しやすくなります。ただし、無料枠は事業者の都合で変わります。この点を実例で確認しておきます。
Backlogの料金ページには、2026年9月4日時点で、フリープランが無料で最大10人、プロジェクトは1個と記載されています。ガントチャートの記載があるのはスタンダードプラン以上で、月額16,000円です。金額は税抜で、年払いは5%の割引と書かれています。
同じサイトの案内によれば、2027年1月1日からプランが新しくなります。エコノミー、ビジネス、プロフェッショナルの3つになり、月払いはそれぞれ21,000円、36,300円、100,000円と記載されています。エコノミーはユーザー15名、プロジェクト30個までです。現行プランの新規契約は2026年12月31日で終了すると案内されています。そしてフリープランのユーザー上限は、10名から5名へ変更されます。
この事例が示しているのは、いまの無料枠が来年も同じとは限らない、という当たり前の事実です。無料であることを理由に道具を選ぶなら、枠が縮んだときにどうするかを、選ぶ時点で考えておく必要があります。開発の課題管理と工程管理をひとつの場所で回したいチームの判断材料はBacklogとの比較に整理してあります。
なお、ここに挙げた金額はいずれも公式ページの記載を確認したものですが、料金は変わります。契約の前には必ず自分で公式ページを開いて確かめてください。
導入する前に決めておく3つのこと
道具が決まったあとに詰まる原因は、たいてい道具の側にありません。使い方の取り決めがないまま配ると、そこで止まります。工程表を入れる前に決めておくと後が楽になる項目を3つ挙げます。
1つめは、工程の粒度です。1本の棒を何日分にするかを揃えないと、表が読めなくなります。ある人は作業を1日単位で並べ、別の人は2週間を1本にまとめる。同じ画面に混在すると、全体の進み具合がまったく分からなくなります。最初に「1本は最長でも5営業日まで」といった基準を決めておくと、後から揃え直す手間が消えます。
2つめは、誰が更新するかです。取りまとめ役が全員分を代わりに直す構成にすると、その人の作業量が上限を決めてしまいます。担当者が自分の分だけ動かす構成にできるかどうかで、続くかどうかが決まります。入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。嘘になった表は誰も見なくなり、そこから先は形だけが残ります。
3つめは、更新のタイミングです。毎日直すのか、週に1度まとめて直すのか。決めておかないと、見る人は「この表がいつ時点のものか」を判断できません。週に1度と決めたなら、画面のどこかに更新日を出しておくだけで、読み手の不安がかなり減ります。
この3つは、どの道具を選んでも共通です。逆に言えば、ここが決まっていれば、多少使いにくい道具でも運用は回ります。決まっていなければ、どれだけ高機能な道具を入れても止まります。工程表が続かなかった経験があるチームは、道具を替える前にこの3点を見直す価値があります。
いまのままでよい場合を先に置く
乗り換えを前提にしない立場から書きます。次のような使い方をしているなら、道具を変える理由は薄いはずです。
社内の業務がすでにkintoneのアプリとして何本も動いていて、顧客のデータや日報や見積もりがそこに集まっている場合。工程表のためだけに別の場所へ移すと、データが2か所に分かれます。分かれた瞬間から、どちらが正しいのかを確かめる手間が毎日発生します。この手間は、工程表が見やすくなる利益をたいてい上回ります。
自分たちで画面を組み立てられる体制がある場合も同じです。フィールドを足し、条件で表示を切り替え、必要ならJavaScriptで補う。この自由度は、あらかじめ形が決まっている道具では得られません。工程表の見た目のために、その自由度を手放すのは割に合いません。
社外の協力会社を含めて権限を細かく分けたい場合も、既存の仕組みの中で調整するほうが早いことが多いです。人ごとに見える範囲を変える設計は、後から入れ替えると必ず穴が出ます。すでに運用している権限の設計を別の道具へ写すときは、写し漏れが必ず1つか2つ出ます。その1つが、見せてはいけない相手に見せてしまう事故につながる。既存の設計が複雑であるほど、動かさない判断に価値があります。
社内に運用の担当者が定着している場合も、変える理由は弱くなります。誰がどの設定を触れるかが決まっていて、質問の行き先がはっきりしている状態は、それ自体が資産です。道具を替えると、この知識が一度ゼロに戻ります。戻したうえで得られるものが、失うものを上回るかどうかを冷静に見てください。
こちらの側にも認めておくべき点があります。ボード型のタスク管理は、業務システムそのものを組み立てる道具ではありません。顧客管理も在庫管理も同じ場所で回したいなら、対象が違います。自動化や外部サービスとの連携を作り込みたい場合も、そこを主戦場にしている道具のほうが向いています。画面が日本語のみという制約が問題になる環境もあります。取り込みを自動で行えるのも、いまのところTrelloからの経路だけです。
問い合わせとして届く内容から見えていること
工程管理の道具についての相談を並べると、無料を軸に探した人には共通の流れがあります。最初は費用ゼロで始められるものを探し、次に機能の一覧を見比べ、最後は「チームの誰が入力し続けてくれるか」で決め直す。この順番が入れ替わることは、ほとんどありません。
理由は単純です。工程表は、引いた瞬間がいちばん正確で、そこから毎日ずれていきます。ずれを直すのは、たいてい取りまとめ役の1人です。その1人の作業時間が週に2時間を超えたあたりから、更新が止まります。現場では、導入から2週間で誰も触らなくなる、と言われています。無料かどうかより、この1点のほうが結果を左右します。
もうひとつ見えているのは、費用の見積もりを人数だけで立てて外す例の多さです。最低契約ユーザー数、プラグインの課金単位、プランごとのプロジェクト数の上限。この3つは金額に直結するのに、比較表の目立つところには載りません。料金の考え方をどう置いているかは料金に書いてあります。道具によっては機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという組み立て方をしているものもあり、その場合は必要な機能が下位プランで使えないという事態が起きません。
そして、いちばん多い誤りが、機能表の丸の数で選ぶことです。丸の数は、使わない機能でも増えます。見るべきなのは、同じデータをカンバンとガントで切り替えられるか、その切り替えに何回の操作が要るか、入力する人にとって画面が減るかどうかです。この観点で各サービスを軸ごとに並べたものが比較の一覧にあります。付箋のような使い方から移る場合はTrelloとの比較、自動化と外部連携を重く見る場合はAsanaとの比較、文書とタスクを近い場所で扱いたい場合はNotionとの比較が、それぞれ判断の材料になります。複数案件の一覧を重視するならmonday.comとの比較、国産のカンバン型と比べたい場合はJootoとの比較を見てください。
実際に道具を移すときのデータの扱いはTrelloからの移行に手順があり、社外の人を含めて使うときに気になる点は安全性の考え方にまとめてあります。どの画面で何ができるのかを先に確認したい場合はできることを、導入前によく出る疑問はよくある質問を見ておくと、社内で説明するときの材料になります。
最後に、判断の順番だけ整理しておきます。まず、横棒の工程表が本当に毎日必要かを決める。必要なら、いまの仕組みで出す方法と、別の道具で出す方法の費用を、最低契約ユーザー数まで含めて並べる。そのうえで、入力する人が増える構成かどうかで選ぶ。この順で見れば、無料という語に引きずられて後から費用が膨らむ事態は避けられます。
Q1. kintoneの標準機能だけでガントチャートは作れますか?
公式のヘルプには、標準機能ではガントチャートの作成や表示はできない、と記載されています。表示するにはカスタマイズかプラグインの適用が必要です。あわせて、ライトコースを契約している場合はプラグインを利用できないとも書かれているため、プラグインで対応するならスタンダードコース以上が前提になります。
Q2. 無料のガントチャートプラグインはありますか?
開発者向けサイトで、サンプルのガントチャートプラグインが公開されています。ソースコードはGitHubから入手でき、パッケージ済みのzipも配布されています。ただし公式の記載どおり、これはプラグイン開発のためのサンプルでサポート対象外です。本番で使うなら、動かなくなったときに誰が調べるのかを先に決めてください。
Q3. ガントチャートを使うには最低いくらかかりますか?
2026年9月時点の公式料金ページでは、スタンダードコースが1ユーザー月額1,800円、最低契約は10ユーザー、いずれも税抜と記載されています。無料のサンプルプラグインを使う場合でも、月18,000円、年216,000円が下限です。市販のプラグインを足す場合は、たとえば月額10,000円・年額98,000円といった価格が別途かかります。
Q4. まず無料で試す方法はありますか?
30日間の無料お試しがあります。公式ヘルプには、お試し環境ではスタンダードコースと同様の機能を利用できると記載されており、ライトコースの契約中でも別途お試し環境を作って表示を確認できると案内されています。実際のタスクを30件ほど入れて、更新の手間まで含めて触ると判断しやすくなります。