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チームのチャットツールの選び方|2026年の無料枠と落とし穴

2026年9月10日 ・ Pinateca編集部

チームのチャットツールを選ぶとき、機能の一覧を横に並べて比べても答えは出ません。どれも「送る、返す、ファイルを付ける」はできるからです。実際に効いてくるのは、無料でどこまで使えるのか、履歴がいつまで読めるのか、社外の人とどう繋がるのか、そして入れたあとにタスクが埋もれる問題をどう扱うのかの4点です。この記事では、公開されている条件を確認しながら、選ぶ前に決めておくことと、入れたあとに必ず起きることを順番に扱います。

導入を検討する時点で、たいてい2つの困りごとが混ざっている

チャットツールを探し始める理由は、大きく2つに分かれます。混ざったまま検討を進めると、どちらも解決しない道具を選ぶことになります。

**1つ目は、連絡そのものの問題です。**メールだと往復が遅い、電話だと相手の手を止める、個人のメッセージアプリを仕事に使うのは気が引ける。この場合に必要なのは、素直に速いチャットです。

**2つ目は、情報が散っている問題です。**依頼がメールで来て、相談が電話で来て、資料がファイル共有にあり、決まったことがどこにも残っていない。この場合に必要なのは、置き場所の設計です。チャットを入れるだけでは解決しません。むしろ、置き場所が1つ増えるので悪化する場合すらあります。

現場でよく聞くのは、チャットを入れて連絡は速くなったが、決まったことを後から探すのが以前より難しくなった、という話です。これは道具の欠陥ではなく、流れる情報と残す情報を分けないまま運用した結果です。

だから選ぶ前に、この2つのうちどちらが自分たちの主題なのかをはっきりさせておく必要があります。1つ目だけなら、無料プランで足りることが多いです。2つ目が混ざっているなら、チャット単体ではなく、決まったことと作業を置く場所をセットで考えることになります。

もう1つ、検討の初期に確認しておくべきことがあります。すでに全員が入っている道具はあるかです。取引先とのやり取りが特定のサービスに集中している、社内でオフィスソフトの契約があってチャットが付いてくる、といった事情があるなら、それが最有力の候補になります。使う人が増えないチャットは、どれだけ機能が良くても機能しません。

主要なサービスの無料プランで、どこまで使えるか

2026年9月時点で、公式の料金ページから確認できる条件を並べます。プランの内容は変わるので、契約の直前には必ず公式ページで見直してください。

Slackのフリープランは0円です。公式の料金ページには「90 日間のメッセージ履歴」「最大で 10 個のアプリ」「1 対 1 のミーティング」と記載されています。つまり90日を過ぎたメッセージは読めなくなり、外部サービスとの連携は10個までで、音声や画面共有の機能は複数人では使えません。有料のプロプランは1ユーザーあたり月払いで1,050円、年払いで925円。ビジネスプラスプランは月払い2,160円、年払い1,920円と公表されています。

Chatworkのフリープランも0円です。公式の料金ページによれば、メッセージの閲覧は直近40日以内、ユーザー数は1組織あたり100人まで、ストレージは1組織あたり10GB、組織外のコンタクトは1ユーザーあたり20人までとされています。ビデオ通話と音声通話は1対1のみで、リアクションは6種類に限定されます。有料はスタンダードプランが年間契約で1ユーザー月700円、月間契約で840円。プロフェッショナルプランが年間契約1,200円、月間契約1,440円で、いずれも税抜表記です。

LINE WORKSにも無料で使えるフリープランがあります。ここで注意が必要なのは、条件が過去に変わっている点です。公式のお知らせに次の記載があります。

2023年10月5日より、フリープランのユーザー数の上限が30人となります 出典: line-works.com

変更前は100人でした。人数の上限は、無料で始めたチームにとって最も早く当たる壁です。いま公開されている条件と、自分たちが開設した時期によって扱いが違う場合があるので、管理画面で実際の上限を確認しておくのが確実です。

Microsoft TeamsGoogle Chatは、それぞれオフィス系のサービス群の一部として提供されています。単体のチャットとして選ぶというより、文書作成やメールと合わせて契約するかどうかの判断になります。無料で使える範囲と有料プランの条件は改定が入りやすいので、ここでは数字を挙げず、契約前に公式の料金ページで確認することをおすすめします。

無料が止まる境目は、ほぼ3つしかない

無料プランのどこで詰まるのかは、サービスごとにばらばらに見えて、実際には3種類に整理できます。

**1つ目は、履歴です。**Slackは90日、Chatworkは40日という区切りが公表されています。これが問題になるのは、チャットの中に「決まったこと」を置いていた場合です。3か月前に合意した仕様を確認しようとして読めない、という事態が起きます。逆に、決まったことを別の場所に置いていれば、履歴の制限はほとんど痛くありません。

**2つ目は、人数です。**組織の人数だけでなく、社外の人を何人まで繋げられるかも含みます。Chatworkのフリープランでは組織外のコンタクトが1ユーザーあたり20人までと公表されています。外注先や協力会社が多い業種では、社内の人数より先にここに当たります。

**3つ目は、外部との連携です。**Slackのフリープランは接続できるアプリが10個までです。カレンダー、ファイル共有、勤怠、進捗の通知と繋げていくと、思ったより早く埋まります。

この3つのうち、自分たちが最初にどこに当たるかは、業種と人数でほぼ決まります。**社内だけで10人前後、外部連携を使わないなら、無料のまま何年も回ります。**外部の人が多い、あるいは記録を長く残す必要があるなら、無料で始めても半年以内に有料の判断が来ます。先に見積もっておくと、後から慌てずに済みます。

履歴の制限を「痛くない」状態にしておく

履歴の保存期間を有料プランで延ばすという解き方は、確かに1つの答えです。ただし人数分の月額がかかりますし、延ばしたところで探しにくさは変わりません。

もう1つの解き方は、チャットに残さないことを前提に運用を組むことです。具体的には次の3つを別の場所に置きます。

・決まったこと。仕様、金額、納期、条件の合意 ・やること。誰がいつまでに何をするか ・参照する資料。手順書、テンプレート、規程

この3つをチャットの外に置いておくと、チャットの履歴が消えても業務が止まりません。チャットに残るのは、経緯と雑談と速報だけになります。これらは3か月後に読み返す必要がほとんどありません。

この形にすると、有料プランに上げる理由が「履歴」ではなくなります。上げる理由は、人数の上限か、外部連携か、管理機能のどれかに絞られます。判断の軸が減るぶん、決めやすくなります。

現場でしばしば起きるのは、この分離を口で言うだけで終わるパターンです。「決まったことは記録に残そう」と言っても、チャットで決まった瞬間に別の場所を開いて書き写す人はほとんどいません。**書き写す手間をゼロに近づける仕組みが要ります。**チャットの流れの中にそのまま作業の板があって、そこに1行足せば残る、という形が理想です。

社外の人とどう繋がるかで、選択肢が絞られる

社内だけで完結する仕事なら、正直どのサービスを選んでも大差ありません。選択肢を絞るのは、社外との繋がり方です。

**取引先が同じサービスを使っている場合。**相手のアカウントとそのまま繋がれるなら、これが最も摩擦が少ないです。日本の中小企業間ではChatworkの利用が広く、そのためChatworkを選ぶという判断は珍しくありません。相手が使っているものに合わせるのは、消極的に見えて実務上は最も効率的です。

**取引先ごとにばらばらな場合。**ここが一番つらい状況です。相手ごとに別のサービスを開くことになり、通知が分散します。この場合の現実的な落としどころは、連絡は相手の指定に合わせ、進捗と決定事項だけは自分たちの1か所に集めることです。連絡の入口が5つあっても、記録の出口が1つなら管理できます。

**フリーランスや外注先が多い場合。**アカウントの数がそのまま費用になるかどうかを確認してください。1ユーザーあたりの月額で課金される形だと、短期の協力者を10人呼ぶと10人分かかります。人数ではなく別の単位で区切られている形なら、出入りが多くても費用が読めます。

**やり取りに記録の要求がある場合。**発注や検収に関わるやり取りをチャットで行うなら、後から誰がいつ何を言ったかを追える必要があります。この観点では、無料プランの履歴制限は致命的になり得ます。契約に関わる合意は、チャットではなくメールか正式な書面に残すという線引きをしておいたほうが安全です。

チャットを入れたあとに必ず起きる、3つの問題

導入そのものは簡単です。問題は入れた後に起きます。どのサービスを選んでも、次の3つは必ず出てきます。

**1つ目は、流れることです。**チャットは新しいものが下に積まれる構造なので、重要な依頼も雑談も同じ速度で上に流れていきます。朝に出した依頼が、昼には画面の外にあります。「言ったのに伝わっていない」の大半はこれが原因で、伝えた側にも受けた側にも落ち度がありません。構造の問題です。

**2つ目は、埋もれることです。**流れたものが検索で見つかるかというと、これも難しいです。「あの件」「例の資料」といった代名詞で会話しているので、後から検索する言葉が思いつきません。ファイル名で探そうとしても、送った人が付けた名前を覚えていません。

**3つ目は、通知が多すぎることです。**チャンネルが増えるほど通知が増え、人は通知を切ります。切った人には届かなくなるので、送る側は個別のメッセージを使い始めます。個別のメッセージが増えると、他の人から見えなくなり、情報が個人の中に閉じます。ここまで来ると、チャットを入れる前より情報が閉じている状態になります。

この3つは運用ルールだけでは止まりません。「重要なものはチャットに書かない」という線引きを作らないと、どこかで必ず抜けます。次の節で、その線引きの具体的な引き方を扱います。

話す場所と、残す場所を分ける

対策は1つです。話す場所と残す場所を分けます。分け方は次の通りです。

チャットに置くもの。 ・急ぎの連絡、その場で終わる相談 ・作業の途中経過、雑談、共有の速報 ・場所や資料への案内

チャットの外に置くもの。 ・やること。担当と期限が付いたもの ・決まったこと。合意した仕様、金額、日程 ・繰り返し参照するもの。手順、テンプレート

この線引きが守られているかどうかは、1つの質問で確かめられます。**「来週から新しく入る人が、チャットを1件も読まずに仕事を始められるか。」**始められるなら分離できています。始められないなら、必要な情報がチャットの中にしか無い状態です。

実務での運用のコツは、チャットで依頼するのをやめないことです。やめさせようとしても人は依頼をチャットで書きます。だから、チャットで依頼が出たら、その場で作業の一覧に1行足す、という流れにします。足すのは依頼した側でも受けた側でもよく、決めておくのは「足すまでは受けたことにならない」という点だけです。

この運用が回り始めると、チャットの役割が軽くなります。履歴が90日で消えても、40日で読めなくなっても困りません。有料プランに上げるかどうかも、記録のためではなく、人数と連携のためだけの判断になります。

チャンネルの設計で、使われ方の8割が決まる

チャンネル、あるいはグループの設計は、後から直すのが非常に難しい部分です。最初に決めておくと、その後の数年が楽になります。

**案件ごとに作るか、部署ごとに作るか。**案件ごとに作ると、終わったときに閉じられるので溜まりません。部署ごとに作ると、話題が混ざって流れが速くなります。案件が数か月単位で動く仕事なら、案件ごとが向いています。

**社外の人を入れる部屋は必ず分ける。**社内の相談と、取引先とのやり取りを同じ部屋でやると、事故が起きます。金額の相談を相手が見ている場所に書いてしまう、という事故は現実に起きます。部屋の名前に社外が入っていることを明示するのが安全です。

**数を絞る。**最初から細かく分けると、どこに書けばよいか迷って、結局は全体の部屋に書かれます。**5人から10人のチームなら、部屋は3つから5つで足ります。**足りなくなってから増やすほうが、多すぎて統合するより簡単です。

**閉じる基準を先に決める。**案件が終わったら閉じる、3か月動かなければ閉じる、といった基準を決めておかないと、部屋が増え続けます。部屋が30個ある状態は、探す側にとっては情報が無いのとほとんど同じです。

通知の設計を先に決めると、切られなくなる

チャットが機能しなくなる過程は、ほぼ例外なく通知から始まります。最初は全部の通知を受け取っていた人が、多すぎて絞り、やがて切り、最後は開かなくなる。この流れを止めるには、通知の設計を運用の初日に決めておく必要があります。

決めることは3つです。

**1つ目は、全員に届く合図をどこまで許すか。**部屋全体に通知を飛ばす機能は、どのサービスにもあります。これを誰でも自由に使える状態にしておくと、1日に何度も全員の手が止まります。使ってよい場面を、たとえば「その日のうちに全員の対応が要るとき」に限る、と最初に決めておきます。

**2つ目は、名前を呼ぶかどうかの基準です。**特定の人に反応してほしいときは名前を呼び、そうでないときは呼ばない。この単純な区別を全員が守るだけで、通知の意味が回復します。名前を呼ばれた通知は必ず見る、という前提が成り立つからです。逆に、名前を呼ばずに依頼を書く習慣があるチームでは、全員が全部を読むしかなくなり、結果として誰も読まなくなります。

**3つ目は、返信の期待値です。**何分以内に返すのが標準なのか。即答が前提なのか、その日のうちでよいのか。これを決めていないと、送った側は待ち、受けた側は急かされていると感じます。実務では「その日のうち」を標準にして、急ぐものだけ明示するのが最も摩擦が少ないです。

夜間と休日の扱いも先に決めてください。送るのは自由だが返信は翌営業日でよい、という合意があるかどうかで、道具の印象がまったく変わります。送信を予約できる機能があるサービスもあるので、確認しておくと運用が楽になります。

導入して最初の2週間をどう回すか

新しいチャットを入れて定着するかどうかは、最初の2週間でほぼ決まります。この期間にやることは3つです。

**1つ目は、古い経路を意図的に細くすることです。**新しい場所を作っても、これまでのメールや電話がそのまま残っていると、人はそちらを使い続けます。全部を止める必要はありませんが、社内の連絡だけは新しい場所に寄せる、といった線を引いてください。両方を等しく開けておくと、両方が半端に使われます。

**2つ目は、最初の1週間は誰かが必ず反応することです。**書き込みに何の反応も無い場所には、人は二度と書きません。とりまとめる立場の人が、最初の数日はすべての投稿に短く反応するだけで、定着率は大きく変わります。内容の良し悪しではなく、読まれているという事実が要ります。

**3つ目は、2週間目に一度見直すことです。**部屋が足りないのか多すぎるのか、通知の基準が守られているか、依頼が一覧に載っているか。この3点を確認して、必要なら部屋を統合します。開始時の設計が完璧である必要はありません。2週間後に直すと決めておくほうが、最初に悩み抜くより早く落ち着きます。

つまずきやすいのは、管理する側だけが熱心で、使う側に必要性が見えていない場合です。この状態だと、書き込むのはいつも同じ数人になります。そのときは道具の使い方を説明するより、その場所を見ないと分からない情報を1つ置くほうが効きます。予定、当番、進捗のどれかがそこにしか無ければ、人は自然に見に行きます。

乗り換えるときに何を失うか

すでに何かを使っていて、別のサービスに移すことを検討している場合、失うものを先に見ておく必要があります。

**過去のやり取りは、基本的に持っていけません。**書き出せる形式が用意されていても、移した先で同じように読める保証はありません。現実的な対応は、移行の日を決めて、その日以降は新しい場所、それ以前は古い場所を参照用に残すという形です。古い側のプランを1つ落として、読むためだけに残す判断もあります。

**ファイルの実体がどこにあるかを確認してください。**チャットに直接添付したファイルは、そのサービスの中にあります。契約を切ると読めなくなります。重要なファイルがチャットの中にしか無い状態なら、移行の前にファイル共有の場所へ移す作業が必要です。

**通知に慣れた習慣も一度リセットされます。**新しい場所を見に行く習慣ができるまで、だいたい2週間から1か月かかります。この期間は両方を見る必要があり、混乱します。切り替えは、案件の切れ目か期の変わり目に合わせるのが現実的です。

**社外の相手には、こちらの都合で移ってもらうことになります。**これが最も大きな摩擦です。相手にアカウントを作ってもらう必要があるなら、断られる可能性を織り込んでおいてください。社外との連絡だけ従来のまま残し、社内と進捗管理だけを移す、という段階的な方法もあります。

端末と回線の前提を、選ぶ前に確認する

見落とされがちなのが、使う人の手元の環境です。ここが合っていないと、どれだけ良い道具でも使われません。

**全員がパソコンを常時開いているか。**現場に出ている人、店舗にいる人、外回りの人は、スマートフォンだけで参加します。この場合、スマートフォンのアプリで無理なく読めるかどうかが決定的に重要です。パソコンの画面で設計された情報量は、スマートフォンでは追えません。

**私物の端末を使うのか、会社が用意するのか。**私物を使ってもらう場合、退職時にどう消すのかを先に決めておく必要があります。管理機能で遠隔から消せるサービスもありますが、上位プランに限られることがあります。

**通信環境はどうか。**現場や移動中は電波が不安定です。オフラインで開けるか、あとから同期されるか。読み込みに毎回数秒かかる道具は、立ったまま使う人にとっては使えない道具になります。

**年齢層と、これまで使ってきたもの。**個人向けのメッセージアプリに慣れている人が多い職場では、画面の作りが近いほうが定着します。機能が多いことは、この場面では不利に働きます。使わない機能が並んでいるだけで、探す時間が増えるからです。

導入前に、実際に使う人のうち一番パソコンに慣れていない人に触ってもらうのが、最も確実な確認方法です。慣れている人だけで決めると、必ず後から使われない道具になります。

情報の扱いと、人が入れ替わるときの後始末

チャットには、想像以上に踏み込んだ情報が溜まります。取引先の担当者名、金額の相談、社内の人事に関わる話。選ぶ段階で、次の3点は確認しておいたほうがいいです。

**誰がどこまで見えるのか。**管理者は全部の部屋を見られるのか、個別のメッセージまで見られるのか。これはサービスによって扱いが違います。運用の前に社内で共有しておかないと、後からトラブルになります。

**人が抜けたとき、その人のやり取りはどうなるのか。**アカウントを削除するとメッセージまで消える形と、メッセージは残る形があります。退職した担当者と取引先のやり取りが全部消えると、引き継ぎが成立しません。

**書き出しができるか。**契約を終える判断をしたとき、中のデータをどう持ち出せるのか。書き出しの機能が上位プランに限られている場合もあります。

個人情報の扱いについては、社内の規程と法令の両面があります。判断に迷う場面では、個人情報保護委員会が公開している資料を確認するか、社内の管理部門に相談してください。情報を扱う仕組みの選び方については情報処理推進機構が中小企業向けの資料を出しています。

公開されている条件から、選び方を整理する

ここまでの内容を、判断の順番として整理します。

**まず、すでに全員が入っている道具があるかを確認します。**あるならそれが第一候補です。新しいものを入れる説得コストは、機能の差より大きいことがほとんどです。

**次に、社外との繋がり方を確認します。**取引先が使っているものに合わせるのか、こちらに合わせてもらえるのか。合わせてもらえないなら、連絡の入口が複数になる前提で設計します。

**そのうえで、無料の範囲で足りるかを見ます。**人数、履歴、外部連携の3つのどれに最初に当たるかを見積もります。10人前後で社内完結なら、当面は無料で回ります。

**そのうえで、実際に使う人のうち一番パソコンに慣れていない人に触ってもらいます。**ここで詰まる道具は、どれだけ機能が優れていても社内では定着しません。試用の期間が用意されているなら、選定に関わっていない人を必ず1人入れてください。判断が変わることがよくあります。

**最後に、残す場所を別に用意するかを決めます。**ここが本題です。チャットは会話のための道具で、作業と決定を管理するための道具ではありません。両方を1つで済ませようとすると、履歴の制限に振り回されることになります。

作業と決定を置く場所を選ぶときも、費用の区切り方は見ておいてください。人数で1人ずつ増える形と、板や案件の数で区切る形では、出入りの多いチームで年間の総額が変わります。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという考え方であれば、必要な表示が上位プラン限定で使えない、という詰まり方は起きません。プランの区切り方は料金で確認できます。板でどこまでできるのかはできることに整理してあります。

他の道具を検討している場合は、Trelloとの比較Notionとの比較Backlogとの比較のように、候補ごとに条件を見比べるのが早いです。全体の一覧は比較の一覧にあります。すでに板の形で使っているものがあるなら、移し方はTrelloからの移行にまとめました。情報の見せ方と権限の設計は安全性の考え方、導入前によく出る疑問はよくある質問にあります。条件を個別に確認したい場合はお問い合わせから聞けます。

最後に1つ。チャットの導入がうまくいったかどうかは、送信数では測れません。**依頼を出した人が、その依頼が受け取られたかどうかを、聞かずに確認できるか。**これができていれば、道具は仕事をしています。できていないなら、足りないのはチャットの機能ではなく、依頼を置く場所です。

Q1. 無料のチャットツールで、何人までのチームなら回りますか?

社内だけで完結し、外部連携をほとんど使わないなら、10人前後までは無料のまま回ることが多いです。ただし上限は3種類あり、履歴の保存期間、人数、接続できるアプリの数のどれかに先に当たります。Slackのフリープランは90日間のメッセージ履歴、Chatworkのフリープランは直近40日以内の閲覧と公表されています。

Q2. Slackの有料プランはいくらですか?

公式の料金ページによれば、プロプランが1ユーザーあたり月払い1,050円、年払い925円、ビジネスプラスプランが月払い2,160円、年払い1,920円です。2026年9月時点の記載で、金額は改定されることがあります。Enterprise+プランは問い合わせによる見積もりです。

Q3. チャットに書いた依頼が埋もれてしまいます。どうすればよいですか?

チャットで依頼するのをやめさせるのではなく、依頼が出たらその場で作業の一覧に1行足す運用にしてください。決めておくのは「一覧に載るまで受けたことにならない」という点だけです。この形にすると、履歴が消えても業務が止まらず、有料プランに上げる理由も人数と連携だけに絞られます。

Q4. チャットツールを乗り換えると、過去のやり取りは持っていけますか?

基本的に持っていけないと考えてください。書き出せる形式があっても、移した先で同じように読める保証はありません。現実的な対応は、移行日を決めて以後は新しい場所、それ以前は古い場所を参照用に残す形です。チャットに直接添付したファイルは契約を切ると読めなくなるため、事前に別の場所へ移してください。

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