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エクセルのシフト表をガントチャートで無料で作る|崩れない組み方

2026年9月8日 ・ Pinateca編集部

エクセルでシフト表をガントチャートの形にして無料で作りたい、という相談はよく聞きます。名前が並んだ表に丸印を打つだけの形から、時間帯を横棒で描く形に変えると、誰と誰が重なっているのか、どの時間帯が薄いのかが一目で分かるようになるからです。この記事では、縦軸を何にするかの決め方、目盛りの刻み方、条件付き書式で横棒を出す手順、確定してから通知するまでの運用、そして変更が入ったときに崩れる場所までを順に扱います。無料で始められる作り方を扱いますが、無理をして表計算で抱え続けるべきかどうかの境目も最後に置きます。

シフト表をガントチャートの形にすると何が見えるか

丸印や記号を並べる形のシフト表でも、誰がその日に出るかは分かります。それでも横棒の形に変える人が多いのは、時間帯の重なりが見たいからです。

横棒にすると、3つのことが同時に見えます。1つ目は、時間帯ごとの人数です。開店直後と夕方だけ人が薄い、といった状態が縦に数えるだけで分かります。2つ目は、引き継ぎの有無です。前の人が上がる時刻と次の人が入る時刻が離れていれば、その隙間で仕事が止まります。3つ目は、1人あたりの拘束時間です。棒の長さがそのまま時間なので、長い棒が特定の人に集まっていれば偏りが見えます。

逆に、横棒にしても見えないものもあります。休憩の位置、資格や担当できる業務の違い、本人の希望との差です。これらは棒の長さでは表現できないので、別の列か、色の使い分けで補うことになります。全部を1枚に詰め込もうとすると読めなくなるので、何を横棒で表し、何を列で表すのかを先に決めてください。

現場でよく聞くのは、きれいな横棒の表を作ったものの、結局は誰が出るかしか見ていなかった、という話です。もしそうであれば、時間帯を横に刻む必要はありません。日付だけを横に並べた形のほうが、作る手間も更新の手間も少なくて済みます。作る前に、時間帯の重なりを本当に見るのかを1度確かめてください。

見分け方は簡単です。いまのシフト表を前にして、直近1か月で誰かに質問された内容を思い出してみてください。「その日は誰が出ますか」だけであれば、日付を横に並べた形で足ります。「夕方の時間帯は何人いますか」「引き継ぎは誰から誰にですか」という質問が出ているなら、時間帯を刻む価値があります。質問されていないことを表で表そうとすると、作る手間だけが増えます。

もう1つ、横棒にすると増える手間も知っておいてください。時刻を2つ入力する必要があるので、丸印を打つだけの表に比べて入力の量が倍になります。人数が多い現場では、この差が毎月の作業時間に効いてきます。時間帯を見る必要が本当にあるかどうかを、ここで一度立ち止まって判断してください。

縦軸を人にするか、持ち場にするかを先に決める

表の設計でいちばん重要なのは、縦軸を何にするかです。ここを決めずに作り始めると、必ず途中で作り直しになります。選択肢は2つあります。

1つ目は、縦軸を人にする形です。左に名前を並べ、右に時間帯を刻みます。1人ずつの拘束時間と休みの取り方が見やすく、本人に渡す表としてはこちらが分かりやすくなります。人数が30人を超えると1画面に収まらなくなるので、部門やグループごとにシートを分けることになります。

2つ目は、縦軸を持ち場にする形です。レジ、フロア、厨房、受付といった枠を左に並べ、その枠を誰が埋めているかを横棒にします。空いている枠が視覚的に分かるので、穴を見つける目的にはこちらが向きます。ただし1人が複数の持ち場を兼ねる場合、同じ人の名前が複数の行に現れるため、その人の総拘束時間は別途集計しないと出ません。

どちらか一方を選ぶ必要はありません。同じ元データから2つの見え方を作るのであれば手間は増えません。実務では、作るときは人の軸、穴を確認するときは持ち場の軸、という使い分けが多くなります。分けずに1枚で兼ねようとしたときだけ、両方が中途半端になります。

そして、どちらを選ぶにしても、人の一覧は別のシートに1つだけ置き、他のシートからは参照する形にしてください。名前を各シートに手で書くと、姓だけの人とフルネームの人が混ざり、集計できなくなります。同姓の人が2人いる職場では、下の名前まで入れた表記を一覧の側で決めておかないと、割り当てが入れ替わっていても誰も気づきません。呼び名で書いてしまうのも同じで、本人には通じますが、後から1人ぶんの時間を集計するときに別人として数えられます。

無料で手に入れる3つの入手先

無料で用意する方法は、大きく3つに分かれます。それぞれ向き不向きがあります。

1つ目は、表計算ソフトの提供元が配っている雛形を使う方法です。ソフトの中からテンプレートを検索して開けるので、余計なファイルをダウンロードせずに済みます。日付と曜日が関数で入っているものが多く、月をまたぐたびに全部を打ち直す手間がありません。ただし時間帯を横棒で描く形の雛形は多くないので、日付を横に並べた形から自分で作り替えることになります。

2つ目は、飲食や介護、警備といった業種別に公開されている雛形をダウンロードする方法です。種類は豊富ですが、マクロが埋め込まれているものがあり、配布元が信頼できるかどうかを確かめずに開くのは避けてください。中身の数式が読めないものも同様です。使い続けるうちに必ず直したい場所が出てくるので、自分で直せない雛形は結局使えなくなります。シフトの雛形でとくに直したくなるのは、営業時間の刻みと休憩の扱いの2つです。自分の職場の開店時刻と閉店時刻に合わせて目盛りを引き直せない雛形は、初月で使われなくなります。

3つ目は、白紙から自分で作る方法です。慣れていれば1時間ほどで形になります。自分で作った表は自分で直せるので、長く使うならこれがいちばん確実です。この記事の後半で扱う条件付き書式の組み方が分かれば、難しい作業ではありません。

なお、共同編集のできるスプレッドシートで作る選択肢もあります。交代が決まったその場で当人が自分の行を直せるので、組む人に連絡が集まる形を避けられます。ただし横棒を出すための条件付き書式の書き方が少しずつ違い、日をまたぐ夜勤を扱う式はそのまま持ち込めません。片方で作った表をもう片方で開き直すと、棒だけが消えた状態になります。どちらで作るかは、月の途中で表に触るのが組む人だけなのか、働く本人も触るのかで決めてください。

目盛りを日にするか時間にするかで、列数が変わる

ガントチャートの形にすると決めたら、次に決めるのは横軸の刻みです。ここで表の大きさが決まります。

日単位で刻む場合、1か月で31列です。誰がどの日に出るかだけを見るなら、この形で足ります。列が少ないので印刷にも収まり、更新も軽くなります。

時間単位で刻む場合、営業時間が12時間なら1日12列です。1週間なら84列になります。30分刻みにすると1日24列、1週間で168列です。Microsoftが公開している仕様ではワークシートの列は16,384列まで使えるので上限には届きませんが、読めるかどうかは別の話です。横スクロールが必要になった時点で、全体を見渡すという目的は失われます。

現実的なのは、時間刻みは1週間ぶんまでにして、月単位は日刻みの別シートで持つことです。1枚で1か月ぶんの時間帯を描こうとすると、印刷もできず画面にも収まらない表ができます。

刻みを決めたら、目盛りの行は必ず数式で作ってください。開始時刻を1つ入れて、右のセルは左のセルに30分を足す形にします。手で入力すると、翌月に使い回すときに全部を打ち直すことになります。曜日も同じで、日付から関数で出しておけば、月が変わっても自動で追随します。

条件付き書式で横棒を出す

横棒は、セルを手で塗って作らないでください。手で塗ると、時刻を1つ変えるたびに塗り直しになります。開始時刻と終了時刻の2列を持たせて、条件付き書式で塗る形にします。

作りはこうです。目盛りの行に時刻を並べ、各行に開始時刻の列と終了時刻の列を作ります。塗りたい範囲を選び、条件付き書式の数式に「=AND(F$3>=$D4, F$3<$E4)」のような式を入れます。F$3は目盛りの時刻、$D4が開始時刻、$E4が終了時刻です。目盛りの行は行だけを固定し、開始と終了は列だけを固定するのが要点です。

この形にしておけば、開始時刻を書き換えた瞬間に棒の長さが変わります。ドラッグで塗り直す作業が丸ごと消えるので、変更の多い現場ほど効きます。

休憩の時間帯を抜きたい場合は、条件を1つ足します。休憩開始と休憩終了の列を作り、その間だけ別の色になるように2本目のルールを追加します。ルールの適用順で見え方が変わるので、休憩のルールを上に置いてください。

夜勤があって日付をまたぐ場合は、終了時刻が開始時刻より小さくなります。この状態のまま先ほどの式を使うと、棒が消えます。対処は2つあり、終了時刻を24時間表記のまま「26:00」のように入力できるようにするか、日をまたぐ行を2行に分けるかです。前者のほうが表は簡潔ですが、時間の集計をするときに気をつける必要があります。

色は3色までに絞ってください。通常の勤務、休憩、応援や代替の3つで足ります。役職や雇用区分まで色で表そうとすると、意味を覚えているのが作った人だけになります。

必要な列と、増やしてはいけない列

シフト表に必要な列も、思っているより少なくて済みます。表が破綻するのは列が足りないからではなく、多すぎて誰も埋めなくなるからです。

最低限必要なのは次の5つです。

・氏名。一覧シートから参照する形にして、直接入力しない ・日付。関数で出して、曜日も自動で出す ・開始時刻と終了時刻。この2つから棒が描かれる ・休憩。開始と終了の2列、または合計時間の1列 ・区分。通常、応援、研修、有給といった種別を文字列で持つ

区分を文字列の列として持つことが重要です。色だけで表すと、集計ができません。色は情報として取り出せないので、後から「有給が何日あったか」を数えたくなったときに手作業になります。

逆に増やさないほうがよいのは、希望シフトの内容と実績を同じ表に持つことです。希望は集める段階の情報、確定シフトは配る情報、実績は後から入る情報で、それぞれ更新される時期が違います。同じ表に混ぜると、どの列がいつ時点のものか分からなくなります。希望は別シート、実績は別シートにして、確定シフトの表は確定した内容だけにしてください。

資格や担当可能な業務も、シフト表そのものには載せないほうが軽くなります。人の一覧シートに持たせておき、シフトを組むときだけ参照する形にすれば十分です。

希望を集める段階と、確定した表を分ける

シフトを組む作業でいちばん時間を取られるのは、実は表を作ることではなく、希望を集めて突き合わせる作業です。ここを表計算だけで完結させようとすると、かえって手間が増えます。

よくある形は、紙かチャットで希望を集め、組む人が1人で表に転記する運用です。人数が10人程度までなら、これで問題ありません。転記そのものは短時間で終わります。問題は、集まった希望と確定したシフトが別々の場所にあることです。あとから「その日は無理だと言ったはずだ」という話になったとき、根拠が探せません。

希望を表計算で集める場合は、確定シフトとは必ず別のシートにしてください。同じシートに希望と確定を混ぜると、どの列がいつ時点の情報か分からなくなります。希望のシートは、行を人、列を日付にして、丸と三角と罰の3種類だけを入れる形が扱いやすくなります。時間帯の希望まで自由記述で受けると、突き合わせる作業が一気に重くなります。

集める段階で決めておくべきことが2つあります。締切と、締切に間に合わなかった場合の扱いです。締切を決めていないと、組む人が全員から集まるのを待ち続けることになります。間に合わなかった人の希望は反映しないと決めておけば、待つ理由がなくなります。冷たく見えるかもしれませんが、決めていないほうが結局は不満を生みます。

そして、希望のシートは確定後も残してください。上書きせずに月ごとに保存しておくと、特定の人に希望が通りにくい状態が続いていないかを後から確認できます。

時間帯ごとの人数を数字で出す

横棒の表を作ると、時間帯の薄い場所が視覚的には分かります。ただし目で数えていると見落とすので、数字でも出してください。関数を1行足すだけで済みます。

方法は簡単です。横棒を描いている範囲の下に集計行を作り、その時間帯に入っている人数を数えます。開始時刻と終了時刻から判定する形にするなら、SUMPRODUCT関数を使って「その時刻が開始以上かつ終了未満である行の数」を数えます。式は「=SUMPRODUCT((F$3>=$D$4:$D$40)*(F$3<$E$4:$E$40))」のような形になります。

この行に条件付き書式をかけて、必要人数を下回るセルを赤にしてください。必要人数は時間帯ごとに違うので、別の行に必要人数を書いておき、それと比較する形にします。これで、穴が空いている時間帯が自動で赤くなります。

必要人数の根拠は、来客数や作業量の実績から取ってください。感覚で決めた必要人数は、繁忙期と閑散期のどちらかで必ず外れます。過去数か月の実績を時間帯ごとに平均するだけでも、感覚よりはるかに当たります。この計算は表計算が得意な作業なので、別シートに置いておけば毎月作り直す必要はありません。

逆に、合計時間の集計を細かくやりすぎないでください。1人あたりの月間の合計時間は出す価値がありますが、日ごとの内訳まで表に持たせると、更新のたびに数式が壊れます。細かい集計が必要になったのは、たいてい賃金の計算のためです。それは別の仕組みで扱う話で、シフト表に背負わせるものではありません。

印刷して貼る場合の設計

現場によっては、画面よりも紙のほうが確実に見られます。貼り出す前提で作る場合、画面用の表とは別の配慮が要ります。

まず、色に頼らないでください。モノクロで印刷すると、色分けはすべて灰色の濃淡になります。通常と休憩と応援を色で分けていた場合、印刷した紙では区別がつきません。区分は必ず文字か記号でも表してください。

次に、1枚に収めることを優先してください。2枚に分かれた表は、必ず片方だけが見られます。人数が多くて収まらないなら、部門ごとに分けて別々の紙にするほうが確実です。用紙の向きを横にして、印刷の設定で「すべての列を1ページに印刷」を選べば、たいていは収まります。

そして、印刷した日時を必ず表の中に入れてください。ヘッダーやフッターではなく、表の上の見える場所です。同じ月のシフト表が2枚貼られている状態は必ず起きるので、確定した時刻まで入れておけば、どちらに従えばよいかを本人が判断できます。貼り替えたら古い紙は必ず外す、という運用とセットにしてください。

紙で運用する場合の弱点は、変更が伝わらないことです。急な交代が入っても、貼ってある紙は変わりません。ここは口頭の連絡で埋めるしかなく、伝え漏れが起きます。紙は確定した予定を配るのに向いていて、変更の多い運用には向いていない。この性質を理解したうえで使ってください。

確定して通知するまでの運用を先に決める

表の作り方より、実は運用のほうが揉めます。とくにシフト制の職場では、いつ確定してどう伝えるかを決めていないことが、後のトラブルの原因になります。

行政も、この点について考え方を示しています。

使用者及び労働者双方の立場から労働条件の予見可能性を高め、労働紛争を防止するという観点から、シフト制労働者の場合であっても、使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくなく、使用者と労働者で話し合ってシフトの決定に関するルールを定めておくことが考えられます。 出典: mhlw.go.jp

同じ資料では、シフトを作るときのルールとして、事前に本人の意見を聴くこと、確定したシフト表を通知する期限や方法を決めておくことが挙げられています。また、いったん確定したシフトの労働日や労働時間を後から変えることは労働条件の変更にあたるため、変更の期限や手続きをあらかじめ話し合っておく形が示されています。

表の側でできるのは、この運用を支えることです。具体的には3つあります。確定した日付を表の上に書くこと。確定後に変えた行が分かるように、変更日の列を1つ持つこと。そして、配った版と手元の版を区別できるようにファイルの扱いを決めることです。

なお、労働時間や休日の扱いに関する具体的な判断は、所轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。この記事は表の作り方を扱うものであって、法の解釈を示すものではありません。

変更が入ったときに崩れる場所

シフト表は、確定してからが本番です。急な休みや交代が入ったときに、表のどこが壊れるかは決まっています。

1つ目は、時間の集計です。1人あたりの合計時間を集計する数式を組んでいる場合、行を挿入したり削除したりすると範囲がずれます。範囲を列全体に指定しておくか、テーブル機能を使って範囲が自動で広がる形にしてください。

2つ目は、条件付き書式の範囲です。行のコピーや貼り付けを繰り返すと、ルールが細かく分裂していきます。条件付き書式のルール管理の画面を開くと、同じ内容のルールが十数個並んでいることがあります。定期的に整理してください。行を追加するときは既存行の複製で行い、貼り付けは値のみを使う。この2つを守っておくと、崩れる速度はかなり落ちます。

3つ目は、誰が最新かが分からなくなることです。変更を口頭やチャットで伝えて表を直さない運用が続くと、表と実態がずれます。ずれた表は誰も見なくなり、結局は口頭だけで回るようになります。変更は必ず表に反映し、反映した時刻を表の上に書いてください。

4つ目は、過去のシフトが上書きされることです。同じファイルを毎月上書きしていると、先月誰が何時間出たかが残りません。有給の付与や賃金の確認で過去を見る場面は必ず来ます。月ごとにシートを分けるか、確定した時点で別ファイルとして保存する運用にしてください。

5つ目は、休みの申請とシフトの表が別々に動くことです。休みたい日を口頭やチャットで伝えて、組む人がそれを覚えて表に反映する形になっていると、伝えた側と組む側の記憶が食い違ったときに証拠が残りません。申請は必ず文字で残る形にして、反映したかどうかを表の側でも分かるようにしてください。備考欄に「9月10日休み希望を反映」と1行書くだけでも、後の言い争いは避けられます。

崩れる場所はどれも、表計算の欠陥というより、変更に強い形で作られていないことが原因です。時刻を数式で持ち、状態を文字列で持ち、範囲を自動で広がる形にしておく。この3つを最初にやっておくと、変更が入っても壊れにくい表になります。

シフト表と勤怠の記録は別物として扱う

シフト表を作っていると、そのまま勤怠の記録にも使いたくなります。同じ人の同じ日の時間が並んでいるので、一見すると1枚で済みそうに見えます。しかし、この2つは性質がまったく違うので、混ぜると必ず破綻します。

シフト表は予定です。先に決めて、配って、変わることがある情報です。勤怠の記録は事実です。後から入って、原則として変わらない情報です。予定と事実を同じセルに入れると、書き換えた瞬間にどちらだったか分からなくなります。実際に出た時間を追記していくうちに、当初の予定が消えてしまう形が最もよくある失敗です。

分けるなら、予定の列と実績の列を横に並べるか、シートそのものを分けます。並べる形にすると、差を数式で出せるので、予定より長く働いた日が自動で見えます。ただし列が倍になるので、時間帯を細かく刻んでいる表では横に伸びすぎます。刻みが細かい表なら、シートを分けてください。

また、勤怠の記録は保存の要件が絡みます。何をどれだけの期間残す必要があるかは制度の話なので、所轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。少なくとも、毎月同じファイルを上書きして過去が消える形は避けるべきです。確定した時点でその月のファイルを別名で保存し、以降は触らない運用にしておくと、後から見返せます。

シフト表を軽く保つことは、続けるための条件でもあります。1枚に役割を足すほど、更新が重くなり、更新されなくなります。予定を配るという1つの役割に絞ったほうが、結果として長く使えます。

複数の拠点を1枚で見ようとしたときに起きること

店舗や現場が2つ3つに増えると、全体を1枚で見たくなります。ここで多くの表が壊れます。

1枚にまとめる場合、縦軸に拠点と人の2階層が必要になります。表計算でこれをやると、行のグループ化を使うか、拠点の列を1つ足して絞り込む形になります。どちらでも作れますが、行数が拠点の数だけ増えるので、時間帯を細かく刻んでいると画面に収まりません。

シートを拠点ごとに分ける形は、作るのは楽です。ただし、応援の行き来がある場合に矛盾が起きます。同じ人が2つのシートに別々の時間で入っていても、表計算は教えてくれません。人の重複を検出したいなら、全拠点のデータを1つの表に縦に積んだシートを別に用意して、そこで重複を数える形にする必要があります。手間としては、けっして小さくありません。

拠点をまたいで見たい理由が「応援を出せる人を探すこと」であれば、必要なのは時間帯ごとの余剰人数だけです。各拠点の集計行だけを集めた小さなシートを1つ作れば足ります。全員の横棒を1枚に並べる必要はありません。何を見たいのかに戻ると、作る表は小さくなります。

拠点が3つを超えたあたりから、表計算での維持は急に重くなります。ファイルを誰が持つのか、更新の順番をどうするのか、といった運用の設計が必要になり、表そのものより運用の説明に時間が取られるようになります。この段階に来ているなら、道具の側を見直す価値があります。

配ると止まる。共有と同時編集の壁

組む人が1人で自分の画面だけを見ている間は、表の作りが多少雑でも回ります。問題は、配ってからです。

紙で貼り出す形は、見るだけなら確実です。ただし変更が入るたびに貼り替えることになり、古い紙が残っていると事故につながります。貼るなら、日付と確定時刻を必ず入れてください。

ファイルで配る形は、配った瞬間に版が分裂します。誰かが自分の手元で直しても、それは他の人には伝わりません。共有フォルダに置いても、誰かが開いている間は他の人が編集できないため、読み取り専用で開いて後で直す運用になります。その「後で」が積み重なると、手元のコピーが増えます。

共同編集のできるスプレッドシートを使えば、同時に開ける問題は解決します。ただし、誰かが並べ替えをすると他の人が見ていた行の位置が変わるという別の問題が残ります。並べ替えではなく、自分の画面だけで絞り込める機能を使うルールにしてください。

そして最後に残るのが、更新する人が1人に固定される問題です。交代の連絡が全部その人に集まり、その人が表を直す。この形になると、休んだ日に情報が止まります。しかも本人は同じ説明を繰り返すことになり、時間が削られ続けます。この状態が3か月続いているなら、表の作りではなく仕組みの側を見直す時期です。

表計算で回る規模と、そうでない規模

ここまで注意点を並べましたが、表計算をやめる必要がない現場ははっきりしています。

・シフトを組むのが1人で、他は見るだけ ・人数が数十人までで、全員が同じ場所で働いている ・確定後の変更が月に数回で、口頭で伝えれば足りる ・希望の収集を紙やチャットでやっていて、そこで困っていない

この条件なら、エクセルで十分です。シフト表を見る側は、パートやアルバイトを含めた働く人の全員です。組む人の手間が減っても、いまは貼り紙を眺めるだけで済んでいる人にまで新しい操作を覚えてもらう形になれば、職場全体では負担が増えます。見る側の人数が組む側の何倍もいるという点は、他の表にはないシフト表だけの事情です。ここを数えずに道具の話を始めないでください。

逆に、次のような状態が続いているなら、表の作りをどれだけ直しても解決しません。交代の連絡が特定の1人に集中している、確定後の変更が毎週のように起きて表が追いつかない、複数の店舗や拠点でシフトを見たい、本人がスマートフォンから自分の予定を確認したい、といった状態です。

とくに最後が効きます。ファイルを開かないと自分の予定が分からない形は、現場の負担として静かに積み上がります。確認のたびに誰かに聞くことになり、聞かれる側の時間も削られます。

公開情報から見た、道具を替える境目

シフトを組む道具を比べるときは、まず、組む人の数と見るだけの人の数が別々に数えられるかを確かめてください。シフト表は、作るのが1人か2人で、受け取るのが数十人という形になります。人数で区切る型なら、受け取る側が何人増えても費用は組む側の数だけで決まります。機能で区切る型なら、時間帯を横棒で見る形そのものが上位のプランに置かれていることがあり、人数を絞っても目的の見え方には届きません。

案内ページの料金には、無料プランは5人までとボード10個までで、6人目または11個目のボードから1人あたり月500円(税抜)、年払いなら月400円(税抜)になると書かれています。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという設計で、ガントチャートもチャットもカスタムフィールドも無料の範囲に入ります。見るだけの立場はゲストとして招けて人数に数えない、と書かれているので、シフトを受け取る側が何人いても数の対象にはなりません。組む人が5人までなら、費用をかけずに試せる範囲です。

一方、機能で区切る型のサービスもあります。Trelloの公式の料金ページには、2026年9月4日時点で、無料プランについて「ワークスペースあたり最大10ボード」「ワークスペースあたり最大10コラボレーター」という記載があり、カレンダーやタイムラインといった見え方はPremiumプランの機能として並んでいます。機能ごとの対応はTrelloとの比較に表でまとめてあります。

見え方の種類そのものを確認したい場合はできることに、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、グリッド、時間割、リソースなど8種類のボードと使い分けが載っています。曜日と時限のマス目でカードを置く時間割ボードや、人を縦に日付を横に並べるリソースボードは、シフトの形に近い見え方です。他のサービスとの並びは比較の一覧から確認でき、国内で使われることの多いものとしてBacklogとの比較Jootoとの比較、汎用的な道具としてNotionとの比較、大きめの組織で使われるAsanaとの比較monday.comとの比較も同じ形式で並んでいます。

働く人の氏名や勤務時間を外部のサービスに置くことへの不安については、安全性の考え方に、ワークスペース単位のデータ分離、ロールによる権限の絞り込み、操作ログとログイン履歴の3点で整理が載っています。すでに別のサービスでカードを作っている場合の取り込みはTrelloからの移行に移行できる範囲が表で書かれており、残りの疑問はよくある質問にまとまっています。

試すときの区切り方も、シフトの場合ははっきりしています。全部を一度に移そうとしないでください。1つの持ち場か1つの店舗だけを選び、1か月だけ新しい形で回してみる。それで交代の連絡にかかる手間が減るなら、続ける価値があります。減らないなら、原因は道具ではなく運用の側にあります。シフトは毎月かならず1周するので、1か月試せば、希望を集める場面も急な欠員が出る場面も一度は通ります。判断に必要な材料はそれで揃います。

Q1. エクセルのシフト表をガントチャートにする横棒は、どうやって描くのが正しいですか?

セルを手で塗るのではなく、開始時刻と終了時刻の2列を持たせて条件付き書式で塗ります。目盛りの行に時刻を並べ、数式に「=AND(F$3>=$D4, F$3<$E4)」のような形を入れると、時刻を書き換えた瞬間に棒の長さが変わります。塗り直しの作業が丸ごと消えます。

Q2. 時間帯を30分刻みにすると、列が多くなりすぎませんか?

30分刻みなら1日24列、1週間で168列になります。仕様上の上限である16,384列には届きませんが、横スクロールが必要になった時点で全体を見渡す目的は失われます。時間刻みは1週間ぶんまでにして、月単位は日刻みの別シートで持つのが現実的です。

Q3. 夜勤で日付をまたぐ場合、棒が消えてしまいます。

終了時刻が開始時刻より小さくなるためです。対処は2つあり、終了時刻を「26:00」のように24時間を超える表記で入力できるようにするか、日をまたぐ行を2行に分けるかです。前者のほうが表は簡潔ですが、時間を集計するときの扱いに気をつけてください。

Q4. 確定したシフトを後から変えるとき、気をつけることはありますか?

確定した労働日や労働時間の変更は労働条件の変更にあたるため、変更の期限や手続きをあらかじめ話し合って決めておく形が行政の資料で示されています。表の側では、変更日の列を持ち、確定時刻を表の上に書いておくと版の混乱を防げます。具体的な判断は所轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。

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