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エクセルで工程表をバーチャートにする作り方|積み上げ横棒の手順

2026年9月7日 ・ Pinateca編集部

エクセルで工程表をバーチャートの形にしたいとき、多くの人が最初に探すのは「ガントチャート」というグラフの種類です。そういう項目は用意されていません。使うのは積み上げ横棒グラフで、開始日の部分を見えなくすることで、期間だけが棒として残るように仕立てます。この記事では、公式のサポートページに書かれている手順を確認しながら、元の表の作り方、横軸の日付の整え方、進捗の重ね方、そして毎回作り直さないための保存の仕方までを順に並べます。

バーチャートの工程表をエクセルで作る人が置かれている状況

この作り方を探す人には、たいてい明確な目的があります。取引先や社内の会議に出す資料として、日程を1枚の図にしたい。表として並んだ日付では伝わらないものが、横棒になると一目で伝わるからです。

もうひとつの動機は、既存の表を活かしたいことです。作業名と開始日と終了日は、すでに表として持っている。あとはそれを図にするだけ。この段階まで来ている人にとって、ゼロから別の道具を導入するのは遠回りに感じられます。

ここで最初の分岐があります。工程表の見せ方には、大きく2つの流派があります。ひとつは、セルそのものに色を敷いて棒に見せる方法。もうひとつが、グラフの機能を使って図として描く方法です。この記事で扱うのは後者です。図として独立しているので、資料に貼りやすく、体裁も整えやすい。反面、元の表と図の対応を保つ手間がかかります。

現場でよく聞くのは、「グラフで作ったら見た目はきれいになったが、行を1本足すたびに設定を直している」という話です。この手間をどう減らすかまで含めて、以下で扱います。

公式のサポートに書かれている手順を確認する

まず、公式のページに何が書かれているかを押さえます。

Excel には事前定義されたガント チャートの種類はありませんが、次のように、タスクの開始日と終了日を表示するように積み上げ横棒グラフをカスタマイズすることで、ガント チャートをシミュレートできます。 出典: support.microsoft.com

同じページに書かれている手順は、次の流れです。グラフ化するデータを選ぶ。挿入からおすすめグラフを開き、積み上げ横棒グラフを選ぶ。グラフの中で最初のデータ系列、つまり棒の開始の部分をクリックして、書式タブから図形の塗りつぶしを選び、塗りつぶしなしにする。凡例やグラフタイトルが不要なら、選んで削除する。そして縦軸を選択し、軸の書式設定から軸の位置で分類項目を逆順に設定して、作業の並びを上から順にする。

そのあとの仕上げとして、グラフデザインのタブからグラフ要素の追加を使って目盛線やラベルを足す、クイックレイアウトで配置を選ぶ、色の変更で配色を変える、といった調整が案内されています。何度も使う場合はテンプレートとして保存することも勧められています。

適用される版として、Excel for Microsoft 365、Excel for Microsoft 365 for Mac、Excel 2024、Excel 2024 for Mac、Excel 2021、Excel 2021 for Mac、Excel 2019、Excel 2016が挙げられています。加えて、無料のガントチャートのテンプレートを使う方法も案内されています。

作り始める前に決めておく3つのこと

手を動かす前に、3つだけ決めてください。ここを飛ばすと、途中で作り直すことになります。

1つめは、期間の単位です。日単位か、週単位か。6か月の工程を日単位で描くと、横軸のラベルが重なって読めません。逆に、2週間の作業を週単位にすると棒が2本分しかなく、何も伝わりません。全体が1枚に収まる単位を選ぶのが基準です。

2つめは、作業の粒度です。1本の棒を何日分にするかを揃えないと、図が読めなくなります。ある棒が1日で、隣の棒が2か月だと、短い棒は線にしか見えません。目安として、1本は最長でも10営業日までにする、と決めておくと後が楽です。

3つめは、この図を誰が何回見るのかです。会議で1度映すだけなら、体裁に時間をかける価値があります。毎週更新して配るなら、体裁より更新の手軽さを優先すべきです。目的が決まっていないまま作り込むと、手間だけが増えます。

この3つを決めてから表を作ると、途中で方針が揺れません。逆に、いきなりグラフを挿入して見た目を調整し始めると、後から単位を変えたくなって全部やり直すことになります。

元になる表を先に整える

グラフの出来は、元の表で8割決まります。ここを雑に作ると、あとの調整で苦しみます。

用意する列は3つです。作業名、開始日、そして所要日数です。終了日ではなく所要日数を持つ点が要点になります。積み上げ横棒グラフは、1本目の系列の長さの上に2本目を積む構造なので、2本目には「何日分の長さか」を渡す必要があります。終了日をそのまま渡すと、途方もなく長い棒になります。

終了日で管理したい場合は、所要日数の列を計算式にしてください。終了日から開始日を引いた値を入れます。終了日を直せば所要日数が自動で変わるので、二重に管理する必要がありません。棒の長さは所要日数の列だけを見ているので、そこが手打ちの数字のままだと、開始日を後ろにずらしたときに棒の左端だけが動き、長さが前の予定のまま取り残されます。図の上では終わりの日が勝手に延びたように見えるので、表を見比べるまで間違いに気づけません。

作業名は短くしてください。グラフの縦軸に並ぶので、長い名前は自動で省略されるか、軸の領域が広がって棒が細くなります。15文字を超えると、たいてい見づらくなります。詳しい説明が必要なら、元の表に別の列を作って、そちらに書いてください。

行の並びも先に決めます。グラフは表の並び順をそのまま使うので、表の側で開始日の早い順に並べ替えておくと、見た目が階段状になって読みやすくなります。あとから並べ替えるとグラフも一緒に変わるので、順番の調整は表の側で行うのが基本です。

そして、空行を入れないでください。工程の区切りを見せたくて空行を挟むと、グラフに名前のない棒の場所ができます。区切りを見せたいなら、区切りの行に見出しだけの行を作り、所要日数をゼロにしておくほうが安全です。

グラフを挿入して開始日を見えなくする

準備ができたら、実際に作ります。作業名と開始日と所要日数の3列を、見出しごと選択します。挿入のタブからおすすめグラフを開き、積み上げ横棒グラフを選びます。

この時点では、開始日の分だけ長い青い棒と、その先に所要日数の分の棒が並んでいる状態になります。開始日は日付の連番として扱われるので、この青い部分は非常に長い棒になります。

次に、開始日の系列だけをクリックします。1本だけ選ばれた状態にならず、系列全体が選ばれていることを確認してください。誤って1本だけ選ぶと、その1本だけが透明になります。系列全体が選ばれた状態で、書式のタブから図形の塗りつぶしを開き、塗りつぶしなしを選びます。

これで開始日の部分が消え、期間だけが浮いた棒として残ります。これが工程表の骨格です。ここまでで所要時間はおおよそ5分です。

続いて、縦軸の並びを直します。既定の状態では、表の1行目がグラフのいちばん下に来ます。縦軸をクリックして軸の書式設定を開き、軸の位置の中にある分類項目を逆順にする設定を入れると、表と同じ並びになります。この設定を入れないまま資料に出すと、読み手が必ず混乱します。

凡例とグラフタイトルは、必要なければ削除します。凡例には「開始日」と「所要日数」が並びますが、開始日は透明にしてあるので、残しておくと逆に分かりにくくなります。

横軸の日付を整える

ここが、多くの人が詰まる場所です。既定のままだと、横軸が1900年あたりから始まる意味の分からない目盛りになることがあります。

原因は、日付が内部では連番の数値として扱われていることです。横軸はその数値を目盛りとして描くので、範囲を指定しないと0から始めようとします。

対処は、横軸の最小値と最大値を、日付の連番で指定することです。空いているセルに工程の開始日を入れ、表示形式を標準に変えると、その日付に対応する数値が表示されます。同じ手順で終了予定日の数値も出します。この2つを、横軸の書式設定の最小値と最大値に入れます。

目盛りの間隔も指定します。3か月の工程なら7日刻み、2週間の作業なら1日刻みが読みやすい目安です。刻みを細かくしすぎると、日付のラベルが重なって斜めに傾き、読めなくなります。

表示形式も忘れずに変えてください。数値のままだと連番が並びます。日付の形式を選び、月と日だけを表示する形にすると、横軸がすっきりします。年をまたぐ工程の場合だけ、年を入れた形式にします。

なお、最小値と最大値を固定すると、工程が伸びたときに右端が切れます。期間が動く可能性があるなら、余裕を2週間ほど取った値を入れておくか、更新のたびに見直す運用にしてください。

進捗を重ねて遅れを見えるようにする

予定の棒だけでは、遅れているかどうかが分かりません。実績を重ねる方法を2つ挙げます。

1つめは、系列を3つにする方法です。開始日、完了済みの日数、残りの日数、の3列にします。完了済みの部分を濃い色、残りを薄い色にすれば、1本の棒の中で進み具合が見えます。列を1つ増やすだけなので、手間が少なく済みます。

2つめは、予定と実績を別の棒として並べる方法です。作業名を2行にして、片方に予定の開始日と日数、もう片方に実績の開始日と日数を入れます。行数は倍になりますが、開始が遅れたのか、かかった日数が伸びたのかを区別できます。原因まで知りたい場合はこちらが向きます。

どちらを選ぶにしても、色の使い方は絞ってください。色が4色を超えると、凡例を見ないと読めない図になります。読み手が凡例を往復する図は、会議の場で機能しません。

どちらの方法を選ぶ場合も、系列の数が増えることを見込んでおいてください。開始日を含めれば3つ、予定と実績を分ければ4つになります。ここで効いてくるのが凡例です。開始日の系列は塗りつぶしなしにしてあるので、凡例には色の付いていない項目が1つ混じった状態で並びます。読み手はその空白が何を指すのかを探すことになり、肝心の色分けが伝わりません。凡例をいったんクリックしてから、開始日の項目だけをもう一度クリックすると、その項目だけを選んで削除できます。系列を足したら、凡例を見直すところまでを一組の作業だと考えてください。

そして、進捗の数字は担当者が入れるようにしてください。入力する人が増えないと、進捗の図はすぐ実態とずれます。ずれた図は誰も見なくなり、そこから先は資料としての形だけが残ります。

色と文字の決め方で読みやすさが変わる

同じデータでも、色と文字の扱い次第で伝わり方がまったく違います。判断の基準を挙げます。

棒の色は、意味で分けてください。担当者ごとに色を変えたくなりますが、担当が6人いれば6色になり、凡例を見ないと読めない図になります。色は状態を表すのに使い、担当者は縦軸の作業名の後ろに括弧書きで添えるほうが読みやすくなります。

濃さの使い分けも効きます。進行中の作業を濃く、まだ先の作業を薄くすると、いま注目すべき場所に目が行きます。すべてを同じ濃さで塗ると、図全体が均一に見えて、どこを見ればよいのか分かりません。

文字の大きさは、投影して見せるかどうかで決めます。会議室で映すなら、縦軸のラベルは最低でも12ポイントは欲しいところです。手元で配る紙なら9ポイントでも読めます。両方に使い回す図を作ると、どちらでも中途半端になります。

棒の中に日数を表示するかどうかも判断が要ります。データラベルを付けると数字が読めますが、短い棒では数字がはみ出して隣と重なります。期間の長短さえ分かればよいなら、ラベルは付けないほうがすっきりします。

そして、背景に薄い色を敷かないでください。棒の色との差が縮まって、境界が見えにくくなります。背景は白のままが、印刷でも投影でもいちばん安定します。

今日の位置とマイルストーンを足す

もう一段見やすくする工夫を2つ紹介します。どちらも資料としての伝わり方が大きく変わります。

今日の位置を示す縦線は、グラフに追加の系列を足して作ります。すべての作業に対して同じ日付の値を持つ列を用意し、それを折れ線として重ねるか、誤差範囲の機能を使って縦の線を引きます。少し手間はかかりますが、一度作ればあとは日付を1か所直すだけで動きます。

マイルストーン、つまり節目の日は、菱形などの印で示すと伝わります。所要日数がゼロの行を作ってもグラフには何も出ないので、別の系列として点を打つ形にします。散布図を重ねる方法が一般的ですが、作り込みが必要になるので、資料の重要度で判断してください。急ぐなら、図形として菱形を手で置くほうが速く終わります。

補助の目盛線も検討する価値があります。週の区切りに薄い縦線が入るだけで、「あと何週間か」が数えやすくなります。グラフ要素の追加から目盛線を選べば足せます。

いずれの装飾も、足しすぎると読めなくなります。1枚の図で伝えたいことを1つに絞り、それを支えない要素は削ってください。工程表で伝えたいことは、たいてい「どこが遅れているか」か「いつ終わるか」のどちらかです。

テンプレートとして保存して使い回す

ここまでの設定を毎回やり直すのは現実的ではありません。公式のページでも、カスタマイズしたガントチャートを何度も使う場合はテンプレートとして保存することが案内されています。

グラフを右クリックして、テンプレートとして保存を選びます。名前を付けて保存しておけば、次からはグラフの挿入時にテンプレートの一覧から選べます。色と軸の書式は引き継がれるので、開始日を透明にする作業もやり直さずに済みます。

ただし、横軸の最小値と最大値は案件ごとに違うので、そこだけは毎回入れ直すことになります。テンプレートの名前に「軸の設定は要変更」といった注記を入れておくと、忘れずに済みます。

ファイルごと複製する方法もあります。ひな型のファイルを1つ作り、案件のたびに複製して中身を入れ替える。この方が確実ですが、原本を誰かが直してしまうと、以降の複製が別の形になります。原本は読み取り専用にしておいてください。

作った設定は、簡単でよいので文書に残してください。作った本人が異動したあと、誰も直せないグラフだけが残る、という状況はよく起きます。軸の最小値をどこから取っているか、系列がいくつあるか。この2つを書いておくだけで、引き継ぎの時間が大きく変わります。

行を足したときにグラフを自動で伸ばす

工程表は作ったあとに必ず行が増えます。作業を1本足すたびにグラフの参照範囲を手で広げていると、そのうち広げ忘れて、表には載っているのにグラフには出てこない作業が生まれます。図と表が食い違った資料は、一度でも食い違いが見つかると、それ以降どの数字も疑われます。

対処は2つあります。1つめは、元になる表をテーブルとして書式設定してからグラフを挿入する方法です。表の最終行のすぐ下に入力すると、テーブルの範囲がその行まで自動で広がり、そこを見ているグラフも一緒に伸びます。並べ替えや絞り込みを列見出しから行えるようになるので、表の側の手入れも軽くなります。所要日数を計算式で持たせている場合、その式も新しい行に自動で入ります。

2つめは、名前の定義で参照範囲そのものを式にする方法です。先頭のセルから、入力されている行数を数えた分だけの範囲を返す式を名前として登録し、グラフの系列にその名前を渡します。テーブルが使えない事情があるときの逃げ道になりますが、式を書いた本人以外には何が起きているのか分かりません。引き継ぐ相手がいるなら、テーブルを使うほうを選んでください。

どちらの方法を使う場合も、系列を3つ持たせている構成では思ったとおりに伸びないことがあります。行を足したあとは、グラフのいちばん下の棒まで目で確認してください。確認は10秒で済みますが、抜けたまま配ると訂正の連絡と作り直しに何倍もの時間がかかります。

行を足す位置にも注意が要ります。表のいちばん下ではなく途中に挿入した場合、範囲を広げる操作は不要ですが、グラフの並びが入れ替わります。開始日の早い順に並べていたなら、挿入したあとに並べ替え直してください。並べ替えを忘れると、棒が階段状にならず、どこから手を付ければよいのか読み取りにくい図になります。

資料に貼って渡すときの注意

作った図は、たいてい別の書類に貼られます。貼ったあとに崩れる事故を防ぐ方法を挙げます。

まず、貼り付けの形式を決めてください。元のファイルとつながった状態で貼ると、元を直したときに貼り先も変わります。便利に見えますが、元のファイルの置き場所が変わった瞬間に表示が壊れます。渡す資料に貼るなら、図として貼り付けて固定するほうが安全です。

次に、貼る前に大きさを確定させてください。貼ったあとに引き伸ばすと、文字だけが太くなったり、線が潰れたりします。元のグラフの段階で、貼り先とほぼ同じ縦横比にしておくと、後から触らずに済みます。

PDFにする場合は、書き出したあとに必ず開いて確認してください。画面では読めていた縦軸のラベルが、書き出すと省略されていることがあります。とくに作業名が長い場合に起きやすい現象です。

そして、図の中か近くに更新日を必ず入れてください。工程表は渡した瞬間から古くなります。日付のない図を受け取った側は、それが最新かどうかを判断できません。置き場所として使いやすいのはグラフタイトルです。グラフタイトルを選んだ状態で数式バーに等号を打ち、日付を入れたセルをクリックすると、そのセルと紐づきます。以降はセルの日付を直すだけで、図の中の表記も一緒に変わります。図として貼り付けた時点で日付も画像の一部になるため、貼り直す前にこのセルを更新しておく必要があります。あわせて、次に更新する予定日も書いておくと、相手からの確認の連絡が減ります。

セルを塗る方法との使い分け

工程表の作り方には、セルに条件付き書式で色を敷く方法もあります。どちらを選ぶかの基準を整理します。

グラフが向くのは、資料として渡すことが目的の場合です。図として独立しているので、文書や提案書に貼れます。体裁も整えやすく、印刷したときの見え方も安定します。月に1度、決まった相手に出すような使い方なら、こちらが有利です。

セルを塗る方法が向くのは、社内で毎日見る表の場合です。行を足せばそのまま伸びますし、日付を直せば色の範囲が自動で変わります。グラフのように参照範囲を広げる作業がありません。更新の頻度が高いほど、この差が効いてきます。

行数の多さでも変わります。作業が50行を超えると、グラフは縦に潰れて読めなくなります。グラフの高さを伸ばせば読めますが、印刷が複数ページに割れます。行数が多い工程表は、セルを塗る方法のほうが扱いやすくなります。

両方を1つのファイルに持たせることもできますが、表と図がずれる事故が起きやすくなります。どちらかに寄せるほうが安全です。

バーチャートで作る方法の限界

グラフで工程表を作る方法には、はっきりした限界があります。切り替えの判断のために挙げておきます。

1つめは、作業の間のつながりを表現できないことです。「この作業が終わってからこの作業を始める」という関係を、線で結ぶ機能はありません。作業を1本動かしたときに、後ろの作業を手で全部直すことになります。行数が30を超えると、直し漏れが必ず出ます。

2つめは、行の増減に弱いことです。行を1本足すたびに、グラフの参照範囲を広げる操作が要ります。テーブルとして書式設定しておけば自動で伸びる場合もありますが、系列を3つ使う構成では思ったとおりに広がらないこともあります。

3つめは、複数の案件を横断して見られないことです。1つのグラフは1つの表を見ています。案件が10件あれば、グラフも10枚になります。「今週、誰が詰まっているか」を見るには、10枚を開いて突き合わせることになります。

4つめは、同時に更新できないことです。1人が開いている間、他の人の編集は待たされます。担当者それぞれに自分の行を直してもらう運用にするなら、共同編集の条件を確認する必要があります。公式のサポートには、共同編集にはMicrosoft 365のサブスクリプションが必要で、ブックは.xlsx、.xlsm、または.xlsbの形式であり、OneDriveやOneDrive for Business、SharePoint Onlineのライブラリに置く必要があると記載されています。

いまのままでよい場合を先に置く

グラフで工程表を作る運用が合っている場面もあります。次に当てはまるなら、変える理由はありません。

工程表を資料として月に1度出すだけの場合。求められているのは見やすい1枚の図であって、日々の更新ではありません。書式の自由度と印刷の安定性では、この方法が有利です。

作業が20行以下で、更新する人が1人か2人の場合も同じです。この行数なら棒が縦に潰れず、縦軸のラベルも省略されずに全部読めます。参照範囲を広げる操作も、行を足したときだけの月に数回で収まります。

社内の他の資料がすべて同じ形式で作られていて、担当者が操作に慣れている場合も有利です。積み上げ横棒として組んであれば、受け取った側も同じ手順で軸の範囲や色を直せます。作り方が特殊なほど、直せる人は作った本人だけになります。

こちらの側の限界も書いておきます。ボード型のタスク管理には、開始日の系列を塗りつぶしなしにして期間だけを棒として残す、といった描き方の細工はありません。横軸の最小値と最大値を日付の連番で指定して、余白を削って1枚に収める調整もできません。印刷したときの体裁や、資料の中での縦横比まで自分で決めたいなら、積み上げ横棒として作るほうが目的に合っています。

問い合わせとして届く内容から見えていること

工程管理の相談を並べると、グラフで作り始めた人には共通の流れがあります。最初はきれいな図ができて満足し、次に行を足すたびの手間に気づき、最後は更新を諦めて「作った日の図」を貼り続けることになる。この順番はほとんど変わりません。

原因は、作る手間と直す手間が別ものだという点にあります。作るのは1回、直すのは毎週です。1回10分の調整でも、1年で8時間を超えます。作り方を調べる段階で、直す手間まで見積もっておくと判断を誤りません。

もうひとつ見えているのは、切り替えの引き金が見た目の不満ではないことです。よく聞くのは、工期が延びたのに横軸の最大値を直し忘れて、右端で棒が切れたまま会議に出した日。あるいは、表には載っている作業がグラフの下に出てこず、指摘されて初めて参照範囲が広がっていなかったと分かった日です。どちらも図が壊れたのではなく、図が表を追いかけられなくなっただけです。手で直せば元に戻りますが、その直しが毎週になった時点で、作り方そのものを見直す段階に入っています。

道具を比べるときは、いま手で触っている操作のうち、どれが要らなくなるかで見てください。開始日の系列を透明にする作業、軸の最小値と最大値を日付の連番で入れ直す作業、行を足したあとに棒がいちばん下まで出ているかを確かめる作業。この3つが残るかどうかが分かれ目です。この観点で各サービスを軸ごとに並べたものが比較の一覧にあります。付箋のような使い方から移る場合はTrelloとの比較、自動化と外部連携を重く見るならAsanaとの比較、文書とタスクを近い場所で扱いたいならNotionとの比較が判断の材料になります。複数案件の一覧を重視するならmonday.comとの比較、開発の課題管理と一緒に回したいならBacklogとの比較、国産のカンバン型と並べたいならJootoとの比較を見てください。

料金の考え方は料金に書いてあります。道具によっては機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという組み立て方をしていて、その場合は必要な機能が下位プランで使えないという事態が起きません。画面で何ができるのかはできることに、社外の人を含めて使うときの考え方は安全性の考え方に整理してあります。実際にデータを移すときの手順はTrelloからの移行に、導入前によく出る疑問はよくある質問にまとめてあります。

最後に順番だけ整理します。まず、その図を誰が何回見るのかを数える。月に1度の資料ならグラフで十分です。毎日見るなら、更新のたびに手で触る箇所がいくつあるかを数える。軸の範囲と参照範囲の両方を毎回触っているなら、グラフを作り直すより先に、日程を持つ場所そのものを見直す。この順で見れば、作った日のまま古くなった図を貼り続ける事態は避けられます。

Q1. エクセルにガントチャートというグラフの種類はありますか?

公式のサポートページには、事前定義されたガントチャートの種類はないと記載されています。代わりに、タスクの開始日と終了日を表示するように積み上げ横棒グラフをカスタマイズすることでシミュレートできる、と案内されています。同じページから無料のガントチャートのテンプレートも案内されています。

Q2. 元の表は終了日と所要日数のどちらを持てばよいですか?

グラフに渡すのは所要日数です。積み上げ横棒は前の系列の長さの上に次を積む構造なので、2本目には期間の長さが必要になります。終了日で管理したい場合は、終了日から開始日を引く計算式で所要日数の列を作ってください。手で入れると日付を直したときに直し忘れます。

Q3. 横軸の日付が1900年から始まってしまいます。

日付が内部では連番の数値として扱われているためです。空いているセルに開始日を入れて表示形式を標準に変えると、対応する数値が分かります。同じ手順で終了予定日の数値も出し、その2つを横軸の書式設定の最小値と最大値に入れてください。目盛りの間隔と表示形式もあわせて調整します。

Q4. 毎回同じ設定をやり直さずに済みますか?

グラフを右クリックしてテンプレートとして保存しておけば、次からは挿入時に選ぶだけで色や軸の書式を引き継げます。ただし横軸の最小値と最大値は案件ごとに違うので、そこだけは毎回入れ直します。テンプレート名に注記を入れておくと忘れずに済みます。

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