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リフォーム工程表の作り方|職種の順番と余白の置き方から組み立てる

2026年9月8日 ・ Pinateca編集部

リフォーム 工程表 作り方 で検索する人の多くは、新築の工程表なら何度も引いた経験がある人です。それでもリフォームで手が止まるのは、条件が案件ごとに違いすぎて、前回のひな型がそのまま使えないためです。

住んだままの工事なのか、空室なのか。マンションなのか戸建てなのか。解体してみないと配管の位置が分からないのか、図面が残っているのか。関わる職種が3つなのか8つなのか。この条件の組み合わせで、工程表の形はまったく変わります。

この記事では、着工前に集めておく情報の整理から始めて、職種を並べる順序、余白の取り方、施主と近隣への共有の仕方、そして途中で崩れたときの直し方までを順に扱います。あわせて、工期の考え方について公的に示されている基準にも触れます。読み終えたときに、自分の案件で最初に何を確かめればよいかがはっきりしている状態を目指します。

リフォームの工程表が、新築の工程表と違うところ

まず違いを押さえておきます。ここを新築と同じ感覚で引くと、着工から1週間で崩れます。

1つめは、既存の状態が分からないまま組むことです。解体してみたら下地が腐っていた、配管が図面と違う位置にあった、断熱材が入っていなかった、という発見が普通に起こります。新築なら図面どおりに進みますが、リフォームは開けてみるまで確定しません。したがって工程表は、確定した部分と、確定していない部分を分けて作る必要があります。

2つめは、住んだままの工事が多いことです。住みながらの工事では、水を止められる時間、音を出せる時間、キッチンや浴室を使えない期間に制約がかかります。工程の順序は職人の都合ではなく、生活の都合で決まります。

3つめは、期間が短いことです。数日から数週間で終わる案件が中心で、1日ずれるだけで全体の割合としては大きな遅れになります。新築なら1日の遅れは吸収できますが、5日の工事で1日ずれれば20%の遅延です。

4つめは、職人の入れ替わりが激しいことです。1日だけ入る職種が複数あり、その日に入れなければ次の空きは1週間後、ということが起こります。この待ちが工程全体を伸ばす最大の要因になります。

5つめは、近隣への影響が直接的なことです。集合住宅なら管理組合の届出、作業できる曜日と時間の制限、エレベーターの養生、搬入経路の確保といった条件が付きます。これらは工程表の中に作業として置いておかないと、当日になって動けません。

工程表を引く前に、集めておく5つの情報

工程表の精度は、引く技術ではなく着工前に集めた情報の量で決まります。次の5つを埋めてから引き始めてください。

1つめは、施主が使えなくなる期間の許容範囲です。キッチンが何日まで使えないか、浴室が何日まで使えないか、その間の代替はあるか。ここが決まらないと、水まわりの工程の組み方が決められません。仮設のシャワーを用意するのか、近隣の入浴施設を使ってもらうのか、施主が実家に滞在するのかで、詰められる日数が変わります。

2つめは、作業できる曜日と時間です。集合住宅の管理規約で、平日の9時から17時のみ、日曜と祝日は不可、といった条件が定められていることがあります。この制約を先に把握しないと、土曜を計算に入れた工程表を引いてしまいます。

3つめは、搬入と搬出の条件です。エレベーターの寸法、養生の可否、駐車できる場所、階段のみの場合の人手。大きな設備を入れる案件では、この条件だけで工程が変わります。ユニットバスが階段を通らないと分かってから設計を変えるのは、着工後にいちばん避けたい事態です。

4つめは、材料と設備の納期です。ここがリフォームの工程で最も読みにくい部分です。既製品でも数週間、特注なら数か月かかるものがあります。納期が確定していない設備がある場合、その日程を仮で置いた工程表は必ず崩れます。発注の日と、納品の予定日を工程表の上に作業として置いてください。

5つめは、解体してみないと分からない箇所の一覧です。床下、壁の中、天井裏、配管の経路。開けたあとに判断が必要になる箇所を先に挙げておき、その判断のための時間を工程表に確保します。判断を求める相手が施主なら、連絡がついて返答が来るまでの時間も見込んでおいてください。

職種を並べる順序と、標準的な流れ

情報がそろったら、作業を並べます。リフォームの工程は、おおむね次の順序で流れます。案件によって増減しますが、順序そのものは大きく変わりません。

・近隣への挨拶と、管理組合への届出 ・養生。共用部、床、家具、既存の残す部分 ・解体と撤去。廃材の搬出 ・下地の確認と補修。ここで想定外が出やすい ・電気の配線と、給排水の配管。壁と床を閉じる前に終わらせる必要がある ・断熱と下地の造作 ・壁と天井のボード貼り ・パテ処理と、クロスや塗装の仕上げ ・床の仕上げ ・設備の設置。キッチン、浴室、洗面、便器 ・電気の器具付けと、通電の確認 ・建具と造作家具の取り付け ・クリーニング ・施主の立ち会い検査と、手直し ・引き渡し

この流れの中でいちばん重要なのが、配線と配管を壁と床を閉じる前に終わらせる、という順序です。ここを飛ばして先に進むと、後から壁を開け直すことになります。工程表を引くときは、この「閉じる前」の作業をひとまとまりにして、その完了を1つの節目として置いてください。

もう1つ、クリーニングと検査の間に手直しの時間を置いておくことも重要です。検査で指摘が出るのは当たり前で、出ない前提の工程表は必ず崩れます。指摘が出てから直して、もう一度見てもらうまでの日数を最初から確保しておきます。目安として、工期が2週間の案件なら1日1か月の案件なら2日から3日を見ておくと、引き渡しの日をずらさずに済みます。

余白をどこに、どれだけ置くか

工程表が崩れる原因の大半は、余白の置き方を間違えていることです。余白は全体の最後にまとめて置くのではなく、崩れやすい箇所の直後に置きます。

崩れやすい箇所は決まっています。

・解体の直後。想定外が見つかる確率が最も高い ・設備の納品日の直前。納期の遅れはこちらでは動かせない ・施主の判断を待つ箇所。色や仕様の決定は、想像より時間がかかる ・検査のあと。手直しの量が読めない

この4か所に、それぞれ1日から2日を置きます。全体の最後に5日まとめて置くより、この配置のほうが効きます。理由は単純で、途中でずれたときに、その場で吸収できるからです。最後にまとめて置いた余白は、途中のずれを吸収できません。前の工程が遅れれば、次の職人の予定が空かないためです。

余白を置くと工期が伸びて見積もりが不利になる、という懸念はあります。ただし、崩れた工程表を引き直す時間と、職人に謝って再手配する手間と、施主に説明する時間を合わせると、最初から余白を置いたほうが安く済むことがほとんどです。

余白の見せ方にも注意が要ります。施主に渡す工程表に「予備日」と書くと、そこは空いていると受け取られ、他の要望を入れられます。「調整日」あるいは「確認日」として、何かをする日として置いておくほうが守れます。

職人の予約を、いつ押さえるか

工程表を引くのと同じくらい効くのが、職人の予約をどの順で押さえるかです。ここを間違えると、表の上では成立している工程が、現実には組めません。

先に押さえるべきなのは、代わりが利きにくい職種です。特殊な設備の施工、防水、建具の造作といった、頼める相手が限られる工程がこれにあたります。逆に、比較的手配しやすい職種は後から調整できます。工程表を引くとき、この2つを色で分けておくと、変更が出たときにどこを動かせるかが一目で分かります。

押さえる時期の目安は、着工の3週間前です。1週間前では、1日だけ入ってもらう職種の空きが残っていないことがあります。逆に2か月前だと、案件の内容が固まっておらず、日数の見積もりが変わって再調整になります。

予約を入れるときは、日付だけでなく、その日の作業の内容と、前工程が終わっている前提を伝えてください。前の工程が遅れて現場が整っていないのに来てもらうと、その日は無駄になり、次の予約も取りにくくなります。工程表を共有できる形にしておくと、この確認が電話なしで済みます。

予定が動いたときの連絡の順番も決めておいてください。動かせない職種から先に伝え、調整できる職種を後にすると、組み替えの手数が減ります。逆の順で連絡すると、二度手間になります。

マンションと戸建てで、組み方がどう変わるか

同じ内容の工事でも、建物の種類で工程表の形が変わります。混ぜたひな型を使い回すと、どちらの現場でも合いません。

集合住宅の場合、まず管理組合への届出が工程の起点になります。承認までにかかる日数は建物ごとに違い、理事会の開催日を待つ形になると数週間かかることがあります。この待ち時間を工程表の先頭に作業として置いてください。着工日は届出の承認が下りてから逆算して決まります。

作業できる時間にも制約が入ります。平日の限られた時間帯のみ、日曜と祝日は不可、といった条件が規約に書かれていることがあります。土曜が使えるかどうかで、2週間の工事なら2日分の差が出ます。搬入経路も限られ、エレベーターの養生と使用の予約が必要になる場合があります。共用部の養生は、作業の前後に毎日発生する作業として工程に見込んでください。

戸建ての場合、時間の制約は緩くなりますが、代わりに天候の影響が入ります。外部の足場、屋根、外壁、バルコニーの防水といった工程は雨で止まります。梅雨や台風の時期に外部の工程を置く場合は、余白を厚めに取ってください。目安として、外部の工程が5日あるなら、雨天の分として2日を見込んでおくと、引き渡しの日を動かさずに済みます。

もう1つ、戸建てでは既存の状態のばらつきが大きくなります。増改築を繰り返している住宅では、図面と現況が一致しないことが普通にあります。解体後の判断のための時間を、集合住宅より厚く取ってください。

水まわりの工事で、使えない期間をどう詰めるか

リフォームの相談でいちばん多いのが水まわりです。そして施主の関心が集中するのが、使えない期間の長さです。ここを詰められるかどうかで、受注の可否が決まることもあります。

詰めるための考え方は3つあります。

1つめは、先行して手配できるものを前倒しすることです。設備の納品を着工の前日までに完了させ、現場に置ける場所を確保しておくと、解体から設置までを止めずにつなげられます。納品待ちで数日空くのが、いちばんもったいない待ち時間です。

2つめは、職種を1日にまとめることです。給排水の配管、電気の配線、下地の補修は、別々の日に入れると3日かかりますが、同じ日に入れれば1日で終わることがあります。ただし人が増えると現場が狭くなり、かえって効率が落ちます。作業する場所が分かれているかどうかで判断してください。

3つめは、乾燥や養生の時間を正確に見込むことです。防水の工程や、モルタルの下地、接着剤の硬化には、動かせない待ち時間があります。ここを短く見積もると、後から不具合が出ます。詰めてよい時間と、詰めてはいけない時間を分けて、詰めてはいけない部分は工程表に理由を書き添えておくと、現場で勝手に短縮されません。

浴室の交換のように、既製品を入れ替える工事は日数が読みやすく、3日から5日で収まることが多くなります。一方、在来工法から既製品に変える工事や、間取りを変える工事は、開けてみないと分からない部分が増え、日数の幅が大きくなります。施主に日数を伝えるときは、この2つを分けて説明してください。確定した日数と、幅がある日数を混ぜて伝えると、幅の上限だけが記憶に残ります。

見積もりと工程表を、必ず突き合わせる

工程表を引いたら、見積もりと突き合わせてください。この作業を飛ばすと、工程表に載っていない作業を実際に行うことになり、原価が合わなくなります。

突き合わせる方法は単純で、見積もりの明細の1行ずつに、工程表のどの作業が対応するかを確認していきます。対応が無い行があれば、工程表に抜けがあるか、見積もりに不要な行が残っています。逆に、工程表にあって見積もりに無い作業があれば、その分の費用が計上されていません。

抜けやすいのは次の項目です。

・養生と、その撤去 ・廃材の運搬と処分 ・現場の清掃。日々の片付けと、最後のクリーニングは別物です ・近隣への挨拶まわり ・施主との打ち合わせと、立ち会い検査の時間 ・手直しの作業

このうち、日々の片付けと打ち合わせの時間は、工程表にも見積もりにも載らないまま人が動いていることが多い部分です。1日あたり30分としても、2週間の工事なら7時間になります。載せておくと、工期の説明にも使えます。

突き合わせを終えたら、その結果を次の案件のひな型に反映してください。同じ抜けを毎回繰り返すのは、ひな型が更新されていないためです。案件が終わるたびに、実際にかかった日数と当初の日数の差を作業の種類ごとに記録しておくと、次の見積もりの精度が上がります。記録の粒度は半日単位で十分です。15分単位で正確に記録しようとすると、続きません。

工期の考え方について、公的に示されている基準

工期をどう設定するかについては、公的な考え方が示されています。令和元年6月の建設業法の改正により、中央建設業審議会が建設工事の工期に関する基準を作成して実施を勧告できることとされ、令和2年7月に「工期に関する基準」が作成され勧告されました。その後、令和6年3月27日に見直しが審議され、同日その実施が勧告されています。

背景については、次のように説明されています。

適正な工期設定を通じて長時間労働を是正するとともに、週休2日を確保することは、建設業の将来の担い手を確保する観点からも極めて重要です。 出典: mlit.go.jp

見直しの背景には、令和6年4月から建設業においても罰則付きの時間外労働の規制が適用されることがあります。つまり工期の設定は、現場の都合だけでなく、働く人の労働時間の話と直結しています。工程表に土曜と日曜を当たり前に入れて組む習慣がある場合は、その前提が変わっていることを踏まえて見直す必要があります。

具体的にどう適用されるかは、契約の形態や事業者の規模によって扱いが変わります。自社の案件でどこまでが対象になるかは、所管の窓口や社会保険労務士などの専門家に確認してください。この記事では制度の解釈までは扱いません。

もう1点、リフォームの規模によっては建設業の許可が関わります。建設業の許可を受けなくてもよいとされている「軽微な建設工事」の範囲は、建築一式工事については1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事、建築一式工事以外については1件の請負代金が500万円未満とされています。金額には消費税と地方消費税が含まれます。2つ以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負金額の合計で判断されます。詳しくは所管の行政庁に確認してください。

工程表そのものの話からは少し外れますが、この金額の考え方は工程の分け方に影響します。工事を分割して契約するかどうかで、工程表の単位も変わるためです。

施主と近隣に、どう見せるか

工程表には2種類の読み手がいます。1つは現場を動かす側、もう1つは施主と近隣の住人です。同じ表を両方に見せると、たいてい問題が起きます。

現場向けの工程表には、職種、日ごとの作業、搬入の予定、検査の日程まで細かく入ります。ここには余白の意図も書かれています。

施主向けには、生活への影響が中心になります。何日から何日までキッチンが使えないか、水が止まる日はいつか、在宅が必要な日はいつか、音が大きい日はどこか。この4点が分かる形にすると、質問がぐっと減ります。逆に職種の名前が並んだ表を渡しても、施主にとっては読めません。

近隣向けには、さらに絞ります。工事の期間、作業する時間帯、音が大きい日、搬入で通行に影響が出る日。この4つだけを1枚にまとめて配ると、苦情の発生率が下がります。

現場では、工程表を1つ作って全員に配るやり方が多く見られます。手間は少ないのですが、読み手ごとに必要な情報が違うため、結局は個別に説明することになります。最初から3種類作っておくほうが、トータルの時間は短くなります。元になる情報が1か所にまとまっていれば、この3種類を作るのは難しくありません。

途中で崩れたときの、直し方の順序

どれだけ丁寧に組んでも、リフォームの工程は崩れます。崩れたときに何から手をつけるかを決めておくと、被害が小さくなります。

前提として、崩れたことを早く知る仕組みが要ります。現場から報告が上がるのが夕方だと、その日の手配はもう間に合いません。朝の時点で前日の状況が分かる形にしておくと、その日のうちに次の職種へ連絡できます。写真を1枚送ってもらうだけでも、進み具合はかなり正確に伝わります。

最初にやるのは、引き渡しの日を動かすかどうかの判断です。ここを先に決めないと、途中の工程をいくら組み替えても方向が定まりません。施主の引っ越しの予定や、賃貸の解約日が絡んでいる場合、引き渡しの日は動かせません。その場合は、後半の工程を詰めるか、作業の内容を減らす交渉に入ります。

次にやるのが、動かせない予定の洗い出しです。設備の納品日、職人の予約、検査の日程のうち、動かすと大きな遅れになるものを特定します。1日だけ入る職種の予定は、動かすと次の空きが1週間後になることがあります。

3つめが、順序の入れ替えができる箇所の確認です。前後関係がある作業は動かせませんが、独立している作業は入れ替えられます。たとえば内装の仕上げと、造作家具の取り付けは、干渉しない範囲なら順序を変えられます。

4つめが、施主への連絡です。ここを後回しにすると、信頼の面で最も大きな損失になります。遅れの理由と、新しい日程と、生活への影響の変化を、分かった時点で伝えます。組み直しが終わってから伝えようとすると、施主が知るのは数日後になります。

そして最後に工程表を直します。直したものは、その場で全員に届く形にしておく必要があります。ここが紙やメールの添付だと、古い版を持ったまま動く人が必ず出ます。工程表を1人が引き直している間、他の人はその表を見られない状態になるためです。

工程表をどこに置くかで、崩れたあとの回復速度が変わる

リフォームの工程表は、Excelで作られていることがほとんどです。線を引くのが速く、印刷して現場に貼れて、誰でも開けるという利点があります。案件が短く、引くのが1人で、関わる職人が固定なら、この形で十分に回ります。

苦しくなるのは次の場合です。

・案件が同時に5本以上走っていて、どの職人がどの現場に何日入るのかを横断して見られない ・変更のたびにファイルを作り直していて、どれが最新か分からなくなる ・現場から写真や連絡が来るのがチャットで、工程表とは別の場所にある ・協力会社が自分の担当分の日程を確認するたびに、こちらに電話がかかってくる

この状態になったら、工程表を1か所に置いて、関わる人が同じ画面を見る形に変える価値が出ます。板の形でまとめる道具を検討する場合、見るべき点は3つです。

1つめは、工程表を見るために上位のプランへ移る必要があるかどうかです。カレンダーやタイムラインの表示が上位に置かれている設計だと、進捗を見たいという理由だけで全員分の単価が上がります。たとえばTrelloの無料プランはワークスペースあたり10ボード、10コラボレーターまでで、カレンダーやタイムラインやテーブルのビューはPremium以上です。詳しくはTrelloとの比較に整理があります。機能で段階を分けず、区切るのが人数とボードの数だけという形なら、この移動が起きません。条件は料金で確かめてください。

2つめは、協力会社を招けるかどうかと、そのときに費用が増えるかどうかです。案件ごとに職人を招く運用だと、人数で課金する道具では単価が積み上がります。閲覧しかしない相手の扱いは道具ごとに違うので、契約の前に確かめてください。

3つめは、現場の人が説明なしで使えるかどうかです。ここが最大の分かれ目になります。どれだけ機能があっても、職人が開かない道具に工程表を置けば、結局こちらが電話で伝えることになります。何ができるのかはできることに一覧があります。

他の道具と比べるときに、何を基準にするか

工程の管理に使える道具は数多くあり、機能の一覧を比べ始めるときりがありません。リフォームの現場に持ち込む前提なら、判断の基準は次の4つに絞れます。工程表を触る人数、案件の同時本数、社外の協力会社が入るかどうか、そしてスマートフォンで使えるかどうかです。

この4つを先に書き出してから候補を見ると、絞り込みが早くなります。自動化と外部連携の幅で選ぶ場合はAsanaとの比較monday.comとの比較が判断材料になります。図面や仕様書といった文書を同じ場所に置きたいならNotionとの比較が近い形です。

国内のサービスは、いま前提が動いている時期です。Backlogは2026年12月31日で現行プランの新規契約が終了し、2027年1月1日から新しい3つのプランに移ります。フリープランのユーザー上限は10名から5名になります。詳細はBacklogとの比較にあります。Jootoは2027年7月31日で一般提供の終了が告知されています。こちらはJootoとの比較を参照してください。料金と上限を横並びで見たい場合は比較の一覧にまとめてあります。

スマートフォンで使えるかどうかは、現場を持つ仕事では特に効きます。職人が現場からその場で完了を押せるかどうかで、進捗の鮮度が変わります。事務所に戻ってから入力する運用にすると、たいてい入力されません。

道具を変える場合、いま使っているExcelの工程表をそのまま移す必要はありません。走っている案件を1本だけ選んで、その案件だけ新しい場所で動かしてみるのが確実です。全案件を同時に移すと、移行の期間中は新旧2つの表を維持することになり、負担が2倍になります。取り込みの経路は道具ごとに違い、他のサービスから自動で移せる範囲は限られます。実際の手順はTrelloからの移行に書かれている形が参考になります。

施主の個人情報や図面を置く場所になるため、データの扱いも確かめてください。どこに保存されるのか、権限をどう分けられるのか、担当を外れた人のアカウントをどう止めるのか。この3点は安全性の考え方に整理があります。契約や運用まわりで先に出やすい疑問はよくある質問にも並んでいます。

Q1. リフォームの工程表は、どのくらいの粒度で作ればよいですか?

1つの作業が半日から2日で終わる粒度が目安です。リフォームは工期そのものが短いため、新築と同じ週単位で組むと、遅れが見えたときには手遅れになります。ただし、1時間単位まで刻むと更新の手間が実際の作業を上回ります。職種が入れ替わる区切りを1つの作業として置くと、ちょうど扱いやすい粒度になります。

Q2. 余白はどこに置けばよいですか?

崩れやすい4か所の直後に、それぞれ1日から2日ずつ置きます。解体の直後、設備の納品日の直前、施主の判断を待つ箇所、検査のあとの4つです。全体の最後にまとめて置くと、途中でずれたときに吸収できません。施主に渡す工程表では「予備日」ではなく「調整日」や「確認日」として書いておくと守れます。

Q3. 施主に渡す工程表には、何を書けばよいですか?

生活への影響が分かる4点に絞ってください。キッチンや浴室が使えない期間、水が止まる日、在宅が必要な日、音が大きい日です。職種の名前が並んだ現場向けの表をそのまま渡しても読めないため、質問の電話が増えます。近隣向けはさらに絞って、工事の期間、作業の時間帯、音が大きい日、搬入で通行に影響が出る日の4つで足ります。

Q4. 工期の設定について、参考にできる公的な基準はありますか?

中央建設業審議会が「工期に関する基準」を作成し、令和2年7月に実施が勧告されています。令和6年3月27日には見直しが審議され、同日その実施が勧告されました。背景には令和6年4月からの罰則付き時間外労働規制の適用があります。自社の案件でどこまでが対象になるかは、所管の窓口や社会保険労務士などの専門家に確認してください。

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