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Linearの使い方|最初のプロジェクトをどう組み立てるか

2026年9月15日 ・ Pinateca編集部

Linearの使い方で難しいのは、ボタンの位置ではありません。チームをどう切るか、ステータスを何と呼ぶか、1件の粒度をどこに置くか。この3つを決めないまま作り始めると、2週間後には誰も更新しなくなります。ここでは2026年9月時点の公式ドキュメントで確かめられる設定項目をもとに、最初の1サイクルを回し切るまでの組み立て方を順番に整理します。

作り始める前に決める3つのこと

手を動かす前に決めるべきことがあります。ここを飛ばして画面をいじり始めると、あとで作り直すことになります。

1つ目は、ワークスペースを1つにすることです。取り込みの案内ページには、1社につきワークスペースは1つを使うことを勧めると明記されています。部署ごとに分けて作ると、横断して見ることができなくなり、請求も別々になります。会社に1つ。ここは迷わず決めてください。

2つ目は、チームの切り方です。チームは組織の基本単位で、それぞれが自分のワークフロー、トリアージ、サイクルの回し方を持ちます。つまり、進め方が違うまとまりごとに切るのが筋です。人数で切るのでも、部署の名前で切るのでもありません。「同じリズムで仕事を回している集団か」で切ります。

無料のプランでは2チームまで、Basicで5チームまで、Businessで無制限という制限があります。最初から細かく切りすぎると、上限に当たるだけでなく、横断して見るのが面倒になります。迷ったら少なく始めてください。あとから増やすほうが簡単です。

3つ目は、ステータスの言葉です。ワークフローの状態はチーム単位で決められます。既定のものが用意されていて、あとから設定画面で変えられます。ここで重要なのは、いまチームが口頭で使っている言葉をそのまま持ってくることです。「レビュー待ち」と呼んでいるものを「In Review」と書き換えると、その瞬間に画面と会話がずれます。画面が英語であっても、ステータスの名前は自分たちで付けられます。

この3つを紙に書いてから、初めて画面を開いてください。順番が逆になると、道具の既定値に運用を合わせることになります。

手順1 ワークスペースとチームを作り、役割を決める

ワークスペースを作ったら、最初の関門は権限です。役割について説明したページには、無料のプランではすべてのユーザーが管理者になると明記されています。誰でも設定を変えられる状態です。

有料に上げた場合の挙動も書かれています。BasicとBusinessでは、ワークスペースを有料に上げた人が管理者の役割を持ちます。エンタープライズプランでは、ワークスペースのオーナーという別の役割が用意され、管理者の権限は絞られます。

チームの責任者を置ける仕組みもあります。チームのオーナーという役割で、ビジネスプランとエンタープライズプランで使えると書かれています。この役割には人数の上限がなく、チームにオーナーを置かないことも許されています。ワークスペースの管理者は、自分がアクセスできるすべてのチームで自動的にオーナーになります。新しく作ったチームでは、作った人が既定でオーナーになります。

オーナーだけに限定される操作も明示されています。チームを削除すること、チームを非公開にすること、親のチームを変えること。この3つです。それ以外の権限は設定で調整でき、ラベルの管理、テンプレートの管理、チームの設定の管理、メンバーの追加について、全員に許すかオーナーだけにするかを選べます。なお、ゲストを追加できるのはオーナーだけで、この設定に関わらず固定です。

小さく始めるなら、最初は権限を絞らないほうが動きます。人数が15人を超えたあたりから、設定を戻せる人を決めたくなります。その時点で、上の設定を見に行ってください。

手順2 ワークフローの状態を、自分たちの言葉に直す

ここが定着を左右する工程です。骨格を説明したページには、イシューは作業が進むにつれてワークフローを移動すると書かれています。ワークフローはチームごとに定義された、順序のある状態の集まりです。この状態が、リストの画面での区切りになり、ボードの画面での列の見出しになります。

既定のワークフローが用意されていて、チームの設定から自由に変えられます。ここでやることは2つです。

まず、いま実際に口頭で言っている言葉を書き出します。「これから」「手を付けた」「確認待ち」「差し戻し」「終わり」のように、その場で使っている言葉です。会議の録音を思い出せば出てきます。

次に、その言葉を状態として並べます。ここで増やしすぎないことが大事です。状態が8個ある運用は、ほぼ確実に形骸化します。人が状態を選ぶときに迷うからです。迷ったら「これから」「進行中」「確認待ち」「完了」の4つから始めて、足りないと分かった時点で足してください。

呼び方をチームごとに変えられることは、この設計の実務上の強みです。同じプロジェクトを一緒に進めていても、片方が「レビュー待ち」、もう片方が「先方確認中」と呼んでいて構いません。無理に社内の用語を統一してから導入する必要はありません。

ボードの表示についても補足があります。公式の用語の対応表には、仕掛かりの数を制限することはしない、それは思想に合わない、と明記されています。列ごとの上限を掛けて流量を絞る運用をしてきたチームは、ここで方針を変えることになります。制限をかけずに、代わりに状態を少なくして詰まりを見えやすくする。そういう設計だと理解して組んでください。ボードの見せ方そのものを重視するなら、Trelloとの比較のように列の運用を中心に据えた道具の作りと見比べておくと、自分たちに合う形が判断しやすくなります。

手順3 イシューの粒度と、必ず埋める項目を決める

イシューは仕事の最小単位です。ここで決めるのは、1件をどれくらいの大きさにするかと、何を必ず埋めるかです。

粒度の目安は、1件が1サイクルの中で終わる大きさです。2週間のサイクルを回すなら、2週間で終わらない仕事は1件にしません。終わらない大きさのものは、プロジェクトにして中を分けます。

必ず埋める項目は、少ないほど守られます。題名、担当者、状態。この3つで始めて、必要になったら足してください。使える項目としては、優先度、ラベル、期限、見積もり、親子関係、プロジェクトへの紐づけが用意されています。

見積もりはチーム単位で有効にする設定です。目盛りの種類を選べて、指数的なもの、フィボナッチ数列のものなどが用意されています。同じプロジェクトで一緒に働いていても、チームごとに違う目盛りを使えると書かれています。サブチームは親のチームの設定を引き継げます。

見積もりを入れるかどうかは、後の工程に効きます。サイクルの進み具合のグラフは、見積もりの点数を使って範囲を計算します。設定で見積もりを使わない場合は、件数で代用すると書かれています。数字で振り返りたいなら、最初から見積もりを入れる運用にしておくほうが後が楽です。

テンプレートも用意されています。よく作る種類のイシューがあるなら、テンプレートにしておくと必須の項目が自然に埋まります。チームの設定でテンプレートを既定にすると、トリアージの状態を上書きできるという記述もあります。

ラベルの設計は控えめに始めてください。用語の対応表には、種類を分けたいならラベル、ラベルのグループ、親イシュー、カスタムビューを組み合わせて表現するよう書かれています。つまり、型を増やすのではなく印を付けて絞り込む設計です。最初に20個のラベルを作ると、半分は使われません。

手順4 サイクルを設定して、リズムを作る

期間の区切りはサイクルという仕組みです。チームの設定から有効にします。

期間は1週間から8週間のあいだで選びます。設定は1回ごとに組むのではなく、繰り返しの間隔として決める形です。開始する曜日を決めると、その間隔で自動的に先の分が作られます。サイクルは選んだ曜日の午前0時1分に始まり、基準になる時間帯はチームの設定で決めた場所のものが使われます。

先に作っておける将来のサイクルの上限は15本です。2週間のサイクルなら、およそ半年先まで置けます。先の分に仕事を積めるので、直近だけでなく少し先の見通しも同じ画面で扱えます。

サイクルとサイクルのあいだにクールダウンを挟むこともできます。技術的な借金の返済や計画に充てる期間で、この期間にはイシューを割り当てられません。休みなく回し続けると振り返りの時間が消えるので、最初から挟んでおくほうが続きます。

期間の長さは、報告の周期に合わせるのが実務的です。週次で報告するなら1週間か2週間、月次なら4週間。報告の周期とサイクルの周期がずれていると、報告のたびに期間をまたいだ集計をすることになります。ここを合わせるだけで、報告のための作業がかなり減ります。

サイクルを止めたときの挙動も書かれています。進行中のものは完了扱いになり、先の分は消えます。終わったサイクルの記録は参照用に残り、いつでも再開できるとされています。試しに入れてみて合わなければ止められる、という前提で始めて構いません。

手順5 プロジェクトとマイルストーンで、まとまりを作る

イシューだけでは大きな仕事が見えません。そこでプロジェクトを使います。

プロジェクトは、はっきりした結果や完了予定日がある単位です。新機能の公開のようなものが例として挙げられています。複数のチームにまたがって共有できます。作るときに必須なのは名前だけですが、責任者を置き、アイコンを設定することが勧められています。

中にはマイルストーンを置けます。途中の節目を表現するもので、長い仕事の進み方を段階で見せられます。目標日を設定しておくと、仕事の膨張を抑えて出す期限に責任を持たせやすくなる、という趣旨の助言も書かれています。

プロジェクトの一覧は、チームごとの画面とワークスペース全体の画面の両方にあります。状態、責任者、目標日、活動などで並べ替えられます。目標日でまとめれば四半期ごとの計画が見え、活動でまとめれば最近動いているものが浮かびます。

消したプロジェクトは、チームのアーカイブの「最近削除したプロジェクト」に30日入り、そのあと完全に消えます。誤って消しても30日以内なら戻せるということです。

さらに上の層としてイニシアチブがあります。会社としての目的にプロジェクトを束ねる入れ物で、設定から有効にして使います。経営側が個々のプロジェクトに降りずに全体を見るための層です。ただしゲストには見えないと明記されているので、社外の人と共有する情報はここに置かないでください。

使い分けの指針も書かれています。条件で自動的に集まってほしいならプロジェクトのビュー、目的に紐づけて意図して選ぶならイニシアチブ、という整理です。

手順6 受け口を1つにして、割り込みを溜めない

進行をとりまとめる立場でいちばん効くのが、この工程です。

トリアージは、チーム専用の受け箱です。連携サービス経由で作られたイシューや、そのチームに属していないメンバーが作ったイシューが、ここにたまります。チームの設定から有効にすると、サイドバーのチーム名の下に表示されます。

たまったものへの対応は4つです。受け入れる、重複としてまとめる、断る、後回しにする。キーボードの1で受け入れ、2で重複、3で却下が実行でき、後回しはHです。受け入れるとコメントを残す選択肢が出て、チームの既定の状態に移ります。重複としてまとめると、添付や顧客からの要望が元のイシューに移り、新しいほうは取り消し扱いになります。断る場合も理由をコメントに残せます。

情報が足りないときは、コメントで質問してトリアージに置いたままにするか、返事が来るまで後回しにする、という使い方が案内されています。後回しにしたものは、指定した時刻か、新しい動きがあったときのどちらか早いほうで戻ってきます。

当番制の仕組みも用意されています。受け箱を見る人を持ち回りで決めるもので、自動の判定や規則による処理とあわせて、ビジネスプランとエンタープライズプランで使えると書かれています。

この工程を飛ばすと、依頼がチャットと口頭に散ったままになります。道具を入れても、入り口が定まらなければ抜けは減りません。逆に、依頼は必ずここに入れる、という約束が守られれば、それだけで見落としの話は大きく減ります。入り口をどう一本化するかの考え方はできることにも整理があります。

手順7 見る画面を先に作り、報告の形を固定する

最後に、報告のための画面を先に作ります。ここを後回しにすると、報告のたびに別の表を作る習慣が戻ってきます。

用意されているのは、リスト、ボード、タイムラインの3つの表示です。絞り込んだ条件は保存できて、独自の画面として残ります。条件に使えるものとしては、いつ作られたか、いつ終わったか、どの種類の状態か、どのラベルか、どのプロジェクトか、どのチームか、といった軸が挙がっています。このうち状態の種類を使う条件は、チーム間で呼び名が揃っていなくても効くとされています。用語の統一を待たずに全社の画面を作れる、ということです。

タイムラインはプロジェクトを時間軸に並べる画面です。個々のイシューは載せられないと明記されています。粒度は日、週、月、四半期、年から選べます。イニシアチブなどでグループ分けでき、マイルストーン、依存関係、責任者、優先度、状態、健康状態といった項目を表示に出すかどうかを選べます。チームのサイクルを重ねて表示することもできます。

プロジェクト同士の依存関係も引けます。対応しているのは終了から開始へ向かう形だけです。線の色で状態が分かり、守られている依存は青、破られている依存は赤になります。棒をドラッグすると、後続のうち未着手や計画中のものが一緒にずれます。

報告用のビューは、最初に3つだけ作れば足ります。今週動いているもの、止まっているもの、期限が近いもの。この3つを保存しておけば、報告の準備は画面を開くだけになります。増やすのは、必要だと分かってからにしてください。

キーボードで動かす前提になっていることを、先に共有する

この道具を入れたチームでよく起きるのが、一部の人だけが速くなって、残りが置いていかれる現象です。原因は、操作の中心がキーボードに置かれていることです。

主な入り口はコマンドメニューです。CmdまたはCtrlとKで開き、ここから多くの操作にたどり着けます。ドキュメントの各所で、この入り口から実行する方法が案内されています。たとえば、ワークスペースの管理者を一覧で見る操作や、画面のイシューをCSVで書き出す操作が、ここから行えると書かれています。

移動の割り当ても決まっています。Gに続けてTでトリアージの画面へ移動し、他のチームの画面を見ているときはOに続けてTで対象のチームを先に選ぶ、と説明されています。右側の情報の欄はCmdまたはCtrlとIで開きます。サイクルの進み具合のグラフも、プロジェクトの進み具合のグラフも、この操作で出します。分析の欄はCmdまたはCtrlとShiftとIです。

トリアージの画面では、1で受け入れ、2で重複としてまとめる、3で断る、Hで後回しにする、という割り当てになっています。重複としてまとめる操作はMを2回でも実行できます。

イシューを作るときの補助もあります。個人の設定に、自分が作ったイシューを常に自分に割り当てる、という項目が用意されています。着手中の状態に移したときに自分を割り当てる設定も別にあります。続けて作りたいときは、作成の画面にある続けて作るの切り替えを使うか、CmdまたはCtrlとShiftとEnterで実行できると案内されています。

コメントの送信キーも設定で選べます。CmdまたはCtrlとEnterで送るか、Enterだけで送るかを個人ごとに決められます。改行のつもりで送信してしまう事故が起きるので、チームで揃えておくと混乱が減ります。

導入のときにやるべきことは単純です。この割り当てのうち、毎日使うものを5つだけ選んで、全員に共有してください。一覧を配っても誰も覚えません。トリアージの1と2と3、コマンドメニュー、情報の欄の開き方。この5つで日常の大半は回ります。

通知と連携を、増やす前に絞る

初期設定で失敗しやすいのが通知です。連携を一気に入れると、受信箱が埋まって誰も見なくなります。

つなげる相手として公開されているのは、ソースコードの管理、社内の連絡、デザイン、障害の検知、顧客からの問い合わせ、営業の記録、表計算、データの取り込みといった領域のサービスです。GitHubやSlackのように開発の周辺に厚く、ZendeskやIntercomのように問い合わせの側にも伸びています。加えて、APIとウェブフックが無料の欄から使えるので、一覧に無い相手とは自分で繋ぐ余地が残っています。

最初に入れるべきなのは、依頼が入ってくる経路の連携だけです。ここを繋いでおくと、外から来た依頼が自動でトリアージの受け箱に入ります。骨格の説明にも、連携経由で作られたイシューは既定でトリアージの状態になると書かれています。手で転記する作業が消えるので、効果が分かりやすい部分です。

逆に、後回しでよいのが通知を外に流す連携です。全部の変更をチャットに流すと、チャット側が読まれなくなります。流すなら、まとまった単位の更新に絞るのが実務的です。プロジェクトの更新については、専用のチャンネルを用意して、そこへ送ることが勧められています。

受信箱の側にも仕組みがあります。2026年9月の更新で、注意が要るものとあとでよいものを分ける欄が追加されたと記録に書かれています。既定では自動で選ばれ、通知の種類を指定したり条件を作ったりして自分で調整することもできるとされています。これまでどおりの使い方も続けられます。

管理の観点では、外部のアプリの承認という仕組みにも触れておきます。有料のプランで使えるもので、管理者がインストール前に確認して承認する形だと案内されています。連携を誰でも自由に増やせる状態を避けたいなら、この設定を先に見ておいてください。

取り込みと持ち出しを、最初に確かめておく

始める前に、入れる手段と出す手段を確かめておくと、後戻りの心配が減ります。

取り込みの案内ページには、方法が2つあると書かれています。

We offer two main methods of importing to Linear; our dedicated import assistants in-product and a CLI import tool. 出典: linear.app

専用の取り込み機能が用意されているのは、Jira、GitHub Issues、Asana、Shortcut、およびLinear同士の移行です。専用のものがある場合はそちらが勧められています。元のデータをより多く保てること、操作が簡単なこと、まとめて取り消せることが理由として挙げられています。

それ以外のツールからはCSVを使うコマンドラインの取り込みになります。設定画面から書き出せるひな型に列の見出しを残したまま自分のデータを入れる形です。使える項目は、題名、説明、優先度、状態、担当者、作成日、完了日、ラベル、見積もりです。ただしこの方法では、コメントやプロジェクトは引き継がれないと明記されています。

取り込みはワークスペースの管理者だけが実行できます。元のツール側でも高い権限が必要になる場合があると書かれています。同じチームに二度取り込むと、すでに入っているものは飛ばされます。やり直したいときは、前の取り込みを消してから実行してください。

持ち出しについても具体的です。ワークスペース全体のイシューをCSVで書き出せ、準備ができるとダウンロードのリンクがメールで届きます。リンクは12時間で期限切れです。画面ごとの書き出しには上限があり、一般のメンバーは一度に250件まで、管理者は2,000件までと書かれています。ゲストは書き出しできません。

評価の段階では、無料のプランで2チーム分だけ作り、実際の仕事を1サイクル流すのが手堅い進め方です。イシュー250件の上限は、試すぶんには十分です。

取り込みの案内ページには、何を持ち込むかの考え方についても助言があります。もう日常の仕事に関わらないデータは、そもそも持ち込まなくてよいのではないか、という問いです。古い記録は書き出したCSVで足りるという判断をする組織もあれば、履歴をできるだけ1か所に残したい組織もある、と両方の立場が併記されています。評価の段階なら、いくつかのチームだけを試しに取り込む進め方も勧められています。

移行の判断で迷ったら、古いデータを全部持ち込まない側を選ぶほうが立ち上がりは速くなります。過去の未整理な分類がそのまま新しい画面に写ると、最初に見る人が混乱するからです。区切りを付けたい場面なら、必要な分だけ入れて始めるほうが、結果的に定着が早くなります。

定着するかどうかを、何で判断するか

手順どおりに組んでも、使い続けてもらえるかは別の話です。1サイクル終わった時点で、次の3つを見てください。

1つ目は、管理者ではない普通のメンバーが、説明なしで自分の担当分を見つけられたかです。見つけられないなら、ビューの作り方かステータスの言葉に原因があります。機能の問題ではありません。

2つ目は、状態が動いたことが他の人に伝わったかです。伝わっていないなら、通知の設定か、そもそも状態を動かす習慣が根づいていません。後者なら、状態の数が多すぎる可能性を疑ってください。

3つ目は、振り返りのときに追加の表を作らずに済んだかです。ここで表を作ったなら、報告用のビューが足りていません。作った表の項目を見れば、どのビューを足せばよいかが分かります。

この3つが揃わないうちに機能を足しても、定着はしません。反対にこの3つが満たされているなら、機能の不足はたいてい運用の側で埋められます。

道具そのものを見直す段階になったら、比べ方の軸を先に決めてください。効くのは、席の数え方と、上限の置き場所と、報告のための作り直しが発生するかどうかの3点です。上限については、機能で絞らず、区切るのは人数とボードの数だけという置き方を採る道具もあり、その場合は「この機能のために上のプランへ」という判断そのものが発生しません。

並べる相手を探すなら、比較の一覧に主だったサービスとの対照が置かれています。ボード中心の運用ならTrelloとの比較、仕事の型と権限の細かさならAsanaとの比較、文書と台帳を混ぜるならNotionとの比較、国内の開発現場での定着ならBacklogとの比較Jootoとの比較が出発点になります。いま使っているボードをそのまま持ち込めるかどうかはTrelloからの移行に、社内の情報をどこまで預けてよいかの判断材料は安全性の考え方にまとまっています。

Q1. 最初にチームをいくつ作ればよいですか?

進め方が同じまとまりごとに切るのが基本です。人数や部署名では切りません。無料のプランでは2チームまで、Basicで5チームまでという上限があるので、迷ったら少なく始めてください。あとから増やすほうが簡単で、細かく切りすぎると横断して見るのが面倒になります。

Q2. サイクルは何週間にするのが良いですか?

設定できるのは1週間から8週間のあいだです。実務では報告の周期に合わせるのが扱いやすくなります。週次で報告するなら1週間か2週間、月次なら4週間です。周期がずれていると報告のたびに期間をまたいだ集計が必要になります。サイクル間にクールダウンを挟む設定も用意されています。

Q3. ステータスの名前は日本語にできますか?

ワークフローの状態はチームごとに定義でき、チームの設定から自由に変えられます。画面の表示そのものは英語ですが、状態の名前は自分たちで付けられます。いま口頭で使っている言葉をそのまま入れてください。状態を8個に増やすと形骸化しやすいので、4つ程度から始めるのが無難です。

Q4. 他のツールからデータを持ち込めますか?

専用の取り込み機能があるのはJira、GitHub Issues、Asana、Shortcut、そしてLinear同士の移行です。それ以外はCSVを使うコマンドラインの取り込みになりますが、この方法ではコメントとプロジェクトが引き継がれません。取り込みはワークスペースの管理者だけが実行でき、同じチームへの再取り込みでは既存分が飛ばされます。

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