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kintoneの使い方|最初のプロジェクトをどう組み立てるか

2026年9月15日 ・ Pinateca編集部

kintoneの使い方を調べる人の多くは、操作の手順ではなく順番で困っています。項目の置き方は触れば分かります。分からないのは、最初に何を作るのか、誰に配るのか、どこまで作り込んでから人を呼ぶのかです。ここでは、進行をとりまとめる立場の人が最初のひとつを立ち上げるまでを、決める順番に沿って組み立てます。操作の細部より、後戻りしないための判断に重心を置きます。

試用の30日を、設計の期間として使う

手を動かす前に、時間の枠を確認します。公式の料金ページによると、無料のお試しは30日間で、コースはスタンダードコース、期間中はユーザー数に制限なく使えます。試用期間の延長はできません。

データの扱いも決まっています。お試し中に登録したデータや設定は、そのまま本運用に引き継げると明記されていて、引き継ぐには試用期間が終了してから30日以内に発注し、そのときにお試ししていた環境を指定する必要があります。

お試し中に登録したデータや設定は、そのまま本運用に引き継ぐことができます。発注手続きの際に、お試しいただいていた環境を指定してください。 出典: kintone.cybozu.co.jp

この条件から、進め方はひとつに絞られます。試用の30日を「本番で使うものを作る期間」として使い、そのまま契約に進む。作り直しが発生しないのはこの道だけです。逆に、試用で適当に触って感触だけ確かめ、契約してから本気で作る、という進め方は30日をまるごと捨てることになります。

30日の使い方も、先に割っておいてください。最初の1週間で作る対象を決めて形にし、次の2週間で実際に関わる人に使ってもらい、最後の1週間で直して契約の判断をする。この配分なら、判断に必要な材料が揃います。作り込みに3週間かけて、最後の1週間だけ人に触ってもらう配分だと、直す時間がなくなります。

もうひとつ、試用中はユーザー数に制限がないことを利用してください。本番の契約では、公式の料金ページによりライトコースとスタンダードコースの最小ユーザー数が10ユーザーです。試用のあいだに20人を巻き込むのは自由ですが、契約時に何人分を買うのかは試用の終盤で決めておく必要があります。

最初のひとつを、どう選ぶか

作る対象を選び間違えると、その後がすべて重くなります。選ぶ基準を3つに絞ります。

1つめ、いま記録そのものが発生していること。日報でも、問い合わせの受付でも、備品の貸し出しでも、すでに誰かがどこかに書いているものを選んでください。置き場所を移すだけで済むので、新しい手間が増えません。記録がまだ存在しない業務を最初に選ぶと、書く手間だけが増えて2週間で止まります。

2つめ、集計に手作業がかかっていること。月末に誰かが表計算で足し算しているものがあれば、それが最有力です。集計が自動で出るようになった時点で効果が数字として説明できるため、社内で次を進めやすくなります。

3つめ、関わる人が5人以内であること。最初から全社に配ると、直すたびに全員へ説明することになります。小さく始めて、形が固まってから広げてください。

公式が例として挙げているアプリの種類も参考になります。日々の業務内容や報告事項を書く日報、受注の確度や金額と活動の履歴を記録する案件管理、会社名や連絡先をまとめる顧客管理、担当と締め切りと進捗を登録するToDo、申請から承認とその後の取得状況を扱う休暇申請などです。この並びを見ると、1件ずつ積み上がる形の記録が想定されていることが分かります。

避けたほうがよいのは、いきなり基幹の業務を載せることです。受発注や請求のように、間違えると取引先に影響が出るものは、社内の小さな記録で運用の型を作ってから移してください。

作り方を4つから選ぶ

対象が決まったら、作り方を選びます。公式の基本機能のページには4つの方法が挙げられています。

AIとの対話で作る方法は、作りたいものをチャットで伝えると、会話をしながらアプリ名や項目を提案して作成する機能だと説明されています。何を項目にすべきか自体が固まっていない段階では、たたき台を出させる用途で使えます。

ドラッグ&ドロップで作る方法は、必要な項目を選んで並べる形です。作りながら改善していくこともできると書かれています。項目が頭の中にある場合は、これがいちばん速い道です。

サンプルから作る方法は、200種類以上のテンプレートから選ぶだけで作れて、そのまま使うことも設定を変えることもできるとされています。

手元のExcelやCSVを読み込んで作る方法は、いま表計算で管理しているものがある場合の入口です。

実務としておすすめできるのは、サンプルから始めて自分たちの形に削る道です。ゼロから項目を考えると、必要な項目を思いつけずに抜けが出ます。誰かが作った形から要らないものを消すほうが、抜けが減ります。

表計算から読み込む道を選ぶ場合は、読み込む前にファイルを整えてください。1行目を見出しだけにする、結合したセルを解除する、1つの列に複数の意味を入れない。この3つを済ませておかないと、読み込んだあとに項目の作り直しが発生します。

項目を決めるときの、たったひとつの原則

作る段でいちばん失敗が多いのが、項目を増やしすぎることです。原則はひとつです。あとで絞り込みたいものだけを、独立した項目にしてください。

「担当者ごとに見たい」なら担当者は項目にします。「今月の分だけ見たい」なら日付は項目にします。一方、月に一度も絞り込まない情報は、自由記述の欄にまとめて構いません。項目が増えるほど、入力する人の手間が増え、入力されなくなります。

選ぶ形式にも意味があります。自由に文字を書ける欄にすると、同じ意味の値が「対応中」「対応中です」「進行中」のように散ります。散った時点で集計ができなくなります。集計したい項目は、選択肢から選ぶ形にしてください。

項目数の上限も知っておく必要があります。提供元の制限事項のページには、フィールド数の上限値は500個と書かれていて、多くなると性能に影響が出たり正常に操作できない場合があるとも注記されています。500に届く設計は通常ありませんが、「とりあえず項目を足す」を続けると重くなる方向に進むということです。

もうひとつ、検索の癖も設計に関わります。同じページには、文字列の1行フィールドやリンクフィールドの値が等しいことを条件に絞り込む場合、先頭の64文字だけが比較されると書かれています。長い品番や件名を完全一致で扱う設計にするなら、この点を確かめてください。

表計算にある中身を、どう持ち込むか

すでに表計算で回している業務を移す場合、持ち込み方で手戻りの量が変わります。公式は、手元のExcelやCSVのファイルを読み込むだけでアプリ化できると案内していますが、読み込ませる前の整え方で結果が変わります。

まず、1枚のシートに1種類の記録だけが入っている状態にしてください。上のほうに集計表があって、その下に明細が続くような作りは、そのままでは読み込めません。明細だけを別のシートに抜き出します。

次に、1行目を見出しだけにします。見出しが2段になっていたり、セルが結合されていたりすると、項目の対応が崩れます。結合はすべて解除して、見出しを1行にまとめてください。

3つめに、1つの列に複数の意味を入れないでください。「担当(山田・至急)」のような書き方は、移した先で絞り込めません。担当と優先度に分けます。この作業は面倒ですが、移す前にやるほうが移した後にやるより確実に軽く済みます。

4つめに、日付の形を揃えてください。「2026/4/1」と「4月1日」と「R8.4.1」が混ざっていると、日付として扱われない行が出ます。日付として扱われない行は、期限での絞り込みから抜け落ちます。

5つめに、計算式の結果だけを持ち込むのか、計算そのものを移すのかを決めてください。移した先でも計算式を持てますが、表計算のような自由な参照はできません。他の行を参照して計算している式は、そのままの形では移りません。行をまたぐ集計は、移した先では集計の機能で作り直すことになります。

移し終えたら、件数を必ず突き合わせてください。元のファイルの行数と、移した先のレコード数が一致しているかを見ます。空行や見出しの行が混ざって、数が合わないことがよくあります。ここで確かめずに運用を始めると、あとから「あの案件が無い」という話になります。

過去のデータをどこまで持ち込むかも決めてください。全期間を移すと件数は増えますが、古いものは誰も見ません。直近1年だけを移して、それ以前は元のファイルを保管しておく形が、移行の作業としては軽く済みます。

アプリが2つになったら、つなぐか分けるかを決める

ひとつが回り始めると、次が欲しくなります。ここで、別々に作るのか、つなぐのかを決める必要があります。

公式の説明によると、アプリ同士はデータで紐付けて連携でき、ルックアップ、関連レコード、アプリアクションという3つの仕組みが挙げられています。マスタとなるアプリから情報を引いてくればデータ入力が楽になり、関連するデータを1つの画面に集めれば探す時間を減らせる、という位置づけです。

実務としては、先にマスタを作るのが順番です。顧客の名前を毎回手で打っていると、「株式会社」と「(株)」が混ざり、集計のときに別の会社として数えられます。顧客のアプリを1つ作って、案件のアプリからはそこを参照する形にすれば、この揺れが起きません。

ただし、つなぐと直すのが重くなります。マスタの項目をひとつ変えると、参照している側の設定も見直すことになります。最初から全部をつなごうとせず、名前の揺れが実害になっているものだけをマスタ化してください。

参照するときの制約も知っておいてください。提供元の制限事項のページには、関連レコード一覧の表示条件や、ルックアップで値を取得する場合も、文字列の1行フィールドやリンクフィールドの比較は先頭の64文字だけになると書かれています。長い名称で突き合わせる設計にする場合は、コードの列を1つ用意して、そちらで突き合わせるほうが安全です。

社外の人と一緒に使う予定があるなら、その分け方も早めに決めてください。公式はゲストスペースとゲストユーザーという仕組みを案内していて、顧客や取引先や協力会社を招いて一緒に使えます。費用は本体とは別で、料金ページには1ユーザーあたり月額700円と月額1,440円の2つの単価が、契約コースに応じて掲載されています。いずれも税抜です。何社を何人招くのかを数えてから、契約の金額に足してください。

スペースとアプリの並べ方を決める

アプリがひとつだけなら悩みませんが、2つめができた時点で置き場所の問題が出ます。ここは最初に方針を決めておくと、あとで畳みやすくなります。

公式の説明によると、スペースはプロジェクトや部署ごとに必要なアプリとやりとりを集める場所で、参加するメンバーを選ぶことも、公開の範囲を限定することもできます。スペースの中にはスレッドがあり、議題ごとに分けて話せます。スレッドの上部にアプリの一覧やグラフを貼ることもできると書かれています。

切り方の選択肢は3つです。部署で切る、案件で切る、取引先で切る。1つめは、複数の部署が関わる仕事の情報が分かれて置かれます。2つめは、終わった仕事の分が積み上がっていきます。3つめは、社外の人を招く範囲を管理しやすい反面、社内をまたいだ全体が見えなくなります。

どれを選んでも痛みが残るので、正解探しに時間をかけないでください。決めるべきなのは、増えたスペースをいつ畳むかのルールです。「終わった案件のスペースは翌月末に閉じる」のような一文を最初に決めておけば、1年後に一覧が読めなくなる事態を避けられます。

ポータルの扱いも決めてください。ログインすると最初に表示されるページで、お知らせやよく使うアプリをまとめられます。ポータルの追加枚数は料金ページによるとスタンダードコースで3枚、ワイドコースで10枚で、ライトコースの欄には記載がありません。部署ごとに入口を分ける想定があるなら、契約するコースの条件を先に確かめてください。

権限と通知は、最小から始める

作ったものを配る前に、2つだけ決めます。誰に見せるかと、誰に知らせるかです。

アクセス権は、アプリ単位から特定のデータまで、組織単位からひとりのユーザー単位まで設定できます。粒度が細かいということは、細かく設定できてしまうということでもあります。最初から分けると、あとで「なぜこの人に見えないのか」を調べる作業が発生します。

実務的な進め方は、原則として全員が見える状態から始めて、分けざるをえないものだけを分けることです。分けざるをえないのは、取引先ごとに見せてはいけない情報、人事や給与に関する情報、社外のゲストが入る場所の3つくらいです。それ以外は開けておいたほうが、運用が軽くなります。

通知も同じ考え方です。公式の説明では、通知はパソコンからもスマートフォンからも受け取れて、自分宛の通知やよく見る通知を分けたり、あとで読むフラグを立てたりできます。ただし、通知を全員に飛ばす設定にすると、2週間で全員が通知を見なくなります。

最初は、自分が担当になったときと、自分が承認する番になったときの2つだけに絞ってください。「全件の登録を全員に通知」は、導入で最も多い失敗のひとつです。

申請の流れが要る業務なら、プロセス管理を設定します。複数の人でレコードの編集や確認をするための流れを設定する機能で、登録から承認までを効率化して見える化できるとされています。ここでも段階を増やしすぎないでください。段階が3つを超えると、承認待ちで止まる場所が増えます。

配ったあとの2週間で、何を見るか

作って配ったら終わりではありません。むしろここからが本番です。見るべきものを3つに絞ります。

1つめは、入力されているかどうかです。件数が増えているなら回っています。増えていないなら、入力の手間が重すぎるか、そもそも見られていません。項目を減らすか、入力する場所への導線を短くしてください。

2つめは、同じ質問が来ているかどうかです。「これはどこに入れるんですか」が複数の人から来るなら、項目の名前が業務の言葉になっていません。画面の言葉を現場の言葉に直してください。

3つめは、誰かが表計算に戻っていないかです。戻っている場合、その人が必要としている見え方が用意できていません。多くの場合、一覧の絞り込みをひとつ足すだけで解決します。

絞り込みの一覧は、複数を保存してクリックで切り替えられると公式は説明しています。自分が担当する顧客、日付が今月の案件、未着手のタスクといった条件です。とりまとめる立場の人がまず作るべきなのは、「自分の担当で、期限が今週のもの」の一覧です。この1つがあるかどうかで、入力する側の負担感がかなり変わります。

現場に配る前に、スマートフォンからの操作も確かめてください。提供元の制限事項のページには、すべてのタッチデバイスでアプリの作成や設定の変更ができないこと、ドラッグアンドドロップの操作ができないこと、レコード一覧画面で各フィールドの横幅を変更できないことが挙げられています。作る作業はパソコンで行う前提になります。現場がタブレットしか持っていない場合、入力はできても直せない、という状態が生まれます。

誰かが間違えたときの、戻し方を先に確かめる

人に配ると、必ず誤操作が起きます。上書きされた、消された、別の案件に書き込まれた。この3つは規模に関係なく起きるので、戻し方を先に確かめておいてください。

公式の説明によると、変更履歴の機能で、いつ誰がどこをどのように変えたかを残すことができ、誤ってデータを更新した場合も変更前の状態に戻せるとされています。配る前に、自分で1件を書き換えて、履歴からどう戻すのかを実際にやってみてください。手順を知っている人が1人いるだけで、現場の心理的な負担がかなり下がります。

添付したファイルの扱いも確かめておきます。公式は、検索がキーワードや条件での全文検索で、添付したファイルの中身まで対象になると説明しています。過去の書類を探す用途があるなら、この挙動を試用のうちに試しておく価値があります。

もうひとつ、画面が開かなくなる条件も知っておいてください。提供元の制限事項のページには、レコードの絞り込み条件を多く指定していると、レコード一覧画面からレコードを開けない場合があると書かれています。条件数の上限は指定する条件によって異なるとも注記されています。凝った絞り込みを作ったあとに一覧が開かなくなったら、条件を減らして試してください。

添付する画像のサイズにも制約があります。同じページには、ファイルサイズが10MBを超える画像はサムネイルが表示されないと書かれています。現場が撮った写真をそのまま添付する運用なら、縮小してから上げるルールにしておくと、一覧が見やすくなります。

数字が出る形まで、最初のうちに作っておく

記録が溜まり始めたら、集計を作ります。ここを後回しにすると、入力する人に「何のために入れているのか」が伝わりません。

公式の説明によると、アプリにためたデータを集計してグラフにでき、リアルタイムに反映されるため、報告のたびにまとめ直す手間が減るとされています。この効果は、入力する側にも見せてください。自分が入れた数字がその場でグラフに乗ることが分かると、入力の意味が伝わります。

見せる相手によって、出すべき数字は変わります。入力する人に見せるなら「自分の担当分がいくつ片付いたか」、とりまとめる人が見るなら「期限を過ぎているものが何件あるか」、上に報告するなら「月ごとの件数と金額の推移」です。同じデータから3つの見え方を作れるのが集計の利点なので、誰に何を見せるかを決めてから作ってください。

作るグラフは、最初は1つで十分です。件数の推移でも、担当別の件数でも構いません。大事なのは、毎週の打ち合わせでその画面を開くことです。開かれない集計は、作った本人以外には存在しないのと同じです。

絞り込みの条件には、知っておくべき癖があります。提供元の制限事項のページには、数値フィールドを「以下」の条件で絞り込むと、値が空のレコードもヒットすることが書かれています。日付や時刻のフィールドを「以前」や「より前」で絞り込む場合も同様です。「予算が10万円以下の案件」を出したつもりが、予算を入れていない案件まで混ざる、ということが起こります。集計の数字が合わないときは、まずここを疑ってください。

もうひとつ、ANDとORを組み合わせた条件での検索はできないと明記されています。「AかBで、かつC」という条件が必要になったら、条件を分けて2つの一覧を作るか、判定用の項目を1つ足して、その項目で絞る形に組み替えてください。

3か月後に使われているかどうかは、最初の設計で決まる

導入の成否は、機能の多さではなく、3か月後に入力され続けているかで決まります。そのために最初に決めておくことを並べます。

・作ったアプリの面倒を見る人を、名前で1人決める。担当が空席のアプリは半年で腐ります ・項目を追加する提案が出たときの判断基準を決める。「絞り込みに使うかどうか」で足ります ・使われなくなったアプリを閉じる時期を決める。増えたまま残ると、新しく入った人が迷います ・毎週どの画面を開くかを決める。開く画面が決まっていないと、入力の意味が薄れます

作る側に回ると、どうしても足す方向に力が働きます。項目を足し、通知を足し、アプリを足す。足すのは簡単で、減らすのは合意が要るので難しくなります。最初のうちに「足すときの基準」を決めておくことだけが、これを防ぎます。

詰まったときに誰に聞けるかも、運用の前提として押さえてください。提供元の発表では、2026年9月13日からAIによる問い合わせ窓口が正式に始まり、時間帯を問わず応答します。人が対応する窓口は平日の10時から12時と、13時から17時30分で、受け付ける相手はシステム管理者とされています。同じ発表で、ライトコースの電話窓口が2026年9月の定期メンテナンスを区切りに閉じることも案内されています。上位の2つのコースでは電話が使えます。作る担当が社内にひとりしかいない体制なら、この違いは作業の止まり方に直結します。

契約の前に確かめる4点も挙げておきます。提供の打ち切り、新規申し込みの停止、運営会社の移管、価格改定の予告。2026年9月の時点では、いずれも該当する発表を確認できませんでした。動いているのは、いま書いた窓口の条件だけです。この4点は自分で確かめる習慣をつけてください。

組み立ての順番そのものを、道具の選択に戻して考える

ここまでの手順を振り返ると、作業の大半が「作ること」ではなく「決めること」だったことが分かります。何を載せるか、どう切るか、誰に見せるか、いつ畳むか。自由に作れる道具ほど、この決めごとが増えます。

これは欠点ではなく、性質です。業務に合わせて形を変えられる自由と、決めなければ始まらない負担は、同じものの表と裏です。社内に作る人が立ち、決めごとを引き受けられるなら、この自由は強みになります。逆に、進行を見るのに手一杯で設計まで手が回らないなら、決めごとの少ない道具のほうが早く回り始めます。

区切り方として、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという形もあります。段が上がっても使える機能が増えないなら、機能のために契約を上げる相談そのものが起きません。かわりに、自社専用に細かく組み立てる余地は狭くなります。設計に時間をかけたいチームには窮屈で、来週から回したいチームには噛み合う、という向き不向きです。

手を動かす前に目を通しておくとよい資料を挙げます。何がそのまま使えるのかはできることに、段で機能を分けない料金の立て方は料金にまとめてあります。ほかの道具と項目別に突き合わせたものが比較の一覧で、板を並べる形との差はTrelloとの比較、課題を積んで追う形との差はBacklogとの比較、割り当てを軸に置く形との差はAsanaとの比較にあります。いま板を作っている途中ならTrelloからの移行を、細かい疑問はよくある質問を見てください。

最後に、30日の試用でやることを1行にまとめます。本番で使うつもりのものを1つだけ作って、実際に使う人に2週間使ってもらい、直してから契約する。これだけです。作り込む前に人に触らせるほうが、結果として作り込みの量は減ります。

Q1. 最初に何のアプリを作るのがよいですか?

いま記録が発生していて、月末に手作業で集計しているものを選んでください。日報、問い合わせの受付、備品の貸し出しなどが当てはまります。記録がすでにあるので置き場所を移すだけで済み、集計が自動になった効果をすぐ数字で説明できます。関わる人は5人以内から始めて、形が固まってから広げるほうが定着します。

Q2. 無料のお試しでどこまでできますか?

公式の料金ページによると、お試しは30日間でコースはスタンダードコース、期間中はユーザー数に制限なく使えます。延長はできません。お試し中に登録したデータや設定は本運用に引き継げますが、そのためには試用の終了から30日以内に発注し、お試ししていた環境を指定する必要があります。30日を本番用の設計期間として使うのが、作り直しを避ける唯一の道です。

Q3. 項目はどれくらい作ればよいですか?

あとで絞り込みたいものだけを独立した項目にしてください。担当者や日付のように「この条件で一覧を出したい」ものは項目にし、月に一度も絞り込まない情報は自由記述の欄にまとめて構いません。集計したい項目は自由入力にせず選択肢から選ぶ形にします。値が散った時点で集計ができなくなるためです。

Q4. スマートフォンやタブレットだけで運用できますか?

入力や閲覧はできますが、作る作業はパソコンが前提です。提供元の制限事項のページには、すべてのタッチデバイスでアプリの作成や設定の変更ができないこと、ドラッグアンドドロップの操作ができないことが挙げられています。現場がタブレットしか持っていない場合、入力はできても自分で直せない状態になるため、直す担当と端末を先に決めておいてください。

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