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スキルマップの作り方|属人化している所を見つける

2026年10月5日 ・ Pinateca編集部

スキルマップの作り方を調べている時点で、ある作業を1人しかできない状態が気にかかっているはずです。その人が休んだ週に進行が止まった、あるいは引き継ぎの話が出たときに誰に渡せばよいか分からなかった。きっかけはたいていそこにあります。

先に結論を書きます。スキルマップは人を評価する表ではなく、業務がどこで1人に寄っているかを見つける表として作ります。目的をここに絞ると、項目の数も評価の段階も決めやすくなり、作ったあとに更新が続きます。逆に、人事評価や査定の材料として作り始めると、記入する側が身構えて実態と違う数字が並び、半年で誰も見ない表になります。

従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、一人ひとりのスキルや経験などに適した役割で活躍してもらう必要があります。また、意欲を引き出し、自社の業務に必要なスキルを強化していくことも重要です。職種や階層によって必要とされるスキルは多岐にわたり、企業によっても異なります。人材のスキル可視化は最適な人材育成を行うためにも重要です。 出典: jmam.co.jp

この記事では、作る前に決めておく3つのこと、実際の作り方を7つの手順に分けた進め方、評価の段階の設計、職種別の項目例、導入でよく出る失敗とその対策、そして更新が止まらない運用の形までを順に扱います。

スキルマップが必要になるのは、人が抜けた後ではなく抜ける前

スキルマップ(力量管理表)は、業務に必要なスキルを縦に、メンバーを横に並べて、誰がどこまでできるかを一覧にした表です。縦横が交差したマスに、できる度合いを段階で入れます。名前だけを見ると人材育成の道具に見えますが、進行をとりまとめている立場から見ると、使いどころはもっと手前にあります。

いま多くのチームが抱えている困りごとは、人手が足りないことよりも、特定の作業が特定の人に紐づいて動かせないことです。5人のチームで請求の処理を1人が担い、その人が1週間休むと処理が止まる。数十人の部署で、ある取引先とのやり取りを1人しか把握しておらず、その人に確認しないと返事ができない。こうした状態は、忙しさの中では問題として認識されません。問題になるのは、その人が抜けたあとです。

抜けたあとに調べ始めると、間に合いません。何ができる人だったのかを本人抜きで再現するには、過去の記録を辿るしかなく、記録が残っていない仕事ほど属人化しています。だからスキルマップは、抜ける前に作る表です。

作る理由をもう1つ挙げると、仕事の割り振りの判断が速くなります。新しい案件が来たときに、誰に頼めるかを記憶と勘で決めているチームは、いつも同じ人に寄せます。表があれば、2人目ができる状態になっている作業から先に回せます。割り振りの判断が記憶から表に移るだけで、負荷の偏りは目に見えて減ります。

製造や建設のように、資格や認定が業務の前提になる業種では、力量の管理そのものが要求事項として求められる場合があります。品質管理の仕組みを外部の審査で見せる必要がある会社では、この表が審査の資料になります。ただし審査のために作った表は、審査のときだけ更新されるものになりがちです。審査で使うにしても、日々の割り振りに使える形で作っておくほうが長持ちします。

作る前に決める3つのこと

手を動かす前に決めておくことが3つあります。ここを飛ばして項目の洗い出しから始めると、途中で作り直しになります。

1つ目は、何のために作るかです。属人化している場所を見つけるためか、育成の計画を立てるためか、資格や認定の期限を管理するためか。目的が違うと、必要な項目の粒度も評価の段階も変わります。属人化を見つけるなら、業務の単位で細かく並べる必要があります。育成のためなら、もう少し大きなくくりで足ります。3つ全部をいきなり狙うと、項目が100を超えて記入が終わりません。最初は1つに絞ってください。

2つ目は、誰を載せるかです。部署全員か、同じ職種だけか、正社員だけか、業務委託の相手も入れるか。業務委託の相手を載せる場合は、評価という言葉を使わないほうが無難です。委託は成果に対する契約なので、能力を段階で格付けした表を相手に見せる形は誤解を生みます。委託の相手については、対応できる作業の範囲を丸印と空欄で持つだけにとどめる形がよく使われます。契約の扱いに踏み込む判断が必要になる場合は、所管の窓口や専門家に確認してください。

3つ目は、どの粒度で切るかです。ここが最も難しく、最も結果を左右します。「Excel」のような道具の名前で切ると、できる人とできない人の区別がつきません。「請求書の発行」のように業務の単位で切ると、誰に代われるかが見えます。粒度の目安は、その1行を読んだだけで、頼む側が何を頼むのか分かるかどうかです。「資料作成」では分かりませんが、「月次の実績を集めて報告資料にまとめる」なら分かります。

項目の数は、最初は20項目から30項目に収めてください。網羅しようとすると増えますが、増えた表は記入されません。抜けている項目は、運用しながら足せます。

作り方の7つの手順

決めることが決まったら、次の順番で進めます。順番を入れ替えると手戻りが出ます。

手順1 業務を書き出す

まず、そのチームが担っている業務を全部書き出します。ここは表を作らず、箇条書きで構いません。日次の作業、週次の作業、月末月初だけの作業、年に1回だけの作業、問い合わせが来たときだけの作業に分けて書くと、抜けが減ります。年に1回の作業と、問い合わせ対応が、最も属人化しやすい領域です。

書き出しは1人でやらず、メンバーに1人10分ずつ書いてもらう形が速いです。とりまとめている人ほど、現場の細かい作業を知りません。

手順2 スキルの項目に変換する

書き出した業務を、表の行になる形に整えます。似たものを統合し、粒度をそろえます。この段階で、業務そのものではないもの、たとえば「協調性」や「責任感」のような性格の評価は落としてください。段階で測れず、記入した人の主観だけが残ります。

手順3 評価の段階を決める

段階の設計は次の節で詳しく扱います。4段階に落ち着くことが多いです。

手順4 判定の基準を言葉で書く

各段階が何を指すのかを、1文ずつ書きます。ここを書かずに配ると、同じ「3」が人によって違う意味になり、集計しても使えません。基準は表の別のシートや、表の下に置きます。

手順5 本人に記入させ、上長が確認する

本人だけの記入だと高めに出ます。上長だけの記入だと、把握していない作業が空欄になります。両方から入れて、食い違ったマスだけを話す形が現実的です。食い違いは問題ではなく、認識のずれが見つかった場所です。そこに引き継ぎの穴があります。

手順6 縦横を合計して読む

横の合計は、その人が担える範囲の広さです。縦の合計は、その業務を担える人の数です。読むべきは縦です。縦の合計が1になっている行が、いま止まると困る場所です。

手順7 次の3か月で誰に何を覚えてもらうかを決める

縦が1の行を上から順に見て、2人目を作る相手を決めます。全部に手を付ける必要はありません。止まったときの影響が大きい行から、3つだけ選んでください。3つに絞った計画は実行されます。10個並べた計画は実行されません。

評価の段階は4段階にそろえる

段階の数は、3段階、4段階、5段階のいずれかが使われます。属人化を見つける目的なら、4段階が扱いやすいです。

0は、その作業をしたことがない状態です。1は、手順書や誰かの指示があればできる状態です。2は、1人で最後までできる状態です。3は、人に教えられる、あるいは想定外のことが起きたときに判断できる状態です。

この4段階が扱いやすいのは、1と2の間に引き継ぎの境目があるからです。1の人は、頼まれてもその日は動けません。2の人が休んでも、1の人がいれば手順書を見ながら進められます。3の人がいれば、教えて2を増やせます。つまり縦を読むときは、2以上が何人いるかを数えます。

5段階にすると、真ん中の3が「まあできる」の逃げ場になり、ほとんどのマスが3で埋まります。3段階にすると、1人でできる状態と教えられる状態の区別が消え、育成の計画に使えません。数を増やすほど精度が上がるわけではありません。

段階を数字で書くか記号で書くかも、意外に効きます。数字は点数に見えるので、査定を連想させます。空欄と三角と丸と二重丸のような記号にすると、格付けの空気が薄れて記入が進みます。集計したいなら、記号を裏で数字に置き換える形にしてください。

もう1つ決めておくとよいのが、有効期限です。1年触っていない作業は、2から1に落とす運用にしておくと、表が現実に近づきます。できると書いてあるのに3年やっていない作業は、実際には頼めません。

職種別の項目例

粒度の感覚をつかむには、実例を見るのが早いです。目的が属人化の発見であることを前提に、業務の単位で切った例を挙げます。

事務や管理の部門なら、請求書の発行、入金の確認と消込、経費の精算の処理、給与のデータの取りまとめ、社会保険の手続き、備品の発注、来客の対応、電話の一次対応、月次の実績の集計といった行になります。ここで縦が1になりやすいのは、社会保険の手続きと、月次の集計です。どちらも年に数回しか発生せず、手順が本人の頭の中にあります。

制作や開発の部門なら、要件の聞き取り、見積の作成、設計の書き起こし、実装、テストの設計、リリースの手順の実行、障害の一次対応、外部の委託先とのやり取りといった行です。縦が1になりやすいのはリリースの手順と障害の一次対応です。この2つが1人に寄っている状態は、その人が休みを取れない状態と同じ意味です。

営業や販売の部門なら、新規の問い合わせへの初回返信、見積の作成、契約書の確認、受注後の社内への引き渡し、既存の顧客への定期連絡、クレームの一次対応、実績の集計といった行になります。契約書の確認が1人に寄っているチームは珍しくありません。

製造や現場の部門なら、機械ごとの操作、点検、段取りの替え、資格が必要な作業、安全の教育の実施といった行が並びます。資格が前提になる作業は、スキルの段階とは別に、資格の有無と期限の列を持たせてください。段階の列に混ぜると、資格が切れていることに気づけません。

どの職種でも共通して忘れられるのが、道具の管理です。使っている業務の道具の設定を変えられる人が1人しかいない状態は、かなり多く見られます。管理者の権限を持っているのが1人だけなら、その行を足してください。

よくある失敗3つと対策

作ったのに使われない表には、共通した原因があります。

失敗1 評価の表として受け取られる

最も多い失敗です。目的を説明せずに配ると、記入する側は査定の材料だと受け取ります。そうなると、できないことをできると書く人と、警戒して低く書く人が同時に出て、集計しても実態が分かりません。

対策は、配る前に用途を明示することと、実際に用途を守ることです。「この表は誰に頼めるかを決めるために使い、給与や評価には使いません」と先に言い、そのとおりに運用してください。1度でも査定の話に使うと、翌年から誰も正直に書きません。

失敗2 項目が多すぎて記入が終わらない

網羅しようとして100項目を超えると、記入に1時間かかります。1時間かかる作業は後回しになり、半分の人が出さないまま止まります。

対策は、最初の版を20項目から30項目に絞ることです。足りないと感じても、まず1周させてください。1周すると、どの行が要らなかったかと、どの行が足りなかったかが分かります。項目は運用の中で足すもので、最初に完成させるものではありません。

失敗3 作ったあと更新されない

3か月経つと現実と合わなくなり、半年経つと誰も開かなくなります。更新のきっかけが決まっていないことが原因です。

対策は、更新する場面を業務の流れの中に埋め込むことです。新しいメンバーが入ったとき、担当を替えたとき、四半期の振り返りのとき、この3つの場面で必ず開く決まりにします。加えて、更新の担当を1人決めます。全員の責任にすると誰もやりません。

無料の表計算で始めるか、道具に載せるか

最初の1枚は表計算で作って構いません。無料の雛形も多く出回っていますし、行と列を足すだけなら表計算がいちばん速いです。ただし、続けていくと2つの限界に当たります。

1つは、同時に触れないことです。共有のファイルにしていても、誰かが開いている間に別の人が書き換えると、どちらかの入力が消えます。記入を10人に依頼すると、この事故が必ず1回は起きます。

もう1つは、進行の実態と離れることです。スキルマップは表の中では正しくても、実際に誰がどの作業をしたかは別の場所に記録されています。表の更新が手作業である限り、実態との差は開き続けます。

進行そのものを1枚の板で管理しているなら、担当者の割り当てがすでに記録として残っています。どのカードを誰が処理してきたかを遡れば、表に書いた段階が実態と合っているかを確かめられます。ボード型で仕事を扱う道具でどこまで記録が残るかは、できることのページに機能ごとに並んでいます。人やグループを縦に、日付を横に並べて割り当てを見る形のボードがあると、誰に寄っているかを表とは別の角度から確認できます。

道具を入れる前に、いま使っている道具で足りるかを確かめてください。乗り換えの判断材料として、人数とボードの数だけで料金が変わる形と、機能ごとに段階が分かれる形のどちらが自分たちに向くかは、料金のページで上限の数え方まで見てから決めるのが確実です。他の道具と並べて比べたい場合は比較の一覧にまとまっています。

属人化を数字で見るための3つの指標

表ができたら、そこから3つの数字を出してください。この3つだけを毎四半期追えば、属人化が改善しているかどうかが分かります。

1つ目は、単独担当の行の数です。縦の合計で、段階2以上が1人しかいない行を数えます。全体の行数に対する割合で持つと、項目を足しても比較できます。この割合が全体の3割を超えているチームは、誰か1人の不在で必ず止まります。

2つ目は、教えられる人がいない行の数です。段階3が0人の行です。ここは2人目を作れない行なので、単独担当より深刻です。教える人がいなければ、手順書を書き起こす作業から始める必要があります。

3つ目は、1人あたりの担当できる行の数です。横の合計の平均です。この数字が特定の1人だけ突出しているチームは、その人が実質的に全部を支えています。本人が辞意を伝えてから慌てる典型がここです。

3つの数字を追うときの注意は、改善を急がないことです。単独担当の行を一気に減らそうとすると、教える側の負荷が跳ね上がり、進行が遅れます。四半期に3行ずつで充分です。3行ずつでも、1年で12行が二重化します。

表計算で作るときの組み方

最初の1枚を表計算で作る場合の、具体的な組み方を書きます。雛形を探すより、自分で組んだほうが速いです。

1行目にメンバーの名前を横に並べ、A列に業務の項目を縦に並べます。ここで大事なのは、A列の左にもう1列足して、業務の区分を入れることです。日次、週次、月次、年次、随時のいずれかを入れます。この区分があると、後から並べ替えて年次と随時の行だけを見られます。属人化はそこに集中するので、この1列が効きます。

メンバーの列の右端に、横の合計を出す列を置きます。A列の下には、縦の合計を出す行を置きます。合計は単純な足し算ではなく、段階2以上の数を数える形にしてください。段階の数字をそのまま足すと、1が3人いる行と3が1人いる行が同じ数字になり、判断を誤ります。

色は3色までに抑えます。縦の合計が0の行を赤、1の行を黄色、2以上を色なしにする形が分かりやすいです。マスごとに段階に応じて色を塗ると、全体が塗り絵になって、どこを見ればよいのか分からなくなります。塗るのは行の状態だけです。

判定の基準は、別のシートに置いて、1枚目からリンクしておきます。同じシートの下に置くと、印刷したときに切れます。基準が手元にない状態で記入すると、段階の意味が人によってずれます。

保護の設定も入れておいてください。合計の列と行、基準のシート、項目のA列は編集できないようにします。記入する人が10人いると、意図せず数式を上書きする事故が必ず起きます。

ファイル名には作成の年月を入れて、上書きせずに四半期ごとに複製する形にします。過去の版が残っていると、単独担当の行が減っているかどうかを比べられます。上書きしてしまうと、改善したかどうかを示す材料がなくなります。

記入を集めるときの進め方

表の枠ができてからが本番です。ここで手順を誤ると、記入が半分しか返ってきません。

依頼は全員に一斉に出さず、まず2人か3人に試してもらってください。項目の言葉が伝わるか、迷うマスがどこかを先に見ます。この試しに30分使えば、本番の質問対応が半分に減ります。

本番の依頼には、所要時間を明示します。「20分で終わります」と書かれた依頼は着手されます。時間が書かれていない依頼は、後回しにされます。実際に20分で終わる項目数にしてあることが前提です。

締切は1週間後に置きます。3日では出張や休みの人が落ちます。2週間だと忘れられます。締切の2日前に一度だけ声をかける形が、催促としては充分です。

迷うマスの扱いを、先に伝えておいてください。判断がつかないときは低いほうに入れる、という決まりにします。この決まりがないと、迷った人ほど高く入れます。低いほうに寄せておくと、後から実績で上げられます。

上長の確認は、全部のマスを見ずに、食い違いそうな行だけを見る形にします。全員分の全マスを確認しようとすると、確認する側が終わりません。年次と随時の行、それに縦の合計が1になっている行だけを見れば、判断に必要な精度は出ます。

集まったら、集計する前に1度だけ全員に返してください。他の人の段階が見える形で返すと、自分の入力が高すぎたと気づいて直す人が出ます。この1往復で、表の精度がかなり上がります。ただし、返すのは同じ職種の範囲に絞ってください。部署全体を見せると、比べられていると受け取られます。

2人目を作る計画の立て方

単独担当の行が見えたら、次は誰に覚えてもらうかを決めます。ここが最も実行されない工程なので、決め方を具体的に書きます。

選ぶ相手は、いま余裕がある人ではなく、その作業と時間帯がぶつからない人にしてください。余裕で選ぶと、同じ人に新しい役目が集まります。時間帯で選ぶと、月末に集中する作業の2人目が、月末に別の締めを持っていない人になります。

覚えてもらう単位は、業務の1行を丸ごとではなく、その中の一部から始めます。請求書の発行を全部覚えるのではなく、まず定型の取引先の分だけを引き継ぐ形です。例外のある取引先は後回しにします。この分け方をしないと、引き継ぎに3か月かかる計画になり、途中で止まります。

進め方は、見せる、一緒にやる、1人でやって確認してもらう、の3段階です。手順書を渡して終わりにすると、段階1のままで止まります。1人でやって確認してもらう回を2回通したら、段階2に上げてよい目安です。

手順書は、教える側が先に書くのではなく、教わる側が書く形にしてください。教える側が書くと、本人にとって当たり前のことが省かれます。教わる側が自分の言葉で書き、教える側が抜けを足す形にすると、次の3人目にも使える手順書になります。

計画は、期限つきのカードにして進行の板に載せます。別のファイルに計画表を作ると、日々の仕事に埋もれて開かれません。締切と担当者が付いたカードとして、他の仕事と同じ列に並んでいる状態にしておくと、進みます。

資格と認定は別の列で持つ

スキルの段階とは別に、列を分けて持つべき情報があります。資格と認定です。

理由は2つあります。1つは、資格には期限があることです。段階は本人の力量なので下がりにくいですが、資格は更新を忘れた時点で失効します。同じ列に混ぜると、できると書いてあるのに法令上その作業を任せられない状態が起きます。もう1つは、資格は本人の努力とは別の枠で管理されることです。受講の費用や日程の調整が要るので、育成の計画とは別の段取りになります。

持ち方は簡単です。資格の名前を列にして、取得の年月と次の更新の年月を入れます。更新の年月が3か月以内に来る人がいれば色を付ける形にしておけば、期限切れを見落としません。

あわせて、その資格が必要な業務の行に印を付けておいてください。資格を持っている人の一覧はあるのに、どの作業にそれが必要なのかが書かれていない表は珍しくありません。必要な業務と資格が結び付いていれば、資格保持者が1人になった時点で警戒できます。

表と進行の板をつなぐと、更新が手作業でなくなる

最後に、表を生きたまま保つ考え方を書きます。

スキルマップが古くなるのは、更新が人の意思に頼っているからです。意思に頼る仕組みは、忙しい時期に必ず飛びます。だから、日々の進行の記録から表を確かめる形にします。

やり方は単純です。作業の単位をカードにして、担当者を割り当てる運用にしておきます。四半期に1度、そのカードの履歴を担当者ごとに並べます。表で段階2と書いてある作業を、この3か月で1度も触っていない人がいれば、そこは実態と違います。逆に、表では空欄なのに何度も処理している人がいれば、段階を上げます。

この照合には、誰がいつ何を変更したかの記録が要ります。操作の履歴が残る道具であれば、後から遡って確かめられます。記録の残り方は安全性の考え方のページに、操作ログとログイン履歴の扱いまで書かれています。すでに別の道具でボードを運用していて、記録ごと移したい場合は、Trelloからの移行のページに、カードやコメントがどこまで運ばれるかが項目ごとに並んでいます。

業務委託の相手を含めてスキルマップを持つ場合は、稼働の記録と組み合わせる形もあります。誰がどの作業に何時間使ったかの記録があれば、段階を推測ではなく実績で置けます。稼働の記録を残す仕組みと料金の扱いは料金のページの追加のオプションの項に整理されています。導入の前に細かい条件を確かめたい場合はよくある質問に上限の数え方や社外メンバーの扱いが並んでいます。

表を作ることが目的ではありません。縦の合計が1の行を、2にしていくことが目的です。そのために必要な情報は、日々の進行の中にすでにあります。表を別に作って別に更新するのをやめて、進行の記録から表を確かめる形に寄せていくと、スキルマップは半年後も使える表になります。

Q1. スキルマップの項目は何個くらいから始めればよいですか?

最初は20項目から30項目に収めてください。網羅しようとして100項目を超えると記入に1時間かかり、半分の人が出さないまま止まります。抜けている項目は運用しながら足せます。1周させてみると、どの行が要らなかったか、どの行が足りなかったかが分かるので、そこで調整するほうが速く仕上がります。

Q2. 評価の段階は何段階にするのが適切ですか?

4段階が扱いやすいです。したことがない、指示があればできる、1人で最後までできる、人に教えられるの4つに分けます。1人でできる状態と教えられる状態を分けておくと、2人目を作れる行がどこかが分かります。5段階にすると真ん中が逃げ場になってほとんどのマスがそこで埋まり、判断に使えなくなります。

Q3. スキルマップを人事評価に使ってもよいのですか?

属人化を見つける目的で作った表を評価に使うことは避けてください。1度でも査定の話に使うと、翌年から正直に記入されなくなり、表そのものが機能しなくなります。配る前に「誰に頼めるかを決めるために使い、給与や評価には使わない」と明示し、実際にそのとおりに運用することが前提です。

Q4. 作ったスキルマップが更新されなくなるのを防ぐ方法はありますか?

更新する場面を業務の流れに埋め込み、担当を1人決めてください。新しいメンバーが入ったとき、担当を替えたとき、四半期の振り返りのときの3つの場面で必ず開く決まりにします。あわせて、日々の進行の記録と照合する形にしておくと、表の段階が実態と合っているかを手作業の記憶に頼らず確かめられます。

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