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社内の業務分担表をどう作るか|偏りが見えるまとめ方

2026年10月7日 ・ Pinateca編集部

社内の業務分担表を作ろうとしている理由は、たいてい2つのどちらかです。誰が何をやっているのか分からなくなったか、特定の人に仕事が寄りすぎて限界が見えているか。どちらの場合も、表を作ること自体が目的ではありません。

先に結論を書きます。業務分担表が役に立つかどうかは、業務をどこまで細かく分解したかと、余白を残したかで決まります。大まかな業務名を並べただけの表は、引き継ぎにも負担の平準化にも使えません。そして、全員の枠を隙間なく埋めた表は、割り込みが1つ入った時点で嘘になります。

業務分担表を実効性のあるものにするためには、業務内容を細かいタスク単位まで分解することが重要です。 大まかな業務名だけでは、実際に何をどこまで行うのかが不明確になり、引き継ぎや代替対応が困難になります。 業務を小単位に分解し、他のメンバーでも理解できるレベルまで落とし込むことで、属人化を防ぎ、柔軟な対応が可能になります。 出典: kentem.jp

この記事では、この表が何を書くものなのかから始めて、作るメリット、6つの手順、分解の粒度、雑務の扱い、余白の取り方、偏りを見える形にするコツ、形式の選び方、エクセルで作るときのポイント、運用で崩れる場面、更新の決め方、そして業務委託の相手を含めるときの扱いまでを順に扱います。

社内の業務分担表とは何を書く表なのか

業務分担表と呼ばれるものには、実は3種類が混ざっています。作る前に、どれを作るのかを決める必要があります。

1つ目が、平常時の担当を決める表です。日常の業務を誰が持っているかを一覧にします。引き継ぎや、人が抜けたときの代替を考えるために使います。

2つ目が、案件ごとの役割を決める表です。1つのプロジェクトの中で、誰が何をどこまで担当するかを書きます。案件が終われば役目を終える表です。

3つ目が、非常時の分担を決める表です。災害や、主要な担当者が長期で不在になったときに、誰が代わりに何をやるかを決めます。

この3つは、同じ形式では作れません。1つ目は業務の名前を縦に並べる形、2つ目は工程を縦に並べる形、3つ目は業務の名前に対して1番手と2番手を書く形になります。1枚の表で3つを兼ねようとすると、どれとしても使えない表になります。

社内の業務分担表という言葉で探している場合、必要なのは1つ目です。以下はこれを前提に進めます。案件ごとの役割分担は、別の表として作ってください。

業務分担表を作るメリットは4つに整理できる

作る手間をかける理由を先に確かめておくと、どこまで丁寧に作るかが決まります。

1つ目が、負担の偏りが見えることです。人ごとに業務の数と時間を並べると、寄っている人が一目で分かります。感覚で「あの人が忙しそう」と言うのと、数字で「この人が週12時間多い」と示すのでは、対処の速さが変わります。

2つ目が、引き継ぎができるようになることです。業務が分解されて書かれていれば、抜ける人の業務を他の人に割り直せます。分解されていない表では「あの業務を引き継ぐ」としか言えず、実際に何をやるのかは本人に聞かないと分かりません。

3つ目が、責任の所在が決まることです。担当が書かれていない業務は、誰もやらないか、気づいた人がやることになります。後者は善意で回っているように見えますが、その人が抜けた瞬間に止まります。

4つ目が、増えた業務を割り当てる先が決まることです。新しい業務が発生したときに、表を見て空いている人へ渡せます。表がないと、言いやすい人に寄ります。

この4つのうち、最初に効くのは1つ目です。偏りが見えないまま人を増やしても、増えた人に業務が渡らず、寄っている人はそのままになります。

作る手順を6つのステップに分ける

手順は6つです。この順番でやると、途中で作り直しになりません。

1つ目のステップが、業務の棚卸しです。いまチームで発生している業務を、思いつく限り書き出します。この段階では分類しません。順番も気にしません。数が出ることを優先します。

2つ目が、分解です。書き出した業務を、他の人が読んで何をするか分かる粒度まで割ります。粒度の決め方は次の節で扱います。

3つ目が、頻度と時間の記入です。それぞれの業務に、月に何回発生して1回あたり何分かかるかを入れます。ここが偏りを数字で見るための土台になります。

4つ目が、担当の割り当てです。現在やっている人を書きます。理想の割り当てではなく、現状を書きます。現状を書かないと、偏りが見えません。

5つ目が、代替の担当の記入です。その人が抜けたときに、誰が代わりにできるかを書きます。空欄になる業務が、そのチームの弱点です。

6つ目が、余白の確認です。人ごとの合計時間を出して、稼働時間に対して何割を占めているかを見ます。ここが100%を超えている人がいれば、その表は現状を正しく写していません。

6つのステップのうち、飛ばされやすいのは3つ目と6つ目です。この2つを飛ばした表は、見た目は整っていても判断に使えません。

業務を分解する粒度をどこで止めるか

分解が浅いと使えず、深すぎると作れません。止める位置の目安が3つあります。

1つ目の目安は、他の人が読んで手順が想像できるかです。「請求業務」では想像できません。「月末に受注一覧から請求書を作成して送付する」まで割ると想像できます。ここが下限です。

2つ目の目安は、1回あたりの時間が測れるかです。時間が測れない粒度は、頻度と時間の欄が埋まりません。「顧客対応」は測れませんが、「問い合わせメールへの返信」なら1件15分と測れます。

3つ目の目安は、1つの業務が1人で完結するかです。複数の人がまたぐ業務は、そこで割ります。「見積を作って承認を取って送る」は3つの業務に割れます。誰が止まっているのかを見るには、この分け方が要ります。

深すぎる分解の合図は、1つの業務の1回あたりの時間が5分を切ることです。5分の作業を表で管理しても、記入の手間が効果を上回ります。5分未満の作業は、まとめて1行にします。

そして、分解の総数の目安です。チームの業務は、この粒度で割ると50件から150件になります。20件しか出なかった場合は分解が浅く、300件を超えた場合は深すぎます。

雑務を表に書かないと、偏りは消えない

業務分担表を作るときに、最も抜けやすいのが雑務です。ここを書かない表は、偏りを見つける役目を果たしません。

電話応対、清掃、備品管理、郵便物の仕分けなど、いわゆる「雑務」は誰でもできる業務として扱われがちですが、実際には特定のメンバーに負担が偏りやすい傾向があります。 善意やボランティア精神に頼った運用では、不公平感が生まれ、チームの士気低下につながる可能性があります。 雑務も業務分担表に明記し、担当者を明確にすることで、公平な負担分散と責任の明確化が実現します。 出典: kentem.jp

書き漏れやすい雑務を並べておきます。来客の対応、電話の一次受け、備品の発注、共有スペースの片づけ、社内の書類の回付、他部署からの問い合わせへの回答、新しく入った人への説明、システムの不調の一次対応。

これらは1件あたりの時間が短いので、表に書かれません。しかし発生の回数が多いので、合計すると大きくなります。1日に10件の電話を1件5分で受けていれば、月に17時間です。この時間が表に載っていない人は、他の人より17時間多く働いていることになります。

雑務を書くときのコツは、業務の名前で書かずに、発生の仕方で書くことです。「電話応対」ではなく「代表電話の一次受け(1日平均10件)」と書きます。回数が入っていれば、合計時間が計算できます。

そして、雑務の担当は交代制にするのが原則です。固定すると、その人の本来の業務が進まなくなります。交代の周期を表に書き込んでおくと、運用が続きます。

余白を残さない表は、作った日から嘘になる

3つ目のステップで時間を入れると、人ごとの合計が出ます。ここで判断を誤ると、表が使えなくなります。

まず、業務分担表を作成する際には、メンバーのリソースを100%配分しないことが重要です。 突発的な業務や急な対応が発生した際に対応できるよう、余白を確保しておく必要があります。 リソースに余裕を持たせることで、柔軟な対応が可能になり、メンバーの負担軽減にもつながります。 出典: kentem.jp

具体的に何割を空けるかは、業務の性質で変わります。割り込みが多い仕事なら2割から3割、計画通りに進む仕事でも1割は空けます。月の稼働を160時間とすると、割り当てるのは128時間から144時間までです。

この余白を「遊んでいる時間」と読む人がいますが、実際には別の使い道があります。他の人の業務を覚える時間、手順を書き残す時間、改善を考える時間。この3つが余白から出ます。余白がゼロのチームは、いまの業務は回っていても、来年も同じ回し方しかできません。

余白の計算をするときに気をつける点が1つあります。会議の時間を業務として入れ忘れることです。週に定例が3本あって1本1時間なら、月に12時間です。これを表に入れていないと、割り当てが過剰になります。

そして、合計が稼働時間を超えている人が見つかった場合、まずやることは業務を移すことではありません。その業務が本当に必要かを確かめることです。移しても総量は減りません。

偏りが見える形にまとめる4つのコツ

同じデータでも、まとめ方で見え方が変わります。偏りを見つけるための形が4つあります。

1つ目が、人を横、業務を縦に並べる形です。マトリクスの形で、担当する人の欄に丸を付けます。横方向に丸の数を数えれば、その業務を何人ができるかが分かります。縦方向に数えれば、その人が持つ業務の数が分かります。1人しかできない業務が縦に並んでいる列が、リスクの高い人です。

2つ目が、合計時間の行を一番下に配置する形です。人ごとの合計を並べると、差が数字で出ます。時間を入れていない表では、業務の数が同じでも実際の負担が3倍違うことがあります。

3つ目が、代替の担当が空欄の業務を色で塗る形です。抜けたときに誰も代われない業務が、視覚的に浮かび上がります。この色が塗られた業務の数が、チームの脆さを表します。

4つ目が、業務を種類で分けて並べる形です。定型の業務、判断が要る業務、割り込み対応の3つに分けると、同じ合計時間でも疲れ方が違うことが見えます。判断が要る業務が1人に寄っている状態は、時間の合計だけを見ると分かりません。

4つとも入れると表が重くなるので、最初は1つ目と2つ目だけで始めてください。これだけで、偏りの話が感覚論から数字の話に変わります。

業務分担表の形式は3つから選ぶ

形式には代表的なものが3つあります。目的に応じて選びます。

マトリクス型は、業務を縦、人を横に配置して交差する欄に印を入れる形です。誰が何をできるかの一覧として最も読みやすく、代替の担当を探すときに強いです。人数が10人を超えると横に伸びて読めなくなるので、その規模までに向きます。

一覧型は、業務を縦に並べて、担当者の列に名前を書く形です。1行1業務で、頻度と時間と代替の担当を横に並べられます。人数が多いチームでも崩れず、並べ替えやフィルターが使えます。ただし「その人が何を持っているか」を見るには、担当者で並べ替える操作が要ります。

役割分担型は、1つの業務に対して複数の役割を分けて書く形です。実行する人、承認する人、相談を受ける人、報告を受ける人といった区別を付けます。承認の詰まりを見つけたいときに有効ですが、作るのに時間がかかります。日常業務の全部にこの形式を当てると作り切れないので、止まりやすい業務だけに使うのが現実的です。

迷ったら一覧型から始めてください。頻度と時間を入れやすく、あとからマトリクス型に変換できます。逆にマトリクス型から始めると、時間を入れる場所がありません。

エクセルで作るときに押さえる3つのポイント

業務分担表は、多くのチームでエクセルから始まります。作るときに押さえる点が3つあります。

1つ目が、結合セルを使わないことです。業務を大分類でまとめたくなり、セルを結合して見た目を整えることがあります。結合すると並べ替えとフィルターが使えなくなり、担当者ごとの集計が出せません。大分類は別の列にして、各行に同じ値を入れてください。

2つ目が、1行1業務を守ることです。1つのセルに複数の業務を改行で入れると、集計ができません。エクセルは1つのセルに32,767文字まで入りますが、入れられることと入れてよいことは別です。

3つ目が、合計の数式を入れることです。SUMIF で担当者ごとの時間を合計する式を1つ入れておけば、担当を変えた瞬間に合計が動きます。手で足し算する形にすると、担当を入れ替えるたびに再計算が必要になり、更新されなくなります。

エクセルで扱う限界も知っておいてください。1つのワークシートは1,048,576行まで扱えるので、行数で困ることはありません。Excel の仕様と制限に一覧があります。困るのは容量ではなく、複数の人が同時に更新できないことです。

テンプレートを使うときの注意

無料のテンプレートを使う場合、そのまま使えるものは少ないです。確かめる点が3つあります。

1つ目が、頻度と時間の列があるかです。担当者だけを書く形のテンプレートが多く、これでは偏りが見えません。列がなければ自分で追加します。

2つ目が、代替の担当の列があるかです。ここが無いテンプレートは、引き継ぎと非常時の用途に使えません。

3つ目が、自分たちの業務の分類に合っているかです。テンプレートには業務の例が入っていますが、業種が違えば使えません。例をそのまま残して自分たちの業務を追加する形にすると、実態と合わない行が残ります。例は全部削除してから始めてください。

そして、テンプレートを探す時間の上限を決めてください。業務分担表は列の構成が単純なので、白紙から作っても30分で骨格ができます。テンプレートを1時間探すより、作ったほうが自分たちの業務に合います。

表ができたあと、負担を移すときの進め方

表を作っただけでは偏りは消えません。移す作業がここから始まります。進め方の順番があります。

最初にやるのは、移す候補を選ぶことです。寄っている人が持つ業務のうち、手順が明確で、判断が要らないものから選びます。判断が要る業務を先に移すと、移した先で止まります。頻度が高くて1回が短い業務が、最も移しやすい候補です。

次に、移す先を選びます。合計時間に余白がある人の中から、その業務に近い業務を既に持っている人を選びます。まったく縁のない業務を渡すと、覚える時間が長くかかります。

3つ目に、移す期間を決めます。1日で引き渡す形はうまくいきません。1か月かけて、最初の2週間は一緒にやり、次の2週間は本人がやって確認する。この形にすると、手順の抜けがその期間で見つかります。

4つ目に、移したあとの表を直します。ここを忘れると、次に偏りを見たときに古い割り当てで判断することになります。移した日付も一緒に書いておくと、定着したかどうかを後から振り返れます。

そして、1度に移す業務の数を絞ってください。3件までが限度です。5件も10件も同時に移すと、移す側と受ける側の両方が混乱し、どちらの業務も止まります。3件を移して1か月様子を見て、次の3件を選ぶ。この回し方が、結果として速く終わります。

運用で崩れる3つの場面

作ったあとに崩れる場面は、決まった3つです。

1つ目が、業務が増えたときに表へ反映されない場面です。新しい業務が発生しても、表を直すのは誰の仕事でもありません。結果として、表には載っていない業務が増え、半年後には実態の6割しか写していない表になります。

2つ目が、担当が変わったときに直されない場面です。人の異動や退職で担当が変わっても、表が古いままになります。古い表を見て引き継ぎを組むと、存在しない担当者に業務が割り当てられます。

3つ目が、時間の実績と乖離する場面です。作ったときに1回30分と見積もった業務が、実際には1時間かかっている。この乖離を直さないと、合計時間が現実と合わなくなり、偏りの判断が狂います。

この3つに共通する原因は1つです。表が、日々の業務の外にあることです。毎日使う場所にないものは、更新されません。

更新の頻度と、誰が直すかを先に決める

崩れるのを前提に、更新の決めごとを最初に作ります。決めることは3つです。

1つ目が、更新の頻度です。月に1回が現実的です。四半期に1回だと、その間の変化が大きすぎて、更新が棚卸しのやり直しになります。毎週だと負担が重くて続きません。

2つ目が、直す人です。進行を預かっている人が直す形が多いですが、それだと本人の業務が増えます。各メンバーが自分の行を直して、とりまとめる人が全体を確認する形にすると、負担が分散します。

3つ目が、更新のきっかけです。日付で決めるのではなく、出来事で決めます。人が増えたとき、人が抜けたとき、新しい業務が始まったとき、業務が終わったとき。この4つのタイミングで直す決めごとにすると、日付を待たずに更新されます。

そして、更新したことが分かる仕組みを入れてください。最終更新日を表の上に書くだけで、古い表を信じて動く事故が減ります。更新日が3か月前のままなら、その表は使わないという判断ができます。

属人化を解くために追加する2つの列

業務分担表を作る目的の1つが、1人しかできない業務を減らすことです。そのために列を2つ追加します。

1つ目が、手順書の有無の列です。その業務の手順がどこかに書かれているかを、有無で入れます。無しが並んでいる業務が、本当の属人化です。代替の担当が書かれていても、手順が無ければその人は実際には代われません。

2つ目が、習得にかかる時間の列です。その業務を他の人が覚えるのに何時間かかるかを入れます。1時間で覚えられる業務と、3か月かかる業務では、リスクの重さが違います。

この2列を追加すると、対処の優先順位が決まります。手順書が無く、習得に時間がかかり、できる人が1人。この3つが重なっている業務から手を付けます。この条件に当てはまる業務は、どのチームにも2つか3つあります。

対処の方法は1つです。その人が業務をやっている隣で、別の人が手順を書き取る。自分で書かせると後回しになり、書かれません。他の人が書くと、読んだ人に分かる粒度で書かれるという副産物もあります。

業務委託の相手を含めるときの扱い

社内の業務分担表に、業務委託の相手や協力会社を含めるかどうかで、扱いが変わります。

含める場合、書くのは担当する業務の範囲だけにします。稼働の時間や勤務の形を社員と同じ列で管理する形は、契約の性質によって扱いが変わります。労働時間や委託契約の取り扱いについては法の解釈が絡むので、この記事で断定はしません。所管の窓口や専門家に確認してください。厚生労働省の案内は公式サイトから辿れます。

実務として分けやすいのは、表を2枚にすることです。社内の分担表と、外部に出している業務の一覧を別にします。社内の表には「この業務は外部に委託」と書き、詳細は別の表で管理する形です。

外部に出した業務の稼働を記録する必要がある場合は、記録の形を決めておきます。時間単位で委託しているなら時間の記録が要りますが、案件単位や月額固定の契約なら時間の記録は不要で、進み具合だけを扱う形になります。この3つの契約の形を分けて扱える仕組みもあり、稼働の記録から報告書までを扱う追加の機能は1人あたり月額980円(税抜)、年払いなら月額780円(税抜)です。内容は料金のページで確かめられます。

記録を求める範囲は、契約で必要な分だけに絞ってください。必要のない記録を求めると、相手の負担になり、関係が悪くなります。

ツールで作る場合に見るところ

表を作り続けるのが負担になってきたら、道具を変える検討に入ります。見るところは3つです。

1つ目が、人ごとの割り当てが見える画面があるかです。業務の一覧とは別に、人を軸にして並べ替えた画面があるかどうかで、偏りの発見の速さが変わります。人を縦に、日付を横に並べて割り当てを見る形のボードもあり、どういう見え方が用意されているかはできることのページで確かめられます。

2つ目が、自分たちの項目を追加できるかです。頻度、1回あたりの時間、手順書の有無、習得にかかる時間。これらは既定の項目ではないので、カスタムフィールドとして追加できる必要があります。追加できない道具だと、表の外で管理することになり、二重管理に戻ります。

3つ目が、日々の業務と同じ場所にあるかです。分担表が別のファイルにある限り、更新されません。日々動かしているカードに担当と工数が入っていて、その集計として分担の一覧が出る形なら、更新の手間がゼロになります。

複数の候補を並べる段階なら、比較の一覧に軸がまとまっています。既にある表やボードをどこまで持ち込めるかはTrelloからの移行に書かれていて、権限で見せる範囲を絞る考え方は安全性の考え方に整理されています。契約の前に気になる点はよくある質問を先に読むと早いです。

分担と進行を同じ板にまとめるという考え方

最後に、業務分担表が更新されなくなる根本の理由を書きます。

分担表は、作った瞬間から日々の業務と切り離されます。業務は毎日動いているのに、表は月に1回しか動かない。この差が開き続けるので、3か月後には合わなくなります。どれだけ丁寧に作っても、この構造は変わりません。

構造を変える方向は1つです。分担表を作るのをやめて、日々の業務から分担が導ける形にすることです。1つずつのカードに担当者と見積の時間が入っていれば、担当者ごとに集計すれば分担表になります。カードを動かすたびに集計が変わるので、更新の作業が発生しません。

この形にすると、副作用として良いことが1つ起きます。分担の話が、感覚の議論から数字の議論になります。「忙しい」という訴えに対して、集計を開いて「この3つを移そう」という話ができます。表を作って会議で見せる形だと、その場の言い方が強い人の主張が通ります。

分担表を全部やめる話ではありません。非常時の分担のように、日々の業務から導けないものは表で持つ必要があります。分けて考えるべきなのは、日常の担当と、非常時の担当です。前者は日々のカードから導き、後者は年に1回見直す表として持つ。この2つを1枚で兼ねようとしたときに、表は更新されなくなります。

Q1. 業務分担表はどこまで細かく分解すればよいですか?

他の人が読んで手順が想像でき、1回あたりの時間が測れて、1人で完結する単位まで割ってください。「請求業務」では浅く、「月末に受注一覧から請求書を作成して送付する」まで割れば使えます。1回5分を切る作業はまとめて1行にします。チームの業務は50件から150件になるのが目安です。

Q2. 人ごとの割り当ては稼働時間の何割までにすべきですか?

100%を埋めないでください。割り込みが多い仕事なら2割から3割、計画通りに進む仕事でも1割は空けます。月の稼働160時間なら割り当ては128時間から144時間までです。会議の時間を業務として入れ忘れると割り当てが過剰になるので、定例の本数も計算に入れてください。

Q3. 電話応対や備品発注のような雑務も表に書くべきですか?

書いてください。1件あたりが短いので抜けやすい一方、回数が多いので合計すると大きくなります。1日10件の電話を1件5分で受けていれば月17時間です。この時間が載っていない人は、他の人より多く働いていることになります。書くときは発生の回数も一緒に入れてください。

Q4. 作った表が更新されなくなるのを防ぐ方法はありますか?

更新の頻度、直す人、きっかけの3つを先に決めてください。頻度は月1回、直すのは各メンバーが自分の行、きっかけは人が増えた・抜けた・業務が始まった・終わったの4つです。あわせて最終更新日を表の上に書いておくと、古い表を信じて動く事故が減ります。

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