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会議報告書のテンプレートを探している人の目的は、たいてい2つに分かれます。1つは、いま急いで1枚仕上げなければならないという事情。もう1つは、毎回書き方がばらつくので型を決めたいという事情です。
先に押さえておきたいのは、テンプレートを手に入れても、そのままでは伝わる報告書にならないという点です。項目が並んだ枠を埋めただけの報告書は、会議に出ていなかった人が読んでも「それで何が決まったのか」が分かりません。逆に、項目が5つしかなくても、決まったこと、やる人、いつまでかが先頭に来ていれば、それで用は足ります。
この記事では、議事録と報告書の違いから始めて、必ず入れる8つの項目、伝わる書き方の要点、Word・Excel・スライドの使い分け、無料のテンプレートを使うときの注意、提出と承認の流れ、そして10分で書き上げる手順までを扱います。
同じ会議から作られる文書ですが、この2つは読者が違います。混ぜて考えると、どちらの役目も果たさない文書ができます。
議事録は、会議に出ていた人が「あのとき何をどう話したか」を確認するための記録です。発言の流れが時系列で残っていることに価値があり、長くなっても構いません。あとから経緯を検証する用途では、むしろ詳しいほうが役に立ちます。
会議報告書は、会議に出ていなかった人へ伝えるための文書です。上司、他部署、関係する取引先が読みます。読む側は会議の流れに関心がなく、知りたいのは結果です。何が決まったか、何が決まらなかったか、次に誰が何をするか。この3点に到達するまでに時間がかかる報告書は、読まれません。
効果的なミーティング・会議報告書を作成することは、業務の円滑な進行やチームの共通理解を深めるうえで重要です。 出典: biz.moneyforward.com
共通理解という言葉が重要です。報告書の目的は記録を残すことではなく、出ていない人の頭の中を、出ていた人と同じ状態に近づけることです。この目的から逆算すると、書く順番が決まります。結果を先に、経緯をあとに置きます。
実務では、この2つを1つの文書で兼ねようとして失敗します。議事録の体裁で発言を並べ、最後に決定事項を置くと、読む側は最後まで読まないので決定が伝わりません。1つにまとめるなら、先頭に決定を置き、その下に経緯を続ける構成にします。
テンプレートの項目は各社それぞれですが、実務で必要なものは8つに収まります。これより多いと書く負荷が上がり、少ないとあとから問い合わせが来ます。
会議の名称と、何回目かです。定例であれば回数を入れておくと、あとから並べたときに抜けが分かります。
開催日時と所要時間です。日付だけでなく時間まで入れておくと、同じ日に複数の会議があったときに区別できます。
場所または開催方法です。会議室名か、オンラインであればその旨を書きます。オンラインと対面が混在する会議では、どちらの形だったかが後々の確認に効きます。
出席者と欠席者です。役職と氏名を書きます。欠席者を書いておくのが重要で、その人に別途伝える必要があるかどうかの判断材料になります。社外の参加者がいる場合は会社名も入れます。
議題です。事前に決めていた議題と、実際に話した議題がずれることは普通にあるので、実際に扱ったものを書きます。
決定事項です。報告書の中心になる項目で、先頭に近い位置に置きます。1行ずつ、主語と述語が揃った文にします。
次の行動です。決定ごとに、やる人と期限を書きます。この項目が最も書き落とされやすく、最も影響が大きいところです。
そして、保留事項と次回の予定です。決まらなかったことを明示しておくと、次回の冒頭で扱うべき議題がそのまま決まります。
この8項目のうち、決定事項と次の行動だけは省略できません。他は状況に応じて減らして構いません。
項目を埋めただけでは伝わらない、という話を具体的にしておきます。効く手当ては4つです。
主語を必ず書くことです。会議中の発言は主語が落ちます。「来週までに直しておきます」を報告書にそのまま写すと、誰が直すのか分からなくなります。話者の名前を補って「開発担当が来週までに修正する」と書き直します。この手当てだけで、報告書の実用性が大きく変わります。
期限を日付にすることです。「来週まで」「今月中」「リリースまでに」は、1か月後に読み返すと意味を失います。10月3日、10月末日、といった具体的な日付に直します。会議中に日付が決まっていなければ、報告書を書く段階で確認します。
決定と意見を分けることです。会議では「たぶんそれでいきましょう」のような曖昧な言い方で合意が成立します。報告書ではそれを決定として書くか、保留として書くかを、書く人が判断して分けます。判断に迷うものは保留に入れて、次回の議題にします。曖昧なまま決定に書くと、あとで食い違いが起きます。
背景を1行だけ添えることです。決定だけを並べると、なぜその結論になったのかが分かりません。とくに複数の案から選んだ場合、選ばなかった案とその理由を1行書いておくと、3か月後に同じ議論をやり直す事故が防げます。長く書く必要はなく、1行で足ります。
この4つは、テンプレートの項目には現れません。だからテンプレートを配っただけでは品質が揃わず、書き方の型を併せて共有する必要があります。
会議報告書のテンプレートは、大きく3つの形式で配られています。用途が違うので、目的に合わせて選びます。
文書の形式です。表形式の枠に項目が並んでいて、上から埋めていく形です。印刷して回覧する、押印を受ける、社外に提出するといった用途に向きます。項目の追加や削除が簡単なのも利点です。
会議報告書の書き方・作り方 書式・様式・フォーマット 見本・例・サンプル ひな形(雛形) テンプレート01(表形式)(ワード Word) 出典: template.k-solution.info
表計算の形式です。1行が1回の会議になっていて、複数回の会議を一覧で並べられます。定例会議の記録を積み上げて、あとから検索したり、決定事項だけを抽出したりする用途に向きます。ただし1回あたりの記述量が限られるため、長い経緯は書けません。
スライドの形式です。報告の場で口頭説明しながら見せる用途に向きます。文字量が少なく、図を入れられるのが利点ですが、あとから検索できない、情報が落ちやすいという弱点があります。会議の報告を会議で行うことになるため、報告のための会議が増えてしまう点にも注意が必要です。
どの形式でも共通する落とし穴が、ファイルとして配ると版が分かれることです。メールに添付して回した瞬間に、各自の手元に別々の版ができます。修正が入ったときに、どれが最新かが分からなくなります。この問題は形式を変えても解決せず、置き場所の設計で解く必要があります。
無料で配られているテンプレートは数多くあります。使う前に確認しておくとよい点が4つあります。
項目が自社の実態に合っているかです。承認欄が3段ある、部門コードの欄がある、といった枠は、その会社の事情に合わせて作られたものです。自社に不要な欄を残したまま配ると、空欄のまま回る欄が生まれ、報告書全体の信頼性が下がります。使わない欄は削ります。
決定事項と次の行動の位置です。多くのテンプレートは、議題、審議内容、決定事項という順で並んでいます。この順だと決定事項が下に来ます。出ていない人に読ませる目的なら、決定事項と次の行動を上に移すだけで実用性が上がります。テンプレートの順番は変えて構いません。
利用条件です。商用利用が可能か、社内配布に制限がないかを確認します。会社の様式として採用する場合は、配布元の条件を確認しておくと安全です。
そして、ファイルの安全性です。出所の分からないファイルを開くのは避けます。マクロが埋め込まれた表計算ファイルは、社内の情報システムの方針に従ってください。情報の取り扱いについての一般的な考え方は情報処理推進機構が公開している資料が参考になります。
テンプレートを探す時間が長引いているなら、自分で8項目を並べた枠を作るほうが早いこともあります。項目は上に挙げた8つで足ります。凝った体裁は要りません。
自分で作る場合の型を置いておきます。上から順に並べるだけで使えます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 会議名 | 名称と回数。定例なら第何回かを入れる |
| 日時 | 年月日と開始・終了の時刻 |
| 場所 | 会議室名、またはオンラインの旨 |
| 出席者 | 所属と氏名。社外は会社名も |
| 欠席者 | 所属と氏名。別途伝える相手の確認用 |
| 決定事項 | 1行ずつ。主語と述語を揃える |
| 次の行動 | 決定ごとに担当者名と期限の日付 |
| 保留事項 | 決まらなかったことと、次に扱う時期 |
| 議題と経緯 | 実際に扱った議題。選ばなかった案と理由を1行 |
| 次回予定 | 日時と、扱う予定の議題 |
この並びの要点は、決定事項と次の行動を上半分に置いていることです。一般的なテンプレートは経緯を上に置きますが、それは書く人にとって自然な順序であって、読む人にとって必要な順序ではありません。
書く量の目安としては、全体で1枚に収めます。決定事項が5行、次の行動が5行、経緯が10行程度であれば、読む側は1分で把握できます。これを超える場合は、報告書とは別に詳細な記録を用意して、報告書からはリンクで参照する形にします。
取引先に提出する会議報告書は、社内向けとは別に考えます。変えるところが4つあります。
社内の事情を書かないことです。誰がどの案に反対したか、社内の承認がまだ降りていないこと、他社との比較検討の状況。これらは社内の記録には必要ですが、社外に出す文書には書きません。社内向けと社外向けを1つのファイルで作ると、うっかり混ざります。最初から別の文書として作るのが安全です。
表現を確定形にしないことです。社内では決定として扱っていても、社外に対しては契約や発注の手続きが残っている場合があります。「決定」と書くか「方針として確認」と書くかで、意味が変わります。ここは営業や法務の担当と表現を揃えておくのが無難です。
宛先と差出人を明記することです。社内向けでは省略されがちですが、社外に出す文書では、どの会社のどの部署が作成したかを記載します。
そして、確認の往復を残すことです。報告書を送って終わりにせず、相手に内容の確認を依頼します。認識の食い違いは、この段階で見つかれば軽く済みます。取引条件に関わる内容であれば、報告書とは別に正式な文書で往復する運用を併せておきます。
社外の参加者を含む会議では、記録の共有範囲も事前に決めておきます。社外のメンバーに見せる範囲を絞る考え方については安全性の考え方のページで、権限の分け方と操作の記録という観点が整理されています。
報告書を書く仕組みが定着しない原因は、書き方より流れの設計にあります。効く設計が4つあります。
提出先を1つに決めることです。上司に送り、関係者にも送り、共有フォルダにも置く、という三重の運用は続きません。置き場所を1つに決めて、そこを見れば全員が読める状態にします。
締切を会議の直後に置くことです。翌日でも遅く、3日後だと書かれません。会議の終了時刻から30分以内、という締切にすると、記憶が新しいうちに終わります。会議を50分で切って、残りの10分を報告書に充てる設計が現実的です。
承認を軽くすることです。上司の承認を必須にすると、承認待ちのあいだ関係者が読めません。まず公開して、修正が必要なら追記する形にしたほうが情報は速く回ります。押印や正式な承認が要るのは、社外に出す文書や、契約に関わる記録に限られるはずです。
書く人を回すことです。1人に固定すると、その人が休んだ週に記録が止まります。止まった週があると習慣が崩れます。進行役を回すなら報告書も回します。
そして、書かれなかった週を放置しないことです。1回抜けると、次の週も抜けます。抜けたときに誰かが指摘する役を決めておくだけで、継続率が変わります。
会議報告書に30分かかるなら、それは続きません。10分で終わらせる手順を型にします。
最初の2分で、決定事項を書きます。会議の記憶が新しいうちに、決まったことだけを箇条書きにします。文を整える必要はなく、単語の羅列でも構いません。
次の3分で、やる人と期限を埋めます。決定それぞれに名前と日付を付けます。名前が出てこない項目は、その場で誰かに割り当てるか、割り当てる人を決めるまでを次の行動として書きます。
続く3分で、保留事項と経緯を書きます。決まらなかったことを1行ずつ。選ばなかった案とその理由を1行。これだけで、3か月後の読み手には足ります。
最後の2分で、体裁を整えて置き場所に載せます。主語が抜けている文を直し、相対的な期限を日付に直します。この2分の手直しが、報告書の実用性を決めます。
この手順の要点は、経緯から書き始めないことです。会議の流れを思い出しながら書くと、時間は無限にかかります。結論から書いて、余った時間で経緯を足す。この順序にするだけで、所要時間が半分以下になります。
書き起こしの道具を使っている場合も、手順は同じです。書き起こしは全文を直さず保管しておき、そこから決定と担当と期限を抜き出す作業に集中します。全文を整える作業に価値はほとんどありません。
書いているのに読まれていない、という状態はよくあります。原因は3つに分けられます。
長すぎる場合です。1枚を超える報告書は、読む側が後回しにします。詳細は別の場所に置いて、報告書は10行に絞ります。分量を半分にすると、読まれる率は明らかに上がります。
届いていない場合です。共有フォルダに置いただけでは、置いたことが伝わりません。関係者に通知が飛ぶ仕組みが必要です。逆に通知が多すぎると無視されるようになるので、誰に通知するかは絞ります。
そして、探せない場合です。過去の報告書を確認したいとき、人は「あの会議」を思い出しません。思い出すのは「あの案件」です。報告書が日付順のフォルダに並んでいると、案件から記録にたどり着く道がありません。半年前の決定を確認したいという要求に応えられない構成では、報告書は書いた人しか開かないものになります。
3つのうち、いちばん手当てが効くのは3つ目です。分量と通知は運用で直せますが、探せない構成は置き場所を変えないと直りません。
会議報告書をどこに置くかは、書き方よりも結果を左右します。選択肢は3つあり、それぞれで起きることが違います。
ファイルを添付してメールで回す形は、いまも多く使われています。確実に届く利点はありますが、版が分かれます。修正が入るたびに新しいファイルが飛び、どれが最新か分からなくなります。半年後に探すとなると、メールの検索に頼ることになります。
共有の文書サービスに置く形は、版の問題が消えます。ただし、案件の進行とはつながりません。報告書のフォルダと、実際の作業を管理している場所が別だと、両方を見る人しか経緯を追えません。
案件と同じ場所に置く形は、報告書がその案件のカードに残ります。決定事項をカードのコメントとして残し、担当と期限をカードの担当者欄と締切に反映させれば、報告書を書く作業と進行を更新する作業が1つになります。カードに何を載せられるかはできることのページに機能の一覧があるので、報告書の項目をどこに割り当てるかを考えるときの材料になります。
この形にすると、報告書の項目のうち、出席者、決定事項、次の行動、保留事項が、そのまま進行の情報になります。別の文書として書き写す手間が消えるため、10分の作業がさらに短くなります。会議の録画や書き起こしを同じカードに載せて、話した内容から検索できるようにする考え方を採っている料金プランもあり、料金のページでは、その機能がどの段階から使えるのかが示されています。
道具ごとに、記録を置く前提はかなり違います。カンバンだけで始めたい場合と、最初から工程表や記録まで扱いたい場合では選ぶものが変わります。Trelloとの比較のページでは、無料で使える範囲と、ガントやカレンダーがどのプランから使えるかが並べて整理されているので、報告書の置き場所を含めて検討するときに違いが分かります。候補を横並びで見たい場合は比較の一覧のページに主要なプロジェクト管理ツールの料金と機能がまとまっており、無料枠の条件はよくある質問のページでも確認できます。
判断の基準は1つです。3か月後に、その会議に出ていなかった人が、案件名だけを頼りに決定へたどり着けるか。テンプレートの体裁を整える前に、この問いに答えられる置き場所を決めておくと、報告書を書く作業そのものが軽くなります。
すべての会議を同じテンプレートで報告しようとすると、負荷が高いわりに読まれない文書が積み上がります。形は会議の種類で変えるのが現実的です。
定例の進捗確認は、報告書を最小にします。必要なのは、遅れているものと、その原因と、次に誰が動くかの3点です。毎週あるため、厚く書くと作る側も読む側も続きません。5行で終えて構いません。
仕様や方針を決める会議は、逆に厚く残します。何を選んだかだけでなく、何を選ばなかったか、その理由は何かまで書きます。3か月後に「なぜこの形にしたのか」と問われたとき、採用しなかった案とその理由が残っていないと、同じ議論をもう一度やることになります。この種の会議の報告書は、1枚を超えても構いません。
取引先との打ち合わせは、社内向けと社外向けを分けて作ります。社内向けには相手の反応や検討状況を書き、社外向けには確認した内容だけを書きます。1つのファイルで兼ねると、情報が混ざる事故が起きます。
緊急対応の会議は、時刻を細かく残します。何時に何を判断したかが、あとの検証で必要になります。この場合だけは経緯を時系列で書く形が適しており、決定を先頭に置く原則よりも時刻の正確さが優先されます。
何をどの形で報告するかを、会議の種類ごとに決めて共有しておくと、書く人が迷わなくなります。テンプレートを1種類だけ配ると、この使い分けが起きません。
1回ごとの報告書は、その週の記録として役に立ちます。それを数か月分並べると、別の情報が出てきます。
まず、保留事項の繰り越しが見えます。同じ項目が3週続けて保留に入っていれば、それは決められない議題です。会議の場で決める形が合っていないか、決める人が出席していないか、情報が足りていないかのいずれかです。3週続いた保留は、会議とは別の形で処理するほうが早く進みます。
次に、期限の守られ方が見えます。次の行動に書いた期限が、次の週に達成されているかどうかを並べると、見積もりの癖が分かります。いつも1週間遅れるチームは、最初から1週間先の期限を置いたほうが正確な計画になります。
そして、議題の偏りが見えます。毎回同じ案件の話に時間を取られていれば、その案件は会議とは別に扱う場を作るべきです。逆に、数か月一度も議題に出てこない案件は、進んでいないか、会議を通さずに進んでいるかのどちらかです。
この3つを見るには、報告書が横並びで比較できる形で保管されている必要があります。ファイルが日付順のフォルダに並んでいるだけでは、この分析はできません。表計算の形式で1行ずつ積み上げるか、案件ごとに記録が集まる場所に置くか、どちらかの構成が要ります。
四半期に1回、過去の報告書をまとめて眺める時間を取るだけで、会議そのものの設計を見直す材料が手に入ります。
会議報告書の運用でつまずく形は、だいたい5つに収まります。
1つ目は、テンプレートだけを配って書き方を共有しないパターンです。枠は埋まりますが、主語のない文と相対的な期限が並び、読んでも何が決まったのか分かりません。項目の説明と併せて、悪い例と良い例を1組だけ配るのが効きます。
2つ目は、締切を翌日以降に置くパターンです。会議から時間が経つと記憶が薄れ、書くのに時間がかかり、結果として書かれなくなります。会議の終了から30分以内という締切にすると、記憶が新しいうちに終わります。
3つ目は、承認を必須にするパターンです。上司の承認を待つあいだ関係者が読めず、情報が止まります。社外に出す文書や契約に関わる記録を除けば、まず公開して必要なら追記する形のほうが速く回ります。
4つ目は、1人に固定するパターンです。その人が休んだ週に記録が止まり、止まった週があると習慣が崩れます。進行役を回すなら報告書も回します。
5つ目は、置き場所を決めないまま始めるパターンです。メールの添付、共有フォルダ、チャットへの貼り付けが混在すると、どこを見れば分かるのかが人によって違ってきます。どこを見れば分かるのかが1つに決まっていない状態は、報告書が無い状態とあまり変わりません。
5つのうち4つは運用の設計の問題で、テンプレートを替えても直りません。テンプレートを探す時間より、この5つを避ける準備に時間を使ったほうが結果につながります。
報告書の品質は、書く人によってばらつきます。担当を回す前提なら、ばらつきを抑える仕掛けを先に入れておきます。
いちばん効くのは、枠の中に書き方の指示を残しておくことです。決定事項の欄に「主語と述語を揃えて1行ずつ」、次の行動の欄に「担当者名と日付を必ず入れる」と薄い文字で書いておく。初めて書く人がその場で判断できるため、教える手間が要りません。
次に、良い見本を1つ置いておくことです。過去に書かれた報告書のうち、よく書けている1枚を見本として同じ場所に置きます。文章の書き方は説明より見本のほうが速く伝わります。ただし見本は1枚に限ります。複数あると、どれに従えばよいか迷わせます。
3つ目は、確認の観点を3つに絞ることです。主語が入っているか、期限が日付になっているか、決定と保留が分かれているか。この3点だけを見る決まりにすると、確認する側の負荷も軽くなり、返す指摘も具体的になります。体裁の細かい指摘は品質に効かないので、しません。
4つ目は、前回の報告書を開いてから書き始める習慣です。前回の保留事項と次の行動がそのまま今回の議題になるため、書き始める前に開くと抜けが減ります。この習慣があると、報告書が週をまたいでつながり、読む側にも流れが見えます。
仕掛けはこの4つで足ります。研修や手順書を整備するより、枠の中の一言と見本1枚のほうが確実に効きます。
両方を別に作る必要はありません。1つにまとめる場合は、先頭に決定事項と次の行動を置き、その下に経緯を続ける構成にします。議事録の体裁で発言を時系列に並べ、最後に決定を置く形だと、出ていない人は最後まで読まないため決定が伝わりません。詳しい記録が必要なら、書き起こしを別に保管してリンクで参照する形が軽く済みます。
決定事項と次の行動の2つ以外は、状況に応じて削って構いません。会議名、日時、出席者、保留事項は入れておくと後々の確認が楽になりますが、承認欄や部門コードのように自社で使わない欄は残さず削ります。空欄のまま回る欄があると、報告書全体の信頼性が下がります。
10分を目安にしてください。最初の2分で決定事項、次の3分で担当と期限、続く3分で保留事項と経緯、最後の2分で体裁を整えます。経緯から書き始めると時間が無限にかかるので、結論から書いて余った時間で経緯を足す順序にします。会議を50分で切って、残りの10分をこの作業に充てる設計が現実的です。
社内の事情を書かないこと、表現を確定形にしないこと、宛先と差出人を明記すること、そして相手に内容の確認を依頼することの4点です。社内向けと社外向けを同じファイルで作ると情報が混ざるため、最初から別の文書として作ってください。取引条件に関わる内容は、報告書とは別に正式な文書で往復する運用を併せると安全です。