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工数管理をTeamsで行うときの選択肢|どこまで無料で足りるか

2026年9月7日 ・ Pinateca編集部

工数管理のツールをTeamsの中で探すとき、期待されているのはたいてい「すでに払っている月額の中で完結すること」です。結論を先に書くと、案件別の工数を集めて集計する機能は標準では用意されていません。ただし、出退勤の記録、タスクの一覧、表計算、フォームを組み合わせれば、一定の規模までは回せます。この記事では、それぞれの方式で何ができて、どこで足りなくなるのかを、公式のページで確認できる条件と金額とあわせて並べます。

「工数管理 ツール teams」を調べる人が置かれている状況

この検索をする人の事情は、おおむね共通しています。社内の連絡がすでにTeamsに集まっていて、新しい画面を増やしたくない。けれども、案件ごとの利益を出す必要が出てきた。あるいは、見積もりの根拠を実績で示すよう求められた。理由はいろいろですが、どれも「誰が何にどれだけ時間を使ったか」を数字にする必要から来ています。

もうひとつ、費用の事情があります。専用の工数管理サービスは1人あたり月額500円から2,000円程度が中心の価格帯で、30人のチームなら年間で数十万円になります。すでにMicrosoft 365の費用を払っているのだから、その中で済ませたい。この判断は合理的です。

ただし、ここで用語を整理しておく必要があります。工数管理と勤怠管理は別ものです。勤怠管理は、その人が何時から何時まで働いたかを記録するもの。工数管理は、その時間を案件や作業に割り振るものです。Teamsの中に用意されているのは前者に近い仕組みで、後者はありません。この違いを踏まえずに探すと、見つけたものが目的と合いません。

現場でよく聞くのは、「打刻の仕組みは入れたのに、案件ごとの時間が出せない」という話です。総労働時間は分かるのに、そのうち何時間がA社の案件だったかが分からない。この状態では、案件ごとの利益は計算できません。

もうひとつ、Teamsで探している人に固有の事情があります。作業にかかった時間は、実はもう毎日報告されています。「A社の修正、午前いっぱいかかりました」という一文が、チャネルの投稿として流れている。報告としては成立しているのに、これは集計の対象になりません。投稿は時系列で下へ流れていき、案件の呼び方も時間の書き方も人によって違うからです。つまり多くの職場では、工数の材料だけが先にあって、それを数えられる形に変える工程だけが欠けている状態です。この工程を取りまとめ役が投稿をさかのぼって転記する形で埋めると、その人の作業時間が毎月そのまま積み上がります。現場では、導入から3か月で入力する人が半分になる、と言われています。

Teamsそのものに時間を記録する機能はあるか

Teamsには、Shiftsという勤務シフトを扱う仕組みが用意されています。この中に時間の記録機能があります。公式のサポートページにはこう書かれています。

Shifts のタイム レコーダー機能を使用すると、Teams モバイル、デスクトップ、Web でシフトの出退社を記録できます。 出典: support.microsoft.com

同じページには、この機能を使うにはマネージャーが最初にシフトの設定でタイムレコーダーをオンにする必要があること、位置情報の検出も有効になっていてTeamsによる位置情報へのアクセスを許可した場合はモバイル端末での出退勤時に位置情報が記録されることが書かれています。休憩を取ることもでき、休憩を開始するとシフト中のタイムカウンターが停止すると説明されています。

制約として重要な記載もあります。Teamsモバイルのシフトではタイムシートを表示および編集できますが、デスクトップやWebでは表示および編集できない、という注記です。パソコンの前で1日を過ごす職種にとって、この制約はかなり効きます。

そして、ここで記録されるのは勤務の開始と終了と休憩であって、案件別の内訳ではありません。店舗や現場のシフト勤務を想定した作りなので、複数案件を並行して進める仕事の工数管理には、そのままでは使えないという理解が正確です。

Plannerでどこまで見えるか

タスクを扱う仕組みとしては、Plannerが用意されています。Microsoft 365に含まれる版と、追加費用のかかる版で、できることがはっきり分かれています。

公式のプラン比較ページによれば、Microsoft 365に含まれるPlannerの説明には、グリッド、ボード、スケジュール、チャートのビューが挙げられています。タスクを作り、担当者を割り当て、期限を設定し、進み具合をボードで動かす。ここまでは追加費用なしで使えます。

一方、Planner Plan 1の説明には、サブタスク、バックログとスプリント、タスクの依存関係の作成、カレンダーとタイムライン(ガント)とPeopleビュー、プロジェクトのゴール、マイルストーン、カスタムタスクフィールドの作成が挙げられています。価格は1,499円で、ユーザー1人あたり月額相当の年払い、価格には消費税が含まれないと明記されています。

さらに上のPlanner and Project Plan 3には、タスク履歴、割り当てビュー、ポートフォリオの作成、ベースラインとクリティカルパス、リードとラグによる高度な依存関係、Projectデスクトップ、Project Onlineが挙げられ、価格は4,497円と記載されています。

つまり、横棒の工程表を見たいだけでもPlan 1が要り、資源の割り当てまで見たいならPlan 3が要る、という構造です。2026年9月4日時点の記載であり、金額もプランの構成も変わりますので、契約の前には必ず公式ページで確かめてください。

Plannerで工数を扱おうとしたときに足りないもの

Plannerはタスクの管理には向きますが、工数管理として使おうとすると足りない部分が出ます。どこが足りないのかを具体的にしておきます。

もっとも大きいのは、実際にかかった時間を入れる場所が標準では見当たらないことです。予定の期間は設定できますが、「この作業に何時間かけたか」を後から入れる仕組みは、公開されている説明の中に見当たりません。カスタムタスクフィールドを作れる版なら、時間の項目を自分で足すという回避策はあります。ただし、作った項目を集計するのはまた別の作業です。

次に、1つのタスクに複数の人が別々の時間をかけた場合を扱いにくい点があります。工数は本来、人ごと日ごとに積み上がるものです。タスクに1つの数字を持たせる構造では、3人で分担した作業の内訳が消えます。

3つめは、集計です。案件ごと、月ごと、人ごとの合計を出すには、データを取り出して別の場所で計算する工程が要ります。この工程を毎月人が手で行うなら、30人規模で月に2時間前後は見込んでおいてください。

これらは欠陥ではなく、想定している用途の違いです。Plannerはタスクの進み具合を共有する道具であって、原価を計算する道具として作られていません。用途が違うものを無理に使うと、運用の側で埋め合わせることになります。

現実的な使い分けとしては、タスクの進み具合はそのままタスクの画面で見て、時間の記録だけを別に持つ形が落ち着きます。両方をひとつに寄せようとして、タスク名の中に時間を書き込むような運用を始めると、集計のたびに文字列を切り出す作業が発生します。この作業は自動化してもどこかで必ず崩れます。数字は数字の列に入れる。この原則だけは崩さないでください。

表計算をタブに置いて管理する方式

もっとも手軽なのが、チャネルのタブに表計算のファイルを貼り付けて、そこに直接入れてもらう方式です。新しい道具を増やさずに済むうえ、会話のすぐ隣に記録の場所がある点が強みです。

作り方の要点は3つあります。まず、シートを入力用と集計用に分けること。入力する人が集計の式を壊す事故を防げます。次に、案件名と作業の種類はプルダウンにすること。自由記述にすると同じ案件が3通りに増え、名寄せに月2時間が消えます。そして、時間の単位を先に決めること。30分刻みが、正確さと続けやすさの折り合いがつく落としどころです。

同時編集の条件も確認しておく必要があります。公式のサポートページには、共同編集にはMicrosoft 365のサブスクリプションが必要であること、ブックは.xlsx、.xlsm、または.xlsbの形式である必要があること、ファイルはOneDriveやOneDrive for Business、SharePoint Onlineのライブラリに置く必要があることが記載されています。自社で立てたSharePointのサイトでは共同編集がサポートされない、という注意書きもあります。タブに貼る前に、ファイルの置き場所を確かめてください。

この方式が壊れるのは、同時に開く人が増えたときです。締切前に10人が同時に開いて、並べ替えやフィルタをかけると、他の人の画面が動きます。個人単位のフィルタ表示を全員に周知するか、入力の入り口を別に用意するかの判断が要ります。

行数も見ておいてください。1人が1日4行入れて30人20営業日働くと、月に2,400行、年で28,800行増えます。行数そのものは扱える範囲ですが、集計の式が全行を参照していると開くたびに待たされます。月ごとにシートを分けるか、年で1ファイルを閉じる運用にすると軽さを保てます。締めた月のシートは編集できないよう保護をかけ、修正は別行で調整する形にしておくと、後から数字の食い違いを説明できます。

フォームで日報として集める方式

入力の手間を削る方向なら、フォームを入り口にする方法があります。チャネルのタブにフォームを置き、その日の作業を1件ずつ送ってもらう形です。回答は表計算に1行ずつ積み上がります。

利点は3つあります。入力する人が集計の式に触れないこと。スマートフォンからも入れやすいこと。そして、選択肢を管理者側で決められるので表記のゆれが起きないことです。

欠点もはっきりしています。送信した内容を本人が直せません。訂正の依頼が月に何件も来るようなら向きません。また、1件ずつ送る作りなので、1日分をまとめて入れたい人には手数が多く感じられます。

現実的な折衷案は、入り口を2つ用意することです。その日のうちに入れる人にはフォーム、まとめて入れる人には表計算。集まる先が同じであれば、入り口が複数あっても集計に支障はありません。

そして、未入力への声かけをどうするかを決めておいてください。人が毎週催促する運用は必ず疲弊します。決まった曜日に一覧を投稿する係を持ち回りにするか、仕組みで自動化するかを、始める前に決めます。

社内アプリとして組み立てる方式

入力の画面をきちんと作りたいなら、Microsoftが提供しているアプリ作成の仕組みを使う道があります。データは表計算やクラウドの一覧に置いたまま、入力と表示だけを専用の画面にできます。作った画面はTeamsのタブとしても置けます。

この方式の判断は、作る人が社内にいるかどうかで決まります。コードを書かずに組み立てられる作りですが、どの項目をどの順に並べるか、どこを必須にするかといった設計は人が決めます。そして、作った人が異動したときに引き継げるかどうかが、数年後に効いてきます。設定の内容を文書に残す運用まで含めて考えてください。

利用にあたって追加のライセンスが必要になる場合があります。契約している内容によって条件が変わるため、社内のライセンス担当か、Microsoftの案内で確認してから設計を始めるのが安全です。ここを確かめずに作り込むと、動かす段階で費用の話が出てきて止まります。

自動化の仕組みを足せば、未入力の人への通知や、月末の集計の書き出しを人の手から外せます。効果が大きいのは催促の部分で、取りまとめ役が月に3時間かけていた作業がほぼゼロになる例もあります。一方、集計そのものを複雑な自動化に任せると、数字が合わないときの原因の切り分けが難しくなります。集計は見える形で残し、自動化は通知や書き出しに限定するほうが後が楽です。

スマートフォンから入れるとき、どこまで画面の中で終わるか

外に出ている人が多い職場では、入力の大半がスマートフォンから来ます。Teamsの場合、方式ごとの差がここでいちばんはっきり出ます。

Shiftsのタイムシートについては、公式のサポートページに、Teamsモバイルのシフトでは表示および編集できるが、デスクトップやWebではできないと記載されています。出退勤の記録に限れば、パソコンよりモバイルのほうができることが多いという、珍しい形です。

一方、チャネルのタブに貼った表計算は、モバイルから開いたときに表計算のアプリ側へ切り替わることがあります。切り替わった先で行を1つ足すだけの操作が、片手だと思ったより長くなります。表を横に広く作っているほど、この差は開きます。モバイルからの入力を前提にするなら、入力する列を画面の幅に収まる数まで減らしてください。案件、作業の種類、時間。この3つで足りるなら、そこで止めるのが正解です。

フォームは、この点ではいちばん素直です。選択肢を選んで数字を入れるだけの作りにしておけば、移動中でも1件が数十秒で片づきます。ただし送信したあとに本人が直せない制約はそのまま残るので、押し間違いが起きにくい並べ方にしておく必要があります。よく使う案件を上に置くだけでも、間違いは目に見えて減ります。

承認の応答がモバイルで終わるかどうかも、先に確かめておいてください。承認する人ほど外出しがちで、そこが詰まると月末の数字が揃いません。承認する側の操作が、通知を開いてボタンを押すだけで終わる形になっているかを見ておくと、後で困りません。

集めた数字を月末にどう読むか

月末にどんな形で読めるかは、チームとチャネルをどう切ったかで先に決まっています。案件ごとにチャネルを立てているなら、チャネル単位の合計がそのまま案件別の合計になります。部署ごとにチャネルを立てて、その中で複数の案件を回しているなら、チャネルの合計は部署全体の稼働にしかなりません。案件別に読みたいのにチャネルが部署単位のままだと、入力欄に案件名を選ばせる手間が毎回乗ります。集め始める前に、読みたい単位とチャネルの単位を合わせておいてください。チャネルを切り直すのは後からでもできますが、それまでに積んだ行の置き場所が宙に浮きます。

最初に突き合わせたいのは、予定表に残っている会議の時間です。Teamsの会議は開催の記録が残るので、その月に会議へ費やした時間はあとから拾えます。ただし拾えるのは、予定として登録された枠の長さと、そこに参加したという事実までです。予定表に入れずに始めた通話、定刻より早く終わった会議、会議の前後にかかった資料作りの時間は、この記録には出てきません。枠の長さをそのまま実績として案件に乗せると、実際より長い数字になります。会議の時間は会議の時間として別に数え、案件の工数と足し合わせない形にしておくと、後から差を説明できます。

次に見るのは、承認の途中で止まっている行です。提出と承認の流れを組んだ場合、出されてはいるが承認されていない行が必ず残ります。集計を承認済みの行だけで組んでいると、この分は月末の数字から丸ごと抜けます。承認する人が休んだ週だけ数字が不自然に少ないなら、まずここを疑ってください。承認待ちの件数を集計と同じ画面に出しておくと、入力が足りないのか承認が遅れているだけなのかを、その場で見分けられます。

3つめは、チャネルには書かれているのに記録の側には入っていない時間です。「今日はA社の対応でほぼ埋まりました」という投稿が毎日流れているのに、表の行は空のまま、という状態はよく起きます。投稿と行の両方を人が突き合わせる運用は続きません。投稿は読まない、行だけを見る、と決めてしまうほうが現実的です。そのうえで、行が埋まっていない人には投稿ではなく個別の連絡で聞く形にすると、催促がチャネルの表に出ずに済みます。

読んだ結果は、必ず翌月の動きに反映させてください。見て終わりの数字は、集める側の自己満足で終わります。人の割り振りを変えた、見積もりの出し方を変えた、という具体的な変化が1つでもあれば、入力する側の見方も変わります。

勤怠と工数を分けて考える

Teamsの中で探すと、勤怠の仕組みと工数の仕組みが混ざりがちです。両方を1つの道具で解決しようとすると、たいてい失敗します。理由を整理しておきます。

勤怠は、法令と就業規則に沿った正確さが求められます。何時に始めて何時に終えたか、休憩を何分取ったか。ここは1分の誤差も許されない世界です。一方、工数は経営判断のための材料なので、30分単位の丸めで十分なことが多い。求められる正確さが1桁違います。

集める頻度も違います。勤怠は毎日、決まった時刻に発生します。工数は、作業を終えたときに発生します。1日に5件の作業をすれば5回です。この頻度の違いを1つの画面で受けようとすると、どちらかの操作が不自然になります。

保存の期間と扱いも別です。勤怠の記録は法令で定められた期間の保存が必要になる場合があります。工数の記録は、案件が終わって決算が済めば、参照する機会はほとんどありません。同じ場所に置くと、消せないデータと消してよいデータが混ざります。労働時間の扱いについては、所管の窓口や社会保険労務士に確認したうえで設計してください。

実務的な結論としては、勤怠は勤怠の仕組みで、工数は工数の仕組みで扱うのが素直です。両方の合計が合わないことを気にする人がいますが、合わなくて当然です。会議の待ち時間や移動の時間は、案件に割り振れないまま勤務時間には入ります。この差を無理に消そうとすると、どこかで嘘の数字を入れることになります。

費用を並べて比べる

土台になる契約の金額を確認します。2026年9月4日時点の公式ページの記載で、いずれも「ユーザー/月相当、年払い」「価格には消費税は含まれていません」と明記されています。

契約 1ユーザーあたり月額 備考
Microsoft 365 Business Basic 1,049円 従業員1人から300人。Planner、Bookings、Formsなどを含む
Planner Plan 1 1,499円 タイムライン(ガント)、依存関係、マイルストーンなど
Planner and Project Plan 3 4,497円 ベースライン、クリティカルパス、Projectデスクトップなど

比較ページ上では、Microsoft 365 Business Standardと Copilot Businessを組み合わせた価格が3,523円、Business PremiumとCopilot Businessの組み合わせが4,797円と記載されています。単体の価格を知りたい場合は、購入手続きの画面で確かめてください。

計算してみます。30人の会社がBusiness Basicを契約していると、月額は31,470円です。ここにPlanner Plan 1を全員分足すと、月額44,970円が上乗せされ、年間で539,640円になります。工程表を見るためだけにこの差を払うかどうかは、慎重に判断すべきところです。

なお、Plan 1には1か月間無料という案内も併記されています。判断の前に、実際の案件を入れて試す期間を取ってください。架空のタスク名で並べた画面はどの道具でもきれいに見えます。実際の案件名と担当者と締切を50件ほど入れて初めて、行数の多さや名前の長さといった現実が見えてきます。

導入する前に決めておく3つのこと

道具が決まったあとに詰まる原因は、多くの場合、道具の側にありません。取り決めがないまま配ると、そこで止まります。

1つめは、記録の細かさです。月末に案件ごとの合計だけ申告する形なら1人あたり月10分で済みますが、工程別に日次で入れる形にすると月80分前後かかります。30人なら、この差は月に35時間です。得られる情報がその時間に見合うかを先に判断してください。出発点としては、日ごとに案件別の時間を入れる段階が現実的です。

2つめは、誰が入れるかです。取りまとめ役が全員分を代わりに入れる構成にすると、その人の作業量が上限を決めます。担当者が自分の分だけ入れる構成にできるかどうかで、続くかどうかが決まります。入力する人が増えないと、集まった数字はすぐ実態とずれます。

3つめは、締切です。「気づいたときに入れる」という運用は必ず溜まります。翌営業日の午前中まで、といった具体的な期限を決めてください。1週間後に思い出して書いた時間は、実態からかなりずれます。

そして、集めた数字は必ず本人へ返してください。集めるだけで何も返らない記録は止まります。見積もりとの差を共有して、次の見積もりが良くなったという実感が持てれば、入力は続きます。

社外の協力会社を含めるとき

社外の人に工数を出してもらう場面は、社内とは別の設計が要ります。相手には入力する義務も動機もありません。

まず、何のために時間を報告してもらうのかを契約の段階で決めてください。支払いの根拠にするなら、単位と締日と提出方法を書面にする必要があります。参考までにという依頼の仕方をすると、月末に数字が揃わず、こちらが催促する側に回ります。ゲストとして招いて社内と同じ画面に入れてもらう形にするときは、こちらが求める入力の細かさが、結んでいる契約の内容と釣り合っているかを先に見てください。日ごとに時間を割り振ってもらう運用は、社内向けの作りをそのまま外に持ち出したものになりがちです。ここはこちらの都合だけで決められる話ではないので、必要に応じて社内の契約の窓口や専門家に相談したうえで設計してください。

Teamsのゲストとして招く場合は、招く前に確かめることがあります。相手が別の会社のMicrosoft 365を使っているのか、個人のアカウントで入るのかで、入り口が変わります。こちら側の管理者がゲストの追加を制限していれば、招待そのものが出せません。相手の会社の側で外部のチームへの参加が止められている場合もあります。契約の条件を詰めてから「入れませんでした」と分かると、そこまでの調整がすべてやり直しになるので、情報システムの担当に先に聞いておいてください。

置き場所も分けてください。ゲストを招いたチャネルのタブに集計の表をそのまま貼ると、社内の担当者ごとの時間まで相手に見えます。社外の人に入力してもらう表と、社内の集計を置く表は、同じチャネルに並べない。相手ごとにチームを分けてしまうのがいちばん単純で、間違いも起きにくい形です。ゲストが見えるのはあくまで招かれたチームやチャネルの中なので、区切りをチームの単位で作っておくと、あとから見直すときも数えやすくなります。

そのうえで、入力の負担を最小にします。アカウントを配って画面を覚えてもらうより、月に1度の書式を1枚送ってもらうほうが確実に集まります。相手が3社以内なら、この方式で十分です。

そして、見える範囲を必ず区切ってください。共通の場を用意する場合、ひとつの画面に全案件が並ぶ作りだと、A社にB社の日程や体制が見えます。案件ごとに区切れる作りかどうかは、契約前に確かめる項目です。この観点の考え方は安全性の考え方に整理してあります。

いまのままでよい場合を先に置く

道具を増やさないほうがよい場面もあります。Microsoft 365の契約を持っている時点で、Shiftsも表計算もフォームも手元にあります。下に挙げた状態なら、その手元のものだけで足ります。

案件が5件以下で担当者が固定されている場合。誰が何をしているかは声をかければ分かります。数字にする手間のほうが、得られる情報より大きくなります。

工数を集める目的が請求のためだけの場合も同じです。請求に必要なのは合計であって内訳ではありません。月末に各自が申告した数字を1枚に集めれば足ります。

シフト勤務が中心で、必要なのが出退勤の記録である場合も、すでにある仕組みで足ります。案件別の内訳を求められていないなら、そこに手をかける理由はありません。

こちらの側の限界も、Teamsから移ることを考えている人向けに書いておきます。ボード型のタスク管理は、Shiftsのタイムレコーダーが担っている出退勤の打刻や、給与計算の入り口として作られたものではありません。勤務そのものの記録が要るなら、その部分はTeamsの側に残す前提で考えてください。チャネルの投稿を自動で拾って行に変える、といった作り込みも用意していません。そこまでやりたい場合は、Microsoftが提供している自動化の仕組みで組むほうが近道です。取り込みに対応しているのはTrelloからの経路だけなので、Plannerに入れてある既存のタスクをそのまま持ち込む道はありません。画面は日本語のみです。

問い合わせとして届く内容から見えていること

工数管理の相談を並べると、共通の流れがあります。最初は既存の道具の中で済ませようとし、次に項目を足して対応し、最後は「入力してもらうこと」そのものが仕事になる。この順番はほとんど変わりません。

効いているのは、記録の置き方です。Teamsの中で組む場合、記録の場所はチャネルのタブとして貼るか、別のアプリを開き直させるかのどちらかになります。タブなら、チャネルを開いたまま入力の画面に切り替わるので、往復は1回で済みます。別のアプリを開き直す形だと、そこでサインインを求められることがあり、その1回で後回しが確定します。タブとして貼れるか、貼ったあとに毎回サインインを求められないか。この2つは、道具を試す段階で必ず確かめてください。

もうひとつ見えているのは、費用の見積もりを人数だけで立てて外す例の多さです。上位プランでしか使えない機能、追加のライセンス、集計にかかる人の時間。この3つは金額に直結するのに、比較表の目立つところには載りません。料金の考え方は料金に書いてあります。道具によっては機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという組み立て方をしていて、その場合は必要な機能が下位プランで使えないという事態が起きません。

そして、いちばん多い誤りが、機能表の丸の数で選ぶことです。丸の数は使わない機能でも増えます。見るべきなのは、同じデータをカンバンとガントで切り替えられるか、その切り替えが何回の操作で済むか、入力する人にとって画面が減るかどうかです。この観点で各サービスを軸ごとに並べたものが比較の一覧にあります。付箋のような使い方から移る場合はTrelloとの比較、自動化と外部連携を重く見るならAsanaとの比較、文書とタスクを近い場所で扱いたいならNotionとの比較が判断の材料になります。複数案件の一覧を重視するならmonday.comとの比較、開発の課題管理と一緒に回したいならBacklogとの比較、国産のカンバン型と並べたいならJootoとの比較を見てください。

画面で何ができるのかはできることに、実際にデータを移すときの手順はTrelloからの移行に、導入前によく出る疑問はよくある質問にまとめてあります。

最後に、Teamsで進める場合の順番だけ整理します。まず、集めた数字を何に使うのかを1つに決める。次に、その目的に必要な項目だけを並べる。そのうえで、チームとチャネルの切り方を、読みたい単位に合わせておく。記録の場所は、そのチャネルのタブに置く。入力の画面を表計算にするのかフォームにするのか専用のアプリにするのかは、ここまで決めたあとで選んでください。逆の順番で画面から決めると、あとからチャネルを切り直すことになり、それまでに積んだ行の置き場所が合わなくなります。

Q1. Teamsに工数管理の機能はありますか?

案件別の工数を集計する標準機能はありません。あるのはShiftsのタイムレコーダーで、公式サポートには出退勤を記録できると記載されています。ただしこれは勤務の開始と終了と休憩の記録であって、案件ごとの内訳ではありません。案件別に集めるなら、表計算やフォームを組み合わせて自分で作ることになります。

Q2. Shiftsのタイムシートはパソコンでも見られますか?

公式サポートには、Teamsモバイルのシフトではタイムシートを表示および編集できるが、デスクトップやWebでは表示および編集できないと記載されています。またタイムレコーダーを使うには、マネージャーが先にシフトの設定でオンにする必要があると書かれています。

Q3. Plannerでガントチャートを見るには追加費用がかかりますか?

公式のプラン比較ページでは、カレンダーとタイムライン(ガント)とPeopleビューはPlanner Plan 1の説明に挙げられています。価格は1ユーザーあたり月額相当1,499円、年払い、消費税は含まないと記載されています。Microsoft 365に含まれる版の説明には、グリッド、ボード、スケジュール、チャートのビューが挙げられています。

Q4. 30人の会社ならいくらかかりますか?

2026年9月時点の記載で計算すると、Microsoft 365 Business Basicが1ユーザー月額1,049円なので30人で月31,470円です。Planner Plan 1を全員分足すと月44,970円が上乗せされ、年間で539,640円増えます。いずれも税抜、年払いの月額相当の金額です。契約前に必ず公式ページで確かめてください。

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