ワードで工程表を作る方法|表とSmartArtで引ける範囲と限界
ワードで工程表を作る方法を探しているなら、目的は2つのどちらかのはずです。取引先や社内に提出する体裁の整った1枚が要るのか、それともチームの進行を日々追いかける台帳が要るのか。この2つは同じ「工程表」という言葉で呼ばれますが、必要な作り方も、続けられる期間もまったく違います。この記事では、ワードの表機能とSmartArtで工程表を引く手順を具体的に示したうえで、どこまでならワードで足りて、どこから先は別の置き場所を考えたほうがよいのかを、判断できる形で書きます。
ワードで工程表を作ろうとする人が最初に決めるべきこと
工程表を作る道具として最初にワードが挙がるのは、理由があります。提出する資料がもともとワードで書かれていて、そこに工程の図を差し込みたい。あるいは、表計算ソフトの操作に慣れていない人が読み手に含まれていて、文書として渡したほうが確実に開いてもらえる。この2つは正当な理由です。工程表は読まれなければ意味がないので、読み手が開ける形式を選ぶのは正しい判断です。
一方で、ワードで作り始めてから後悔する場合、原因はほぼ1つに絞られます。その工程表を何回書き換えるつもりなのかを、作り始める前に決めていないことです。1回作って提出して終わりなら、ワードは十分に良い選択です。ところが、週に1度は日付が動く前提の工程表をワードで作ると、書き換えのたびに表のセルを結合し直し、色を塗り直し、行を挿入して全体のずれを直す作業が発生します。この作業は自動化できません。
判断の目安を出します。工程の本数が20本を超えるか、期間が3か月を超えるか、更新する人が2人以上になるか。このうち2つ以上に当てはまるなら、ワードで作った工程表は3回目の更新あたりで放置され始めます。現場では、更新が止まった工程表を誰も指摘しないまま、全員が別々の場所で日付を管理し始める、という展開がよく聞かれます。
逆に言えば、工程が10本前後、期間が1か月程度、更新するのは自分1人。この条件に収まるなら、ワードで作るのが最も速く、最も体裁が整います。以下の手順は、この条件に収まっている場合を想定して書きます。収まらない場合も手順は同じですが、後半の「限界」の節を先に読んでから着手してください。
表機能で工程表を引く具体的な手順
ワードで工程表を作る最も確実な方法は、表を使うことです。図形を並べる方法もありますが、図形は動かすたびに位置がずれるので、更新を想定するなら表のほうが安定します。
手順は次のとおりです。
・まずページの向きを横にする。レイアウトのタブから印刷の向きを横に変える。工程表は横に長いので、縦のままだと列が入りきらない ・余白を狭くする。既定の余白のままだと、使える横幅が足りない ・挿入のタブから表を選び、列数と行数を決める。列数は「見出し用の列+期間の数」、行数は「見出し行+工程の数」で計算する ・期間の刻みを先に決める。3か月の工程を週単位で刻むなら13列、月単位で刻むなら3列。左端に工程名の列と担当者の列を足すので、週単位なら合計15列になる ・1行目に期間の見出しを入れる。2行目以降に工程名を入れる ・工程が走っている期間のセルを選び、塗りつぶしの色を付ける。これが横棒の代わりになる
セルの塗りつぶしで棒を表す方法には、はっきりした利点があります。線や図形と違って、行を挿入しても崩れません。工程が1本増えたときに行を足すだけで済むので、更新のたびに全部を引き直す手間がなくなります。
列幅は手で調整するより、表全体を選んで列の幅を揃える機能を使ったほうが速い。工程名の列だけは広くしたいので、その列だけ後から広げます。文字が縦に折り返してしまう場合は、見出しの文字を小さくするか、期間の刻みを月単位に落とすかのどちらかで対処します。列を細くし続けても、ある幅から下は読めなくなります。
セルの結合は、どうしても必要なとき以外は避けてください。結合したセルがあると、後から行や列を挿入したときに表全体の構造が崩れます。見た目のために結合したくなる場面は多いのですが、更新の重さと引き換えになります。
罫線は最小限にしてください。すべてのセルに線を引くと、塗りつぶした棒が線に埋もれて見えなくなります。横の罫線だけを残して縦の罫線を薄くすると、期間の帯が読み取りやすくなります。
SmartArtで工程の流れを図にする手順
期間ではなく順序を見せたい場合、表よりもSmartArtのほうが向いています。「設計が終わってから製造、製造が終わってから検査」という順番を1枚で示すなら、横棒の工程表より流れ図のほうが伝わります。
SmartArtはワード専用の機能ではありません。
SmartArt グラフィックを作成して、情報の視覚的な表現をすばやく簡単に作成できます。 多彩なレイアウトの中から、自分のメッセージや考えを効果的に伝えるレイアウトを選択できます。 SmartArt グラフィックは、Excel、Outlook、PowerPoint、Word で作成でき、Microsoft 365 全体で使用できます。 出典: support.microsoft.com
挿入の手順は公式ヘルプに書かれているとおりで、挿入のタブの図のグループからSmartArtを選び、種類とレイアウトを選びます。工程表として使うなら「手順」の分類にあるレイアウトが該当します。矢印が横に並ぶ形と、上から下へ落ちる形の両方があるので、工程の数で選び分けてください。工程が5本を超えると横並びは字が潰れるので、縦に落とす形を選びます。
図形の追加はテキストウィンドウから行うのが速い。既存の図形を選んで、テキストの前後にカーソルを移動してEnterキーを押すと図形が増えます。ボックスを1つずつクリックして増やすより手数が少なくて済みます。
SmartArtの弱点は、日付を持てないことです。順序は表せますが、「いつからいつまで」を図の中に持たせる仕組みがありません。日付を書き込むこと自体はできますが、それは図形の中のただの文字なので、日付が変わったときに手で直すしかありません。順序を見せる用途に限って使い、期間の管理は別の場所で持つ、という割り切りが要ります。
表計算ソフトで作った表をワードに貼るときの3つの選択肢
工程表そのものは表計算ソフトで作り、ワードには貼るだけ、という進め方もあります。この場合、貼り方を3通りから選ぶことになり、どれを選ぶかで後の運用が変わります。
1つ目が、画像として貼る方法です。見た目が崩れず、相手の環境でも同じように表示されます。ただし後から編集できません。工程が変わるたびに元の表を直して、貼り直すことになります。
2つ目が、表として貼る方法です。ワードの表に変換されるので、ワード上で文字を直せます。ただし元の表とのつながりは切れているので、元を直してもワード側は変わりません。二重管理になります。
3つ目が、リンクとして貼る方法です。元のファイルとつながった状態で貼るので、元を直すとワード側にも反映されます。ただし、元のファイルの場所が変わったりファイル名が変わったりするとリンクが切れます。相手に送る資料でこれをやると、相手の環境では元ファイルが無いのでリンクが機能しません。
社外に出す資料なら1つ目、社内で回覧する資料なら2つ目、自分の手元で更新し続ける資料なら3つ目。この振り分けが実務的です。貼り方を選ばずに既定のまま貼ると、意図しない挙動になって後で困ります。
工程表に何を書き、何を書かないか
作り方の手順より先に効いてくるのが、粒度の決め方です。粒度を間違えた工程表は、どれだけ体裁を整えても使われません。
書くべきなのは、遅れたときに他の人の予定が動くものです。設計の完了、部材の入荷、先方の確認、検査の日程。これらは前後がつながっているので、1つが動けば後ろが全部動きます。工程表に載せる意味があるのはここです。
書かないほうがよいのは、担当者の中だけで完結する作業です。「資料を整える」「見積もりを作る」といった工程を全部載せると、行数が3倍に膨らみます。行数が増えると1ページに収まらなくなり、収まらなくなると誰も全体を見なくなります。工程表の役割は全体を1枚で見せることなので、行が増えた時点で目的から外れます。
目安として、A4横1枚に収まる行数は25行前後です。見出し行を除くと工程は20本ちょっと。これを超えるなら、粒度を1段上げて工程をまとめるか、フェーズごとに表を分けるかのどちらかになります。分けるなら、フェーズをまたぐつながりが見えなくなる点に注意してください。
もう1つ、載せるかどうかで迷いやすいのが余裕分です。工程表に余裕を明示すると、その余裕は必ず使われます。かといって余裕を隠すと、遅れたときに逃げ場がありません。実務的な折衷案は、個々の工程には余裕を入れず、フェーズの終わりにまとめて1週間の予備を1本引く形です。誰の担当でもない予備の期間が1本あることを全員が知っていれば、遅れの相談も早く出てきます。
進捗の欄を作るかどうかも、粒度の話に含まれます。パーセントで進捗を書かせると、報告する側は必ず80パーセントあたりで止まります。残りの2割が一番時間のかかる部分だからです。数字で進捗を持たせるより、「未着手」「進行中」「先方確認中」「完了」のような状態で持たせたほうが、遅れの兆しが早く見えます。
担当者の欄は必ず個人名にしてください。部署名や「制作チーム」と書くと、誰も自分ごとにしません。遅れの連絡が来ない工程表は、たいてい担当者の欄が組織名になっています。
遅れが出たときにワードで直す手順と、直すたびに増える手間
工程表は作った瞬間から古くなります。実際の運用では、直す作業のほうが作る作業より回数が多い。ここでどれだけ手間がかかるかが、その工程表が生き延びるかどうかを決めます。
ワードの表で作った工程表を直す手順はこうなります。まず遅れた工程の行を見つけ、塗りつぶしてあったセルの色を消し、新しい期間のセルを選んで色を付け直します。ここまでは1分で終わります。問題はその後です。
遅れた工程の後ろにつながっている工程が5本あれば、5本分すべてを同じように塗り直すことになります。さらにその後ろに納品日があれば、納品日も動かします。動かした結果、月をまたいで列が足りなくなれば、表に列を1つ追加して全部の行を調整します。ここまでで15分から30分。
この作業には、機械が助けてくれる部分がありません。「この工程が3日遅れたら、後ろの工程を全部3日ずらす」という連動の仕組みがワードには無いためです。依存関係を持てる道具なら1か所を直せば後ろが自動で動きますが、ワードの表は見た目の色でしかないので、人が1つずつ塗り直します。
現場でよく聞くのは、この作業が面倒になって「遅れが確定してからまとめて直す」運用に変わり、そのうち誰も直さなくなる、という流れです。工程表が古いまま置かれていること自体は、誰かが困るまで問題になりません。困ったときには手遅れになっています。
対策としては、直す頻度をあらかじめ決めておくのが現実的です。毎週決まった曜日に15分だけ工程表を開く時間を取り、その場で反映する。予定に入れておかないと、直す時間はどこからも生まれません。
配布されているテンプレートを使うときに確認すること
工程表のテンプレートを探して当てはめる進め方もあります。作る手間は確実に減りますが、確認せずに使うと後で困る点があります。
・期間の刻みが自分の案件に合っているか。週単位のテンプレートに6か月の工程を入れると26列必要になり、1ページに収まらない ・行の追加を想定した作りになっているか。凝ったテンプレートは、行を挿入すると書式が崩れることがある ・図形で組まれていないか。図形で棒を表現しているテンプレートは、更新のたびに図形を1つずつ動かすことになる ・フォントが特殊でないか。相手の環境に無いフォントで作られていると、開いた瞬間に体裁が崩れる ・配布元が信頼できるか。業務で使う文書なので、出所の不明なファイルは開かない
テンプレートの本当の価値は、体裁が整っていることより、項目の並びを考えなくて済むことにあります。工程名、担当者、開始、終了、進捗という並びが最初から入っていれば、何を管理するかで迷う時間が減ります。逆に言えば、その並びだけ真似して自分で表を作っても、得られるものはほぼ同じです。装飾が凝っているテンプレートほど更新が重くなるので、素朴な作りのものを選ぶほうが長く使えます。
ワードの工程表が続かなくなる本当の境目
ワードで作った工程表が使われなくなる理由は、体裁の問題ではありません。ほぼすべて、更新の作業が1人に集中することが原因です。
工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られません。ファイルを開いていれば読み取り専用になるか、編集できないという通知が出ます。編集が終わって保存され、共有場所に置き直されるまで、チームは古い版を見続けます。工程表の書き換えに30分かかるなら、その30分の間、チーム全体が古い情報で動くことになります。
この構造が本当に効いてくるのは、工程表を見る人と直す人が分かれたときです。担当者は自分の工程が遅れたことを知っています。しかし工程表を直す権限も手順も持っていないので、とりまとめる人に伝えます。とりまとめる人が受け取って、表を開いて、セルの塗りつぶしを直して、保存して、共有する。遅れが表に反映されるまでに半日から1日かかります。その間に別の遅れが発生すると、反映が追いつかなくなります。
入力する人が増えないと、進捗の表はすぐ嘘になります。工程表の価値は、正しさが保たれていることにあります。誰も直していない工程表は、飾りとしては残りますが、判断の材料にはなりません。「工程表を見ればわかる」と言えなくなった時点で、その工程表は役割を終えています。
もう1つの境目が、履歴です。ワードは変更履歴を記録できますが、これは文書の編集履歴であって、工程の変更履歴ではありません。「この納期はいつ、誰が、どういう理由で動かしたのか」を後から追いたいときに、ワードの変更履歴からその情報を取り出すのは現実的ではありません。取引先と納期の認識がずれたときに証跡が要る仕事では、この点が効いてきます。
共同編集の条件を先に確認しておく
複数人でワードの工程表を触るなら、共同編集が使える状態かどうかを先に確かめてください。条件は公式に明示されています。
共同編集はOneDriveまたはSharePointに保存された文書で利用できる、と公式ヘルプに書かれています。あわせて、共同編集がサポートされるのは.docxなどの新しいファイル形式のみであること、共同編集者全員に文書へのアクセスおよび編集の権限が必要であることも明記されています。つまり、ファイルサーバーの共有フォルダに置いた.docファイルを全員で開く運用では、共同編集は成立しません。
同時に編集した場合の挙動についても記載があります。ワードでは、あるユーザーが作業中の段落はロックされて、他のユーザーは上書きできなくなります。オフラインにすると同じ段落で作業できてしまい、保存時に競合を示すメッセージが出る、という説明も添えられています。工程表は表の中に多くの人の情報が集まる文書なので、この競合が起きやすい部類に入ります。
ここから読み取れる実務上の結論はこうです。ワードの工程表を複数人で更新するなら、クラウド上に置いて全員に編集権限を渡すところまでやり切る必要があります。そこまでやらないなら、更新は1人に固定して、他の人は読むだけにする。中途半端に「みんなで直してください」と言うと、上書き事故が起きます。
提出用に体裁を整えるときの実務的なコツ
提出用の1枚として作るなら、体裁の詰め方で読みやすさが大きく変わります。
・工程名の列は左端に固定し、担当者は工程名のすぐ右に置く。読み手は「誰が何をいつまでに」の順で読むので、この並びが自然 ・期間の見出しは、月の切れ目に太い線を入れる。週の列が並んでいるだけだと、どこが月末なのか瞬時にわからない ・今日の位置に縦線を1本入れる。提出時点でどこまで進んでいるはずなのかが一目で伝わる ・色は3色までに抑える。完了、進行中、未着手の3つで足りる。色を増やすと凡例が必要になり、凡例が必要な表は読まれない ・凡例を入れるなら表の上に置く。下に置くと、印刷して2ページに割れたときに凡例だけが2ページ目に残る ・ヘッダー行の繰り返しを設定する。表が複数ページにまたがったとき、2ページ目以降にも期間の見出しが出る
見出しの文字は本文より小さくしても構いません。期間の見出しは記号に近い役割なので、8ポイント程度まで落としても読めます。逆に工程名は読み手が一番見る場所なので、本文と同じ大きさを保ちます。全体の文字を一律に小さくすると、読みにくいだけで収まる列は増えません。削るなら見出しから削ります。
日付の書き方も統一してください。ある行は「9/10」、別の行は「9月10日」と混ざっていると、読み手は無意識に照合し直します。西暦を入れるかどうかも決めておきます。年をまたぐ工程表なら年を入れる、年内で終わるなら月日だけ、という基準で十分です。
印刷まで想定するなら、PDFに書き出して実際に印刷プレビューを確認してください。画面上では収まっているのに、印刷すると1列だけ2ページ目に落ちる、という事故がよく起きます。列を1つ削るか、余白をあと数ミリ削るかで収まることが多いので、提出前に必ず見ておきます。
工程表の置き場所を移すときに比べるべきこと
ワードの限界に当たったとき、次の置き場所を選ぶことになります。ここで大事なのは、機能の多さで選ばないことです。多機能な道具を入れても、チームが入力しなければ工程表は嘘になります。見るべきは、担当者が自分の工程を自分で動かせるかどうかです。
各サービスの無料で使える範囲は、公式の料金ページで確認できます。人数とボードの数で区切られている場合が多く、時間軸の表示は上位のプランに置かれていることがあります。たとえばTrelloの料金ページには、無料プランについてワークスペースあたり10ボードまで、10コラボレーターまでという記載があり、カレンダーやタイムラインといったビューはPREMIUM以上の欄に記載されています。
カンバンで持つのか、時間軸で持つのかという軸で違いを整理したページとして、Trelloとの比較があります。カードを並べる形の道具から工程表に移るときに、どこが変わるのかを扱っています。タスクの割り当てと期日の運用が中心のサービスとの違いはAsanaとの比較にまとめてあります。
文書とデータベースを同じ場所で持つ考え方の道具についてはNotionとの比較を用意しています。自由に組める代わりに、組んだ人以外が直せなくなる問題を扱っています。ボードの数と人数で無料の範囲が決まる形についてはmonday.comとの比較で触れています。
国産のサービスとの違いを見るならBacklogとの比較が参考になります。課題管理を軸にした作りとの相性を整理しています。あわせて、提供の終了が告知されているサービスからの移行を考えている場合はJootoとの比較を確認してください。移行先を選ぶ観点をまとめています。どのサービスと比べるか決まっていないなら、比較の一覧から近い条件のものを選ぶのが早い。
移す前に確かめておく4つの点
道具を替える判断をする前に、確かめておくと後悔が減る点が4つあります。
1つ目が、いま持っている工程表をそのまま持ち込めるかどうかです。手で入れ直すことになるなら、工程が50本あれば数時間の作業になります。取り込みの仕組みがあるかどうか、あるならどの形式に対応しているかを先に見ておきます。取り込みの範囲についてはTrelloからの移行に書かれている内容が目安になります。自動で取り込める相手は限られていて、それ以外は手作業になる点も含めて確認してください。
2つ目が、料金の区切り方です。人数で区切るのか、ボードや案件の数で区切るのか、機能で区切るのか。区切り方によって、チームが増えたときの費用の伸び方が変わります。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという考え方を取っている場合、後から「この機能は上のプランです」と言われる場面が減ります。詳しくは料金で確認できます。何ができるのかを機能単位で見たいならできることにまとめてあります。
3つ目が、取引先を巻き込めるかどうかです。工程表に外部の関係者が出てくる仕事では、その人たちがどう参加するのかが問題になります。ゲストとして無料で入れるのか、人数に数えられるのか。ここを確認せずに導入すると、想定の倍の費用になることがあります。
4つ目が、データの扱いです。工程表には取引先の名前と納期が並びます。社外に出せない情報が含まれる場合、保存場所と権限の設計を確かめる必要があります。考え方は安全性の考え方に整理しています。導入前によく出る疑問はよくある質問にまとめてあるので、判断に迷う点があればそちらも見てください。
この4つを確かめたうえで、それでもワードで足りると判断したなら、ワードで続けるのが正解です。道具を替えること自体には価値がありません。価値があるのは、工程表が正しい状態を保ち続けることのほうです。
移すと決めた場合も、いきなり全部を動かさないでください。走っている案件を1本だけ選んで、そこで2週間試すのが安全です。試す期間に見るのは機能ではなく、担当者が自分で入力したかどうかの一点です。とりまとめる人が代わりに入力している状態なら、道具を替えてもワードのときと同じ構造のままです。担当者が自分で日付を動かすようになって初めて、置き場所を替えた意味が出ます。
判断の材料として、ワードで作り続けるコストも数えておくと比べやすくなります。週に15分の更新を1年続ければ13時間です。ここに、古い工程表を見て動いてしまった手戻りの時間が乗ります。道具の費用と並べたときにどちらが大きいかは、チームの人数と案件の本数で変わります。金額だけを見て「無料のほうが安い」と決める前に、この時間を計算に入れてください。
最後に、移さないと決めた場合の運用も書いておきます。ワードで続けるなら、更新する人を1人に固定し、更新の曜日を決め、工程は20本以内に抑え、期間は3か月ごとに区切って表を分ける。この4つを守れば、ワードの工程表は十分に実用に耐えます。守れなくなった時点が、置き場所を考え直す時期です。
Q1. ワードで作った工程表を、あとから表計算ソフトに移せますか?
表をコピーして貼り付ければ移せますが、セルの塗りつぶしで表現した棒は、そのままでは日付データとして扱われません。移した先で条件付き書式や日付の計算を使うなら、工程名と開始日と終了日を列として持ち直す作業が別途必要になります。移す前提があるなら、最初から日付を文字として列に持たせておくと手戻りが減ります。
Q2. ワードとエクセルのどちらで工程表を作るべきですか?
提出用の1枚で、更新が数回で終わるならワードが速い。日付の計算や並べ替え、フィルターで絞り込む使い方をするならエクセルが向いています。判断の分かれ目は更新の回数です。作ったあと10回以上書き換える見込みがあるなら、ワードでは手作業が積み上がります。
Q3. 複数人でワードの工程表を同時に更新できますか?
公式ヘルプによれば、共同編集はOneDriveまたはSharePointに保存された文書で利用でき、対応形式は.docxなどに限られ、全員に編集権限が必要です。あわせて、作業中の段落はロックされて他の人が上書きできない仕組みも説明されています。この条件が整っていないなら、更新は1人に固定するほうが安全です。
Q4. 工程表を別の道具に移す判断は、どの時点でするべきですか?
更新が滞り始めたときです。具体的には、遅れが発生してから工程表に反映されるまでが半日以上かかるようになったら境目です。工程の本数が20本を超え、更新する人が2人以上になり、期間が3か月を超える。この3つのうち2つに当てはまるなら、早めに移したほうが手戻りが少なくて済みます。