timesheet

進捗率の計算方法をそろえる|人によってずれる原因

2026年10月5日 ・ Pinateca編集部

進捗率の計算方法を調べている背景には、たいてい2つのうちどちらかがあります。報告のために数字を出す必要が出てきたか、出てきた数字が人によってばらついて信用できなくなったかです。

先に結論を書きます。進捗率の計算そのものは割り算1回で終わります。難しいのは式ではなく、分母に何を置くかと、途中の作業を何割として数えるかを、チーム全員で1つに決めることです。ここが決まっていないと、同じ案件について3人が出した数字が45パーセント、60パーセント、80パーセントに分かれ、会議がその調整に使われます。

進捗率を正確に知ることは、プロジェクトやタスクの終了見込み時期を測るのに、最適な指標となります。ほかにも、業務状況に負担の偏りがないか、業務の優先順位が変わっていないかといったことも把握できるでしょう。1つのプロジェクトの進み具合を関係者全員で正しく共有するためにも、進捗率の正しい計算方法や進捗率を知る際に発生する問題点を知っておくことが大切です。 出典: hitachi-solutions-east.co.jp

この記事では、基本の式、件数で数える方法と工数で数える方法の使い分け、途中の作業の扱い、重み付けの決め方、90パーセントで止まる現象への対処、期間との比較、そして集計を手作業でなくす形までを順に扱います。

進捗率の基本の式と、3つの分母

進捗率の式は1つです。終わった量を全体の量で割って、100を掛けます。ここまでは誰も間違えません。ずれるのは「量」の単位です。

量の取り方は3つあります。1つ目は件数です。作業の数を数えて、終わった数を全体の数で割ります。2つ目は工数です。かかる時間を見積もっておいて、消化した時間を合計の見積時間で割ります。3つ目は重み付けした件数です。作業ごとに重みを付けて、終わった作業の重みの合計を全部の重みの合計で割ります。

同じ案件でも、この3つは違う数字になります。作業が10個あって6個終わっていれば、件数では60パーセントです。ところが残りの4個が重い作業で、工数の見積で見ると全体の70パーセントを占めていたなら、工数での進捗率は30パーセントです。どちらも正しく、どちらも嘘ではありません。単位が違うだけです。

だから最初に決めるのは、どの単位で報告するかです。決め方の目安は、報告を受ける相手が何を知りたいかです。終わる日を知りたい相手には工数が向きます。作業の消化が滞っていないかを見たい相手には件数が向きます。両方を知りたいなら、2つ並べて出す形にします。1つの数字に混ぜてはいけません。

もう1つ、分母を固定するかどうかも先に決めます。進行中に作業が追加されると、分母が増えて進捗率が下がります。これは正しい挙動ですが、報告を受ける側は「先週より下がった」と受け取ります。分母を変えた週は、変えたことを必ず添えてください。

件数で数える方法と計算例

いちばん手間が少ないのは件数です。作業の一覧があれば、その日に数えられます。

計算例を置きます。案件の作業が40件あり、完了が18件、作業中が7件、未着手が15件だとします。完了だけを数えると、18を40で割って45パーセントです。作業中を半分として数えると、18に7の半分の3.5を足して21.5、これを40で割って53.75パーセントになります。同じ状態で、報告する数字が9ポイント近く変わります。

この差が、人によって数字がずれる最大の原因です。片方の人は完了だけを数え、もう片方は作業中を含めて数えています。どちらの流派が正しいかという話ではなく、決めていないことが問題です。

件数で数えるときの前提は、作業の大きさがそろっていることです。1時間で終わる作業と、3日かかる作業が同じ1件として並んでいると、件数の進捗率は実態から離れます。作業の分け方を見直して、大きすぎる作業は分割してください。目安は、1件が2日以内で終わる大きさです。これより大きいものは、進捗の報告のたびに「まだやっています」しか言えなくなります。

件数で数える利点は、集計が自動で出せることです。作業をカードにして並べている運用なら、列ごとの枚数を数えるだけで済みます。人が電卓を叩く工程がないので、数字が改ざんされる余地もありません。

注意点は、簡単な作業から片付ける癖が付くことです。件数で評価されると分かると、人は軽い作業を先に処理します。件数の進捗率は順調に伸びていくのに、重い作業が最後に固まって残ります。これを防ぐには、次の節の工数か、重み付けを併用します。

工数で数える方法と計算例

終わる日を予測したいなら、工数で数えます。

計算例です。案件の見積が合計200時間で、いま実際に使った時間が90時間だとします。ここで90を200で割って45パーセントとするのは誤りです。使った時間は進み具合ではありません。予定より手間取っていれば、時間を使っただけで何も進んでいない場合があります。

正しくは、終わった作業に割り当てられていた見積時間を足します。完了した作業の見積の合計が70時間なら、70を200で割って35パーセントです。実際に使った90時間と比べると、70時間分の成果に90時間を使っていることになり、手間取っていることも同時に分かります。

この2つを分けて持つと、進捗と効率を別に見られます。進捗は見積の消化率、効率は実績の時間と見積の時間の比です。会議で「遅れている」と言われたときに、作業が進んでいないのか、進んではいるが時間を余分に使っているのかを区別できます。原因が違えば打つ手も違います。

工数で数えるには、実際に使った時間の記録が要ります。ここが多くのチームで詰まります。記録を求めると現場の負担が増え、負担が増えると記録が出てこなくなり、出てこなければ工数での進捗率は計算できません。負担を下げる方法は2つです。単位を粗くすることと、入力の場所を1つにすることです。0.5時間刻みなら、1週間分を2分で入れられます。15分刻みにすると入力が面倒になり、提出率が落ちます。

業務委託の相手に時間を書いてもらう場合は、契約の形に合わせてください。時間単位の契約なら時間の記録が請求の根拠になりますが、案件単位の契約の相手に時間の入力を求めると、契約の性質と合いません。案件単位の相手には、着手から検収までの段階だけを扱う形にします。このあたりの分け方は料金のページに、稼働の記録を扱う追加のオプションの条件としてまとめられています。

作業中のものを何割として数えるか

進捗率の議論で最も揉めるのがここです。着手したが終わっていない作業を、何割として数えるか。よく使われる決め方が3つあります。

1つ目は、0か100だけにする決め方です。終わっていないものは全部0として数えます。長所は、誰が数えても同じ数字になることです。短所は、大きな作業を抱えている期間に数字が動かないことです。作業が細かく割れているチームには、この決め方がいちばん向きます。

2つ目は、0、50、100の3段階にする決め方です。着手したら50として数えます。長所は、動いていることが数字に出ることです。短所は、着手直後と完成間近が同じ50になることです。それでも、本人の主観で「80パーセントくらい」と申告する形より、ばらつきは小さくなります。

3つ目は、作業の中にチェックリストを作って、その消化で割り出す決め方です。1件の作業に5つのチェックがあり、3つ終わっていれば60パーセントとします。長所は、根拠が誰にでも見えることです。短所は、チェックの数がそろっていないと精度が出ないことです。

どれを選んでもよいですが、混ぜないでください。人によって違う決め方をしていると、集計した数字は意味を持ちません。決めたら、判定の仕方を1行で書いて、報告の形式の説明に添えます。書いておかないと、担当が替わった時点でずれ始めます。

本人の主観で割合を申告させる形は、避けたほうが無難です。申告した割合は、遅れているときに高く出ます。悪意ではなく、残りの作業量を過小に見積もる癖が誰にでもあるためです。主観を排して、終わったか終わっていないかだけを聞く形にすると、報告の質が上がります。

90パーセントで止まる現象への対処

進捗率が90パーセントまで順調に伸びて、そこから1か月動かない。この現象は現場でよく知られていて、原因は主観の申告と、最後に残る作業の性質の2つです。

主観で割合を申告する形にしていると、報告のたびに少しずつ上げるしかなくなります。前の週に80と言ったのに今週も80と言うのは、進んでいないことを認めることになるので、85、88、90と刻んでいきます。こうして、実態と関係なく90パーセントに到達します。

もう1つは、最後に残る作業の性質です。仕上げ、確認、他部署の承認、取引先の返事といった作業は、自分では進められません。この種の作業を含めて1つの進捗率にしていると、自分の手が空いていても数字が動かない期間ができます。

対処は3つあります。1つ目は、主観の申告をやめて、終わった作業の数か見積時間の消化で数える形に切り替えることです。2つ目は、自分たちで進められる作業と、相手を待つ作業を分けて数えることです。待ちの作業は件数で持ち、いつ誰に何を投げていて、いつ返ってくる予定かを別に持ちます。3つ目は、残りの作業を数え直すことです。90パーセントから動かないときは、残り10パーセントの中身が実は30パーセント相当あることが多いです。

数え直すと数字が下がりますが、下げてください。下がった数字を報告するのは気が重いですが、動かない90パーセントを2か月続けるほうが、信用を失います。数え直した理由と、新しい分母を添えて報告すれば、受け取る側は理解します。

重み付けをする場合の決め方

件数では粗く、工数の記録を取るのは重い。その中間が重み付けです。

決め方は単純にします。作業を大、中、小の3つに分けて、それぞれ5、3、1の重みを付けます。細かく刻む必要はありません。合計の重みが分母、終わった作業の重みの合計が分子です。

計算例です。大が4件、中が10件、小が20件なら、合計の重みは4かける5で20、10かける3で30、20かける1で20、合わせて70です。終わったのが大1件、中4件、小12件なら、5足す12足す12で29、29を70で割って41.4パーセントになります。同じ状態を件数だけで数えると、17件が終わって全34件なので50パーセントです。9ポイント低く出るのが、重い作業が残っている実態です。

重みを付けるのは、作業を並べた時点で1回だけにします。毎週見直すと、重みの調整で数字を動かせるようになり、指標としての意味が薄れます。見直すのは、作業を追加したときと、想定より大きかったことが判明したときだけです。

重み付けの利点は、簡単な作業を先に消化しても数字が伸びないことです。件数の進捗率が持っていた癖を、これで打ち消せます。カードに項目を追加できる道具であれば、重みを項目として持たせて、列ごとに合計を出す形にできます。どの項目を自由に足せるかはできることのページに並んでいます。

期間の経過と並べて読む

進捗率だけを見ても、遅れているかどうかは分かりません。並べるべき数字は、期間の経過です。

やり方は、締切までの稼働日のうち、いま何日目かを割合で出すだけです。全20営業日のうち12日目なら、期間の経過は60パーセントです。進捗率が41パーセントなら、19ポイント遅れています。進捗率が65パーセントなら、5ポイント先行しています。

ここで暦の日数ではなく稼働日で数えることが重要です。暦で数えると、土日と祝日を挟んだ週に見かけ上の遅れが出ます。月末に休みが固まっている月は、暦の経過と稼働の経過が1週間分ずれます。カレンダーの形に左右されない数字にするには、稼働日で数えてください。

遅れの幅をどこから警戒するかも、先に決めておきます。10ポイントを超えたら手を打つ、という基準を置くチームが多いです。基準を決めずに毎週眺めていると、遅れが積み上がるまで動きません。

2つの数字を並べる形にすると、会議の時間が短くなります。進捗率と期間の経過を並べた表を全員が同じ画面で見ていれば、説明が要りません。遅れている案件だけを話せます。カードの期間を横棒で並べる形のボードがあると、締切に対して終わっていないものが視覚的に分かるので、数字を出す前の一次判断ができます。

進捗の数字を集める運用

計算方法が決まっても、集める運用が重ければ続きません。集め方を3つの観点で決めます。

頻度は、案件の長さで決めます。3か月の案件なら週に1回、2週間の案件なら隔日です。長い案件を毎日聞くと報告が形式になり、短い案件を週1回聞くと手遅れになります。案件の長さのおよそ10分の1の間隔が目安です。

聞き方は、割合を聞かないことです。「何パーセントですか」と聞くと主観の数字が返ってきます。「終わったものはどれですか」と聞けば、事実が返ってきます。割合は聞く側が計算します。この順番にするだけで、報告の精度が上がり、報告する側の負担も減ります。

集める場所は1つにします。チャットで報告させ、表計算に転記し、報告資料に貼り直す形にしていると、転記のたびに古くなります。作業の状態が記録されている場所が1つあって、そこから数字が出る形にしてください。転記の工程がなくなると、集計にかかる時間がほぼ0になります。

報告の場を会議にするかどうかも決めます。数字を読み上げるための会議は要りません。全員が同じ画面を見られるなら、会議で扱うのは遅れている案件の対処だけで足ります。会議の時間が半分になったという話は、この形に変えたチームからよく聞きます。

複数の案件をまとめた全体の進捗率

案件が1つなら計算は簡単ですが、部署で10案件を抱えていると、全体の進捗率をどう出すかという問題が出ます。

やってはいけないのが、各案件の進捗率を単純に平均することです。作業が3件の案件と、作業が200件の案件を同じ重さで平均すると、小さい案件の進み具合が全体を動かします。小さい案件を1つ終わらせるだけで全体の数字が跳ね上がり、実態を表しません。

正しいのは、案件をまたいで分子と分母を足す形です。全案件の作業の合計を分母にして、終わった作業の合計を分子にします。工数で数えているなら、全案件の見積時間の合計と、終わった作業の見積時間の合計で割ります。この形にすると、規模の大きい案件が自然に重く反映されます。

ただし、全体の進捗率は使いどころが限られます。数字が1つになった瞬間に、どの案件が遅れているのかが見えなくなるからです。全体の1つの数字より、遅れている案件の件数のほうが判断に使えます。期間の経過に対して10ポイント以上遅れている案件がいくつあるか。この数え方なら、手を打つ先が分かります。

上に報告する数字と、自分たちが手を打つための数字は、分けて持ってください。上に出す全体の進捗率は1つでよく、自分たちが毎日見るのは案件ごとの一覧です。同じ表から両方が出る形にしておけば、二重に管理する手間は要りません。

案件をまたいだ一覧を作るときは、案件の名前を必ず添えます。数字だけが並んだ表は、読む側が案件を思い出せないので質問が増えます。締切と担当者も同じ行に置いてください。

表計算で進捗率を管理するときの組み方

集計を自動にするまでの間は、表計算で管理することになります。後から道具に移すことを前提にした組み方を書きます。

1行を1作業にして、列に案件名、作業名、担当者、状態、見積時間、重み、締切を置きます。この7列があれば、件数、工数、重み付けの3つの進捗率が全部出ます。列を増やすのは後からできますが、1行を1作業にする形を崩すと、後で移せなくなります。

状態の列は、自由入力にしないでください。プルダウンで未着手、作業中、完了、待ちの4つから選ばせます。自由入力にすると「ほぼ完了」「確認中」「一部done」のような値が増えて、集計の式が全部外れます。値の種類を4つに固定することが、集計を自動にする前提です。

待ちの状態を独立させておくのが要点です。自分たちで進められない作業を作業中に混ぜると、前の節で触れた90パーセントの停滞が起きます。待ちを別の値にしておけば、待ちが何件あるかをいつでも数えられます。

進捗率の式は、集計の関数で状態を数える形にします。完了の数を全体の数で割る式を1つ置いて、作業中を半分として数えるかどうかは式の中で決めます。決めた内容を、表の余白に日本語で1行書いておいてください。式だけが残っていると、半年後に担当が替わったときに数え方が変わります。

案件ごとの集計は、別のシートに置きます。同じシートに小計の行を混ぜると、並べ替えたときに小計が動いて壊れます。1枚目は作業の一覧だけ、2枚目が集計、3枚目が判定の決まりという分け方が安全です。

ファイルを共有する場合は、同時に開いたときの扱いを確かめてください。10人で同時に編集すると、入力が消える事故が起きます。集計だけを表計算に残して、状態の更新は各自が触る場所を分ける形にすると、事故は減ります。

報告先ごとに出す数字を変える

同じ進捗率を全員に同じ形で出す必要はありません。相手が判断に使う数字だけを出すほうが、質問が減ります。

案件の担当者に出すのは、自分の作業の残りの件数と、締切までの稼働日です。割合は要りません。割合を見せても、本人が次に何をするかは変わりません。残りが何件で、あと何日あるかが分かれば足ります。

とりまとめている人に出すのは、案件ごとの進捗率と期間の経過の差です。遅れの幅で並べ替えた一覧があれば、上から順に対処できます。ここでは全体の平均は要りません。

部門を見ている人に出すのは、遅れている案件の件数と、その中で人手が足りないものの件数です。個別の案件の割合を並べても、その立場からは手が打てません。判断は人の配置か、締切の交渉か、範囲の削減のいずれかなので、それを決めるための材料を出します。

取引先に出す数字は、さらに絞ります。細かい作業の消化率を出すと、社内の事情まで説明することになります。段階で示す形が無難です。着手、設計の確定、実装、検証、納品の5段階のうちどこまで来たかを示して、次の段階に移る予定日を添えます。割合を出すと、80パーセントの意味を聞かれて説明が長くなります。

4つの相手に4つの資料を作るのは手間ですが、元の1つの表から抽出しているなら手間ではありません。表を4つ作らないことが条件です。

進捗率に使ってはいけない数え方

最後に、使われがちだが判断を誤らせる数え方を挙げます。

かかった時間を見積時間で割る形です。使った時間は進み具合ではありません。この式だと、手間取って時間を使うほど進捗率が上がります。予定の時間を全部使い切った時点で100パーセントになりますが、作業は終わっていません。

経過した日数を全体の日数で割る形も、進捗率ではありません。それは期間の経過であって、進み具合とは別の数字です。並べて読むための数字として持つのは有効ですが、進捗率として報告してはいけません。

書いた行数や作った資料の枚数のような、量の指標も向きません。量は品質と無関係に増やせるので、指標にすると増やす方向の行動を招きます。

そして、本人の自己申告の割合です。前の節で触れたとおり、遅れているときに高く出ます。使うなら、自己申告と客観の数え方を並べて出して、差が大きい案件を見る形にしてください。差そのものが、確認すべき場所を教えてくれます。

数え直しが必要になる合図

進捗率の計算方法を決めたあとも、数え直しが必要な場面があります。合図を3つ挙げます。

1つ目は、進捗率が2週続けて動かないときです。作業が細かく割れていれば、2週間で1件も終わらないことは起きません。動かないのは、いま抱えている作業が大きすぎるか、待ちに入っているかのどちらかです。作業を割り直すか、待ちに移して数え直します。

2つ目は、完了の件数が一気に増えたときです。期末や納期の直前に、まとめて完了に移す動きが出ます。実際に終わっているなら問題ありませんが、確認を省いて移している場合は、後から戻ります。1日で完了が10件増えた日があれば、中身を見てください。

3つ目は、分母が増えたときです。作業の追加は進行中に必ず起きます。追加した分を分母に入れた時点で進捗率は下がるので、下がった理由を添えて報告します。添えずに出すと、遅れたと受け取られます。

3つとも、数字を見ているだけでは気づけません。前の週の数字を残しておく形にしてください。今週の数字しかない表では、動いていないことに気づけません。

集計を手作業でなくすと、数字が疑われなくなる

最後に、進捗率を道具の側で出す形について書きます。

人が集計している限り、数字は疑われます。集計の途中に主観が入る余地があり、都合の悪い数字を丸める余地もあるからです。疑われる数字は、会議で検算されます。検算に使う時間は、本来の議論に使われるべき時間です。

作業をカードにして、列で状態を表す運用にしておけば、列ごとの枚数がそのまま件数の進捗率になります。カードに見積の項目を持たせておけば、工数の進捗率も同じ画面から出ます。重みを項目にしておけば、重み付けの進捗率も出ます。集計の工程がなくなると、数字の出どころを誰でも辿れるようになり、検算の必要がなくなります。

業務委託の相手を含む案件では、稼働の記録と進捗の記録を同じ場所に置く形が効きます。時間の記録だけがあって進捗の記録が別の場所にあると、請求の妥当性を説明するときに2つの資料を突き合わせる作業が発生します。稼働を週ごとに提出して承認する形と、作業のカードを同じ場所で扱えるかどうかは、できることのページの稼働の記録の項に条件が書かれています。上限の数え方や追加のオプションの扱いはよくある質問にまとまっています。

いま別の道具でボードを運用していて、進捗の集計だけが手作業になっている場合は、移す前に何が運べるかを確かめてください。カードやコメントがどこまでそのまま運ばれるかはTrelloからの移行のページに項目ごとに並んでいます。他の道具と条件を並べて比べたい場合は比較の一覧を見ると、上限の切り方の違いが分かります。どの道具を使うかより先に、分母と作業中の数え方を1つに決めることが、進捗率がずれる問題の根治になります。

Q1. 進捗率は件数と工数のどちらで計算すべきですか?

報告を受ける相手が何を知りたいかで決めます。終わる日を予測したいなら工数、作業の消化が滞っていないかを見たいなら件数が向きます。両方が必要なら2つ並べて出し、1つの数字に混ぜないでください。同じ状態でも単位が違えば数字は変わり、混ぜた数字はどちらの判断にも使えなくなります。

Q2. 作業中のタスクは何割として数えればよいですか?

0と100だけで数える、0と50と100の3段階で数える、作業内のチェックリストの消化で数えるの3つが使われます。どれでも構いませんが、チーム内で1つに統一してください。本人の主観で割合を申告させる形は、遅れているときに高く出るため避けたほうが無難です。

Q3. 進捗率が90パーセントから動かなくなるのはなぜですか?

主観で割合を申告する形になっていると、報告のたびに少しずつ上げるしかなくなり、実態と関係なく90パーセントに達します。加えて、最後に残るのは承認待ちや取引先の返事など自分では進められない作業です。残りの作業を数え直し、自分で進められるものと待ちのものを分けて数えてください。

Q4. 遅れているかどうかはどこで判断しますか?

進捗率と、締切までの稼働日のうち何日目かという期間の経過を並べて読みます。全20営業日のうち12日目なら経過は60パーセントで、進捗率が41パーセントなら19ポイント遅れています。暦の日数ではなく稼働日で数えてください。遅れが10ポイントを超えたら手を打つ、という基準を先に決めておくと動けます。

ブログ一覧へ