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社内コミュニケーションの成功事例を探している人の多くは、施策のアイデアが不足しているわけではありません。検索すれば30選や32選の一覧がいくつも出てきて、読み終わると逆に決められなくなります。困っているのは、そのうちどれが自分のチームで続くのかが分からない点です。
先に結論を書きます。成功事例から拾うべきなのは施策の中身ではなく、続いた理由です。同じ施策を入れても、続いた会社と3か月で消えた会社があります。差を作っているのは予算でも人数でもなく、その施策が誰かの手間を減らしていたかどうかです。手間が増える施策は、社内の呼びかけがどれだけ熱心でも止まります。
この記事では、事例が再現しない理由、続いた事例に共通する型、オフラインとオンラインそれぞれで残ったもの、止まる原因と注意点、無料で試すときの順番、そして進行の記録をどこに置くかまでを扱います。
事例の記事はほとんどが施策の名前と効果で構成されています。シャッフルランチを始めた、社内報を作った、表彰の制度を作った、雑談専用のチャットの部屋を用意した。読む側はその名前を持ち帰り、会議で提案します。ここまでは簡単です。
再現しないのは、事例の記事が前提を書いていないからです。その会社が何人だったのか、始める前に誰が何に困っていたのか、始めたあと誰が運営を担当し、その担当がどれだけ時間を使ったのか。この4つが抜けた状態で施策名だけを持ち帰ると、自社の条件と合っているかを判断できません。
特に抜けやすいのが運営の工数です。社内報を月に1回出すには、企画と取材と執筆と確認で、社内の誰かが合計して数日の時間を使います。専任の担当がいる会社では回りますが、兼任でやると3号目あたりで遅れ始め、半年で止まります。事例の記事に「専任の広報担当がいた」と書かれていないため、読む側は工数を見積もれません。
人数の条件も効きます。300人の会社で部署をまたいで話す機会を作ることには意味がありますが、10人の会社では全員が毎日話しています。同じ施策を入れても、後者では解決する問題がそもそも存在しません。ここを確かめずに導入すると、参加率が上がらない理由を人のやる気に求めてしまいます。
事例を読むときは、施策名の横に「何人の会社か」「誰が運営していたか」を書き加えてください。書き加えられないものは、自社に当てはめられない事例です。
事例の一覧は規模を書かないまま並んでいるため、読む側が自社の条件に当てはめられません。規模ごとに、そもそも何が問題になっているのかが違います。
10人までのチームでは、全員が毎日顔を合わせるか、同じチャットの部屋にいます。話す量は足りているので、雑談の機会を作る施策はほとんど意味を持ちません。この規模で実際に起きているのは、話した内容がどこにも残らないことです。決めたことが会話の中だけにあり、1週間後に「あれはどうなったか」を誰も思い出せません。ここで効くのは、話す場所を増やす施策ではなく、決まったことを保存する場所を1か所に決める施策です。
20人から30人になると、部署や担当の境目ができます。境目をまたいだ相談が減り、隣の担当が何をしているか分からない状態が生まれます。この規模から、部署をまたいで人を混ぜる施策に効果が出始めます。ただし混ぜること自体が目的になると3回で止まるので、混ぜたあとに何を話すのかを先に決めておく必要があります。案件の状況を持ち寄る、困っていることを1つずつ出す、といった具体的な題があると続きます。
50人を超えると、全員が参加する形の施策が成立しなくなります。全員の予定を合わせられないため、全体の集まりは年に数回に限られます。ここからは、部署の中で回す施策と、全社で1つだけ回す施策を分けて設計します。全社の側は、読みたい人だけが読む形にしておくほうが無難です。強制したときに反発が出る人数の規模でもあります。
100人を超えると、施策の運営そのものが仕事になります。専任か、兼任でも時間を確保した担当がいないと回りません。事例の記事に出てくる規模の大きな取り組みは、ほとんどがこの人数の会社のものです。30人の会社がそのまま真似をすると、運営の工数で潰れます。逆に、100人の会社が10人向けの施策を入れても、参加した一部の人の中だけで完結して全体には届きません。
自社の規模で実際に何が起きているかを先に書き出してください。話す量が足りないのか、記録を保存する場所が無いのか、境目をまたげないのか。この3つは別の問題で、必要な施策も別になります。混ぜて考えると、事例の一覧から選ぶ基準が作れません。
公開されている事例を横に並べて、1年以上続いたものだけを見ると、性質が4つに絞られます。
第1は、参加が業務の一部になっているものです。朝の短い共有、週の初めの進捗の確認、案件の引き継ぎの場。これらは業務そのものなので、続けるための工夫が要りません。逆に言えば、業務と切り離された時間を作る施策は、忙しい月に最初に削られます。
第2は、書く人や話す人の手間が減るものです。同じ質問に何度も答えている人が、答えを1か所に保存して、次からその場所を返すようにする。書く手間はかかりますが、次の質問に答える手間が消えます。この差引が黒字になっている施策だけが続きます。
第3は、参加しない選択が自然にできるものです。任意の雑談の部屋、読みたい人だけが読む社内の記事、希望者だけの勉強会。強制すると、参加している人の中に不満が混ざり、場の空気が悪くなります。強制しない代わりに、参加した人に軽い利点がある形が長続きします。
第4は、運営が1人に依存していないものです。当番制で回す、部署ごとに持ち回る、自動で通知が飛ぶ仕組みにする。担当が1人だと、その人の異動や休職でそのまま消えます。事例の記事で「担当者の熱意」が強調されているものは、裏返せば依存が強いという意味です。
この4つを満たさない施策は、必ず失敗するわけではありません。ただし満たしていない数だけ、続けるための追加の労力が要ります。提案の前に、4つのうちいくつを満たすかを数えておくと、社内での説明が通りやすくなります。
顔を合わせる施策は効果が実感しやすい一方で、続かないものの割合も高くなります。
残りやすいのは、既にある予定に乗せたものです。月例の会議の前の15分を雑談の時間にする、全員が集まる日の昼を一緒に取る、席替えを半年ごとに入れる。新しい予定を作っていないので、日程の調整という最大の障害がありません。
消えやすいのは、参加のために予定を空けさせるものです。終業後の懇親の会、休日の行事、部署をまたいだ勉強会。始めた月は参加率が高く、3回目から下がります。下がったときに「参加を必須にする」方向へ舵を切ると、そこで一気に評判が落ちます。
席の配置を変える施策は、効果と副作用の両方が大きいものです。部署ごとに固めていた席をばらすと、部署をまたいだ会話は確かに増えます。同時に、同じ部署内で聞けば30秒で済んだ確認が、立ち歩きか文字での質問に変わります。人の入れ替わりが多い時期に席をばらすと、新しく入った人が誰に聞けばよいか分からず、立ち上がりが遅れます。
表彰や称賛の制度は、設計次第で真逆の結果になります。数字で測れる成果だけを対象にすると、測りにくい仕事をしている人が対象外になり、不公平の話に転びます。誰でも誰かを称賛できる形にして、金額や順位を付けないほうが、長く回っている例が多く見られます。
オフラインの施策を選ぶときの判断は単純です。既にある集まりに乗せられるか、新しく集まりを作るのか。後者なら、半年後に誰が日程を押さえるのかを先に決めてください。決まっていないなら、その施策は半年で消えます。
文字とツールの側は、オフラインより地味ですが、止まりにくい傾向があります。理由は、参加の単位が数分で済むからです。
効いているものの代表が、業務の周辺を保存する場所を用意することです。雑談の部屋、質問の部屋、新しく入った人の自己紹介の場所。重要なのは部屋を作ることではなく、誰が最初の数十件を書くかを決めておくことです。空の部屋は誰も書き込めません。立ち上げの1か月だけ、運営が意識的に書く量を作ると、そのあとは自走します。
次に効いているのが、質問と答えを流れない場所に残すことです。チャットで答えた内容は、3日後に同じ質問が来たときに見つかりません。答えを残す場所を作り、答えるときに「ここに書いたので次は見てください」と返す運用に変えると、答える側の負担が回を追って減ります。
一方で、うまくいかない例が多いのが、定期の投稿を義務にする形です。週報を全員が書く、日報にひとこと添える、月に1度は社内の記事を書く。義務にすると、書かれる文章が定型になり、読む人が減ります。読まれない文章を書き続けるのは苦しいので、半年で内容が空洞になります。
もうひとつ注意が要るのが、道具を増やす方向の解決です。チャット、文書の共有、進行の管理、勤怠、経費。それぞれに専用の道具を入れると、確認すべき場所が5つになります。1人が1日に開く場所が3つを超えたあたりから、見落としが日常的に起き始めます。オンラインの施策を追加するときは、既にある場所の中でできないかを先に確かめてください。
道具を増やさずに済ませる例として、既にあるチャットの中に部屋を1つ追加する形があります。新しい道具を入れる稟議も要らず、その日から始められます。始めてみて人が集まらなければ、部屋を閉じるだけで後始末が終わります。逆に人が集まって書き込みが続いたなら、その時点で専用の道具を検討する根拠が手元にできています。順番としては、既にある場所で試してから道具を選ぶほうが安全です。最初に道具を選ぶと、その道具を使わせることが目的になり、施策が合っているかを判断できなくなります。
社内コミュニケーションを改善する話は、雰囲気が良くなるという曖昧な効果で語られがちです。実際に変わるのは、もっと具体的な場所です。提案を通すときにも、ここを具体的に書けるかどうかで結果が変わります。
最初に変わるのが、同じ質問に答える回数です。答えを保存する場所ができると、2回目以降はその場所を返すだけで済みます。答える側の時間が減るだけでなく、聞く側も聞きにくさから解放されます。聞きにくい空気は、聞かないまま進めて手戻りになる原因を作ります。手戻りの分を数えると、質問に答える時間より大きくなることが珍しくありません。
次に変わるのが、引き継ぎにかかる時間です。担当が変わるとき、前の担当の頭の中にしか無い情報が多いほど、引き継ぎは長くなります。日々のやり取りの中で決まったことが記録として残っていれば、引き継ぎは残っているものを読む作業に近づきます。異動や退職が重なる時期に、この差がはっきり出ます。
新しく入った人の立ち上がりも変わります。過去の判断の経緯を読める状態になっていると、なぜ今の形になっているのかを人に聞かずに理解できます。経緯がどこにも無い職場では、新しく入った人が同じ提案を出して、既に検討済みだと言われる場面が繰り返されます。何度か繰り返されると、その人は提案しなくなります。
会議の長さも変わります。進捗を確認する会議で最初に消えるのは、現状をそろえる時間です。参加者が事前に同じ画面を見られる状態であれば、会議は判断の必要な点だけを扱えます。週に1時間の会議が40分になり、参加者が5人いれば、1か月で合計6時間半ほどが空きます。この数字は、施策を提案するときにそのまま使えます。
見落とされやすいのは、相談の総量が増えることです。相談しやすい状態になると、小さな問題が小さいうちに出てきます。大きくなってから出てくる問題は、選べる手が減っています。相談の件数が増えたことを、問題が増えたと読み違えないでください。件数が増えて、そのうち大きな問題の割合が下がっているなら、それは良くなっている合図です。
止まる原因は、観察できる範囲では3つに集約されます。
1つめは、効果を測る方法を決めていないことです。始める前に何がどうなれば成功なのかを決めていないと、続ける理由も止める理由も説明できません。説明できないものは、忙しい月に優先度を落とされます。測り方は精密でなくてかまいません。参加した人数、書き込みの件数、同じ質問が来た回数。数えられるものを1つ決めておけば足ります。
2つめは、運営の工数を誰の仕事にもしていないことです。始めるときは全員が前向きなので、担当を決めずに走り出せます。3週目に「誰がやるんだったか」が問題になり、4週目に止まります。週30分でも、誰の30分かを決めておくかどうかで結果が変わります。
3つめは、参加していない人を責める方向に運営が向かうことです。参加率が下がったときに、名前を挙げて促したり、参加を評価に結び付けたりすると、短期的には数字が戻ります。ただしその後に残るのは、やらされている感覚と、運営への反発です。下がった参加率は、施策が合っていない合図として読むほうが健全です。
止めないための注意点として、始める数を絞ることを勧めます。事例の記事には30も32も並んでいますが、同時に始めてよいのは1つか2つです。3つ以上を並行すると、どれが効いたのか分からなくなり、次の判断ができません。1つ入れて2か月見る、というペースが現実的です。
やめ方も先に決めてください。「3か月後に参加率が2割を下回っていたらやめる」と決めておくと、やめることが失敗ではなくなります。やめ方を決めていない施策は、効いていないまま惰性で残り、次の施策を入れる余地を潰します。
やめた施策を記録として残しておくことも勧めます。何をいつ試して、どういう理由でやめたのか。残っていないと、2年後に別の担当が同じ施策を提案し、同じ理由で止まります。事例の一覧から選ぶより、自社で試してやめたものの一覧を読むほうが、次の判断には役立ちます。
施策の中身が良くても、説明の順番を間違えると通りません。決裁する側が気にするのは、効果よりも先に、誰の時間がどれだけ要るのかです。
最初に出すのは困りごとの数です。同じ質問が週に何回来ているか、引き継ぎに何日かかったか、探し物にどれくらい時間を使ったか。正確でなくてかまいません。数が出ていれば、施策を入れたあとに比べる対象ができます。数が出ていない提案は、効果を確かめようがないので却下されやすくなります。1週間だけ手元で数えれば足ります。
次に、施策を1つに絞って出します。3つ並べて選んでもらう形は丁寧に見えますが、決める側に判断を預けています。1つに絞り、なぜそれを選んだのかを1行で添えるほうが速く通ります。他の案を検討したことは、選んだ理由の中に1行で含めてください。
3番目に、運営の工数を人と時間で書きます。週30分を進行の担当が使うと書けば、決裁する側はその時間を誰から取るかを考えられます。工数を書かない提案は、始まったあとに担当が決まらず止まります。誰の仕事にもなっていない施策が3週目で止まるのは、ここが抜けているためです。
4番目に、やめる条件を書きます。3か月後に参加率が2割を下回っていたらやめる、と先に書いておくと、決裁する側の負担が下がります。始めたら止められない提案より、止め方が決まっている提案のほうが通ります。やめる条件は、効果を測る方法とそのまま同じものになります。
最後に、費用と工数を分けて書きます。無料の道具を使う場合でも、工数は発生します。費用がかからないことを強調しすぎると工数の話が抜け、あとで思ったより手間がかかるという評価に変わります。無料で始める提案ほど、工数を大きく書いておくほうが安全です。
この順番で書くと、提案は用紙1枚に収まります。長い提案書は読まれないまま持ち帰られ、次の会議に回されます。回された提案は、次の会議までに状況が変わって流れます。
予算を取らずに始められる施策は多く、実際に無料の道具だけで回っている例もあります。ただし、あとで困らないために先に確かめておく点が3つあります。
1つめは、上限に達したときに何が起きるかです。人数の上限に達したら新しい人を追加できなくなるのか、それとも保存した内容が読めなくなるのか。前者は不便ですが、後者は業務が止まります。無料の枠の条件は、その道具の料金のページに書かれているので、始める前に読んでください。
2つめは、書いた内容をあとから取り出せるかです。1年間ためた質問と答えを、別の道具に移そうとしたときに一括で取り出せなければ移れません。取り出せない道具を選ぶと、乗り換えの判断そのものができなくなります。
3つめは、見せる範囲を分けられるかです。社内の全員に見せてよい内容と、限られた人だけに見せる内容は必ず出てきます。無料の枠で権限の設定ができない道具だと、途中で分けられなくなり、内容を出し渋る人が出ます。
おすすめの順番は、いま一番人が困っていることから1つ選ぶ形です。同じ質問に何度も答えている状況なら、答えを残す場所を作る。部署をまたいだ進行が見えないなら、進行を並べる場所を作る。雑談が消えて空気が固いなら、任意の部屋を1つ作る。困りごとと施策が1対1で対応していれば、効果の有無も判断しやすくなります。
始める前に、既に社内にある道具でできないかを確かめてください。新しい道具を入れる判断には稟議が要り、稟議には時間がかかります。既にある道具の使い方を変えるだけで済むなら、その日から始められます。
施策の多くは、何らかの道具の上で回ります。道具を選ぶ段で外すと、施策そのものが合っていなかったのかどうかが分からなくなります。確かめる項目は5つです。
1つめは、何で区切られているかです。人数で区切る道具、機能で区切る道具、保存の容量で区切る道具があります。人数で区切る形なら、使い方を広げても費用が動きません。機能で区切る形だと、見方をひとつ増やしたいだけで上の枠に移ることになります。どちらが自社に合うかは、今後1年で人が増えるのか、使い方が広がるのかで決まります。
2つめは、同じ内容を別の形で見られるかです。担当ごとに並べたい人と、期限の順に見たい人と、今週の予定として見たい人が同じチームにいます。形を切り替えられない道具だと、見たい形の人が自分用の表を作り始め、二重の管理が生まれます。二重になった時点で、どちらかが必ず古くなります。
3つめは、見せる範囲を分けられるかです。全員に見せてよい内容と、限られた人だけに見せる内容は必ず出てきます。分けられないと、書く人が内容を薄くします。薄くなった記録は、読む価値が下がり、やがて誰も読まなくなります。
4つめは、書いた内容を一括で取り出せるかです。1年ためた記録を別の道具へ移せないと、乗り換えという判断そのものができなくなります。取り出せるかどうかは、始める前にしか落ち着いて確かめられません。
5つめは、画面の言葉が読む人に合っているかです。日本語で仕事をしている人が多い職場に英語の画面の道具を入れると、入力する人が限られます。入力する人が限られた記録は、すぐに古くなります。古い記録は、無いよりも判断を誤らせます。
この5つは、どれも試用の初日に確かめられます。逆に、使い勝手の良し悪しは初日には分かりません。初日に確かめられることを初日に済ませ、残った期間を実際の業務で試すほうが、判断が早くなります。道具ごとにこの5つがどう違うかは比較の一覧に並べています。
社内コミュニケーションの施策を考えるとき、いちばん見落とされるのが、進行の記録をどこに保存するかという点です。
チャットは、話す道具としては優れています。速く、軽く、誰でも書けます。一方で、いま何がどこまで進んでいるかという情報を保存する場所としては向きません。会話は流れるので、3日前の決定は探せません。探せない情報は、結果として何度も聞かれます。同じ質問が繰り返される状況の原因は、多くの場合、人の記憶力ではなく保存先の選び方です。
分け方は単純です。やり取りはチャットに、いまどうなっているかは板に保存します。板の側では、作業の単位で状態が変わり、見れば現在の状況が分かる形にします。この分け方ができていると、進捗の確認のための会議が短くなります。会議の最初の10分を「で、いまどうなってる」に使わなくて済むためです。
板を選ぶときに効くのは、見方を切り替えられるかどうかです。担当ごとに並べたいとき、期限の順に並べたいとき、今週の予定として見たいときで、必要な形が変わります。カンバンとガントとカレンダーを同じ板で切り替えられるかはできることで確かめられます。
もうひとつ効くのが、話す場所と板が同じ道具の中にあるかどうかです。別々の道具だと、カードの内容について話した記録が別の場所に残り、あとから経緯を追えません。文書と進行を1つの道具にまとめる考え方との違いはNotionとの比較に項目ごとに並べています。板の見やすさを軸にした道具との違いはTrelloとの比較、課題の管理を軸に組まれた道具との違いはBacklogとの比較で確かめられます。
費用の面では、人数が増えたときに機能の段で選ばされるかどうかが効きます。機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという区切り方であれば、見方を増やす目的で上位の枠に移る必要がありません。条件は料金に出ています。既にTrelloで板を作っているなら、作り直さずに移せるかどうかをTrelloからの移行で確かめてください。始め方で詰まりやすい点はよくある質問に集めてあります。
成功事例が並んでいる記事は、参考にする価値があります。ただし持ち帰るのは施策の名前ではなく、続いた理由のほうです。
本記事では、実際の成功事例にみられるポイントや成果をもとに、社内コミュニケーション施策に役立つヒントをご紹介します。 出典: prtimes.com
事例を読むときに、その施策が誰の手間を減らしていたかを探してください。減らしていた施策は続き、増やしていた施策は消えています。この1点を見るだけで、30も並んだ一覧から自社に合うものを3つに絞れます。
1つか2つに絞ってください。3つ以上を並行すると、参加率が動いたときにどれが効いたのか分からなくなり、次の判断ができません。1つ入れて2か月様子を見る形が現実的です。始める前に、何がどうなれば成功なのかを1つだけ決めておいてください。
事例の記事が運営の工数と会社の規模を書いていないためです。社内報を月1回出すには社内の誰かが合計して数日の時間を使い、専任の担当がいない会社では半年で止まります。施策名の横に「何人の会社か」「誰が運営していたか」を書き加えられない事例は、自社には当てはめられません。
勧めません。短期的には数字が戻りますが、やらされている感覚と運営への反発が残り、次の施策も通りにくくなります。下がった参加率は、その施策が自社の条件に合っていない合図として読んでください。やめる条件を先に決めておくと、やめることが失敗になりません。
始められますが、3点を先に確かめてください。上限に達したときに追加できなくなるだけか、保存した内容が読めなくなるのか。書いた内容を一括で取り出せるか。見せる範囲を人によって分けられるか。3つめができない道具だと、途中で内容を出し渋る人が出ます。