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報告の仕方を調べている人の多くは、報告したあとに何度も聞き返される経験を重ねています。伝えたつもりなのに「それで、どうなったの」と聞かれる。あるいは「なぜ先に言わなかった」と言われる。どちらも、内容ではなく順番と形の問題です。
先に結論を書きます。報告は、結論、根拠、次の行動の3つをこの順番で出します。そして、相手が判断に使う情報だけを入れ、それ以外は聞かれてから答えます。この順番を型として固定してしまえば、報告のたびに構成を考える必要がなくなり、聞き返されることも減ります。
報告が苦手な人のほとんどは、報告事項に対する根拠や理由を1つしか持っていません。 報告の根拠や理由は、多ければ多いほど良いです。複数の根拠や理由を押さえつつ話すことが、適切な報告の仕方です。 もし、報告事項に対する理由や根拠が1つしかないとしたら、その報告は間違いだと思いましょう。 出典: insource.co.jp
この記事では、順番の組み方、必ず入れる要素、事実と判断の分け方、悪い知らせの扱い、伝える手段の選び方、場面ごとの型、そして報告のための作業を増やさない仕組みまでを順に扱います。
聞き返される報告には共通した形があります。経緯から話し始めて、結論が最後に来る形です。
この形になるのは、報告する側が時間の順に考えているからです。何があって、どう対応して、その結果どうなった。頭の中の順番はこれで正しいのですが、聞く側の関心は逆です。聞く側は、まず結果を知りたい。結果が分かってから、その理由を知りたい。理由を聞いて納得できなければ、そこで初めて経緯を聞きます。
だから、話す順番を聞く側の関心に合わせます。結論から出す形にすると、報告の長さが半分になります。経緯を全部話す必要がなくなるからです。結論と根拠だけで納得した相手は、経緯を聞きません。
もう1つ、聞き返される原因があります。結論のつもりで出した文が、結論になっていない場合です。「進めています」「確認中です」「もう少しかかります」は、状態の説明であって結論ではありません。結論は、終わったか終わっていないか、間に合うか間に合わないか、判断してほしいことがあるかないか、のいずれかです。
この区別が付くと、報告の1行目が変わります。「A社の件、進めています」ではなく「A社の件、予定どおり金曜に納品できます」と書く。前者には必ず質問が返りますが、後者には返りません。相手が知りたかったことに答えているからです。
判断を仰ぐ報告も同じです。1行目に「判断をお願いしたいことが1つあります」と置いてから中身に入ります。この1行があるだけで、聞く側は判断する構えで聞き始めます。構えができていない状態で説明を始めると、途中まで聞き流されます。
型として持つ要素は5つです。これ以上増やすと長くなり、これ以下では聞き返されます。
1つ目は結論です。前の節で書いたとおり、終わったか、間に合うか、判断が要るかを先に出します。
2つ目は根拠です。その結論に至った理由を、できれば2つ以上並べます。理由が1つしかない結論は、その1つが崩れた瞬間に全部崩れます。複数の根拠を持っている状態で報告すると、質問されたときに答えられます。
3つ目は数字です。いつまでに、何件、何時間、いくら。数字が入っていない報告は、受け取る側が自分で想像するしかなく、想像が食い違うと後で揉めます。数字が1つも入っていない報告は、報告ではなく感想です。
4つ目は次の行動です。誰が、いつまでに、何をするか。報告を受けた側がいちばん知りたいのはここです。問題が起きた報告でも、次の行動が書かれていれば叱られる場面は減ります。
5つ目は、相手にしてほしいことです。判断してほしいのか、承認してほしいのか、知っておいてほしいだけなのか。ここを書かない報告が非常に多く、受け取った側は「で、自分は何をすればいい」と考えます。知っておいてほしいだけなら、そう書いてください。それだけで相手の時間を使わずに済みます。
この5つを毎回同じ順番で並べます。順番を固定する利点は、書く側の負担が減ることだけではありません。受け取る側が慣れて、読む速度が上がります。3行目に数字が来ると分かっていれば、そこだけ見て判断できます。
報告が信用されなくなる最大の原因は、事実と判断が混ざっていることです。
事実は、確かめた人が違っても同じ結果になるものです。「先方から金曜17時にメールが届いた」は事実です。「テストで3件の不具合が出た」も事実です。
判断は、事実から導いた推論です。「この不具合は設定の誤りが原因と見られる」は判断です。まだ確かめていません。
意見は、その人がどう思うかです。「スケジュールを1週間延ばすべきだと考えます」は意見です。
3つを混ぜて話すと、受け取る側は全部を同じ確かさで受け取ります。後から判断が外れたときに、事実まで疑われます。だから、言葉で区切ってください。事実は「確認した内容として」、判断は「原因として考えられるのは」、意見は「対応としては」と前置きします。
未確認のことを報告に入れる場合は、未確認だと書きます。ここを省いて断定すると、受け取った側がそれを前提に動き、後で手戻りになります。他の人から聞いた話をそのまま報告に混ぜるのも危険です。聞いた話は「担当者からは○○と聞いています」と、出どころを付けて出してください。
数字についても同じです。集計した数字と、見積の数字と、相手が言っていた数字は、確かさが違います。3件という数字が、自分で数えたものか聞いたものかで、その後の判断は変わります。
報告で最も難しいのは、悪い知らせです。遅れる、間に合わない、数字が届かない、不具合が出た。こうした報告は、出すのが遅くなる傾向があります。
遅くなる理由は明白です。報告した瞬間に対応を求められ、責任の話になるからです。そのため、なんとか自力で解決してから報告しようとします。ところが、自力で解決できなかったときには手遅れになっています。
この構造を個人の心構えで直すのは無理です。決めごとで直します。3つの決めごとが効きます。
1つ目は、報告の基準を数字で決めることです。「締切に1日以上遅れる見込みが立った時点で報告する」と決めます。基準があれば、報告するかどうかを迷わずに済みます。迷う時間が、遅れを生みます。
2つ目は、対策がない状態でも報告してよいことを明示することです。対策とセットでなければ報告できない空気があると、対策を考える時間だけ報告が遅れます。「困っていることを、解決策なしで出してよい」と、とりまとめる側から先に言っておく必要があります。
3つ目は、早く出した報告を責めないことです。ここが守られないと、1つ目と2つ目は機能しません。早く出したから軽傷で済んだ件を、報告の場で明示的に評価する形にすると、次から早く出てきます。
悪い知らせの報告にも、5つの要素は同じように入れます。結論として遅れる見込みを出し、根拠として何が原因かを並べ、数字として何日遅れるかを出し、次の行動として何をするかを書き、相手にしてほしいこととして判断を仰ぐ点を挙げます。この形で出せば、感情的な報告になりません。
同じ内容でも、伝える手段を誤ると届きません。判断の基準は、緊急度と、後から参照する必要があるかどうかの2つです。
口頭が向くのは、緊急で、かつ相手の判断がすぐ要る場合です。その日の作業が止まっている、取引先を待たせている、といった場面です。口頭の弱点は、記録が残らないことと、相手の時間を奪うことです。だから、口頭で伝えた内容は、後で必ず文字にして残します。口頭だけで終わった判断は、1か月後に「そんな話は聞いていない」になります。
チャットが向くのは、緊急ではないが早めに知らせたい場合です。弱点は、流れて消えることです。重要な決定をチャットだけで済ませると、後から探せません。検索はできますが、探す言葉を覚えていなければ見つかりません。
書面が向くのは、後から参照する必要がある場合です。仕様の確定、金額の合意、納期の変更。これらは書面に残します。書面の弱点は、書くのに時間がかかることと、読まれない可能性があることです。書いて送っただけで伝わったとみなすのは危険なので、要点をチャットで添えて、書面の場所を示す形にします。
現実的な運用は、3つを組み合わせる形です。緊急のものは口頭で伝えてからチャットに残し、決定に関わるものは作業の記録そのものに書き込みます。話す場所と残す場所を分けておくと、後から探すときに迷いません。作業ごとのコメントとして経緯を残せる形にしておくと、その作業について聞かれたときに、その場所を開けば済みます。カードの単位でやり取りを残す仕組みはできることのページに、チャットとコメントの扱いとして並んでいます。
型を4つ持っておけば、ほとんどの報告に対応できます。
定例の進捗報告は、終わったこと、今やっていること、詰まっていること、次にやることの4つで組みます。分量は4行で足ります。長くする必要はありません。詰まっていることの欄に「なし」と書ける週は、そう書きます。空欄にすると、書き忘れと区別がつきません。
トラブルの報告は、何が起きているか、影響の範囲、いま止めている応急の手、原因の見込み、次の連絡の時刻の5つで組みます。原因が分からなくても報告します。30分後に次の連絡をすると書いておけば、受け取る側は待てます。次の連絡の時刻を書かないと、相手から確認が来ます。
完了の報告は、何が終わったか、約束との差異、残っている宿題、次の工程への引き渡しの4つです。差異がない場合も「予定どおり」と明示します。完了報告に差異の欄がないと、小さなずれが引き継がれずに後で表に出ます。
相談は、決めてほしいこと、選べる案とそれぞれの長短、こちらの推しとその理由、いつまでに決めてほしいかの4つで組みます。案を並べただけで判断を丸投げしないことが要点です。推しを1つ書いて、その理由を添えます。判断する側は、推しに乗るか外すかを決めるだけになり、決定が速くなります。
同じ案件でも、報告する相手によって入れる内容を変えます。相手の判断に使われない情報は、入れないほうが伝わります。
直属の上長には、作業の詳細まで入れます。手順のどこで詰まっているか、誰の手が空いていないか。この立場の人は、手を動かして助けられます。
部門を見ている人には、期限と範囲と人手の3点に絞ります。この立場から打てる手は、期限の交渉、範囲の削減、人の配置の3つです。作業の詳細を出しても手が打てないので、判断の材料になる3点だけを出します。
取引先には、確定していることと、確定していないことを分けて出します。社内の事情は入れません。誰が休んでいるとか、別の案件と重なっているといった情報は、相手の判断材料にならず、不安だけを与えます。
複数の相手に同じ報告を投げるのは、手間を減らす目的では有効ですが、内容が最も詳しい相手に合わせると、他の相手には長すぎます。1つの記録から、相手ごとに必要な部分だけを見せる形にするのが現実的です。進行の状況が1か所にまとまっていて、相手には見せる範囲を絞って共有できる形なら、報告のために資料を作り直す必要が減ります。見せる範囲の絞り方は安全性の考え方のページに、権限の設計として説明されています。
書いて報告する場合の、文の作り方を具体的に挙げます。口頭とは要点が違います。
件名で結論を伝えます。「A社案件について」では、開くまで中身が分かりません。「A社案件、金曜納品で確定」と書けば、件名だけで済む相手もいます。件名に判断を求める語を入れるのも有効です。「要判断」と先頭に付けておけば、後回しにされません。
1文を短くします。60字を超えたら、切れる場所を探してください。長い1文には主語と述語の対応が崩れた箇所が混ざりやすく、読む側が2回読むことになります。句点で文が終わったら改行する形にすると、読む速度が上がります。
箇条書きは、並列するものだけに使います。手順や理由の列挙は箇条書きが向きますが、経緯の説明を箇条書きにすると、つながりが消えて意味が取れなくなります。箇条書きの1行も、体言止めか短い文で終えます。
数字は表にします。3つ以上の数字を文の中に並べると、読む側が比べられません。件数と期限と担当者が並ぶなら、行と列にしたほうが伝わります。
書き終えたら、1行目だけを読み返してください。1行目で結論が伝わっていなければ、書き直します。ここだけを直すのに30秒しかかかりませんが、効果は本文全体の書き直しに匹敵します。
装飾は使わないほうが無難です。太字を多用すると、どこが重要なのかが分からなくなります。強調したい箇所が3つ以上あるなら、それは分けて報告すべき内容です。
報告を1人ずつ回す定例が、時間の割に得るものが少ない場になっているチームは多いです。進め方で変えられます。
まず、持ち時間を決めます。1人2分です。2分で話せる内容に絞ると、結論から出すしかなくなります。時間を決めていない定例では、話が長い人が全体の時間を使い、最後の人が駆け足になります。
順番は固定します。毎回同じ順番にすると、自分の前が誰かが分かるので、準備ができます。順番を毎回変えると、全員がずっと構えている状態になり、他の人の報告を聞けません。
先に文字で出してもらう形が最も効きます。定例の開始前に、4行の報告を全員が同じ場所に書いておきます。会議では読み上げません。読むのは各自が事前に済ませ、会議では詰まっていることだけを扱います。この形にすると、定例の時間が半分になります。
詰まっていることを扱うときは、その場で解決しようとしないでください。誰と誰がいつ話すかを決めるところまでで止めます。関係のない人が5人待っている場で1つの問題を掘ると、全員の時間が消えます。
議事録を別に書き起こす形も見直せます。決まったことをその作業の記録に直接書き込む運用にしておけば、議事録という別の文書が不要になります。作業の単位でやり取りが残る仕組みだと、後から「あの件はどうなったか」を聞き直す場面が減ります。
報告の質は、受け取る側の振る舞いで決まります。報告の仕方だけを現場に求めても、半分しか改善しません。
最初に整えるのは、聞く順番です。報告を受けたら、まず結論を確認します。そこで経緯を先に質問すると、次からその人は経緯から話し始めます。受け取る側の質問の順番が、報告の順番を形作ります。
次に、詰める場と改善する場を分けます。報告の場で原因と責任を追及すると、次からの報告は防御的になります。防御的な報告からは、判断に必要な事実が落ちます。原因を掘るのは別の時間に、対象を人ではなく仕組みに置いて行ってください。
そして、報告の形式を指定します。5つの要素と順番を、受け取る側が先に示します。示さないまま「報告が下手だ」と評価するのは、基準を隠したまま採点する形になります。型を渡してあれば、指摘は型に沿っているかどうかの話で済みます。
返答の速さも報告の質に効きます。出した報告に3日返事がないと、次から報告の優先度が落ちます。判断できない場合でも、いつまでに返すかだけは返してください。
最後に、報告が要らない場面を減らします。相手に聞かなければ分からない状態が多いほど、報告の負担は増えます。見れば分かる状態を作ることが、報告の回数を減らす最短の手です。締切と担当者と状態が1つの画面に出ていれば、定例で聞き取る項目の大半は不要になります。
同じ場所に全員がいないチームでは、報告の仕組みがそのまま進行の可否を決めます。
対面が混ざると、報告の経路が二重になります。出社した人の間では口頭で共有が進み、在宅の人には文字でしか届きません。この差が積み上がると、在宅の人だけが決定の経緯を知らない状態になります。防ぐには、口頭で決めたことを必ず同じ場所に書く決まりが要ります。書く担当を決めておかないと、全員が誰かが書くと思って誰も書きません。
時間帯がずれる相手がいる場合は、報告に返事を待つ前提を入れないでください。「確認をお願いします」で終わる報告は、相手が見るまで止まります。「明日15時までに反対がなければこの案で進めます」と書けば、止まりません。
短い報告を頻繁に出すほうが、長い報告を週1回出すより機能します。離れているほど、状態が見えない時間が不安を生みます。1日1行でも状態が見えていれば、確認の連絡が減ります。
在宅の日に進捗が見えないという困りごとは、報告の量ではなく記録の置き場で解決します。作業の状態が同じ場所に更新されていれば、どこで働いていても同じものが見えます。
報告の型が定着しないチームには、渡し方の問題があります。口で伝えただけの型は、3週間で消えます。
渡すものは1枚です。5つの要素と順番、4つの場面ごとの型、報告の基準になる数字、出す場所と頻度。これだけを1枚に収めて、入った初日に渡します。文書が長いと読まれません。1枚に収まらないなら、要素を削ってください。
渡したあとに、最初の3回だけ添削します。書いた報告を、出す前に見せてもらいます。3回で型は身に付きます。ここを省いて1か月放置すると、その人の癖で固まってしまい、後から直すのは難しくなります。
添削では、内容ではなく順番だけを見ます。結論が1行目にあるか、数字が入っているか、次の行動が書かれているか。この3点だけを見れば足ります。文章の上手さを指摘すると、書くのが怖くなって報告が減ります。
型の見本も添えます。良い報告の実物を2つか3つ、そのまま渡すのがいちばん速いです。抽象的な説明より、実際の文面を見たほうが伝わります。過去の報告から選ぶときは、固有の名前を置き換えてから渡してください。
社内のメンバーと、業務委託の相手では、報告の求め方を変える必要があります。同じ形で求めると、契約の性質と合わなくなります。
社内のメンバーには、作業の進め方まで含めて報告を求められます。委託の相手に対して作業の手順や時間の使い方まで細かく指示する形は、契約の性質と合わない場合があります。判断に迷う点があれば、所管の窓口や専門家に確認してください。
実務としては、報告の内容を成果と期限に絞るのが無難です。何がどこまで終わっているか、いつ渡せるか、渡すのに障害があるか。この3点なら、どの契約の形でも求められます。
時間単位の契約の相手には、稼働の記録が請求の根拠になるので、時間の記録は報告とは別の仕組みで受け取ります。案件単位の契約の相手には時間を聞かず、着手から検収までの段階だけを扱います。この分け方をせずに全員に同じ表を配ると、案件単位の相手に不要な入力を求めることになります。契約の形ごとの扱いは料金のページに、稼働の記録を扱う追加のオプションの条件として整理されています。
報告の頻度も、社内より粗くします。週に1回、決まった曜日に決まった形式で受け取る形が、双方の負担が軽いです。毎日の報告を求めると、相手の作業時間を報告に使わせることになります。
型を整えても残る問題が2つあります。先に知っておくと、型のせいだと誤解せずに済みます。
1つは、報告に出てこない作業です。誰かに頼まれた小さな依頼、問い合わせへの対応、他の案件の手伝い。こうした作業は案件の一覧に載っていないので、報告にも出ません。ところが実際には時間を使っています。結果として、報告上は余裕があるように見える人が、実際には手いっぱいという状態が生まれます。対処は、一覧に載っていない作業を入れる行を作ることです。一覧の外の作業を数えないと、負荷の偏りは見えません。
もう1つは、報告する人と作業する人が同じであることによる限界です。自分の作業の遅れは、自分にはいちばん見えにくいです。あと1日で終わるという見立てが3日続くのは、悪意ではなく見立ての癖です。対処は、本人の見立てだけに頼らず、終わったものの数を別に数える形を併用することです。
この2つは、型を整えることでは解決しません。記録の取り方で解決します。型と記録の両方を整えて、初めて報告が判断に使える情報になります。
この2つを踏まえると、報告の場で確認すべきことが1つ増えます。一覧に載っていない作業に、この1週間でどれくらい時間を使ったか。ここを聞かないと、余裕があるように見える人に次の仕事を振ってしまいます。聞き方は割合でよく、半日か1日かという粗さで足ります。
最後に、報告そのものを軽くする話を書きます。
報告の仕方を整えていくと、逆の問題が出ます。報告のための集計や資料の作成に時間がかかり、本来の仕事が押される状態です。週の報告に2時間かけているチームは珍しくありません。この2時間は、何も生み出していません。
軽くする方法は1つです。報告の材料を、日々の作業の記録からそのまま取れる形にすることです。作業の状態が1か所に記録されていれば、終わったことと今やっていることは、その場所を見れば分かります。転記が要らないので、集計の時間がなくなります。
この形にするには、作業の記録と、進捗の集計と、やり取りの経緯が同じ場所にある必要があります。作業の一覧は表計算、やり取りはチャット、集計は別の資料という分かれ方をしていると、報告のたびに3か所から集める工程が発生します。集めた時点で、どれかが古くなっています。
すでに別の道具でボードを運用している場合は、何が運べるかを先に確かめてください。カードやコメントが項目ごとにどこまで運ばれるかはTrelloからの移行のページにまとまっています。上限や人数の数え方の条件は料金のページ、他の道具と並べた条件の違いは比較の一覧にあります。導入前の細かい疑問はよくある質問に上限の数え方や社外の相手の扱いまで並んでいます。
報告の型を整えることと、報告の材料を自動で取れるようにすることは、両方必要です。型だけを整えると、材料を集める時間が残ります。材料だけを自動にしても、順番が逆なら聞き返されます。結論から出す型を決めて、その材料が日々の記録から取れる状態にしたとき、報告は報告のための仕事ではなくなります。
結論からです。終わったか終わっていないか、間に合うか間に合わないか、判断してほしいことがあるかないか、のいずれかを1行目に置きます。「進めています」「確認中です」は状態の説明で結論ではないため、必ず質問が返ります。経緯から話すと長くなり、相手が知りたいことに到達する前に聞き返されます。
結論、根拠、数字、次の行動、相手にしてほしいことの5つです。根拠は2つ以上並べてください。理由が1つしかない結論は、その1つが崩れると全部崩れます。相手にしてほしいことは書き忘れが多く、判断か承認か周知かを明示しないと、受け取った側が自分の役割を考える時間が発生します。
報告の基準を数字で決め、対策がなくても報告してよいと明示し、早く出した報告を責めないことです。「締切に1日以上遅れる見込みが立った時点で報告する」という基準があれば、報告するかどうかで迷う時間がなくなります。早く出して軽傷で済んだ件を評価する運用にすると、次から早く出てきます。
報告の材料を日々の作業の記録からそのまま取れる形にすると減ります。作業の一覧が表計算、やり取りがチャット、集計が別の資料に分かれていると、報告のたびに3か所から集める工程が発生し、集めた時点でどれかが古くなります。記録の場所を1つにまとめると、転記と集計の時間がなくなります。